悪魔族は贔屓しない。   作:倭猛らない

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捧げろ。
捧げろ。
捧げろ。

鮮血の供物



デッキ構築を見直す。

 

 

「ライデス、デソードは3枚じゃなくていいかもしれない」

 

「だなァ。それぞれ2枚までにして……「屍徒(しと)」か「死獣(しじゅう)」のカードに差し替えっかァ」

 

 

 テーブルに互いのデッキを広げて談議する。いやぁ〜、試合の振り返りながらデッキの構築を見直すのは定番だよな。

 

 ただ、取り巻き皆でテーブル囲むのはやめて欲しい。圧がすごい。別に良いけどさ。

 

 ……俺ももう少し、自分から動けるような悪魔族モンスター入れようかな。ちょっと相手の動きに合わせ過ぎだと思い始めた。

 

 ブイエール。お前は、クビだ!

 

 

『そんなぁー』

 

 

 あばよ!……次何入れようかな。マークシアス?ザーガン?ハファルス?マファルス?

 

 悪魔族のいい所は、差し替えに楽しみがある事。どう動いてくれるか、どう作用してくれるか。回してみないと分からないし、出番がなければ分からない。

 いや、他のテーマも同じだけど……殆どは主軸となる数種のカードがあれば良いってだけの構築も多いし。代わり映えのない勝ちパターンなぞって楽しいならそうしてれば良い。

 

 でも「運命(ディスティニー)のドロー」、俺は良いと思います。デッキが想いに答えてくれるって、詩的(ロマンチック)で良いじゃないか。手札眺めながら四苦八苦する方が、俺的には好きってだけで。事故らないに越したことはないしな。

 

 おい、シルファード。お前ら「七大罪科(デビルズシン)」のサポートカードって無いのか?

 

 

『数世紀前に全て燃やされている。全く忌々しい』

 

『だが、いくら焼こうか潰そうが原初(オリジン)カードは破壊不可能だ。大方、向こう(ヨーロッパ)の「審札教会(ジャッジメント・ドグマ)」の奴らが封印して所有してんじゃねーか?』

 

 

 Oh。

 

 ペッ、と唾でも吐き出しそうな程に不機嫌なシルファードの言葉を引き継ぎ、マルモーンがそう言った。なんか特大の厄ネタ聞かされた気がするが、努めて冷静にスルーします。

 

 

「にしてもよォ、「仕切り直し」であんな引きは初めてだったぜェ」

 

 

 ライデスとデソードをスリーブから外し入れながら、藤は言った。まぁ相手が俺だったからな。仕方ない部分もあるだろう。ごめんね、強くて。

 

 お互いに手札を引き直す系のカードは、全部100%俺が勝つからなぁ。聖も全部そういう系のカードは抜いてたっけか。今思い出した。

 

 さて、こっちは何を差し替えようかなぁ。「浄化の光」もいらない気がする。てか、そうするならもう「悪魔の烙印(デビルズブランド)」も抜こう。「悪魔の烙印(デビルズブランド)」からの「浄化の光」で、相手モンスターを処理できたことあるっけ?よく覚えてない。そんぐらい現実味のないコンボだよな。

 

 さて、何を代わりに入れるかだ。なるべく軽めの、それでいて仕事をしてくれる感じの「序列(デーモンズ)」カードを探そう。汎用でもいいな。

 

 

「なァ」

 

「どうした?」

 

「差し替えたらもう一戦やろう」

 

「俺も同じこと言おうとしてた」

 

「決まりだなァ」

 

 

 にひっと笑い合いながら、お互いに構築を見直す。その姿に当てられてか、テーブルを囲んでいた取り巻きの不良たちも床に座り込んでデッキを弄り始めた。

 

 うんうん、カードゲーマーかくあるべし。だな。

 

 

「こいつらは雑魚だけどよォ、それでも強くなりてェって気持ちは本気(ガチ)だぜ。後で何人かと戦ってやってくれや」

 

「それならトーナメントしようぜ。俺と藤をトーナメント表の両端においてさ」

 

「いいねェ」

 

 

 俺、旅に出て良かった。良い空気吸えてる。

 

 

 





「悪性氾濫首都 パンデモニウム」……燃やされた「七大罪科(デビルズシン)」のサポートカード。制限1のフィールドカード。ゲーム中に一度だけ、「七大罪科(デビルズシン)」モンスターの召喚条件や制限を無視して召喚できる。「審札教会(ジャッジメント・ドグマ)」的には絶許だった。

古き罪科(デビルズシン) 虚栄のルシフ」……燃やされた「七大罪科(デビルズシン)」……というより、シルファード専用のサポートカード。「傲慢」に統合された罪で、シルファードの分霊。他より厳重に封印、保管されている。

古き罪科(デビルズシン) 憂鬱のベルフェ」……燃やされた「七つの大罪(デビルズシン)」のサポートカード。「怠惰」に統合された罪。無理やりフェルベルゴールをフィールドに召喚する効果を持っている。

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