それは悪しきものを祓う光。主の御業。
浄化の光
ヘトヘトで望む三回戦目の相手は、意外な人物であった。
「や。久しぶり、戒」
「……おう、
「君が出るって聞いたからね」
誰からだよ。てかお前そんなフッ軽でいいのか。バトモン部の部長だろ。
こいつは幼馴染の浅草 聖。騎士デッキの使い手。男より女にモテる、美少年のような見た目をしている癖に美少女。顔面つよつよブロンドガール。…………この胸のサイズを見て男だと思う奴がいるのかは、ちょっとよく分からないけど。
元々家が隣同士。同じ病院で産まれて、新生児室でも隣同士だった。家族間の交流もかなりあったんだが……まぁ色々あって。父さんと母さんが死んで、俺が引っ越してからは殆ど会わなくなった。
「さっきの試合、凄かったね。見入っちゃった」
「おかげで疲れたけどな」
「相変わらずの悪魔族デッキでちょっと安心したよ」
「そうか?」
「うん。……体験入部の一件があってから、デッキ変えちゃうんじゃないかって思ってたんだ」
あれか。去年の春頃、俺が悪魔使いとして生きる事の苦しさを知った日。そこに両親の死が重なり、親戚中にタライ回しされた挙句、両親の遺産もぶん奪られそうになるし、まぁだいぶ病んだ時期だ。結局俺は両親が遺した遺産で暮らしていく事にし、切れる縁は全部切った。バトモン部へは正式入部する事なく帰宅部に。
聖の両親から養子の話も貰ったんだけど、人への不信感極まり過ぎて拒否したんだよな。差し伸べられた手すら罠に見えるとか、おかしくなりすぎ。
「ねぇ。もしよかったら入部しない?文句言う人は私が黙らせるから」
「お前そんなパワータイプだったっけ?」
グッと拳を握りながら言う聖。顔面偏差値最上位勢の怖い顔はホントに迫力あるな。……入部かぁ。ま、ちっと遅かったよなぁ。
「悪いけど、遠慮する。俺みたいなのは輪を乱すし、居るべきじゃない。それに……」
「バイト、してるから?」
「……」
なんで知ってんのお前。クラスの連中はおろか、他人に言ったことねぇよ。職場も離れてるし、言っちゃなんだが子供達やその保護者、近所の人達以外あんまり来ないマイナーショップだから勤務中の姿を見られる事も無いハズなんだが。怖〜。
「一週間くらい前に、迷惑客をワンターンキルしたって聞いたよ。フェルベルゴールが初期手札に来るなんて珍しいね。そういえばあのショップの店長さん凄く美人さんでびっくりしたなぁ。確か、ストリートバトルで勝った時にスカウトされたんだよね。ああいうタイプが好みなの?言ってくれれば髪黒く染めて伸ばすのに」
ひえっ
「……なんでも知ってんなお前」
「なんでもは知らないよ。戒の事だけ知ってる」
「ん、んー……そうか」
こんな……こんなストーカー気質な性格じゃなかったような気がする。昔は妙に姉面して俺を連れ回したもんだが。厳密には俺の方が先に産まれてたのに。……話はここまでにしよう。余計な考えはプレイングを鈍らせる。
「積もる話はあるが、とりあえず……」
「そうだね、終わったら話そうか」
「「
……久しぶりだなあ、聖とやるのは。確か騎士デッキはめちゃめちゃドローして大量展開、
特にエースの「王の騎士」はワンパンで満タンのライフポイントを消し飛ばせるスーパーパワーモンスター。大体のモンスターがドロー効果と追加召喚効果を持ってて、妨害しても止まりにくいデッキであるのも特徴。できるだけ初期手札に妨害の「
さーて、初期手札は……。
「浄化の光」
「
「
「
……うーん、こういうこともあります。「浄化の光」は相手と自分の悪魔族モンスターを1体ずつ破壊するスペル。「
「どっちが先行取る?」
「じゃあ、私が貰おうかな」
「了解だ。じゃあ……」
「「
俺達の戦いはこれからだ────!
そこは悪魔達の遊び場。賭けられるのは契約者の魂。