第一話 プロローグ
俺は16歳のピチピチの高校生だ。
いや「だった」というべきだろうか。
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一週間ほど前だったろうか。
「なぁ、浩介 そろそろ勉強した方がいいんじゃねぇか?」
そう教室の机に肘をつきながら話しかけてくるのは
中学校の頃からの親友の秋人こと「篠原秋人」だ。
「いや?俺はゲーム一筋で生きてくって決めたからな。」
そう答えたのは俺、「松原浩介」だ。
俺は、小学校、中学校の頃からほとんどの種類のゲームが得意だった。
その才能を見込まれてか、両親は俺がeスポーツ部に入るのを許可してくれた。
そして今年の夏、俺は一年生で全国大会寸前まで登り詰めた。
周りからは尊敬と嫉妬のこもった目で見られたが、それは関係ない。
しかし、だ。
相変わらず俺は勉強に関してはあまりできなかった。
いや、「あまり」という優しいものではないか。
「全然」できないのである。
しかしそんな俺を学校は、これまで退学や停学などの処置にはしなかった。
なぜかって?
それは俺には全国大会に行けるほどの実力者だからだ。
だからあまり勉強しなくても学校にはいれるか。
とまぁ、そんな感じにたかを括ってきた。
そんな気分絶好調の時にその時は訪れた。
「だとしても!この成績は少し不味くねぇか?」
「いやいや、大丈夫だって、」
そんな話をしている最中だった。
「おい、松原 ちょっと来い」
「あ、はい。今行きます」
楽しく話していた俺を呼び出したのは
少し頭頂部の髪の薄さが気になりかけている俺のクラスの担任だ。
「わりぃ、秋人 ちょっと行ってくるわ」
「お、おう。まぁ、頑張れよ。」
秋人は何かを察したように寂しそうな悲しそうな
そんな目をしてこちらを見ていた。
そして
話の後、俺は絶望していた。
結果から言おう。俺は退学になった。
理由はもちろん勉強に関してだ。
10単位中8単位も落としてしまっていたらしい。
さすがにそこまで勉強できないやつを学校に置くのはいけない。
そう考えたのだろう。
馬鹿な奴らだ。こんなに才能に満ち溢れた俺をそんな処分にするなんて。
そんな思ってもいないようなことを思いながら
俺は教室に戻ってきた。
そこには残念そうな顔をした秋人がいた
「知ってたのか?」
「うん、まぁ、そんな感じの話を先生達が話してるのを偶然聞いちまってな。
まぁ、なんていうか、うん。残念だったな。」
「はぁ、これからどうすればいいのかな。」
「....まぁ、今日くらいは一緒に帰ってやるよ。」
「いや、いいよ。今日は1人でいたい。」
そんな会話をした気がする。
その後、家に帰って親に叱られた。
殴られた。泣かれた。
そして最後には母さんに
「あんたなんてうちの子じゃありません!出てって!」
とまで言われてしまった。
いつもは頼りにしている父親でさえもその選択には納得のようだった。
そして、家を出た。
祖母にせめてもと持たされた少しのお金を持って。
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そして、今に至る。
幸い、ご飯はコンビニで買えるし、
寝る場所は公園のひとめのつかないところで寝ればなんとかなった。
それでも、限界はあった。
これまでゲームしかしてこなかった俺には
外で何日も生きていくための筋力がなかった。
せめて指先の操作くらいだろうか。
そんなものがあっても関係ないというのに。
あぁ、なんでこれまで全然勉強してこなかったんだろうなぁ。
そんな後悔をずっとしつつも今日も公園の近くで休もうとしていた。
そんな時にその声は聞こえた。
「――だから、あんたが――」
「おまえこそ――」
見つけたのは、痴話喧嘩の真っ最中っぽい三人の高校生だ。
男二人に女が一人。
制服は俺が通っていたものと同じ学校のものか。
いや、あの顔は見たことがある。
秋人だ。たまに秋人繋がりであっていた誠治の姿もある。
あの女子は....えっと、秋人がこの前少し意識していたように見えた子か。
名前は確か....あ、そうそう「七星」、「七星静香」だ。
そんな感じに気を取られていた俺は後ろから迫る鉄の物体に気づかなかった。
誠治はこちらに気づいたようか、青ざめた顔で何かを言っている。
俺の顔、そんなにおかしいだろうか。
いや、俺も自分ではあまりいい方ではないと思っているが
見たもの全てに恐怖されるような恐怖の象徴ではないとは思っている。
その時、後ろからエンジン音が聞こえた。
咄嗟に振り返る。
トラックだ。
運転手は 寝ている!
まずい!このままでは!
そう思い、俺は秋人のいる方に声を上げようとして、
できなかった。
その頃にはすでにトラックに轢かれていた。
肋骨あたりが折れたらしい。
声が出せない。呼吸をしようとすると胸が苦しくなる。
このままだと少なくとも俺は死ぬ。
そう思い秋人の方を残った力を振り絞って見た。
すると小太りの38歳くらいのおっさんが誠治を突き飛ばしている。
秋人は七星を出して、必死に守ろうとして、すでに轢かれた俺に気づいた。
彼は戸惑いの強い顔をしていた。
それが俺が最後に見た光景だった。
あぁ、このまま俺は死ぬのだろうか。
こんなゲームばかりの人生で。
秋人みたいに素敵なガールフレンドはいなかった。
そもそも俺はあまり女性に興味がなかったのはあるだろう。
しかし、いないものはいなかった。
俺は祈った。
何かのアニメやソシャゲで見た「転生」というものを。
次があるならやり直したい。
せめて親に失望されないくらいには努力をしたい。
それこそ可愛いガールフレンドが隣にいるような幸せな人生を迎えたい。
だから、だから、、!!
それが俺が最後に思った言葉だった。
幼少期ペース早目のほうがいいですか?
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飛ばせ
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結構早めでいいよ
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ちょい早めで
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今と同じくらい
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もっとおそくしろ