午後は剣術をする。それが家族で決めた内容だ。
剣術はパウロが教えてくれる。
かと言っても剣術の本格的な授業は五歳かららしい。
そこまでは、知識や、心得などの基本的な部分を教わる
それで分かったことがある。
剣術には主要なものは三種類ある。
一つは『剣神流』まさに先手必勝の流派だ。パウロが1番好きな流派らしい。
一つは『水神流』これは、剣神流の逆で、待つ流派だ。
一つは『北神流』これは先ほどの二つとはまた違く、いろんな戦い方がある流派だ。パウロはこれが嫌いらしいが、俺は結構好きだ。俺は生前、格ゲーをしていたが、格ゲーは先手必勝では勝つことができない。かと言ってずっと守りに徹し続けても勝つことができない。よって『北神流』に1番興味があった。
しかし、だ。
パウロ曰く「あれは剣を使って戦っているだけで剣術ではない」とのことらしい。
あんまり教えてもらえないのかなぁ。
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五歳になった。
なんと、俺はこの2年で、魔術を習得できた!
まぁ、習得できたといっても
水系統魔術 中級
火系統魔術 中級
風系統魔術 初級
土系統魔術 中級
治癒魔術 初級
解毒魔術 初級
なのだが。
さらに、火系統魔術の初級なら無詠唱でできるようになった。
兄であるルーデウスと比べたら、まだ全然劣る。
けどロキシー曰く、それでもすごいことのようだ。
まぁ、ルーデウスは攻撃魔術の上級までを全て無詠唱でできるようだが。
本当に尊敬できる兄だよ。ハハハ。
あと、ルーデウスがあまり外に出たがらないため、
俺もまだ家の外には出たことがない。
兄を差し置いて勝手に外に出るのはいけないと思ったし、
最近は授業が多く、忙しく、時間がないからだ。
そんなことより、
この世界では五歳になると軽いパーティが行われるらしい。
ちゃんと祝ってもらえてありがたいね。
誕生日プレゼントでは、パウロが俺たちに剣を渡してきた。
それぞれ2本ずつだ。
一本は五歳児が持つには少し大きい木刀。
2本目は少し傾けると光が反射するような真刀だ。
こんなもの貰っちゃっていいんすか?
俺は前世の記憶があるからまだしも、
ルーデウスはそんなものないと思うっすよ?
適当にブンブン振り回したら周りに被害が出るかもっすよ?
本当にいいんですか?
するとパウロが話し始めた。
「男は心の中に一本の剣を持っておかねばならん、大切な者を守るには―――」
俺はすぐに終わるだろうと思って最初はしっかりと聞いていたが、
内容を聞くにつれ、パウロから熱意のようなものが伝わってくるのが分かった。
ちょっと長いな。
そんなことを思っていたのがゼニスにバレたのか、
ゼニスがパウロに「長い」と窘めた。
パウロは苦笑し「ついては、必要な時以外はしまっておくように」と締めくくった。
恐らく、パウロが与えたかったのは、剣を持つことへの自覚と覚悟なのだろう。
ゼニスからは、靴と帽子をもらった。
「エドは、昔からパウロの剣を見るのが好きだったから
将来は、パウロみたいにしっかりと運動してもらいたいと思って」
そう言われて、もらった靴と帽子を見た。
見たら分かる。高いやつやん。
きっと前世でよく売られていたものと同じくらいの性能はしているだろう。
これは頑張らないとな。
「ありがとうございます。母さま。母さまの期待に応えれるように頑張ります!」
ロキシーは俺たち兄弟2人に小さな杖を一本ずつ渡した。
「先日作成したものです。
エドが初級魔術を覚えたのは随分前でしたが、
師匠は初級魔術が使える弟子に杖を作るものでした。申し訳ありません」
その後、ロキシーはルーデウスにも同じようなことを言っていた。
『はい、師匠、ありがとうございます』
ルーデウスとセリフが被った。
さすが双子だね。
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そしてその翌日。本格的な剣術の鍛錬が開始された。
基本的には素振りや型を中心に。
庭に作成された木人相手に、型や打ち込みの具合を見たり、
父親相手に打ち合いをして、足運びや体重移動の訓練をしたり。
ルーデウス相手に、練習試合をしたりなど、いろんなことをした。
例えば、パウロが俺たちの目の前で大きい岩を切って、
実践してみろ。と言ってきたことがあった。
まずは兄であるルーデウスの番だ。
兄が、真刀で切ろうとしたところ、剣は岩に弾かれてしまった。
岩は傷一つついていない。
ルーデウスはパウロに助けを求める顔をした。
「クっと踏み込んでザンッ! って感じだ」
「こうですか!?」
「馬鹿者! それじゃぐぅっと踏み込んでドン! だろうが!
クッと踏み込んでザンだよ! もっと軽やかにだ」
パウロはそんな説明をしていた。
ルーデウスは何を言っているのかわからないみたいな顔をしていたが、
俺は何となくだが理解することができた。
そして、次は俺の番になった。
「では行きます。」
目の前には大きな岩。
構える剣。
果たして本当に切れるのだろうか。
「はあぁ!!」
思いっきり振った。
剣は岩に弾かれた。
くそっ。流石に無理か。
「んお?」
パウロのそんな声で前を見た。
岩には少しヒビが入っている。
「いい剣筋だった。しかし、あのままではうまく———」
その説明を聞いている時にチラッとルーデウスの方を見ると
不貞腐れたような顔をしていた。
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パウロは基本的に剣神流と水神流を教えてきた。
俺は北神流の方がいいと思ったのだが。
そう思って俺はパウロに何回も北神流を教えてくれと頼んだのだが、
パウロはあまり乗り気ではなかった。
それもいいと思うのだが。
パウロ曰く、俺には剣士の才能があるらしい。
嬉しいことだ。
魔術ではルーデウスに劣っているが、剣術では勝っている。
ルーデウスはそんな俺に対して
「俺もいつか追いつくからな?」
と、競争心を燃やしている。
幼少期ペース早目のほうがいいですか?
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飛ばせ
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結構早めでいいよ
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ちょい早めで
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今と同じくらい
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もっとおそくしろ