学生転生〜兄と一緒に本気出す〜   作:腐ってもタイ

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第七話 師と呼べるもの

その日、アスラ王国の首都アルスに1人の男がいた。

 

その男の今の名前は「シャンドル・フォン・グランドール」という。

シャンドルは北神流の猛者であり、たくさんの弟子を持っている。

彼は最近、紛争地帯で傭兵業をしていたが、勤めていた国も一区切りついたので、また、新たな弟子を取ろうと、アスラ王国に来てみたのである。

しかし、アスラ王国にはすでに自分が教えた弟子がたくさんおり、弟子候補はすでに、自分の弟子に取られており、北神流の募集が全くないのである。

 

(王龍王国にでも行くか。)

 

シャンドルはそう思い、その場を去ろうとした際に一つの募集に目が止まった。

 

「お、北神流の募集あるじゃないですか。」

 

彼はそう思い、場所を確認した。

 

「ええっと、フィットア領のブエナ村というところですか。

 教える人は8歳の子供と、その親 と。

 なかなかいい募集ですね。」

 

最近、シャンドルは紛争地帯で忙しい毎日を送っていたので、久しぶりに平和な田舎に行きたいとちょうど思っていたところだった。

 

シャンドルはその募集を取り、自分の借りている宿に戻り、バッグに色々と物を入れたのであった。

 

 

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「どうも。シャンドル・フォン・グランドールと申します。

 ここで北神流の家庭教師を募集していると聞いてやって参りました。」

 

そうして、シャンドルは今ここにいる。

途中、ロアの街に魔術の天才少年がいると聞いて、見に行こうとしてしまったから予定より少し遅れた到着となった。残念なことに、門前払いされてしまったが。

 

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エドルート視点

 

俺は驚いた。

別に前回のように年齢や見た目に関して驚いたわけではない。

素人の俺からみても、隙が少なすぎるからだ。

パウロの方もチラッと見ると、彼も驚いていた。

 

「私が教えるのはそこのお二方でしょうか。」

 

「えぇ。そうです。」

 

ノルンを抱えたゼニスが返事をする。

 

「では、早速稽古をつけたいのですが、よろしいでしょうか。」

 

「わかった。こっちの庭に来てくれ。ほら、エドも。」

 

パウロが反射的に返事をした。

 

庭についた。

 

「では、まずはお二方の今の実力をはかりたいと思うのですが、よろしいでしょうか。」

 

「いえ、その前に俺たちに自己紹介をさせてくれ。」

 

パウロがそういい、家族全員が自己紹介をした。

 

すごいな。パウロが珍しく緊張している。

 

「わかりました。ではまずパウロさん。一回手合わせしましょう。」

 

パウロが頷いた。

 

2人が木刀を持つ。

 

「では、はじめ!」

 

俺がそう宣言したその瞬間、シャンドルがブレた。

 

それに何とかパウロが対応する。

 

そこからさらにシャンドルが打ち込む。

 

パウロはまた、対応したが、シャンドルが打ち込むたびに、パウロは疲れてきているのがわかる。

 

そして、数秒後、パウロの脇腹にシャンドルの木刀が当たった。

 

「終わり!」

 

パウロは息切れをしている。

 

「パウロさんはなかなか筋が通っていますね。私の攻撃にも何回も対応できた。

 さらには、北神流の才能もしっかりとある。

 努力すれば必ず上達します。」

 

パウロは嬉しそうだった。

 

「では、次はエド君の番です。ほら、木刀を構えて。」

 

「あ、はい!」

 

そう答えていると、横からパウロが小声で言ってきた。

 

「多分あの人は、最低でも王級以上はある剣士だ。しっかりと戦ってもらえ?」

 

「はい!」

 

そして、パウロは俺とシャンドルの間に立ち、

 

「では、はじめ!」

 

「じ」が言い終わった時くらいにはすでにシャンドルはこちらに打ち込んでいた。

 

早い!

 

俺は何とか、それに対応する。

 

すると横からまるで2本目の剣があったかのように首筋に剣筋が飛んできた。

何とか対応しようとするが、多分遅い。

なので俺はあえてしゃがんだ。

すると剣は空を切った。

 

よし、攻めれる。

 

そう思ったその時だった。

 

すでに俺の横には剣が飛んできていた。

 

しかし、その剣は寸止めで止まる。

 

「終わり!」

 

パウロのその言葉でシャンドルは構えを解く。

 

「どうでしたか?」

 

俺は咄嗟にそう聞いた。

 

「なかなかに素質がありましたよ。みた感じ、手先が器用ですね。さらには肩の振り下ろす力も強い。」

 

それは多分前世の影響だな。前世では、コントローラーをずっと触っていたし、負けた時にたまに台パンもしていた。

 

「この子は確実に北神流に向いております。

 しっかりと鍛えて経験を積めば、帝級レベルにはなれるでしょう。」

 

「ち、ちなみに俺は?」

 

パウロがそう聞いた。

 

「パウロさんは王級中位から上位レベルにまではいけるでしょう。

 現に今パウロさんは北聖レベルはあると言っても過言ではないでしょう。

 おそらく北聖の技を覚えていないので、名乗ることは不可能でしょうが。」

 

パウロは嬉しそうだった。

 

「それより、私は正式雇用でよろしいでしょうか?」

 

「もちろん!」

 

そうして、シャンドルは剣術の家庭教師になった。

 

ちなみに部屋は、ルーデウスが元々使っていた場所だ。

 

 

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それから一年が経った。

 

この一年は基本的に剣術をメインでした。

シャンドル曰く、北神流には剣術以外にもあるらしい。

 

ちなみにこの一年で、パウロは聖級に

          俺は上級になった。

 

そんな感じで訓練していたある日、シャンドルは言った。

 

「これからは、エド君には、剣術以外の武術を習得してもらいます。」

 

「それはなぜ?」

 

反射的に聞いた。

 

「エド君は剣術以外の方が伸びると思ったからです」

 

シャンドルが言うなら間違い無いだろう。

最近はそんな感情すら芽生えてきた。

彼は多分北神流の稽古のエキスパートだ。

そんな彼に従っていれば、何とかなるだろう。

 

「それで、僕は何の武術を学ぶのですか?」

 

「こちらです。」

 

シャンドルはそういい、バッグの中から、一つの武器を取り出した。

 

「鞭術です。」

 

「鞭、ですか?」

 

ルーデウスが見たら、変な妄想をしそうなものが出てきたな。

いや、今はそんなことは関係ない。

 

「そうです。鞭です。この道具はある程度の力があるものが使うと、」

 

そういいながら、シャンドルは鞭を一振りした。

すると、衝撃波のようなものが発生する。

ソニックブームだ。

 

「このように、音の速さを余裕で超え、衝撃波を出すことができるのです。

 また、ある程度の速度を超えれば、」

 

そう言いながら、もう一度一振りする。

すると、今度は鞭が、光ったように見えた。

 

「剣神流奥義の、光の太刀を簡単に出すことができます。」

 

「おおっ!」

 

横で見ていたパウロが、感動したような顔をしている。

その後、「俺はっ。俺はっ!」といいたそうな顔をしていた。

 

シャンドルはその顔を読み取ったのか、こう言った。

 

「いえ、パウロさんには剣術の方が向いていると思うので、指導はこのままでいきます。」

 

あ、パウロが悲しそうにしてる。

けど、すぐに元の表情に戻った。

 

「それで、よろしいですか?エド君」

 

「はい!」

 

そう返事したら、シャンドルは嬉しそうな顔をした。

そして、その後曇ったような顔をして、小声で言った。

 

「昔のアレクにエド君のような友達がいればなぁ。」

 

その声は師匠が言うような声音ではない。親が言うような、後悔の混ざった声音だ。

 

よし、ここは聞かなかったことにしよう。

そうだ。俺は何も聞いていない。

 

 

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あれから半年が経った。

俺はシャンドルから、いろんな鞭術を学んだ。

ここで鞭術の技を説明しておこう。

 

「音鞭(ねべん)」これは鞭を振った時の大きな音で、フェイントをする技。

「鞭闇世界(べんやせかい)」前方にのみ集中して、連続で鞭を振る技。

「叩鞭(こうべん)」鞭を地面まで一振りして、相手を斬る技。

「遠鞭(えんべん)」鞭を振った時の衝撃波で、相手を斬る技。

「鞭括(べんかつ)」あえて鞭の威力を弱めることで、相手を括り付ける技。

「上層一線(じょうそういっせん)」上に向けて鞭を振る技。

「回(まわる)」回りながら斬ることで、遠心力の力で威力を上げる技。

 

他にもたくさん教えてもらったが、そこは割愛しよう。

シャンドル曰く

「半年でこんなに覚えれるなんて、やはり才能があったのですね。」

とのこと。

 

武術の話はここまでにしといて、家庭の話だ。

 

最近はアイシャと一緒に礼儀作法を学んでいる。

シャンドル曰く、北神流の剣士はアスラ王国に雇われる可能性が高いので、できるだけ身につけといた方がいいとのこと。

さらに最近は、ノルンとアイシャがすごく懐いてくれる。

可愛いやつらめ。

あと、最近はゼニスに習って、治癒魔術も教えてもらっている。

一応、初級までは使えたのだが、シャンドル曰く

「不死魔族じゃないんですから、治癒魔術は使えた方がいいですよ。」

とのことだったからだ。しかしまだ、中級を習得できていない。

最近は三分の一の確率で成功できるが、それだけでは習得とは言えないだろう。

 

そんなこんやがあって、半年が経った。

 

10歳だ。




ちなみに「鞭術」は「べんじゅつ」と読みます。
技の名前から見てわかる通り、作者にはネーミングセンスがありません。
孫の手先生すごいよね。何食ったら「剥奪剣界」とか思いつくんだろう。
そして、次回は皆さんお待ちかねの会がきます。
お楽しみに。

追記 つい先ほど、感想を確認したところ、シルフィや、妹達との関わりなみたいとの声があったので、次回はそれも含んだ回にしようと思います。

さらに追記
次回の投稿遅くなりそうです

幼少期ペース早目のほうがいいですか?

  • 飛ばせ
  • 結構早めでいいよ
  • ちょい早めで
  • 今と同じくらい
  • もっとおそくしろ
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