ホビアニ風百合異世界に転生して魔法少女もどきしながらTCGやってます(仮題)   作:朝陽祭

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今回で一旦終わりです
もともと一発ネタだったのが思った以上に見てくださった方がいらっしゃったのでここまで続けられました、ありがとうございます
また続きを思いついたら、かけたらよいなと思います


8話

 

 

 

「そうか……築地先生のお子さんの、それもひまりちゃんの方とバトルしたか……いや、和哉君も年齢にしてはなかなかの強さなんだが、ひまりちゃんの方は去年の合宿に築地先生が連れてきたら、最初はともかく合宿の終盤には当時の部員がほとんど薙ぎ払われる程プレイングが上手くなってな……」

 

「つまり、先輩達が鍛えまくった結果があれですか……」

 

 

 

ゴールデンウィーク明けの放課後。

 

北小路先輩とアドラ・ステラの練習をしながら、私は雑談がてらひまりちゃんを話題に出してみた。すると、先輩は遠い目になった。世の中って広いですね……

 

 

 

「しかし、裏面だけのカードが流通してるのも初めて見たんですがそういうのもあるんですね」

 

「まぁ、学校経由で運営に発注しないと提供されないものだからなこれは。うちの学校では利便性の為にカードの表面を印刷したものと組み合わせているが、学校によっては効果等を直書きするから都度発注するらしい」

 

 

 

なお、北小路先輩は普段自分の使う黒単ダークマターではなく、各地のフェザーリーグレギュレーションで入賞したデッキを公認プロキシで再現したものを使っている。なんでも、精霊の影響を受けないので重宝するんだとか。

 

 

「社会に認知を得ているとはいえ、アドラ・ステラは個人の資産による影響が大きい『趣味』だからな……トラブルを引き起こす可能性もあるから、学校で保管する備品としてはこういう方が使い勝手がよいんだ。ちなみにうちの委員会には歴代デッキビルド班が研究という名目で好き勝手作ったプロキシデッキ保管用の部屋もあるぞ」

 

「まぁ、ストレージに置かれるカードだって金銭価値自体は発生しますもんね」

 

 

 

ちなみに生徒が個人で持ち込むデッキのカードはどうなんだというと、精霊達が警備のバイトを引き受けて不可視状態で巡回しているらしく、ドランも気がついたらそのメンバーになっていた。

まぁ、ホビーアニメでよくあるような悪の組織どころか、カード関連で窃盗等の犯罪やカツアゲにシャークトレードみたいな小さなトラブルすら滅多に起きない程には民度がよい世界なので、この程度の警備で済んでるのはある意味すごいと思う。

 

 

 

「そうそう、これは公式ではなくうちの委員会独自の制度なんだが、もしデッキパーツで足りないカードがあれば築地先生に申請を出すといい。理事会での承認が通れば、代理購入してくれるぞ?」

 

「えっ、そんなのもあるんですか!?」

 

「うちの理事会に、OG……いや、辰星は面識あるんだったな確か。天導一薫先輩を中心とした大手カードショップの経営とネットワークを持つ人達が居るからこその荒業だがな……無論、あくまで代理購入だから支払いは行わないといけないし、極度に高額なカードは弾かれるがな?」

 

「あぁ、一薫さんが関わってるんですか」

 

「辰星の知る部活からアドラ・ステラ委員会に変わったのもあの先輩が立役者になったからだしな」

 

 

 

なるほど……最後に会ったのは私が中学入る前だけど、「道流お姉様に関わった世代が居なくなっても、この場所が残るように努力する」とは常々言ってたもんなぁ。

 

それはともかく、いい事を聞いた。築地先生とも相談して、いくつか持ってないカードは申請してみよう。6月の地区大会には、間に合わせるようにしなきゃ……

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★FOCUS:MIKA TENDO☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「……それで、珍しくそちらから呼び出したのはどういう訳なんですか、一薫姉さん?」

 

「あら、可愛い妹に会うのに理由が要るのかしら?」

 

「実の妹より『お姉様』を優先する人がよく言いますね?」

 

 

 

ある日の放課後。私は姉である一薫に呼び出され、カフェでお茶を嗜むことになった。

 

大学生活の傍ら、『お姉様』と慕っている鏑木道流の追っかけと父さんがオーナーを務めているカードショップでバイトをしていて忙しい人が、わざわざ私を呼び出してお茶会なんて何かあるのは明白だ。いや、姉妹関係としては良好な方ではあるのだけれど……

 

 

 

「よよよ、信用がないですわね……まぁ、流楓高校アドラ・ステラ委員会OGとしての情報提供が主なので正しいのですが。これをご覧なさい?取引のある方が時差を考慮せずに投げつけてきた記事です。恐らく今日の夜には、日本でも公開されますわ」

 

 

 

そう言うと、姉さんは印刷されたプリントが入ったファイルを渡してくる……あぁ、海外の方でもグランプリがあったから、あっちでも次のパックに関する新情報が出たのね。

 

そこに載っていたのは、次のパックで出るカードのテキストなのだけれど……

 

 

「姉さん、これ誤訳はないんですか?」

 

「ほぼほぼ間違いないと思いますわ。その上で築地先生に直接伝言を。『必要なら美歌を通して連絡して頂ければ、理事会には事後承諾でも問題ないです』と」

 

「つまり、仮に必要になった場合は間に合わせると」

 

 

 

アドラ・ステラのパックは全世界同時発売で、カードリスト公開は、発売日の一週間前に行われる。

 

そして、アタシ達が出場するアドラ・ステラ甲子園地区大会は、()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()だ。

 

……これは、荒れるかもしれないわね。

 

 

 

☆★☆★☆★☆★FOCUS:HARUNA SUMERAGI☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

公式で、新パックのカードリストが公開された翌日。

 

委員会に集まったボク達は、要注目とされていた新カードによるデッキを公認プロキシで組んで、一通り回してみた。

 

結果はというと――

 

 

 

「うーん、新パックのカードだけでここまで作れるとなるとだいぶヤバいねこれは」

 

「姉さんが忠告してくるだけはあるわね……想像以上だったわ」

 

 

新カード『ブレイズドミニオン・ファングチェイサー』、このカード自体は「ぶっ壊れ」と称されるのも納得するカードだ。

 

■タキオンズ・ドライブ(条件が「赤・緑・紫のモンスターが攻撃する時」ですこぶる出しやすい)

■このモンスターが居る限り、自分のモンスター全てが出たターン相手や相手モンスターを攻撃できるようになる

■このモンスターが居る限り、自分のモンスターは相手による「攻撃できない」効果を無視できる(つまりディバインフリーズ・ネオを筆頭とした相手の攻撃を止めるカードや、ブリッツスタンとかは無視できる)

■このモンスターが出た時または攻撃する時、相手のパワーが一番低いモンスターを破壊する。このモンスターがエヴォルト状態なら、更に相手のパワーが一番高いモンスターを破壊する

 

ただでさえこれだけ特殊能力が盛られてるのに、『夢現皇・守護騎竜ペンディウス・ブレイヴァー』と同じ耐性も持っているのはヤバい。

 

後、ファングチェイサーが目立ちすぎるけど他のカードにもなかなかカード効果が強いものはチラホラしているし、全部『ドラグーン』にも属してるのも地味にヤバい。ショーマはこのデッキに『時天龍鳳コズミックドラグオン』入れるといいんじゃないかな?

 

 

 

「そうするつもりです。天導さんのお姉さんが事前に連絡してくれなければ大変だったかもしれないですね」

 

「とはいえ、北小路先輩を筆頭としたデッキ固定組は対策がしやすいのは幸い。北小路先輩だけは『ダークマター・エナジー』を使う紫デッキに切り替える必要はあるけれど」

 

「そのくらいなら問題はないな。東山、デッキ調整に力を貸してくれ。西住はサンドバッグだ」

 

「私の扱いざつぅ!?いや、練習相手は別にいいんですけどぉっ!?」

 

「私はデッキどうしようかなぁ……」

 

 

 

うーん、頼もしい先輩達だ。ところでるきるき、さっきから色々調べてるけどどうしたん?

 

 

 

「あぁいや、昨日のリストで初公開された『このカード』の特殊能力、昔のカードが活かせそうだなって思って……」

 

 

 

へぇ、どれどれ?……るきるき、よく見つけたねこれ?

 

よーし、地区大会まで練習頑張ろうかぁっ!!

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★FOCUS:RUKI TATSUBOSHI☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

――そして、あっという間に時間は流れ。

 

 

 

ついに、関東地区大会団体戦の日がやってきた。

 

前日の個人戦では北小路先輩が見事優勝を勝ち取った為、その流れに乗っていきたいところではある。

 

 

と、思っていたのだけれど……

 

 

 

「えー、流楓高校「チームJK1」と桜蕾学院「桃王春一番」は、1回戦配信卓でのバトルとなります。配信卓はバトルフィールド席に1名、テーブル席に2名でのバトルとなりますので、選出をお願いします」

 

「「るきるき(辰星)、任せた」」

 

 

 

ジャッジの呼びかけに、榛名さんと天導さんが両側から肩を叩いてきた。

 

……えっ!?

 

 

 

「いやだって、僕らのチームでバトルフィールドを使ったバトルが一番映えるのはるきるきじゃん?」

 

「『転霊化』に精霊としっかり決めていきなさいよ?」

 

 

 

そう言い残すと、二人はそそくさとテーブル席へと向かっていきました……わかりましたよ、やってやろうじゃありませんかっ!?

 

 

バトルフィールドに上がって準備を整えると、対戦相手も同じく準備を整え、こちらに視線を向けていた。

 

えぇ……お互いに、よい戦いにしましょうかっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは、アドラ・ステラ甲子園団体戦、第一回戦開始です!!バトル、スタート!!』

 

 

 

 

 

 

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