アキラを護り隊エーテリアスVSエージェント 作:責任を取れ責任を
『くっ!此処を通すなっ!ベギヤ!?』
雨が降っている
『畜生ッ駄目だ!抑えきれない!グアッ!』
誰が斬られ崩れ落ちる
『兄者ッ!!!クッソっ!!!後一分だ!一分!そうすればハッカーの姐御が逃走ルートを確保してくれる!耐えるんだ!そうすれ…バッ!?』
そう言い切る前にデュラハンに似た首無しのエーテリアスの胸辺りから刃が生え胴体が綺麗に2つに分かれる
断ち斬られたデュラハンが消滅するとそこに立っていたのは漆黒の滝のような黒髪にピンと立った狐耳、手には全てを断ち切らんとする刀が妖艶に煌めいていた。
『…お前はッ!!』
一体のエーテリアスが少女の名前を言う前に首が宙を舞う
ホロウ対策6課の課長にして最強の虚狩りと呼ばれる少女・星見雅。
最強の虚狩りが自身の行く手を阻むエーテリアス達を斬り飛ばした
◆◆◆
RandomPlay 店内
「…少し疲れたな」
灰色の短く整えられた髪に翡翠色の瞳の整った容姿の青年が腕を伸ばし首を鳴らす
「お兄ちゃんーっ!」
店のバックヤードから青年と同じ目と似た雰囲気を持つ少女が飛び出して来る
「なんだい?リン?何かあったのかい?」
青年の言葉が聞こえていないのかリンと呼ばれた少女は矢継ぎ早に言葉を続ける
「見て見て!お兄ちゃん!これ!」
リンは兄にスマホの画面を見せる
「…ホロウの中心で愛を、叫んだ…?映画みたいだけれど…どうしたんだいこれが?」
「今この映画が凄い話題になってて公開三日で興行収入百億ディニー超えたんだって!」
「それは凄いじゃないか」
興奮した妹を青年は宥めながら冷静に映画のポスターを眺めるとキャストに見覚えのある名前を見つけた
(アストラさんも出てるのか)
「お兄ちゃん見に行こうよ!アストラさんも出てるらしいし!」
(そう言いえばリンはアストラさんの大ファンだったな。恋愛映画ならシーザーさんも誘おうかな?)
恋愛映画が好きな(本人は認めていない)郊外に住む友達の事を思い出しながら今日も穏やかな日々が続いていた、表面上は
青年の名前はアキラ
数多の女性の脳を灼いて置きながら責任を果たさず放置プレイをキメて時折ふと思い付いたように再び脳を炙りに来る様な男だ
当の本人がそれに気付いていないのが尚更タチが悪い
彼は知らない
水面下で多くの存在に狙われている事に
伝説のプロキシであっても気付く事の出来ない深い深淵が彼を狙っている。
借金を纏いしカリスマが
平和の守護者が
秘密多き元軍人が
冷めた気怠げなメイドが
新エリー都最強の剣士が
燻っていた火種が燃え始める
一度火が点いてしまったらもう消す事は出来ない
だが彼は運が良いのか悪いのか
脳を灼いたのは人だけでは無かった。
◆◆◆某ホロウ内部
とあるホロウ内部の建物にて2体のエーテリアスが会していた。
『…火が点きそうだ』
隻眼の鬼の様な姿のニメートルを超える体躯を持つ大柄なエーテリアスが呟く
『ほぉ?幾らあの朴念仁であっても火種の管理は上手かったではないか?』
鬼のエーテリアスと同等の体躯の鴉を模したに頭部を持つエーテリアスが冗談は止せと言うようにヤレヤレと手を広げ首を振る
『…妹君が…動いた』
再び隻眼の鬼のエーテリアスが呟く
『妹君が…?』
信じ難いと言わんばかりに鴉のエーテリアスがステンドグラスの様な眼を開く
『……妹君が映画館逢瀬に誘った』
『…抜かったな、妹君が何かしらの感情を抱いていた事は理解していたが…まさか…な…』
鴉のエーテリアスが眉間を抑える
『違う、話を聞け…妹君との映画館逢瀬の際にアキラがやらかしたのだ』
『ん…?何をだ?』
隻眼の鬼のエーテリアスの言葉に眉間を抑えるのを辞め顔を上げる
『……シーザー殿を誘ったのだ…そしてその当日…妹君が映画の切符を買い求める際に席を立った直後…アンビー殿と偶々居合わせた雅殿に発見され…』
『ohhh…』
鴉のエーテリアスが再び眉間を抑え隻眼の鬼のエーテリアスは額に手を当て宙に視線を上げる
『それでどうする?ハッカー殿からは何もお達しは来ていないぞ?』
鴉のエーテリアスがソファから起き上がりながら今後の方針を問う
『何をどうも…やるしかあるまい…我等で他所に火が燃え移る前に鎮火せねばなるまい…もしも燃え移ってしまえば…』
『まさにイッカンノオワリとやらだな』
鴉のエーテリアスは渇いた笑いながら建物の外へと向かう
その鴉のエーテリアスに鬼のエーテリアスは言葉を投げ掛ける
『鴉…此度の火はそう簡単には消えまい…覚悟せよ』
鬼のエーテリアスの忠告に鴉と呼ばれたエーテリアスはふんと鼻を鳴らす
『鬼よ逆に問うが…簡単に消せた火が一度でも合ったか?』
『………』
鴉の言葉に鬼は詰まる
『フハハッ…何も問題は無い私とお前ならば何度でも…ん?』
鴉は懐にしまっていたスマホが振動したのに気付きスマホを見ると絶句した。
『どうした?』
鴉の様子を疑問に思いよって来た鬼に届いた通知を見せる
【対ホロウ六課及び邪兎屋及びカリュドーンの子、戦闘状態に入れりアキラの逃走を援護せよ】
『……火が点いたな』
ボソリと鬼が呟いた言葉に鴉が訂正を入れる
『…もう燃え盛ってるだろ』
2体のエーテリアスは絶望を含んだ溜息をついた。
空を見れば雨が降り始めていた。
かんそうちょいだい(ゆうた)