二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 どうにか今回も更新出来ましたが……正直に言えば今回は難産となってしまいました。……どうにも上手い戦闘描写が思い浮かばず苦労します


143話 ゾフィー&ヒカリvsゴーレムⅢ

「ハアアアァァッ!!」

 

 『もう一騎』のゴーレムⅢを抱えた光が近付いてくるのを見た瞬間、慎吾は声をあげるとゾフィーを第二形態である赤いエネルギー光を全身に纏うスピリットに移行すると、そのままゴーレムⅢが放つ熱線を姿勢を傾け前進しながら避け、続け様に放たれたブレードの斬激を腕の中に素早く発生させたウルトラスラッシュを投擲せず、腕に装着したままナイフのように受け止め、その強く力を込めてその軌道を反らす

 反らした瞬間、ブレードを受けていたウルトラスラッシュは音を立ててガラスのように砕け散ってしまったが、それでも慎吾は止まらない

 

「ハァッ!」

 

 気合一閃、声と共に右腕を掻い潜るような形で更に詰め寄ると、第二形態移行した事により、大きく膨張したしたゾフィーの両腕でゴーレムⅢの両腕と両足をがっしりと掴んで掴みかかり、そのまま頭上高く持ち上げた

 

「ーーーーー」

 

 捕まれたゴーレムⅢは慎吾の頭上で激しくもがき、到底人間では不可能な動きでゾフィーの両腕から逃れようと滅茶苦茶に暴れだし、強化されたゾフィーの装甲をも傷付けて火花をつける

 

「ぐっ……光っ!!」

 

 両手両足を拘束しているのにも関わらず、容赦なくゾフィーへと向けられるパワーでの反撃に思わず手を離してしまいそうになるのを堪えると、慎吾は更に両腕の力を込めて屈み、上空の光に向かって叫ぶ

 

「ああ! 行くぞっ! 慎吾!!」

 

 慎吾の声を聞いた瞬間に光は慎吾が何をせんとしているのかを察し、合図と共に自身が拘束していたゴーレムⅢを加速した勢いのまま地上の慎吾に向かって投げ飛ばした

 

「光! 攻撃を仕掛けるタイミングを逃すなよ!」

 

 光に向かって慎吾もまた叫ぶと、渾身の力を込めて自身が抱えていたゴーレムⅢを光に投げられ空中から落下してくるゴーレムⅢを狙いをつけると、その場で回転し、円盤投げのような動きで宙へと放り投げた

 

「「ーーーー」」

 

 一方で投げ飛ばされた二機のゴーレムⅢは、互いが互いに正面衝突するコースを飛んでいる事をセンサーで読み取ると、不安定な体制で投げられた事により大きく機体バランスが崩れているのにも関わらず、それを無人機らしい、人間が搭乗していては決して不可能と断言できるような関節を無視した動作で踊るように空中を優雅に舞い、器用に衝突コースから身を反らす

 

「「今だっ!!」」

 

 その瞬間、ヒカリの放つナイトシュートとゾフィーの放つスペシウム。共に青い輝きを持つ二条の光線が回避した直後の二機のゴーレムⅢにさながらプロレスのダブル・ラリアットのように命中し、二機は二つのエネルギーにより発生した爆発による爆炎に包まれた

 

 

「くっ!? この……!」

 

 次の瞬間、爆発が発生した直後にも関わらず、空中で立ち込める爆煙の中からナイトシュートを放った直後で硬直していたヒカリを狙って二発の超高密度圧縮熱線が発射され、ガードを固めつつ慌ててそれを回避しようとした光ではあったが熱線はヒカリの装甲をかすめただけで大きく機体を揺すぶるのと同時に、光に激痛を与え、仮面の下からは光の苦悶の声が思わず溢れた。しかも、熱線はそれだけでは無い、爆煙を貫きバランスを崩したヒカリを狙って次から次へと熱線が放たれていく

 

「ここは私に任せろっ!」

 

 と、そこに迫りくる熱線に光を庇う形でゾフィーの瞬時加速で慎吾が割って入ると、右腕に装着されたウルトラブレスレットをかがげる。と、その瞬間、ウルトラブレスレットが光に包まれ、銀色に輝く巨大な一枚の盾。ウルトラディフェンダーへとその姿を変えた

 

「ハァッ!! ぐっ……!」

 

 慎吾は出現したウルトラディフェンダーを体の正面に構えると、迫りくる熱線に向かって立ちはだかる。と、その瞬間、轟音と共に複数の熱線がウルトラディフェンダーに命中し盾が熱線の熱量に赤熱化し、慎吾も空中で数歩後退させられ、衝撃を堪えるべく歯を食い縛った

 

 その瞬間、先程までの光景をビデオの逆回しの映像で見ているかのように、熱線を受けたウルトラディフェンダーがゴーレムⅢの熱線をそっくりそのままの状態で反射し、熱線を放った二機のゴーレムⅢ当人達に向かって飛んでゆき、そのまま熱線が直撃すると再び爆発すると共にゴーレムⅢの攻撃で霧散かけていた煙に重ねがけするように新たな爆煙を発生させる

 

「「ーーーー」」

 

 が、すぐにその煙を、二機のゴーレムⅢが戦闘を行う前から何ら変化の無い飛行をしながら突き破ると、今度は狙いを慎吾へと変え、何事も無かったかのように接近しつつ熱線による攻撃を再開し始めた

 

「くっ……何と頑丈な装甲だ……」

 

 ゴーレムⅢが動くのと同時に、油断なくウルトラディフェンダーを片手で構えて光を庇いつつ、二機に挟まれてしまう状況を避けるために素早く移動しながら、慎吾はゴーレムⅢのそのあまりの強固さに仮面の下で顔をしかめる

 

 何も、ゾフィーや光の攻撃を受け、二機のゴーレムⅢは全くの無傷と言う訳ではない

 その証拠とばかりに最初に慎吾と戦闘を行っていたゴーレムⅢはボディに一筋のひび割れと焦げ痕が入り、頭部から突き出している羊の巻き角に似ていたハイパーセンサーは大破して殆どその原型が残っておらず、バイザーにも全体的に地割れのように亀裂が入っている。対して光と戦闘をしていたゴーレムⅢは更に目で見て損傷が分かりやすく、ピットでの戦いの最中でついたのか、あちらこちらにナイトビームブレードが直撃したらしき複数の刀傷。さらには幾度と無くヒカリと鍔迫り合いを繰り広げたブレードは熱で欠け元の半分ほどの長さに変わっていた

 

 だがしかし、それはいずれもゴーレムⅢにとって『決定打』とは言えない傷では無い

 

「くっ……! 光、お前のシールドエネルギーはどれ程残っている!? 私は、今ので四割を切ってしまった!」

 

 目の前で敵対する熱線を回避すればヒカリに命中してしまうと悟り、ウルトラディフェンダーで防ぎながら慎吾は背中合わせに近い形で共に戦う光に叫ぶように問いかける。その胸に輝くタイマーは慎吾の言葉が真実である事を示すように、青色から変わって赤色になり、点滅を始めていた

 

「俺も、あまり余裕は無い……! 全開から言えば五割弱……! から今も減り続けている……と、言った所だ!」

 

 ブレードが半分になった事でより距離を詰め、激しい息も尽かせぬような格闘戦を仕掛けてくるゴーレムⅢをナイトビームブレードと持ち前の格闘技でギリギリの所でどうにか知名打を避けながら、光は慎吾に答える。ゴーレムⅢとの戦闘の最中、ヒカリが身に纏う装甲は処理しきれなかった打撃により少しずつ傷付き、緩やかながら確実に限界は近付いてきた

 

「光……! 以前、簪を救うために使ったアレは使えるか!? 無茶だが、今はアレで隙を作った上で例の戦法で一気にかたを付けるしか奴等を打倒するしかない!」

 

 だからこそ、この、じわじわと真綿で首を絞められるかの如くゴーレムⅢに押されていく状況の中で慎吾が多少のリスクを覚悟の上での短期決着の道を選んだのはある意味必然とも言えた

 

「確かに今は、それしか手は無いな……!」

 

 そして、慎吾の考えは光もまた同意だったらしく、一瞬の隙を見て飛び込んできたゴーレムⅢに回し蹴りを叩き込みながら光はそう答えると、慎吾の元へと駆け寄ると互いの機体ごしにピッタリとその背中を合わせた

 

「……分かってるとは思うが慎吾。あの作戦は確かに絶大なダメージは与えられるだろうが一歩、間違えば俺達、二人纏めて良くて大怪我レベル。運が悪ければ動けなくなって無防備な状態を連中に追撃される。……覚悟は良いか?」

 

「なぁに……無茶は危険は慣れてしまったよ。この学園に入ってから、特に顕著にな……」

 

 光の問いかけに慎吾が答えると、やがて二人はあまりにも危険に慣れてしまった自分達が可笑しく感じ、決して集中は欠いてはいないが戦闘のまっ最中なのにも関わらず、どちらからともなく笑いだした

 

「行くぞ光……!」

 

「あぁ、慎吾。 俺に押し負けるなよ?」

 

 直後、慎吾と光は互いの足裏を重ね、蹴り飛ばすような形でスタートダッシュを決めると、それぞれが相手するゴーレムⅢへと向かっていった

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