二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 今日は何か調子が出てたので更新です。次の話も今週中に更新するつもりです。


17話 白式VS甲龍!見守るゾフィー

 試合当日、会場となるアリーナは限界まで埋め尽くされ、立ち見は当然となり、それどころか会場に入れなかった生徒や関係者までいるほどだった。

 

「この一週間、皆で考えた特別強化メニューでしっかりと鍛えた……あとはお前次第だぞ……一夏」

 

 一夏の白式と鈴の甲龍、二機のISがアリーナに姿を表し、試合が今、まさに始まらんとする中、ビットからリアルタイムモニターで一夏を見守りながら慎吾がそっと呟く。

 その静かな緊張が込められた慎吾の言葉に箒とセシリアも少しモニターから目を離して慎吾を見つめ、真耶ははらはらと、千冬は不適な笑みを浮かべて慎吾に視線を送る。

 

 対面した鈴と一夏が何か言葉を交わしたかと思った後、アナウンスと共にブザーが鳴り響き。切れるその瞬間、鈴が動き。慎吾は声を漏らす。

 

「よしっ……!」

 

 

 そう、先に動いた鈴の甲龍の持つ青龍刀《双天牙月》が未だ動かない白式に命中する直前、カウンターとして放たれた雪片の剣撃が甲龍を弾き飛ばしていたのだ。

 試合開始、早々から決まった白式の強烈なカウンターに騒然とするアリーナの中。一部の、正確に言えばクラス代表決定戦を見ていた生徒や教師だけは気付いていた。

 

 たった今、一夏が放った開幕と同時に動いた相手へのカウンター。それがクラス代表決定戦でのゾフィーと白式の戦いで慎吾が披露した技に酷似していると。

 

 

 

「…………っく!あたしの初撃に合わせてカウンターなんて、やってくれるじゃないの一夏!でも、残念ね同じ手はもうあたしに通じないわよ!」

 

 雪片に吹き飛ばされながらも直ぐ様、体制を立て直して双天牙月で攻撃を仕掛けつつ、鈴が一夏に向かって叫ぶ。どうやら先程のカウンターに鈴は驚いてはいるようだが、表情から判断して全く怯んでる様子は無い。

 

「(まずい………カウンターが完全には決まらなかった!)」

 

 一方で一夏は鈴の攻撃を多少、危うい所を見せながらも何とか防ぎ、いなしつつ、顔に薄く冷や汗を流していた。

 実はと言えば雪片が甲龍を切り裂かんとした直前、鈴はとっさに背後に戻る事で直撃を回避しダメージを押さえていたのだ。つまり、端から見れば鈴に先制ダメージを与えた一夏が有利に見えるこの現状、実際には初撃のカウンターを鈴に軽減された一夏が出鼻を挫かれた形になっていたのだ。

 

「(とにかく、ここは一旦距離を取って……)」

 

 鈴の攻撃に押され出した白式が後退したまさにその瞬間。

 

「甘いっ!隙ありよ一夏!!」

 

 甲龍の肩アーマーが滑らかにスライドして開き内部の球体を見せ

 

「ぐわぁっ!!」

 

 中央の球体が光ったと思われた瞬間、一夏は見えない衝撃に吹き飛ばされ地表に打ち付けられた。

 

「これで、さっきのカウンターの分は返したわよ……」

 

 危うく暗闇に落ちそうになる一夏の耳には、そう得意気に笑う鈴の声が響いていた。

 

 

「い、今のは一体……?」

 

「ち、直撃するまで全く軌道が見えないとは……」

 

 ビットからその様子を見てい箒が呟き、慎吾も口を開いて驚きをあらわにしていた。

 

「箒さん、慎吾さん。あれは『衝撃砲』ですわ」

 

 と、そこでセシリアが二人の呟きに答えを出す。

 

「衝撃砲?」

 

 聞きなれない単語ににセシリアの言葉を一度聞き返す慎吾。セシリアはそれに無言で頷いて肯定し、言葉を続ける。

 

「そうですわ慎吾さん衝撃砲とは、空間に圧力をかけて砲身を生成。その際に余剰で生じる衝撃波を武器とする……」

 

「ブルー・ティアーズと同じく第三世代型兵器……か、厄介だな」

 

 セシリアに代わって最後の言葉を慎吾が呟き、困ったように首をひねる。

 事実、慎吾の言葉を証明するようにモニターには上下左右は当然として、何と背後からも迫り来る見えない攻撃に悪戦苦闘している一夏の姿が写し出されていた。

 

「…………………」

 

 そして、箒は何も言わずただ不安げに劣勢へと追い込まれていく一夏を片時も目を離さず眺めていた。

 

「なぁ……箒よ」

 

 そう口にしながら慎吾は箒の隣へと移動し、共に試合を眺める。

 

「安易に大丈夫だとは言わない…………だが今は信じてみようじゃないか。これまでの訓練を、そして何より一夏を」

 

「一夏……」

 

 慎吾の言葉に箒は小さく言葉をもらす、と、そこで慎吾がある事に気付きモニタを指差しながら箒に笑いかけた。

 

「見ろ、一夏はまだまだ諦める気はないようだぞ」

 

 慎吾が指差すモニターの先の一夏は攻撃の嵐の中で汗を流し息を荒げながらも、その目には勝負に勝ちに来ている強さが見えていた。

 

 

「うっ……ぐっ……」

 

 ありとあらゆる方向から迫り来る衝撃砲で少しずつダメージを削られ続け、一夏は苦悶の声を上げる。

 

「中々持ちこたえるじゃない、衝撃砲《龍砲》は砲身も砲弾も目にも見えないのが特徴なのに」

 

「(こ、このままじゃ押し切られて負ける……)」

 

 一夏を誉めるように……しかし衝撃砲、龍砲の連射は全く止めずに言う鈴に、一夏はジリ貧のこの状況に焦りだしていた。

 

「(だからって……諦める訳にはいかない!何か手を打たないと……こうなったら……)」

 

 が、当然ながら闘志を失っていない一夏は雪片を握りしめ、何かを決意した。

 

 そして、次の瞬間

 

「本気で行くぞ鈴っ!」

 

「……んなっ!?」

 

 一夏は迫り来る龍砲を避けるでもなく、防御するでもなく勢いよく甲龍に向かって走り出した。その余りにも急な行動に驚いた鈴だったが瞬時に冷静さを取り戻し、迫り来る白式目掛けて龍砲の雨を降らせた。

 

「あんたねぇ!……やけを起こしたってっ……!?」

 

「当たらねぇよ!」

 

 龍砲がまさに白式が迫ろうとした瞬間、一夏は今までの慎吾達との訓練で身に付けた『瞬時加速』で龍砲を回避する。

 残りの龍砲はセシリアとの訓練で進化したIS操縦技術が、箒との剣術で鍛えられた目が、そして入学してからずっと自分を支えてくれた慎吾の優しさを無駄にしたくないと言う一夏の気合いが、瞬時加速中でありながらも回避を可能にさせた。

 

「うぉぉおおおおおおっっ!!」

 

 そして一夏の渾身の一撃が鈴に決まりそうなまさにその瞬間。

 

 

 巨大な爆音と衝撃がアリーナ全体に響き渡った。 




 次回……ついにアレが出ます。たぶん……確実に
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