二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 更新です。俺っ娘のヒカリに反対意見が無かった事に心底安堵しました。正直、酷評が来たら挫けてしまいそうでした……


21話 二人の決意とゾフィー

「なにやら疲れているようだが……どうした一夏?休みではなかったのか?」

 

 時刻は慎吾が光と別れてから過ぎて6時過ぎ、寮の自室へと戻ってきた慎吾の目に入ってきたのは疲れた様子で自分のベッドに横たわる一夏の姿だった。

 

「あ、慎吾さん……恥ずかしい話なんですが、実は今日、久しぶりに友達の所に行きましてね……」

 

 慎吾が帰ってきた事に気付くと一夏はベッドから体を起こしてベッドに腰掛けると、少し恥ずかしそうに事情を語り出す。

 

「はははっ、そうか、友達と遊びすぎて疲れたのか。どうやら中々、充実した休日だったようだな」

 

「いや、子供っぽくてお恥ずかしい……」

 

 事情を聞いた慎吾は愉快そうに笑い、一夏は恥ずかしそうに頭をかきながら苦笑した。

 

「……まぁ心持ちはしっかりとしておけ、件の学年個人別トーナメントは今月だからな」

 

 一旦、落ち着き笑いを止めると慎吾はそう言って部屋にかけられたカレンダーを指差した。

 

「トーナメントは恐らく今までの練習より格段に険しい戦いとなりゆる。……無論、私もお前と戦うときがあれば丁度だ、クラス代表決定戦での雪辱もかねて全力で叩き潰しに行かせてもらうが?」

 

 と、珍しく挑発的に笑みを浮かべながら一夏に言い放つ慎吾。

 

「望むところです、その時は俺だって全力で戦って慎吾さんを倒してみせますよ!」

 

 慎吾の挑発に一夏もまた強気な笑顔を向けて、返し堂々と宣告してみせた。

 

「そうか……ならば互いに相手と戦えるように奮闘するとしようではないか。なぁ一夏?」

 

 一夏の迷いがない態度を見て、慎吾はそう言うとふっと肩の力の抜き、いつもの優しい笑顔を見せた。

 

「はい、慎吾さん」

 

 慎吾の言葉に一夏はゆっくり頷きながら同意し、二人の間には穏やかな空気が漂った。

 

「一夏、いる?」

 

 と、その時、数回の軽いノックと共にドア越しに鈴の声が聞こえてきた。

 

「あぁ、鈴。一夏はいるぞ。鍵はかかってないから入ってくるといい」

 

「そう言えばあんたが一夏と同じ部屋だったわね……」

 

 慎吾がそう声をかけると、鈴はそう言いながら扉を開けて部屋に入ってきた。

 

「おぉ鈴、何か用か?」

 

 部屋に入ってきた鈴に気さくに一夏が話しかける。

 

「ふふん、あんた夕食はまだでしょ?わざわざ誘いに来てあげたのよ」

 

 すると鈴は待ってましたとばかりに得意気に胸を張り、一夏に言って見せた。

 

「おお、丁度よかった。さっそく三人で一緒に食堂に行こうぜ?」

 

 鈴の言葉に一夏は笑顔で同意し、ベッドから立ち上がるとさっさとドアに向かって歩き出す。

 

「……あれで、本人はごく当たり前のつもりなんだ。許してやれ」

 

 半ば呆然としてる鈴にそっとそう囁き、励ますように鈴の軽く肩を叩くと、一夏の後に続いてドアへと歩き出す。

 

 どうやら休日明けからさっそく苦労する事になりそうだ……。

 

 食堂へと向かう廊下で、ラフな姿のクラスメイトにほぼ絶え間なく声をかけられ続ける一夏と、それを心底面白く無さそうに頬を膨らませている鈴を見ながら内心、そう慎吾は表情には出さず内心で深くため息を付くのであった。




 活動報告での慎吾の愛称募集、募集期間を4月3日にまで延長しますのでどうか一案、皆様のお力をお貸しください。

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