二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 どうにも最近、分量が最近少ない気がします。それでこの更新スピードは少し……次回から少し増やしてみようかと思います。


23話 シャルルと一夏とゾフィー

「すまん一夏、いきなりボーデヴィッヒがいきなり手を出して来るとは……目は付けていたが反応が遅れた」

 

 一夏に水道水で冷やしたタオルを渡しながら慎吾は、そう謝罪した。

 

「いや、いいですよ慎吾さん。俺も最初、何されたか分からなかったし……気にしないでください」

 

 慎吾から受け取ったタオルでラウラに叩かれた頬を押さえ、苦笑しながら一夏はそう答えた。

 

「そうか……お前自身がそう言うのならば……おっと、二人でばっかり話してすまないなデュノア」

 

 と、そこで慎吾は結果的に話の流れから置き去りにされていたシャルルにそう謝り、軽く頭を下げた。

 

「……あっ、いいよ気にしないで!それに僕の事もシャルルでいいからね?……えっと、慎吾?」

 

 シャルルはと言うと顔の前で軽く手を振って『気にしていない』事をしっかりと主張すると、確認するかのようにそっと慎吾の名前を呼ぶ。

 

「あぁ、そうだ私が慎吾だシャルル。こっちは一夏、分からない事があったなら聞いてくれ。織斑先生からもそう言われている」

 

 慎吾は一夏と自分を指差しながらシャルルにそう微笑みそう言った。

 

「あっ…と、慎吾さん……!」

 

 と、そこで一夏が教室を見渡して何かに気付き、慌てて慎吾に知らせた。

 

「む、そうだな、早く移動するとしよう。付いてきてくれシャルル」

 

 そう言うと慎吾は先頭に立ち、一夏とシャルルを先導するかのように教室から出てていく。

 

「えっと……これは……?」

 

「あぁ、女子が教室で着替えるからな」

 

「俺達は空いてるアリーナの更衣室で着替え、という事になっている……む」

 

 移動しながら問いかけるシャルルに、一夏と慎吾が順場に答える。と、先頭を歩いていた慎吾が何かに気付き、顔をしかめる。

 

「ま、間に合わなかったか……」

 

 一夏もまたそれに気付き、肩をがっくりと落とす。

 

「な、何?何であんなに皆、集まってるの?」

 

 慎吾達の目の前、そこには各学年各クラスから情報をいち早く集めんとばかりに集合した選ばれし尖兵とも言える女子達が集合し、進路先の廊下を埋めつくそうとしていた。その光景に呆気に取られたような口調でシャルルが言った。

 

「皆、この学園では二人……今日からは三人しかいない男に興味津々なんだ。今日はいつもより少し多いがな」

 

「俺達、パンダにでもなった気分ですね……」

 

 徐々に増えてく女子生徒達によってスペースを詰められていく廊下をどう突破するべきか顎に手を当てて思案する慎吾がシャルルの問いに答え、一夏も改めて周囲を見渡し、小さく溜め息をついた。

 

「………………………?」

 

 と、何故かシャルルそんな二人の様子を『よく意味が分からない』とでも言いたげに不思議そうに見ていた。

 

「…?どうした、シャルル」

 

 そんなシャルルの様子に気が付き、どうにも気になったのか一夏がシャルルに尋ねようとする。が、

 

「……時間がない、仕方ない。多少、強行だが行くぞ一夏、シャルル」

 

「おっ?」

 

「わあっ!?」

 

 その瞬間、次の授業までの時間があまり残されてない事で少し焦りを見せた慎吾は咄嗟に両腕でそれぞれ二人の腕を掴むと、女子達の集まりの針の穴のような隙間をすり抜けるように走り出す。

 

 その端から見れば『男子三人が仲良く手を組んで走ってる』ようにも見える光景に只でさえざわついていた女子達の声が高周波と化す勢いで一気に高くなり、後日、何処から出たのか、そもそも誰が撮影したのか、この三人が手を組んでるように見える光景の写真。それが冗談のような枚数、学園中で出回った事を三人が知るのはもう少しだけ先の事であった。




 無事、慎吾のあだ名を決める事が出来ました。協力して下さった皆さまアンケート解答ありがとうございます

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