二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 ギリギリが多くてすいません……何とかペースを上げれるように頑張りたいのですが……


35話 二人の道、ラウラの道。ヒカリとゾフィー

『成る程、強さか……それは中々に難しい問いだな……』

 

『え、そうですかね慎吾さん?』

 

 強さとは何か、そんなラウラの問いに二つの声はそうそれぞれの返事を返した。

 

 『俺は、強さは心の拠り所とか……自分がどんな存在であるかを常に考えるような事だと思うんですけど……?』

 

『…………ははっ』

 

 迷うように一つの声がそう言い終えると、その瞬間笑いを堪えきれぬようにもう1つの声が吹き出す。

 

『ええっ!?な、何か俺おかしい事を言いました!?』

 

『いや……すまない、何もおかしい事は言ってないさ……ただな』

 

 慌てたような声を宥めるようにもう1つの声がそう優しく言った。

 

『そんな答えを迷いなく直ぐ様、答えられる……だから、皆を惹き付けるのだろうな……と、考えるとついな』

 

『俺が皆に惹かれる……?』

 

 何か納得したかのようにその呟きに、再びもう1つの声が尋ねた。

 

『謙遜する事は無い、お前は十二分に皆に愛されるような人間であると私は判断するしISの才能もある。前にも言ったはずだが、お前なら私などすぐに越える事が出来る……私はそう思っているんだぞ?』

 

『いやいや、だから俺は強くないですって!全く』

 

『自分はまだまだ強くない……それは大抵、私が知る限りいくらでも強くなる可能性を秘めた人間が言う言葉だぞ?』

 

『うぅ……少なくとも今は、討論で勝てる気がしないんですが……』

                        

 恥ずかしいのか慌てて否定しようとする声を柔らかく受け止めて難なくいなしてしまい、ついに否定の声は諦めてしまった。そんな二人のやり取りはラウラが今まで見た事無いほどに愉快で楽しく

 

 ふふっ……

 

 気付いた時にはラウラは小さく笑っていた。それは試合の時に見せたような狂暴な笑み等では決して無く。ただの十五才の少女が見せる年相応の可愛らしい笑顔であった。

 

『さて、ボーデヴィッヒよお前も考えてはみないか?』

 

 と、そこで1つの声が再びラウラに向き、静かにしかし確かな力強さと暖かさを持って語りかける。

 

『自分だけの強くなる意味を……お前の心の中のその答えを……』

 

『お前がその道を選ぶのなら、俺がお前を守ってやるよ』

 

 二人の声は真っ直ぐにラウラの心へと響き。

 

『わたし、はっ……!』

 

 ラウラが途切れ途切れの言葉ながらも自身の答えを告げようとした瞬間。

 

 ラウラの意識は目覚めた。

 

 

「つまり……どうやってもトーナメントにはゾフィーの参加出来ない。と、言うことだな」

 

『あぁ、色々と手を考えて見たんだが結論として、これから先の事を考えるとゾフィーのトーナメント参戦は控えた方がいいと判断した。最も……慎吾がダメージレベルBの状態でZ光線を発射するなんて無茶をしなければ結果は分からなかったが』

 

「あの時は夢中でな……すまん、苦労をかけるなヒカリ」

 

 傷の治療、そして教師陣からの事情聴取を終えた慎吾はヒカリとの通信で戦闘で傷付いたゾフィーについて話を聞いていた。

 

『今回は事情で仕方ないとも言えるが……気を付けてくれよ?俺は一人の友達として慎吾、君を心配しているんだ』

 

 潔く頭を下げて謝罪する慎吾に、ふっと光は力を抜くとそう優しく告げた。

 

「あぁ……血が繋がってないとは言え、私は兄になった立場だ。そう簡単には倒れる訳にはいかないさ」

 

 その言葉に、慎吾は全く迷いの感じない自身を持った口調で返す。

 

『そうか……君は家族を手に入れる事が出来たんだな……おめでとう慎吾』

 

 突然の慎吾の『兄になった』という言葉に光は特に動じた様子も無く、心から慎吾を祝福してそう言った。親友として長年の付き合いになる慎吾と光、互いを深く信頼している二人だからこそ出来る事であった。

 

『兄になったんだ、しっかり守ってあげろよ……』

 

「あぁ、勿論そのつもりだ」

 

 最後に慎吾と光は短くそんな言葉を交わすと通信を切り、慎吾はふっと溜め息を付く。と、緊張が解けた影響か慎吾はそこでふと空腹を感じていた。

 

「そういえば夕食をまだ済ませて無かったな……丁度、一夏やシャルルも解放されて食事を取っているはず、食堂に行くか……」

 

 誰に言うまでも無くそう言うと、慎吾は食堂へと向かって歩きだしていった。

 

 

「うーん、ボーデヴィッヒさんと一夏が……でもお兄ちゃんも一緒にいたんだし……うーん……」

 

 微妙に平常時より遅い歩調で先頭を歩きながらそんな事をシャルルは小さな声で呟いていた。

 

「慎吾さん……シャルル何でさっきからブツブツ小声で独り言を言ってるんですか?……正直、ちょっと怖いし……」

 

 そんなシャルルの姿を見て顔を若干青くしながら、その背後で一夏もまた小声で慎吾に尋ねた。

 

「少なくとも迂闊に触れるべき事では無いと、私は思うが……」

 

 そう一夏に返事を返しつつ、慎吾もまたどうしたものかと判断に困っていた。

 

 こうなった要因は非常に単純で、慎吾が食堂で一夏、シャルルと合流して共に食事を取っていた際に一夏がふと『ISでプライベート・チャネルも越えた会話は出来るのか?』とシャルルに尋ね、慎吾と共に一夏は一部始終を話したのだ。その時からシャルルは食事を終え、帰路に向かっている現在でもずっとこの調子で一人で思案するよつに呟いているのだ。

 

「(見た様子だとシャルルの場合、自分でも怒るべきかどうか判断出来ないでいる……これでは私からは手の打ち様が無い……参ったな)」

 

 慎吾がそう悩んで、頭を抱えた時だった。

 

「あっ、織斑君!デュノア君!大谷君!三人とも朗報ですよっ!はぁ……はぁ……」

 

 背後から不安定な足音を響かせ真耶が駆け寄ってきた。どのくらい走ったのかは分からないがその息は着れかかっている。

 

「……山田先生、大丈夫です。私達は待ってますからどうか落ち着いてから話してください」

 

 真耶のそのコミカルな仕草に少しリラックスした慎吾は、真耶に苦笑しながらそう告げる。

 

「あ、ありがとう大谷君……実はですね……」

 

 真耶は慎吾の言葉に取り出した可愛らしい柄のハンカチで汗を拭いつつ、深く呼吸をして息を整えると口を開いた。

 

「ついに今日から、男子の大浴場使用が解禁です!今日は三人とも早速お風呂で疲れを癒してくださいね」

 

「おお、本当ですか!?」

 

 真耶の言葉に心底、嬉しそうな声を返す一夏。しかしその時、慎吾とシャルルの表情は同時に青ざめていた。

 

「(まずい……山田先生はシャルルの真実を知らない……だからこそ言ってるのだろうが、この状況は……)」

 

 そう、考える慎吾の額には早くも冷や汗が滲み始めていた。




 近いうちにオリジナルとなる特別編を書きます。特別編には……特別参戦として、私達がよし知るあのお人が……出ます。
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