二人目の男子はIS学園No.1(最強とは言ってない)   作:塩ようかん

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 やや苦しい展開かもしれません。指摘は受け付けます


4話 二人の意地とゾフィー

 慎吾が残り少ない時間を限界まで使い、どうにか教えた内容を理解し、慎吾が何とか立ち直った所でチャイムが鳴って次の授業が始まり、千冬が教壇に立った。

 

「あぁ、その前に……」

 

 と、授業が始まると思いきや、思い出したかのように千冬がそう話を始めた。話の内容は再来週に始まるクラス対抗戦に向け、クラスの出場選手であるクラス代表を決めるのだと言う。なお、自薦推薦は問わない。と、千冬は最後に付け足した。

 

『(クラス代表…クラス長か。自薦推薦は問わない……ならば自ら進んでやろうとする相手がいなければ当然狙われるのは……)』

 

 そう思った慎吾がじわりと額から冷や汗を滲ませた時だった。

 

「はいっ、織斑くんを推薦します!」

 

「私は、大谷さんを推薦します!」

 

 クラスの女子生徒二人が素早く手を上げてそれぞれ一夏と慎吾を推薦した。

 

「では、候補者は織斑一夏、大谷慎吾の両名だな………他にはいないか?」

 

「(やはり、こうなったか……私と一夏はクラスに二人だけの男子。当然、注目の的だな……)」

 

 千冬の言葉を聞きながら慎吾は半ば予想していた結果ながらも苦笑いをする。と、そこでいてもたってもいられなくなったのか一夏が勢いよく立ち上がり叫ぶ。

 

「し、慎吾さんはともかく……俺も!?」

 

「一夏、どんな形とは言え私達が皆から選ばれたんだ。受け入れろ」

 

「席につけ、邪魔だ」

 

 しかしその声は慎吾の慰めと、千冬のバッサリと切り捨てるような言葉に遮られ、一夏は立ったままの状態で項垂れた。と、そんな時だった。

 

「ちょっと待ってください!納得がいきませんわ!」

 

 と、そこで強く机を叩きながらセシリアが立ち上がり、余程頭に来て冷静さを失っていたのか凄まじいばかりの剣幕で言葉を荒げ、一夏と慎吾よ二人そして果てには日本そのものについて酷評し始める。一夏も一夏でそれが癪に触ったのかお返しとばかりに反論し始めてますます騒がしくなり収拾がつかなくなりそうになった時、耐えきれなくなったように慎吾が静かに立ち上がり二人に向かって叫ぶ。

 

「いい加減に落ち着け二人とも!!今はクラス代表を決めているのだろう!?二人が今ここで互いを罵っているだけではどうにもならないぞ!!」

 

 突如、慎吾の同世代男子の中でも低いと評される低い声が響き渡った事で、驚愕により一瞬、教室は静まり返る。

 

「あ、あなたは口を……」

 

「で、でも慎吾さん………!」

 

 それでもまだ一夏とセシリアは不満があるのか慎吾に向かって反論しようとする。その様子に慎吾は再び頭を抱えるが突如、何かを閃めき一人言のように語り出す。

 

「ふむ……ならば、いっそのこと二人の決着を決めるのとクラス代表を決めるのを兼ねてISでの『決闘』と言う形を取ってみてはどうでしょうか……織斑先生」

 

「いいだろう大谷、それでは勝負は一週間後の月曜の放課後、第三アリーナで行う。織斑、オルコットそれから大谷はそれぞれ準備をしておけ」

 

 慎吾から突如、話を降られた千冬は特に動じた様子も無くそれに応じ、ついでに慎吾自身もまた『決闘』に参加するように命じる。

 

「……分かりました織斑先生。あぁ、それから」

 

 それを予想していた慎吾は軽く目を閉じてそれに答えると、着席する直前にクラスを見渡しながら言う。

 

「急に大声を出して悪かった、反省している。本当にすまない」

 

 心底申し訳なさそうに皆に向かって頭を下げると今度こそ席に付き、何事を無かったように始まる千冬の授業に参加していった。




 色々と言われてしまっているけどバードン戦ではゾフィーは頑張ってくれたと思います……改めてあの回を見てそう想いました

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