推しのため、ダンジョンへ赴く   作:ケケフカ

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少しずつ投稿していきます。


プロローグ

 

 

 推し活の流儀とは

 

 

 グラギエル歴1522年 三の月。

 

 一人のダウナー少女が噴水広場へと向かっていた。

 

 尋ねるのは、文化的には認められていない推しのアイドルが踊る舞台。

 

 この日は、チェキを10枚ぐらい買うという。

 

「チェキは何枚あってもいい。けれど、チェキだけが目的じゃないから」

 

 ステージ前で光る魔源具────通称サイリウムセイバーをバックから出すこの少女、元世界より推しアイドルを応援していたこの世界でのドルオタのエキスパートだ。

 

 オタク文化の浸透しない世界において、初めてアイドルという枠に収まった少女を発見し、少ない中でも応援し続けた。

 

「合わせなんて気にしなくていい。けど、曲だけは邪魔しないで」

 

 ドルオタ伝道師

 猫歩 ルネカ(17)

 

 

 異世界におけるアイドル文化のパイオニアだ。

 

 

 推し活のために危険なダンジョンの奥地まで赴くルネカ。時にはアイドル文化を敵対するものと争い、推しの笑顔を守る。

 

 

 ────推しを応援するだけが推し活じゃない。推しの活動を支えることがドルオタ。

 

 

「スタリオンちゃん。チェキ10枚撮ってください」

 

 

 ボクラハイチニツイテ、ヨコイチレツデスタートキッタ────

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

「ようこそ、異なる世界の人々。貴方達はこの世界に選ばれた新たな民でちゅ‼︎」

「は?」

 

 ウルフカットの少女────猫歩 ルネカは気の抜けたような声を出した。

 

 周りの景色は幻想的な風景。

 

 どこぞのネズミの国を想起させる。浦安市の風景なんてものと比べてしまうのはこの世界に失礼であろうが。

 

 そんなことを言ってる場合ではない。

 

 ルネカが周りを見渡せば、自身と同じ制服の生徒ばかり見える。それ以外にも教員……校長先生までいる始末……。

 

 そもそも、ルネカ達がいる場所も中世のような建物内部であり、ローマのパンテオンを思わせる柱が連なっている。ディズニーではなく、ワールドスクウェアであったか。

 

 ルネカ達の前、先程「ちゅちゅ」とメンヘラ彼女のような語尾で喋る羽の生えたネズミのような生物。羽がついているにも関わらず、それが羽ばたいている様子は一切ない。

 

 ネズミのキャラクターがいるので、やはりディズニーなのではないか。

 

 ネズミは全身でジェスチャーを行いながら、小さな口を再度開いた。

 

「今から貴方達にはこの世界の新たな住民として生活して欲しいんでちゅ」

 

「生活?ふざけんな、元の世界に返せよ‼︎」

 

「私も、家族が待ってるんだ‼︎」

 

「夏目氏、これって異世界転移ってヤツじゃないですかな」

 

「藤沢ー! そんなんだから4ちゃんねるでバカにされるというのだー‼︎」

 

 一人の生徒が叫び、それに呼応するように他の人々も叫び始める。ただ、それに呼応せずに絶望する者、喜ぶ者、怒りの声をあげる者────様々な者が渦巻く神殿内部。

 

 その中、ルネカは溜息を吐きながら、フードを被った。ポケットからスマホを取り出し、耳に入っていたブルートゥスイヤホンで音楽を聴き始める。

 

 (……ほんと、ダル)

 

 より騒がしくなる喧騒の中、ルネカのスマホの画面には圏外の文字と電波系アイドル曲の名前が映し出されていた。

 

 

 




 プロローグに関しては少しずつ継ぎ足しを繰り返していきます。本当は400文字ぐらいで終わらせたかった……
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