世界を変えるまで...そして変えてから...   作:ペンギンって可愛いですよね

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第四話「ハーバードでの日常」

組織壊滅後の世界で描く、天才二人の物語:

 

――別視点:ハーバードから見た“彼ら”の異質さと、希望。

 

 

…ハーバード大学・神経倫理学教授の視点

 

「天才とは、“怖さ”だ。」

 

ハーバード大学・脳科学部門主任教授のミシェル・ハドリーは、初めて“特別推薦”として送られてきた書類に、目を疑った。

 

名前:江戸川コナン(Conan Edogawa)

年齢:不明(※外見年齢不一致)

推薦文:東都大学医学部・帝丹小学校校長・国際科学評議会より連名

 

その隣には、同様に年齢詐称とも思われる少女の記録――

 

灰原 哀(Ai Haibara)

研究テーマ:「再構成的記憶と薬理作用」「自己同一性と神経可塑性」

 

彼女は、博士レベルの内容で論文の草稿をすでに提出していた。

しかもその中には、誰も解明できなかった「特異な細胞逆行化作用」についての仮説が含まれていた。

 

「……この子たちは、何者なんだ?」

 

 

…ゼミ初日、ざわつく大人たち

 

院生たちの視線は冷ややかだった。

“天才小学生”などという言葉は、米国のアカデミアではただの話題作りに過ぎない。

しかし、ディスカッションが始まって5分後。

誰もが口を閉じる。

 

「“死”は、主観か客観か。

それは記憶が“他者”にとって再生可能かどうかで決まる。」

 

灰原が語ったのは、科学で“死”の境界線を定義する新しい論理。

そしてコナンが、犯罪心理の面から反証する。

 

「でも“再現”される記憶に、魂の不在を証明できるかい?

それができないなら、“死”はまだ解けてない。」

 

静寂の中、ハドリー教授だけが拍手を送った。

 

…そして未来へ

 

組織が壊滅し、ようやく得た“自由”。

だが彼らはそれを、ただ安らぐためではなく――

**「生きる意味を探す旅」に使っていた。

 

人の記憶、命、罪、赦し。**

 

そんなテーマを、まだあどけない姿のまま、世界最高の頭脳たちと共に議論する二人。

 

世界はまだ、彼らの“本当の正体”を知らない。

 

 

ハーバード入学から半年。

“江戸川コナンと灰原哀”の存在は、もはや都市伝説のレベルでアカデミア界を駆け巡っていた。

 

年齢非公開。

外見は小学生。

しかしその論文とディスカッション能力は、既に博士号級。

 

そして、何よりも驚きだったのは――

 

「自分の研究には、命をかけてきた。」

 

そう語る灰原志保の言葉に、どの教授も一瞬、心を射抜かれる。

 

そんな彼らに対し、名門校から次々とスカウトが舞い込む。

 

 

 MIT(マサチューセッツ工科大学)

 

「君たちには、独立した研究機関を一つ与える。年齢は関係ない。」

 

・AIと犯罪予測アルゴリズムの共同研究をコナンに打診

・ナノ医学と細胞修復に関するプロジェクトを灰原に提示

 

教授陣は口を揃えて言う。

 

「年齢なんて、知性の前ではただの数字だ。」

 

 

 オックスフォード大学(イギリス)

 

「世界初の“天才未成年チーム”を結成しないか?」

 

・王立研究院からの推薦付き。国費での滞在保障

・歴史哲学と倫理の観点から、彼らの“記憶と人格”を研究対象とするという逆提案も

 

灰原は「被験者になる気はないわ」とぴしゃり。

だがその知性に、英国の老教授たちはむしろ敬意を表した。

 

 

 スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)

 

「“天才たちの独立共和国”を一緒に作ろう」

 

ここでは科学技術と未来社会の構築に焦点が当てられており、

二人を「AI・神経科学・薬理」の三分野融合プロジェクトのキープレイヤーに指名。

 

「子どもであることは、未来を設計する最良の武器だ。」

教授たちはそう言った。

 

 

…二人の反応

 

 

コナン:

 

「悪いけど、スカウトには乗らないよ。オレは――“日本のために”やりたいことがあるから。」

 

灰原:

 

「私たちは、遊びで知識を扱ってるわけじゃないの。過去があるの。…簡単には売れない。」

 

 

…裏で動く“日本政府”とFBI

 

彼らの才能は、国家安全保障や倫理の問題にも関わっていた。

日本政府はすでに「国家特別研究員」としての地位を用意し、帰国交渉を水面下で開始。

FBIもまた、「コナン=工藤新一」である事実に気づき始めていた。

 

 

論文発表…

 

発表されたのは、以下の2本の論文――

 

【1】江戸川コナン

 

『犯罪予測と動機の可視化に関する複合推理モデル』

 

概要:

人間の“動機”という曖昧な概念を、言語分析・行動履歴・環境要因・非言語的反応から多角的にデータ化し、犯罪の発生を未然に予測するという理論モデル。

いわば「AI×探偵」の究極形。

 

特徴:

•現場主義の“推理”と、データサイエンスの融合

•既存の犯罪学・心理学・法学をまたぐ学際的アプローチ

•すでに日本国内の未解決事件の2件で実証実験中と記述されている

 

衝撃:

•「倫理的に危険では?」という意見と、「国家安全保障レベルだ」という声が同時に上がる

•ハーバード内でも「これは少年の書いた論文ではない」と教授陣が騒然

 

 

【2】灰原哀

 

『DNA再構成による個体記憶の一部保存と転写に関する基礎的研究』

 

  概要:

人間のDNAに記憶の断片が残存しうる可能性と、その“情報痕跡”を読み取るための分子工学的アプローチを提示。

「人は死んでも、その記憶の断片は残せるかもしれない」という、現代の記憶保存に対する革命的理論。

 

特徴:

•組織時代の禁忌研究の応用

•AIと連携した記憶再構築シミュレーションの実験例を掲載

•実際に一部の神経疾患患者における“記憶補完”実験の成果も発表

 

衝撃:

•一部の医療関係者から「倫理の境界を超えた」と非難

・ノーベル賞委員会が非公式に「今後の推薦対象として注視」と発言

 

 

世間の反応

•SNSでは「小学生の子どもがここまで書けるのか?」と論争勃発

•各国メディアが緊急特集を放送、日本の朝のワイドショーも騒然

 

 

コナンの一言

 

「未来を守るには、ただの“正義感”だけじゃ足りない時がある。……知識も、武器になるんだ。」

 

灰原の一言

 

「人の命と記憶には、値段なんてつけられない。それを証明したくて、私は書いたの。」

 

 

…静かな狂気

 

世界に衝撃を与えた二本の論文の発表から、わずか数日。

 

ハーバードの構内は、異常なほどの注目と警備に包まれていた。

 

謎の脅迫状

 

「神の領域に触れた代償を、知れ。」

 

灰原のロッカーに差し込まれていた、印字された紙片。

発信元不明。誰の指紋も検出されなかった。

 

そして――

 

江戸川コナン宛にも同じ文面の脅迫状が届く。

内容には、二人が「近日中に命を落とす」と具体的な日付まで書かれていた。

 

 

…旧敵か、新たなる影か

 

コナンは灰原と共に、大学構内の一角にある研究室に身を潜める。

FBIのジョディ・スターリングやキャメル、そして阿笠博士の協力を得て、仮設の防御体制を構築。

 

「黒ずくめの組織は、確かに壊滅した……はずだ。でも、これが“残党”じゃないとしたら――?」

 

「新しい“利害”が生まれたってことよ。私たちの論文は、それだけ危険だったってこと。」

 

灰原の声は冷静だったが、どこか覚悟を秘めていた。

 

 

…襲撃

 

ある晩。

研究棟の照明が落ち、非常灯が瞬く中、突如として“無音の侵入者”が現れる。

 

全身を黒で覆い、無線も持たないその男は、何の前触れもなくガラスを破り、灰原の研究資料を奪おうとした。

 

「動くな。」

 

暗闇から飛び出したコナンが放ったのは、麻酔銃付き時計ではなかった。

今回の彼は、“推理”ではなく、“迎撃”に動いていた。

 

格闘、破壊、逃走。

逃げ去る黒い影を前に、灰原はぽつりとつぶやく。

 

「ねぇ、工藤くん。世界が変わるって、こういうことなのね。」

 

「……でも俺たちは、その覚悟で、書いたはずだ。」

 

 

第5章:追跡と決意

 

FBIと共に動いた分析の結果、脅迫と襲撃の背後にいたのは――

 

国際的な軍事系AI企業「ソレイス・インダストリー」。

 

彼らは、コナンの「犯罪予測モデル」に恐怖を抱き、

灰原の「DNA記憶転写技術」が軍事転用される前に、それを潰そうとしていた。

 

だが、その事実が明るみに出ると、

今度は世界中の報道機関が騒ぎ立てることに。

 

 

…世界の真ん中で

 

襲撃から1ヶ月。

二人はスイス・ジュネーブで開催された国際科学倫理会議に招かれる。

 

壇上に立つ二人。

子どもの姿のまま、世界中の科学者・政治家・倫理学者を前にして――

 

「知識は使い方で、毒にも薬にもなる。僕たちは、誰かを傷つけるために書いたわけじゃない。」

 

「人の心や命を救いたかった。それだけよ。」

 

拍手と議論と、賛否と戦慄と。

だがその中で、確かに一歩、世界が進んだ瞬間だった。

 

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