雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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 変色海域の発見と戦艦棲姫襲来を受けて、訓練艦隊は即時撤退の命令を受けた。この命令を辛うじて傍受できたのは鵜渡根島で洋上補給の準備をしていた瑞穂、磯風、浜風、初月の4人だった。

「雲龍達を見捨てる気か!?冗談じゃない。僕は助けに行くぞ。」

「撤退しろって命令を受けてるのよ。それに相手は姫級で私達じゃどうにもできない相手よ。」

「そんなもの戦ってみなければわからん。」

「磯風まで…。改装を受けた先輩艦娘達でさえ苦戦した相手なのよ。未改装で模擬戦しかしたことがない私達にできることは少ないのよ。」

「ではどうすると言うんだ。このまま指咥えて見てろと言うのか。」

「戦うなと言ってるのよ。ここで雲龍達と合流してから撤退するのよ。」

「雲龍達は敵の目の前にいるんだぞ。悠長な事言ってる場合じゃない。助けに行くべきだ。」

「気持ちは分かるけど、それだと芋づるに被害が増えるだけよ。よく考えて。」

「瑞穂、この艦隊の旗艦は今瑞穂なんだ。指示をくれ。」

「瑞穂、あなたもわかるでしょう?悔しいけど私達じゃ、どうしょうもないの…。」

「…ここで暫く待ってから撤退しましょう。」

「理由付けはどうするんだ?命令が出てる以上それなりの理由じゃないと受理されないぞ。」

「私の機関不調につき修理に時間を要する、というのはどうでしょうか?」

「それなら…いけるか。」

 こうして瑞穂達4人は暫く鵜渡根島にて待機する事にした。すると、損傷した山城、最上、秋月と護衛の筑摩が戻ってきた。一通り再会を喜んだあと、瑞穂達は雲龍の作戦を聞いた。戦艦棲姫を鵜渡根島に引きつけること、伊豆大島の陸攻隊で攻撃すること、そのために遅滞戦闘をするということ。そこで瑞穂は撤退する際、訓練最初に雲龍から貰ったアドバイスで鵜渡根島周辺にばら撒いておいた甲標的を戦艦棲姫が来るであろう位置に集結させておいた。

 合流を果たした瑞穂達は全速で伊豆大島まで戻り、教官達と基地司令に雲龍の作戦を伝え陸攻隊による攻撃をお願いした。

「我々としても陸攻を出したいのだが、残念ながら戦艦棲姫正確な場所が分からない限り無闇矢鱈に出撃することが難しいのだよ。」

「教育隊に支給された通信機は変色海域内外で通信する事ができないの。通信を確立するには専用の通信機が必要だけど、前線部隊に優先配備されていて教育隊配備は当分先なのよ。」

「…戦艦棲姫の場所が判明すれば出撃できる、ということでよろしいでしょうか。でしたら、現在鵜渡根島付近に甲標的を配置しています。甲標的と情報を共有することで戦艦棲姫を発見することができます。」

「ふむ、艦娘の装備なら通信関係は問題ないか…いいだろう。瑞穂君、戦艦棲姫を発見次第すぐに報告するように。陸攻隊による全力攻撃を実施しよう。」

「ありがとうございます司令。」

 雲龍と龍鳳による第二次攻撃が始まったタイミングで攻撃準備を完了していた時雨と夕立だったが、報告に無かった未知の兵器を確認したため予定通り突撃するか躊躇していた。暫く様子を見ることにした時雨と夕立は、護衛要塞が魚雷攻撃を受けて爆沈したのを見て突撃をする事を決断した。

「行くよ夕立!」

「選り取り見取りっぽい!」

 同時に攻撃隊も突撃を開始、護衛要塞の注意を引いてくれたおかげで安心して戦艦棲姫へ突撃した。道中行く手を塞ぐ随伴艦を撃沈しつつ戦艦棲姫へ肉薄、空爆を防いでる本体に向けてありったけの主砲弾と魚雷を浴びせ、反撃を受ける前に離脱を開始した。離脱中もついでとばかりに随伴艦を撃沈していった。離脱後時雨と夕立は全速で伊豆大島へ向かった。

 すべてが終わり現在、教官達はドン引きしていた。というのも、今回の総合訓練では各艦娘の艤装や艦載機には成績評価のために妖精製の特別なカメラが搭載されており、そこには雲龍の戦いの一部始終も録画されていた。艦載機による巧みな攻撃は評価に値するが、空対空爆撃を連発する事や高高度水平爆撃を全弾命中させる事に絶句し、なにより執拗に深海棲艦の顔面を攻撃する事や戦艦棲姫に対して接近戦を行う事にドン引きしていた。後日、戦艦棲姫に対して接近戦を行うバカがあるかと怒られ、顔面攻撃に関しても倫理的にあまり多用しないようにと苦言を呈された。

 

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1454:雲龍

顔面攻撃を多用した覚えはないのに怒られました

非常に解せないです

 

1455:名無しの転生者

これについては顔面破壊大帝が悪いな

…もしかして最初に顔攻撃を提案したのも顔面破壊大帝か?

 

1456:顔面破壊大帝

本当に申し訳ない、これからも続けていきます

≫1455 お、よく気づいたな

 

1457:名無しの転生者

えぇ…

 

1458:雲龍

あと空対空爆撃について、他の娘に教えれないか興味本位で聞かれたんですけど、できますか?

 

1459:戦犬

難しい、というかたぶん無理

 

1460:激炎さん

他の妖精とコミュニケーションとれないのが痛いな

 

1461:雲龍

では無理そうと伝えておきますね

 

1462:名無しの転生者

まぁ、暫くは平和だな

 

1463:名無しの転生者

そうかな(利島以南の制海権を見つつ)そうかも?

 

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 ふむ、スレの住人達妖精として艤装から出てくるけど他の妖精とコミュニケーション取れないのか。不思議だなぁ…。教官にはあとで空対空爆撃のことは言っておくとして、今は腰に抱き着いて離れない龍鳳をどうにかしないと。

「雲龍さんは私と離れ離れになっても、寂しくないんですかぁ?」

「え、お互い同じ基地でしょう。」

 

 配属部隊が発表されたのだが、横須賀教育隊所属の艦娘は全員が横須賀基地配属となった。雲龍は鎮守府じゃないのか、とぼんやり考えていた。

「違いますよ!私は横須賀基地所属横須賀鎮守府にいますけど、雲龍さんは横須賀基地所属伊豆大島派遣隊に行くんですよ!」

 配属後それぞれの部隊に振り分けられることになったのだが、雲龍と龍鳳は別々の部隊に配属となっていた。雲龍は配属基地は確認していたが配属部隊までは確認していなかった。

「龍鳳と離れるのは、私も寂しいよ。でも仕方のないことなのよ。」

「まぁ…定期的に手紙書くから元気出して、ね?」

「毎日欠かさずに送ってくださいね!絶対ですよ!」

「毎日は流石にちょっと…。」

 

 部隊配属当日、艦娘達は横須賀教育隊よりそれぞれの配属部隊へと出発した。伊豆大島派遣隊行きの陸自の小型トラックが一番最初に出発することになった。多くの人に見送られながら出発し、龍鳳は正門までトラックを追いかけて見送った。

 小型トラックはそのまま横須賀基地の船越地区まで行き、そこから多用途支援艦えんしゅうに乗って伊豆大島まで移動した。伊豆大島に到着した後に出迎えのトラックに乗って派遣隊本部のある大島飛行場まで移動し、着任式を終え配属艦隊へと向かった。

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1489:雲龍

本部がザ・鎮守府って感じの外観の建物で、なんか感動的

 

1490:名無しの転生者

21世紀に赤煉瓦建築ですか、大したものですね

 

1491:名無しの転生者

はぇ〜内装も趣深いな

 

1492:名無しの転生者

ここにいる艦娘達が今回一緒に着任する方達ですか

そこそこ多いな

 

1493:名無しの転生者

みんな雲龍を見てソワソワしてるぞ

 

1494:名無しの転生者

そりゃ(教育中に戦艦棲姫を倒したんだから)そうよ

 

1495:雲龍

あ、あれ陸攻が倒したことになったんです

私達は上官の指揮下で損傷を受けつつも後退に成功したことになってます

 

1496:名無しの転生者

まぁ、真似する人が出たら困るからねぇ(顔面攻撃と近接戦)

 

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 艦娘運用部隊は運用面に関して妖精の意向が強く影響している面があり、例として艦娘部隊のいる基地は鎮守府と命名されたり、提督と秘書艦といったシステム等が挙げられる。基地司令の下に艦隊を率いる鎮守府提督が置かれ、その補佐を秘書艦の艦娘が行う。目的としては、個性豊かな艦娘の円滑な部隊運用を実現するためとなっている。

 伊豆大島派遣隊、通称大島鎮守府には3つの艦隊と基地航空隊が存在し、その他艦隊運営に必要な施設が一通り揃っている。雲龍が配属されたのは新設された第3艦隊で、雲龍の他に比叡、青葉、川内、早霜、秋雲が配属された。

 

 

 

 

 

 

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