雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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 後日、第3艦隊が持ち帰った飛行場姫、泊地棲鬼、装甲空母鬼や敵の陣容に関する報告書は直ちに関係部隊へと共有されていった。無事に戻って来た事に安堵しつつ、ついでとばかりに姫と鬼に損傷を与えている事に呆れつつ、提督はひとまず第3艦隊に休養を命じた。その後、ガンカメラの映像で敵が当たりに来ているようなロケット弾の対空戦、顔面攻撃等に提督と他艦隊の空母艦娘達はドン引きした。

 工廠でとある用事を済ませた雲龍は、第3艦隊隊舎内外を転々としていた。早霜等大人組は昼間からお酒を飲んでいるようだが、雲龍はまだ20歳ではないためお酒は飲めないのだ。この事を話すと青葉、早霜、秋雲は訴えかける様な視線を送ってきたが、当の雲龍はいまいちピンと来ていなかった。

 ちょうど調理室の前を通ろうとした時、室内から調理音が聞こえてきたので気になって見てみると比叡が1人で調理していた。誰かと一緒に作るのと聞くと比叡は首を横に振り、青葉はどこかへ取材に赴き、川内は昼間から寝ていて、秋雲は部屋に籠もりっきりで、早霜はバーでカウンターの上でグラスを滑らせる練習をしており、雲龍は工廠に行ってしまったため誘える人がいなかったとのこと。これは悪いことしたなと思った雲龍は手伝いを申し出、比叡は快諾した。

「ところで、これは何を作ってるの?」

「カレーです!張り切って作ってみました!」

「そう…。」

 最近は川内とよく料理していたためか、だいぶダークマターからは逸脱してきている。が、今回は張り切りすぎたのか紫色の具無しカレールーが小さい鍋に入っていた。

「日頃の感謝を込めて、川内さんに召し上がって貰おうと思って。あ、これから味見しようとしてたところなんですけど、雲龍さんもどうですか?」

 香りはカレーだし、色が気になるだけだろうと考えた雲龍は一緒に味見することにした。

「…。」

「思ってたのよりかなり刺激的だったけど、ちゃんと食べれたよ?」

 比叡がすごいしょんぼりしてる。

「じゃあ、一緒に作りましょうか。料理あまりしたことないけど…。」

「あ、はい。お願いします。」

 とりあえず雲龍は料理中、比叡にどしどし質問することにした。そしてなんだかんだあって普通の肉じゃが(肉抜き)ができた。

「ひぇ~、お話に夢中でカレーを入れるのを忘れてしまいました!」

「でも、この肉じゃが?も美味しそうね。」

 普通に美味しい肉じゃが(肉抜き)だった。結局雲龍はジャガイモ等を切ったくらいで、大部分は質問責めにあっていた比叡が作っていた。この事を比叡に教えて元気を出すように言ってから調理室を出ようとした所で、比叡に次も一緒にとお願いされたため、いつでも呼んでと言ってから部屋を出た。

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2398:名無しの転生者

もうちょっと高高度水平爆撃の命中率を上げたい

 

2399:名無しの転生者

言うて今でも十分高いじゃん

 

2400:名無しの転生者

≫2399 それはヤバイ級爆撃手が投弾してるからだよ

俺達フツウ級爆撃手じゃどうにも…せめてスゴイ級にはなりたいけどね

 

2401:名無しの転生者

練習するしかないでしょ、そこは

 

2402:メカニック

こんなこともあろうかと、既存の爆弾に後付けできる誘導装置を作っておいたのさ!

 

2403:名無しの転生者

≫2402 ファッ!?そんなもの作れるのか!?

 

2404:名無しの転生者

コイツ、さてはチーターだな?

 

2405:メカニック

誘導方式は熱源誘導式でちゃんと熱源を判別するように設定しておいたゾ!ホントはGPS誘導も作りたかったが無理だった…

 

2406:名無しの転生者

それでも十分凄い定期

 

2407:メカニック

欠点は数をあまり揃えれなかった事だ

 

2408:名無しの転生者

ちなみに何発分作ったんだ?

 

2409:メカニック

250kg爆弾用が10個、800kg爆弾用が6個だ

全部所謂失敗ペンギンから作ってるゾ

 

2410:名無しの転生者

これでスゴイ級爆撃手レベルになれるのかなぁ…?

 

2411:名無しの転生者

≫2409 廃材置き場でちょっとした騒ぎになってたの、君が原因かぁ!

 

2412:雲龍

こんなもの作ってたのね…

 

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 敵棲地攻略日も近づく中、作戦内容を詰めるために大島派遣隊本部で会議が行われていた。参加しているのは基地司令、各艦隊の提督と所属艦娘複数、その他本部要員でその面子のなかには雲龍と比叡も含まれていた。会議中、雲龍は隣で「ひぇ〜」と縮こまっている比叡に飴玉を渡して落ち着かせ、同時に今作戦に参加する艦隊旗艦にあたる艦娘達を見回した。第1艦隊からは長門と吹雪、第2艦隊からは翔鶴と瑞鶴が参加していた。すると翔鶴がこちらの視線に気づき軽く会釈してきたので雲龍も会釈し返した。会議の内容?細部は提督と比叡が何とかしてくれるでしょう。

 関東防衛の一翼を担う大島鎮守府には多くの艦娘が在籍しており、艦隊の編成や運用は基本ローテで行われる。尚、第3艦隊については特殊運用をする艦隊兼即応艦隊として専任提督をつけた上での固定編成となっている。余談ではあるが、艦娘となる人数は元となった艦船の数よりも多い為必然的に同じ艦名の艦娘もいる。この大島鎮守府にも雲龍と同じ教育隊にいた日向と筑摩と同名の艦娘が存在している。そして今回の作戦参加艦娘の中にも日向と筑摩の名前がある。

 第1艦隊と第2艦隊は協同して泊地棲鬼と装甲空母鬼を攻撃し、第3艦隊はその隙に飛行場姫を攻撃する、というのが大まかな指示となる。地上目標の撃破が主任務ということもあり、雲龍は今回の出撃では陸用爆弾を多めに持っていくかと考えた。

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2448:雲龍

ということで、今回は対地攻撃が主任務となります

 

2449:名無しの転生者

対地攻撃となると、例の装備はあまり出番が無いのかな

 

2450:メカニック

そ、そんなぁ…

 

2451:雲龍

敵艦隊と遭遇すると思うので、その時活用させて貰いますね

 

2452:名無しの転生者

にしても一個艦隊だけに飛行場姫を任せるって正気か?上層部は何を考えてるんだ…

 

2453:名無しの転生者

第3艦隊=消耗品軍団かな?

 

2454:名無しの転生者

いや、まぁこの前の演習でベテランの第2艦隊倒しちゃったから、多少はね?

 

2455:名無しの転生者

あー瑞鶴が「こんなのチートよ!チート!」って言ってたやつだっけ

 

2456:名無しの転生者

まぁ、それはそう(全弾命中する高高度爆撃、エースの変態機動を見つつ)

 

2457:名無しの転生者

こっちの早期警戒機が戦場を丸裸にしてたのが大きいな…

…こっちの方がよっぽどチートでは

 

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「あら、雲龍さん。こんにちは。」

「こんにちは雲龍。」

「翔鶴さん、瑞鶴さんこんにちは。」

 翔鶴は瑞鶴と一緒に次の敵棲地攻略のための会議に参加していると、雲龍がこちらに視線を送っているのを確認したため会議後に声をかけることにした。雲龍が会議中どこか上の空だったため、心配になって雲龍に渡す用のメモをしていた。

「ところで雲龍さん。会議の内容は大丈夫だったかしら。雲龍さんの助けになると思って、よければ私のメモも貰ってくださるかしら?」

「ありがとうございます、翔鶴さん。」

「ちょっと翔鶴姉、雲龍を甘やかしすぎよ。」

「もう瑞鶴、かわいい後輩なのよ。そういう瑞鶴も雲龍さんの事をよく気にかけてるみたいね?」

「そ、それは雲龍が困ってそうだったから仕方なくよ!仕方なく!」

 雲龍が大島鎮守府に着任してから、様々な所でボケーっとしている場面を目撃されていた。翔鶴は、雲龍が戦艦棲姫と戦った事を知っていたこともあり心配して様子を見ていたが、元々の気質だったということでひとまず安心した。が、それはそれで心配だということでちょっとずつ世話を焼き始めた。それに合わせて瑞鶴も雲龍が困っていたら助け舟を出すようになった。そして、ある日の第2、第3艦隊演習で雲龍航空隊にぎゃふんと言わせられてから瑞鶴は雲龍をライバル視していたが、普段の雲龍が雲龍なので「ライバルならもっとしっかりしなさい!」と益々助け舟を出すようになった。

 ちなみに翔鶴と瑞鶴は実の姉妹らしく、非常に仲が良い。そして、雲龍が同じ作戦に参加すると聞いて1番舞い上がってるのは瑞鶴だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

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