雲龍に転生   作:DAIHONN_A

15 / 34
15.

 ついに作戦開始日となり、大島鎮守府からは各艦隊が出撃命令を待っていた。ここで各艦隊の編成を見てみると以下のようになる。

 

第1艦隊:長門、陸奥、伊勢、日向、蒼龍、飛龍、吹雪、白雪

第2艦隊:翔鶴、瑞鶴、金剛、榛名、利根、筑摩、鳥海、綾波、敷波

第3艦隊:雲龍、比叡、青葉、川内、早霜、秋雲

 

 第1、第2艦隊は予想される敵の攻撃を吸収することを図り第1艦隊の戦艦4隻を前面に進出させている。両艦隊の空母は後方で金剛と榛名の護衛のもと戦艦部隊の後をついて行く。

 第3艦隊では彩雲を先行させ、敵警戒艦隊を極力躱して進み、同時に彩雲が探知したレーダー発信源を艦載機によって無力化させていった。極力敵艦隊と遭遇しないようにしていたが、敵レーダー網に穴を空けていくうちに大まかな場所を特定され戦闘の回数が増えていった。戦闘は彩雲が探知した敵艦隊にまず爆戦が突入し、陣形が乱れたところで川内と早霜が艦隊内に浸透し撃滅する流れだった。というのも川内と早霜はなぜかレーダー波を吸収しやすいようで、容易に敵に接近することができたためこういった戦闘になった。

—————————————

2501:スカイアイ

敵のレーダー波を探知

ビンゴだ、こいつは飛行場姫周辺のレーダー網に違いない

 

2502:雲龍

よし、レーダー基地を潰す

攻撃隊発進

 

2503:名無しの転生者

機体下部を波が洗うくらいまで高度を下げろ

 

2504:名無しの転生者

了解!

 

2505:名無しの転生者

攻撃地点に到達、槍を放て

 

2506:スカイアイ

ロケット弾命中、レーダー波の発信の停止を確認した

 

2507:攻撃隊長

飛行場姫攻撃隊発進準備よし

 

2508:雲龍

発艦お願いします

 

2509:名無しの転生者

よし来た、任せてくれ!

 

2510:スカイアイ

飛行場より大型航空機が飛び立っている!数は約30!

進路は第1、第2艦隊の方向!

 

2511:雲龍

機種は確認できる?

 

2512:イーグルアイ

目標視認、2発のたこ焼き型、中型爆撃機と思われる

 

2513:名無しの転生者

艦攻や艦爆じゃなくて中爆?何をする気なんだ?

 

2514:スカイアイ

新たに更に大きい航空機6機が同一方向に飛び立った!

続けて迎撃機と思われる機影複数確認

 

2515:攻撃隊長

各機状況に備えよ!

 

————————————————

 第1、第2艦隊は迎撃に出てきた装甲空母鬼率いる艦隊と戦闘を行っていた。最初に敵を発見したのは利根の零観で、装甲空母鬼と多数のFlagshipを含む艦隊の陣容と位置を送信した段階で撃墜された。この報を受けて第1艦隊は第2艦隊を守るように展開、第1、第2艦隊は直ちに攻撃隊を放った。翔鶴と瑞鶴からは試製烈風と流星が、蒼龍と飛龍からは紫電改二と天山と彗星が飛び立った。と同時にこちらも偵察機に見つかってしまったため、迎撃機を上げる事にした。攻撃隊は進撃中深海棲艦の攻撃隊と遭遇、この事を艦隊に報告し、やがて敵艦隊上空まで近づくと敵迎撃機の歓迎を受け護衛戦闘機隊が対応した。この時点で深海棲艦側のマルチロールファイターは、試製烈風は言わずもがな紫電改二に対しても劣勢を強いられることは少なくなく、この空戦でも護衛戦闘機隊は優位に戦闘を続けていた。が、如何せん敵の数が多い為攻撃隊まで浸透されてしまった。攻撃隊は編隊を組み各々の防護機銃で応戦するが、目視による旋回機銃の射撃は高速で動く相手には分が悪かった。1機また1機と攻撃隊が減っていくなか、遂に敵艦隊まで到達した。深海棲艦が打ち上げる弾幕に怯むことなくまず彗星が外周の駆逐艦に対し爆撃を開始、何機かは撃墜されたが艦隊の防空網に穴を開けることに成功した。攻撃隊は装甲空母鬼と随伴のヲ級Flagship2隻を集中攻撃した。彗星と天山の同時攻撃によってヲ級2隻は大破炎上し数分後に水面に没した。流星は装甲空母鬼に対し緩降下爆撃と雷撃を実施し、爆弾4発と魚雷3発が命中。続けて瑞鶴の流星6機が800kg徹甲爆弾による水平爆撃を実施し2発が命中、元々損傷していた主砲付近に1発が命中し弾薬庫付近で起爆したため装甲空母鬼は爆沈した。

 一方の深海棲艦の空襲を受けている第1、第2艦隊は直掩隊の奮戦もあって母艦戦力こそ無事だったが、戦艦に攻撃が集中しすぎてしまい陸奥と伊勢が小破してしまい、特に伊勢は中破と判定されてもおかしくない状態だった。

 攻撃隊から装甲空母鬼撃沈の報告を受けた艦隊は残敵を掃討しつつ、敵棲地の泊地に突入するため前進を開始した。するとここで第3艦隊から敵中型爆撃機の編隊がこちらに向かってきているとの連絡を受けた。爆撃機や雷撃機ではなく中爆が接近している事に全員が当初困惑したが、兎にも角にも迎撃機は上げる必要があるのでひとまず直掩隊を上げることにした。その数分後に重爆も発進したとの報告を受け、艦隊はさらに困惑した。暫くすると艦隊の対空電探に接近する編隊を探知したため直掩隊を向かわせた。重爆はそれ程高度をとっていなかったため直掩隊はやすやすと上方に遷移できた。そして順次降下し攻撃を仕掛けようとしたとき、太陽の方向から射撃を受けた。突然の攻撃に反応する暇が無く何機か落ちてしまったが、直ぐに態勢を立て直し反撃に出た。よく見れば敵はいつもの黒い奴ではなく、白いたこ焼きみたいな奴だった。この新手は機動力が高く、直掩隊はなかなか中爆への攻撃に移れなかった。

「全艦対空戦闘用意!」 

 長門の号令一下、全艦の対空砲が中爆がいる空を睨みつけるが、こちらに向かっていた中爆は突如進路を変えた。

「?どういうことだ。奴らは爆撃が目的ではないのか?」

 全員が疑問に思っていると、中爆が艦隊前方に落下傘を落とし始めた。

「ッ!?機雷だ!」

 長門の警告を受けて艦隊は左へ針路を変更、当初の進行ルートの変更を余儀なくされた。

 直掩隊は敵新型機を突破し重爆の攻撃に移行したが、中爆がそこそこ頑丈でなかなか落ちなかったため攻撃を継続していった。帰還命令が来たが、敵中爆は艦隊進路と反対方向に退避していたため、時間がかかることになり暫くの間艦隊のエアカバーが無くなってしまった。間の悪いことに、ここで艦隊の対空電探が敵編隊の接近を知らせた。艦隊の右舷側、敵棲地特有の黒い雲と赤い海の狭間に徐々に大きくなる鈍色の影が6個見えた。

「なんだ、あれは。」

「ッ、デカい!」

 遂に姿を見せた重爆に対し、長門は言いしれぬ不安を感じた。先程の中爆より少なくともふた回りも大きい機体が低空飛行で接近してきていた。何を考えているのか、これまでの戦闘経験からは判断できなかった。

「直掩隊はまだ戻らないか?」

「も、もうちょっとかかります!」

 敵重爆は陣形を組み直し前方に2機、後方に4機遷移し接近してきた。そうこうしているうちに前方2機が主砲の最低安全距離の内側に進入してしまった。長門はしまった!と思い、急いで三式弾の発射を命令しようとしたその時だった。

「マズ各艦隊ノ先頭艦ヲヤル。アノグラマーヲ狙エ!!」

 先頭の爆撃編隊長機は僚機にそう命じると、突如たこ焼き重爆の口が開いた。そして自身は第1艦隊の先頭を進む陸奥に照準を合わせた。

「レディー、ファイア!!」

 その瞬間、2機の重爆の口から勢いよく対艦ロケット弾が滝のように連続発射された。無誘導の対艦ロケット弾なので命中精度は期待できないが、数で勝負する寸法だった。陸奥を狙ったロケット弾の嵐は風の影響を受けてバラけたが陸奥を大破させるのには十分だった。そして陸奥の両側を航行していた利根と筑摩も被弾、利根が大破し筑摩が中破した。筑摩はその後流れてきた機雷に続けて触雷し大破してしまった。

 攻撃を終え艦隊上空を通過する2機の重爆が背を向けた瞬間に長門は三式弾を発射。続けて伊勢と日向に右舷から迫る残り4機の重爆に三式弾を発射するように命令した。発射された三式弾は所定の時間飛翔後起爆、周囲一帯に破片と焼夷弾をばら撒いた。重爆が巨体だったこともあり、重爆全機が被弾し撃墜された。

 長門が陸奥に肩を貸していると、同じく利根と筑摩に肩を貸している伊勢と日向が近寄って来た。

「長門!翔鶴もやられた!」

「なに!?」

 第2艦隊の先頭を進んでいた翔鶴もまた攻撃を受けていた。第2艦隊の場合、翔鶴のすぐ後方を瑞鶴が航行していたが、敵の狙いが上手かったのかロケット弾は翔鶴に集中し瑞鶴は奇跡的に被弾を免れていた。

「まずいな、ここで立ち往生するわけにはいかない。」

 長門はひとまず前進を継続する事に決め、素早く第3艦隊と合流し一部の艦娘で大破艦娘を引き連れて後退させようと考えた。そしてその時ちょうど第3艦隊から無線通信が入った。

「我、敵飛行場姫への攻撃に成功。着々と戦果拡大しつつあり。」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。