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全艦娘が無事に大島鎮守府に戻れたことでお祭り騒ぎになってから数日が経過した。損傷の少なかった第3艦隊が海域攻略後に周辺海域の偵察を実施したところ、どうやらあの飛行場姫が周辺海域の中核的存在だったらしく、関東周辺の海域から深海棲艦はほとんどいなくなっていた。しかし、依然として四国沖や九州周辺、北海道周辺、日本海側など深海棲艦が活動している海域があるため予断を許さない状況である事に変わりはなかった。
休養日、制海権奪還成功を盛んに広報しているラジオを横に置き、ベンチに座って海をボーっと眺めている雲龍に1つの影がかかった。
「やぁ雲龍、お休み中のところ悪いね。」
「提督こんにちは。私に、何か用?」
「ああ、ラジオでも言ってるように今回初めて大規模に海域奪還できたことを受けて、今回参加した艦隊が表彰されることになってね。」
「ふーん、そうなのね。…もしかして私も出るの?」
「ああ、最低でも各艦隊の提督と旗艦は出るように言われててね。」
「あまり目立ちたくないのだけれど…。」
(それ本気で言ってるのか…?いや、本気で言ってるな、これ)
「まぁ、カメラは無いって話だから、今のところ…。」
「それはよかったわ。」
「あと服装もしっかりした服を着てきてくれ。いつもの服装だとちょっと注目を浴びるかもしれないからね。」
「そう、わかったわ。」
そう言って雲龍は立ち上がり、次の日向場所を探す旅に出ようとした。
「あ、ちょっと待ってくれ。その、もうお昼はとったかな?作戦が終わってから提督としてあまり労えてない気がしてね。よければ、一緒にお昼でもどうかな?」
「うーん…。」
「あっ、そういえば横須賀から新型艦戦が届いて…。」
「なら、仕方ないわね。早くお昼に行きましょう。ついでにその艦戦のことも聞かせて?」
「それじゃあ、今日はちょっと良い所に行こう。」
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2702:雲龍
優秀な艦載機が来るというなら先に言ってほしいものね、私に時間掛けなくてもいいのにと思ってしまったわ
2703:名無しの転生者
提督のお誘いに新しい装備で釣られる艦娘、雲龍
2704:雲龍
でも、新しい機体が来ると聞けば嬉しいでしょう?
2705:名無しの転生者
嬉しい!!
2706:名無しの転生者
早く乗らせてくれ!もう待ちきれないよ!
2707:名無しの転生者
というか式典出るんか…雲龍も出世したもんだな
2708:雲龍
正直勘弁してほしいんですけど…
あまり目立ちたくないですし
2709:名無しの転生者
…それ本気で言ってるのか?(今までの戦果を見つつ)
2710:名無しの転生者
いやーキツイでしょ(顔面攻撃のしすぎでキレる深海棲艦)
2711:雲龍
えぇ…
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後日、雲龍は提督と一緒に工廠に赴いていた。出迎えた明石の案内で新型艦戦を保管している場所の扉の前まで足を進める。
「いや〜ホントにビックリしましたね〜、この機体を艦上戦闘機として運用するとは。」
そう言って明石が扉を開けると、そこにあったのはエンテ型の機体だった。
「局地戦闘機震電、その艦上戦闘機型なので震電改ということになりますね。」
「ふーん。でもなんで私に?」
「ふむ、上はこれまでの戦闘での艦載機の生還率を見て判断したらしい。」
たしかに、今回の敵棲地攻略においても雲龍航空隊の生還率は異様に高かった。上層部は航空隊が必ず帰ってくる、データを持ち帰ってくれる可能性が高いということで雲龍に配備すると決めたのだった。
尚、この震電改はまだ量産体制に入ったとは言えず、先行量産された16機が雲龍航空隊に配備されたのみだった。
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2738:名無しの転生者
これが震電改かぁ…この肌触りサイコー!!舐めてもいいかな?
2739:名無しの転生者
おい!誰かこの変態をつまみ出せ!
2740:名無しの転生者
コイツ!!引っ張っても全然機体から離れないぞ!!
2741:名無しの転生者
ジェットエンジンつけたら飛びそうな形してるな
2742:名無しの転生者
イカみたいだ
2743:名無しの転生者
プッシュ型はなぁ…トラクター型に乗りたいな
2744:メカニック
トラクター型がお好き?結構、ではますます好きになりますよ。さぁさ、どうぞ紫電改二のニューモデルです。快適でしょう?んあぁ、仰らないで。シートはイジェクションシート、今までの脱出方法だとよく滑るわ、(骨に)ヒビ入るわ、ろくなことがない。天井もたっぷりありますよ、どんな長身の妖精だって大丈夫。どうぞ回してみてください。どうです?いい音でしょう。余裕の音だ、馬力が違いますよ!(二重反転プロペラ)
2745:名無しの転生者
こっちの変態はどうします?
2746:名無しの転生者
あー、こっちは放置で
2747:名無しの転生者
というか、俺達に脱出の概念ってあるのか?
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雲龍の影響なのか雲龍の妖精達も新型機に興味津々だな、と少し離れた場所から眺める提督は思った。毎度の事だが、一部の妖精が雲龍の下で上を見上げながら話し合っているのを尻目に、嬉しすぎたのか機体にしがみついて舐め回すように観察している妖精をなんとか引き剥がそうと頑張って服を引っ張っている複数の妖精達を微笑ましく眺めていると、明石が近くに寄ってきた。軽く身構えていると、真面目な話を切り出したため肩透かしを食らった。
「高杉提督、実は…。」
明石が言うには、最近大量に出た失敗ペンギンと白いモコモコの行方が分からないという。またまた、明石が何かに使ったのを忘れたのではないかと聞くと違うと否定された。
「私は一昨日ミニシアター2号館を作っただけです!しかもそれは21型の資源で…って、あっ…。」
「…その件については、後で聞こうか。」
すると、雲龍の艤装の方から重々しいエンジンの始動音とプロペラが力強く空気を切り裂く音が聞こえてきた。こんな音の機体あったかな、と思いつつ音の出処を見ると違和感を感じる紫電改二があった。
「開発失敗で出たやつの行方が分からなくなってから、あの紫電改二が出てきたんです。」
「あの何か違和感を感じる機体のことか。」
「はい。軽く見た感じ一体成型のバブルキャノピーと二重反転プロペラに改造されてます。」
言われてみれば、コックピットガラスに窓枠がほとんどなく、また回転しているプロペラも2つあるように見えた。
「まさか雲龍がやったと?最近の雲龍は比叡と料理したり、秋雲の絵のモデルになったり、青葉の取材を受けたり、私とよくランチに行ったりしてたが。」
「…いえ、雲龍がやったとは考えていません。私の見立てでは妖精が犯人です。」
「…なら、いつもの妖精の気まぐれってことではないか?」
「うーん、そこがなんとも。何か違和感を感じるんですよねぇ。」
「まぁ、大丈夫だろう。雲龍の妖精のことだから悪いようにはならないだろう。」
そう言って提督は改造された紫電改二の横で、妖精の集団に必死にプレゼンしている“安全第一”とプリントされた黄色いヘルメットを被った妖精を眺めた。
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2750:名無しの転生者
改造のための資材ってどこから入手したんだ?
2751:メカニック
大量に廃棄されてた失敗ペンギンと白いモコモコだよ
おかげで雲龍搭載の紫電改二は全機改造できた
2752:名無しの転生者
はぇ〜廃棄物からこんな物を生み出せるのか
2753:メカニック
ということでこの紫電改二を見た諸君!!ぜひ私と一緒に新装備を開発したり魔改造したりしてみないかね!!
2754:名無しの転生者
急に勧誘始まったぞ…
2755:名無しの転生者
もしかして…人手不足?
2756:メカニック
その通り!!紫電改二を1人で全機改造するの結構大変だったんだ
2757:名無しの転生者
しかも誘導装置の製造も同時並行でしょ?そりゃ忙しいわ
2758:メカニック
未経験歓迎!!アットホームな職場!!週休二日制!!
2759:名無しの転生者
…なんかブラックな香りがするゾ
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