雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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 式典まであと数日というところで、第3艦隊は制海権が取れている伊豆諸島南端の海域で訓練を行っていた。訓練もあと少しで終わりというところで、近海を哨戒していた横須賀の艦隊から救援要請が届いた。雲龍は急いで索敵機を向かわせ、艦隊も全速で急行した。そして遂に索敵機が哨戒艦隊周辺に到達した時、索敵レーダーには哨戒艦隊から発艦したと思われる迎撃機と無数の敵機が空戦をしている情報が映っていた。

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2824:ホークアイ

救援要請した艦隊を発見!同時に艦隊前方に空戦空域を確認!

データを共有する

 

2825:名無しの転生者

現状哨戒艦隊側の迎撃機が押されてる感じだな

 

2826:雲龍

では、震電改を発艦させます

 

2827:リボン付き

了解、味方艦隊の救援に向かう

 

2828:ホークアイ

続いて敵艦を発見…したんだが、妙だな、単艦だ

 

2829:名無しの転生者

周囲に随伴艦はいないのか?

 

2830:ホークアイ

確認できない

 

2831:雲龍

ふむ、様子を見てひとまず爆戦を出しましょう

 

2832:顔面破壊大帝

よしきた!相手さんの顔を拝んでくるぜ!

 

2833:名無しの転生者

あー、まぁ、頑張って

 

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 雲龍から発艦した震電改16機は空戦空域に向かっていた。隊長機のリボン付きのパイロットはホークアイから随時更新される戦場情報を見て、抜けられるなと考えた。そこで飛行隊から哨戒艦隊防空のために4機を分派させることにした。

 一方の哨戒艦隊では、当初偵察機が単艦で航行する未知の深海棲艦を探知し戦艦級と判明した後に軽空母の艦攻と少数の艦戦による攻撃を開始した。ところが未知の戦艦による対空砲火と戦艦の艦載機部隊によって攻撃隊は全滅、迫りくる敵攻撃機を残存の艦戦で迎撃し後退しつつ救援要請を出していた。迎撃開始時点で16機いた零戦52型も戦闘が進むにつれ被撃墜が相次ぎ何機かの攻撃機を通してしまっていた。オーバーライド操作している軽空母も全滅は時間の問題と思った矢先に、複数の敵戦闘機が突如爆発した。何事かと周囲を見渡してみると見たことのない戦闘機が猛烈な勢いで突入してきており、敵機とすれ違う度に撃墜していった。そして、今もまた敵機に対してロケット弾を命中させた機体をよく見てみると、青いリボンのような見た事のあるマークが着いていた。

「ッ!?」

 迎撃隊を突破した敵攻撃機8機が艦隊に向け突入してきた。護衛の天龍、暁、響、雷、電の5艦が対空射撃を実施し、1機を撃墜しもう1機に損傷を与えることができた。すると損傷した1機が艦隊外周で盛んに対空射撃をしていた天龍に体当たりを敢行、天龍は敵機の搭載爆弾2発の誘爆を受け一瞬で大破してしまった。天龍の抜けた穴を通って残る6機が急接近、あと少しで投弾されるというところで視界の隅に4つの影が映った。4つの影が煙を噴いたかと思うと接近していた敵機のうち4機が爆発し残る2機も4条の光線が貫き墜落していった。そして先ほどもオーバーライド越しに見た異形の戦闘機と機体に描かれたマーク(この機体のマークは見たことがなかったが)を見て、このような事ができる人に一人だけ心当たりがあった。

「雲龍さんだ!!雲龍さんが来てくれたんだ!!」

一方その頃、雲龍から飛び立った爆戦8機は彩雲の誘導のもと未知の戦艦に超低空から接近しつつあった。

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2857:ホークアイ

そろそろ敵艦に接触する、幸運を祈る

 

2858:顔面破壊大帝

さ〜て、敵さんどんな顔かな?

 

2859:名無しの転生者

ん?この孤独なSilhouetteは…!?

 

2860:顔面破壊大帝

レ級じゃねぇか!?

 

2861:名無しの転生者

超巨大重雷装航空高速巡洋戦艦ヴィルベルアルウス接近!!

 

2862:名無しの転生者

なんだって!?

 

2863:名無しの転生者

超巨大重雷装航空高速巡洋戦艦ヴィルベルアルウス接近!!

 

2864:名無しの転生者

じゃかましい!!

 

2865:顔面破壊大帝

とりあえず、ロケット弾と爆弾叩き込んでトンズラするか!

 

2866:名無しの転生者

尻尾のやつも顔判定なのか…

 

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 ひとまず哨戒艦隊と合流した第3艦隊だったが、敵がレ級ということもあり直ちに迎撃態勢をとった。雲龍は直掩隊を除く全ての稼働機を発進させたが、龍鳳は残存機が零戦しかいなかったため直掩隊に回すことにした。彩雲の報告ではレ級はこちらへ向けて進行中とのことだったので、艦載機で倒せなかった場合に備えて戦艦を編成している第3艦隊が前衛に展開することにした。そして、艦隊上空にレ級の偵察機が現れた。

 攻撃隊の接近を探知したレ級は迎撃機を発進させた。迎撃機が攻撃隊に取り付く前に震電改による遠距離ロケット弾攻撃を受けた。まさかそんな攻撃をしてくるとは思っていなかった迎撃隊は反応が遅れ、その隙を突いて震電改が突入し瞬く間に迎撃機は空域から駆逐された。そして彩雲を伴った攻撃隊が対空弾幕を掻い潜って攻撃位置に遷移すると、まず天山4機が高高度爆撃を開始し4発の800kg徹甲爆弾がレ級の頭部及び尻尾に命中し反撃を封じた。そして天山8機が雷撃を敢行、5本が命中しレ級の速力が低下した。最後に彩雲が誘導する800kg陸用爆弾が角度をつけてレ級の足元に着水、レ級の真下で起爆し開放された破壊エネルギーによってレ級はキールにあたる部位が破壊され瞬く間に轟沈した。

 先手を取れたことでレ級を撃沈できた雲龍であったが、レ級がそんなに簡単に沈む訳が無いという自信があったため、戦闘終了後数十分間は辺りを警戒していた。第3艦隊や哨戒艦隊の娘達はそんな雲龍を見て不思議がっていたが、龍鳳は違ったみたいで雲龍を落ち着かせるように声を掛けた。

「雲龍さん、助けてくれてありがとうございます。もう大丈夫です、敵は沈みました。もうあの時のような事にはならないです。安心してください。」

「…?でも相手が相手だから、ちゃんと警戒しないと。」

「雲龍さん、もう大丈夫なんです。安心して帰りましょう?ね?」

 そこまで言うなら、という感じで雲龍は警戒を緩めたが彩雲と爆戦を上空待機させる事は譲らなかった。

「そういえば、服の色変わったんだね。今の龍鳳に似合ってるよ。」

「雲龍さん!あ、ありがとうございます!えへへ、雲龍さんとお揃いですねぇ〜。」

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2879:ホークアイ

おかしい、レ級があんなに簡単に沈む訳が無い…

周辺の警戒を厳に!

 

2880:名無しの転生者

ああ、悪夢を見せつけてくるやつだ、これくらいで終わるとは思えない

 

2881:名無しの転生者

必ず見つけ出して沈める!

 

2882:顔面破壊大帝

来やがれ、出てこい、面見せろ、ロケット弾が待ってるぜ

 

2883:名無しの転生者

出てこいクソッタレ!化け物めぇ!!

 

2884:雲龍

こんなに簡単に沈むものなの?

 

2885:ホークアイ

うーむ、しかし今のところレーダーに反応は無いな

 

2886:雲龍

龍鳳に帰ろうって催促されたから、上空待機組を残して帰投しますね

 

2887:ホークアイ

警戒は任せてくれ

 

2888:名無しの転生者

…これ周りからは簡単に沈めたように見えたとしたら、他の艦娘達にレ級の実力が誤認されてないか心配だな

 

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 哨戒艦隊は横須賀に帰還するようだったので、雲龍達は大島鎮守府で見送りを行った。その際龍鳳に抱き着かれて暫く動きが取れなかったりしたが、式典で横須賀に行くと伝えるとパァーッと明るくなり「絶対に会いに来てくださいね!」と念を押された。

 雲龍が艤装を工廠の決められた場所に置こうとしたところで明石に呼び止められた。そして体調の変化を質問されたが、雲龍には質問の真意が分からなかったがとりあえず問題ないと伝えると明石は益々困った感じになった。鏡を見てほしいと言われたので見てみると頭に緑色の稲妻が走っていた。そして、試しに艤装を外して見てみると稲妻は消えていた。この事を伝えると明石は、もしかしてと言って簡単な検査を受けるように言ってきたため、受けてみると第一次改装ができるようになっていたらしい。改装ついでに式典用の服も作ることになったため、どんな服が良いかと聞かれ、雲龍のイメージ的に和服と答えた。

 明石と雲龍がいろいろしている間に、雲龍の艤装では複数の黄色のヘルメットを被った妖精達が震電改を囲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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