雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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23.

 一方の第3艦隊の水雷部隊と2個駆逐隊の混成部隊は、無人島と岩礁が点在する場所において敵侵攻艦隊の待ち伏せをしていた。戦闘は夜戦となることが予想され、川内が跳んで喜び過ぎて抑えが利かなくなった等のトラブルはあったが、全員が予定配置につくことができた。

 

第3艦隊:青葉、川内、早霜、秋雲

駆逐隊:野分、嵐、萩風、舞風、山雲、満潮、朝雲

 

「ところで川内さん、どういった作戦でいくんですか?」

 萩風が混成部隊旗艦の川内に尋ねると川内は海図を広げ、一呼吸おいてから自信満々に作戦を披露した。

「もちろん考えてるよ。ゴホン、えー、では私の作戦を。」

「まず私を除く第3艦隊の面子で敵艦隊を攻撃、ボン!」

 海図の上で駒を操りながら説明する川内を見て、駆逐隊の面々に困惑が広まるが川内は構わず説明を続ける。

「そして敵艦隊を待ち伏せポイントまで誘引、私達がババーンと参上して集中攻撃、ドン!」

「…それだけ?」

「うん、これだけ。」「これだけです。」「マジで、これだけ。」

 満潮が信じられないといった表情で聞いてみると、第3艦隊の面々から肯定されますます信じられない顔になった。

「…ババーンと、ですか?」

「ババーンと。」

 その後、改めて川内が戦闘について説明し駆逐隊の面々の不安を払拭した。

 タ級Flagship3隻とリ級Flagship3隻が夜間航行を続けていると、突如左舷方向から砲雷撃を受けた。まず先頭を進んでいたリ級が集中砲火を受けて沈黙し、即座に魚雷を叩き込まれて撃沈してしまった。タ級達も射撃してくる3人を捕捉しレーダー射撃を行うがなかなか当たらず、逆にあちらからの攻撃は正確にこちらを捉えているようで続け様に1隻のリ級が撃沈されもう1隻が中破してしまった。3人は攻撃をやめると反転離脱をしようとしていたので、タ級3隻とリ級は追撃を開始した。この時の青葉、早霜、秋雲の持つレーダー装備は雲龍の技術妖精によって改良されており、特に早霜と秋雲の主砲にはレーダー照準用のレドームが取り付けられていた。

 第3艦隊を追跡していたタ級達であったが、無人島や岩礁等が点在する海域で3人を見失っていた。レーダーが岩礁等をキャッチしていて捜索が難しくなっており、注意深く進もうとしたところだった。

「今!!」

 川内の号令で、川内以下駆逐隊全員が島影や岩陰から飛び出してタ級3隻に向けて主砲を連発した。駆逐隊の装備は残念ながら雲龍の技術妖精の手が加えられていなかったため、レーダー射撃をしているとはいえ大部分が外れてしまっている。

「黄色い目の深海棲艦…Flagshipじゃない!?」

「深海棲艦に変わりはないよ!!」

 タ級達は被弾するも肩部の艤装で砲弾を弾きつつ前進を開始、駆逐隊はタ級達の前進を確認すると後退を開始した。この時遠方より6発の三式弾が飛んできてタ級達が被弾、レーダー装備に損害が発生した。

「ちょっと!?相互援護射撃してる場合じゃないよ!!追いつかれちゃう!!」

 川内が駆逐隊の方を見ると片方の援護射撃下でもう一方が後退するのを繰り返していたので、急いで注意して後退速度を上げようとした。

「ッ!?追いつかれた!!」

 次の瞬間山雲に砲撃が集中し大破してしまった。援護射撃のもと急いで朝雲が駆け付け近くの岩礁裏まで退避した。その他半数の駆逐艦娘達も砲撃が集中してしまい、ほぼほぼ同様の状況になってしまっていた。

「弾種照明弾!!自分の目を潰さないで!!」

 川内の号令のもとタ級達の足下目掛けて照明弾が複数発発射され、何発かは海面で跳弾しタ級達の目線の高さで光が炸裂した。堪らず光を遮ろうと腕で顔を覆ってしまったリ級に攻撃が集中し砲弾と魚雷を複数叩き込まれて撃沈された。

「やったぁ!!Flagshipを撃沈!!俺達だってやれるんだ!!」

「まだ来ます、気を抜かないで!」

「煙幕!!全て使い尽くして!!」

 川内の号令で駆逐艦娘達はタ級の視界を奪うように煙幕を展開する機動をとった。案の定レーダーを使えないタ級達は見えないようで、煙を払うように腕を振っていた。すると、嵐が1隻のタ級の目の前に躍り出た。

「くらえっ!」

 すると嵐は主砲と魚雷でダメージを与えた後に爆雷を投射した。主砲の攻撃で体勢が崩れたタ級は続く魚雷攻撃でダメージを受け顔に爆雷が直撃し大爆発を起こした。残った2隻のタ級が嵐を攻撃するが、盲目撃ちに近いため尽く回避された。嵐への攻撃に夢中になっているタ級の片方の背後から川内が強襲し主砲と魚雷を叩き込み、続けて遠距離からの20.3cm砲弾6発と魚雷4本を被弾して撃沈された。流れるように最後の1隻を攻撃しようとしたが、間の悪い事にここで煙幕が晴れ始めてしまった。タ級は被弾しないように動き回りながら攻撃し、川内達も同様な戦闘機動を取っていたためお互いに決定打に欠けていた。ここで遠距離雷撃をしていた早霜と秋雲が合流、残るタ級の顔面へと砲撃を集中させ注意を逸らそうとしたが、このタ級はこちらの意図に反して腕で防御するに留まった。不思議と戦況が膠着していたところに空から複数のエンジン音が聞こえてきた。

「騎兵隊の到着だ!!」

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3309:顔面破壊大帝

攻撃の時、主翼の赤外線誘導装置付きの30kg爆弾絶対に落とすなよ!帰れなくなるから

 

3310:名無しの転生者

大丈夫だって、目を失うヘマはしないよ

 

3311:名無しの転生者

ここにいるのは実戦を経験してきたプロばっかだから

 

3312:攻撃隊長

敵が見えてきたぞ!残り1隻、駆逐隊の娘達相当頑張ってくれたみたいだな

 

3313:名無しの転生者

よし、じゃ派手にやろうぜ!

 

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 攻撃隊はまず爆戦2機と震電改4機が降下してタ級の顔面に断続的に機銃とロケット弾攻撃を行い、流星改6機が500kg爆弾を投下し全弾命中した。被弾したタ級は大破したが、尚も攻撃をしようと川内達に主砲を指向させたところ、上空で待機していた震電改4機のうち2機が降下し機銃とロケット弾で照準を妨害した。そして混成艦隊の魚雷攻撃が可能な全員で魚雷を一斉発射し、これを躱す事が出来なかったタ級は続け様に被雷し瞬く間に撃沈された。上空を乱舞していた雲龍艦載機はタ級の撃沈を確認すると母艦へと帰投していった。

 攻撃隊を夜間発進させるとは雲龍も無茶するなぁ、とこの場にいる第3艦隊全員が思ったが後にそれ以上の無茶をしていた事を知り雲龍を正座させる事になるのは別の話。

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3342:雲龍

どうして私は正座させられているのかしら?

 

3343:名無しの転生者

どうしてって…そりゃ、ねぇ

 

3344:名無しの転生者

殴り合う艦種じゃないのに自分から囮になるようなことすればねぇ

 

3345:名無しの転生者

戦艦棲姫の時も同じようなこと言われてた気が…

 

3346:雲龍

あの時の行動は必要な行動かなと思ったのよ

 

3347:名無しの転生者

砲弾切ったのぶっつけ本番でしょ?

 

3348:名無しの転生者

今回は無事だったから良かったけど、あまり無理しないでくれって提督も言ってたじゃん

 

3349:雲龍

慎重に考慮した上で前向きに検討致します

流石に毎回はしませんよ、必要な時だけです

 

3350:名無しの転生者

自分の身体も大事にしてくれよな〜頼むよ〜

 

3351:名無しの転生者

提督も大変だなぁ…

 

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 大島鎮守府に帰投した混成艦隊は全員入渠施設へ行き身体の整備を実施した後に提督に詳細な報告を上げた。やはりというべきか、雲龍の戦闘行動がかなり注目され、特に自分を囮にするような行動と砲弾を剣で斬った事を注意された。

「雲龍、君の身体は君のものだが君のことを案じている人が周りにたくさんいるんだ。君は、君という存在はこの世で1人しかいないんだ、もっと自分の命と身体を大事にしてくれ。」

「…うん、わかった。」

 尚、砲弾を剣で斬ったことに関しては当初半信半疑だった提督だったが、比叡が見ていたことと雲龍の艤装に搭載されたカメラから本当だと知り、危険だし真似する娘が出たら困るからあまりやらない様にと雲龍に伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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