雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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 輸送艦しもきたと護衛艦ゆうぎりがシンガポールに到着して3週間が経過した。この間に高杉、大石の両提督はインド洋進出に向けてそれぞれの艦隊の準備を進めていた。既に周辺海域の制海権は確保しており、あとはインド洋に乗り込むだけとなっていた。

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5512:名無しの転生者

いや〜シンガポール周辺の敵は強敵でしたね

 

5513:名無しの転生者

そうかな、そうかも(粉砕される各級Flagshipを見つつ)

 

5514:名無しの転生者

やっぱ空母が3隻もいるのは大きいな

心の余裕が違いすぎる

 

5515:名無しの転生者

山本司令は新しい海上戦闘を予見していた。大型戦艦が海を制する時代は終わったと、これからは航空機が海上戦闘を制する!

 

5516:名無しの転生者

空爆万歳だ!

 

5517:名無しの転生者

いや、戦艦も普通に重要だからね?艦これ基準だと、雲龍と俺達航空隊がおかしいだけだから

 

5518:名無しの転生者

ついでに技術陣もな

 

5519:名無しの転生者

そういえば最近また変な塗料開発してたな

 

5520:名無しの転生者

兵器じゃない…だと…

 

5521:名無しの転生者

艤装の塗り替えでもするのかな?

 

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 輸送艦しもきたを洋上拠点にインド洋攻略を開始した高杉、大石の両艦隊は、高杉艦隊を前衛に大石艦隊が後衛につく形で進撃していた。第一攻略目標はコロンボ付近で確認された港湾棲姫となった。

 高杉艦隊は高い索敵能力と滞空時間を持つ雲龍航空隊の彩雲を警戒機として飛ばしつつ、警戒陣を組んで航行していた。途中敵潜水艦隊と遭遇するも雲龍航空隊がいち早く発見する事で、川内、グロワール、早霜、秋雲がその尽くを撃破していた。では、どのようにして航空隊が敵潜水艦の早期発見できていたのか。これを可能にしたのはメカニック妖精の開発した所謂ソノブイと磁気探知機であり、流星改に搭載させ艦隊前方にバリアーの様に横一列に展開する事で敵潜水艦を発見する事ができた。尚、一部妖精の間ではソノブイを用いた新対潜戦術の検討がされている。

 雲龍の彩雲が変色海域に接触したと同時に敵艦載機によるインターセプトを受けた。この時点で高杉提督はできる限り進撃を続行する事を決断した。対峙した敵の編成が対処不能な場合に限り、敵を出来る限り拘束し後続の大石艦隊の到着を待つ方針をとった。

 一番最初に接触した空母ヲ級Flagship2隻を中核とした機動部隊は雲龍、レンジャー、ヴィクトリアスの各航空隊の猛攻で10分程で殲滅、続けて接触した高杉艦隊の2倍以上の規模の艦隊も航空戦と砲雷撃戦により殲滅された。目標の港湾棲姫まであと少しのところで大規模な敵艦隊を発見、戦艦棲姫2隻と空母棲姫及び多数のFlagshipを含む大艦隊を確認した。艦隊は進撃を停止しこの場所で敵を拘束する事にした。

 雲龍、レンジャー、ヴィクトリアスの3人は艦載機を発艦させ、一部を艦隊防空に残しその他の機体を進撃させた。攻撃隊は途中、敵攻撃隊とすれ違うも損害を出すことなく敵艦隊に辿り着くことができた。

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5684:ウィッチウォッチ

編隊前方に敵迎撃隊確認、新型機と在来機の混成だ

 

5685:攻撃隊長

了解、レンジャー隊は護衛を続行、ヴィクトリアス隊は在来機を、雲龍隊は新型機を叩く

 

5686:ウィッチウォッチ

待て、港湾棲姫方向下方から急速に打ち上がってくる機影群を確認、さっきのは囮だぞ

 

5687:リボン付き

各機態勢を取れ!敵は新型だ、各員心してかかれ!

 

5688:名無しの転生者

クソ!このたこ焼きみたいな新型すばしっこいぞ

 

5689:名無しの転生者

Good kill! Good kill!

 

5690:名無しの転生者

おいケツにつかれてるぞ!ブレイクしろ!ブレイク!

 

5691:名無しの転生者

わかっている!

 

5692:名無しの転生者

ヴィクトリアス隊の震電改も奮戦してるみたいだな

 

5693:顔面破壊大帝

流石にウチみたいにロケット弾を対空で使ってはなさそうだな

 

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 雲龍隊とヴィクトリアス隊が迎撃機と交戦開始しようとしたところで、港湾棲姫は追加の迎撃隊を発進させた。この迎撃機は大型ロケットブースターに連結されており、高高度まで打ち上がった後に分離しすかさず戦闘態勢に移った。敵攻撃隊を奇襲的に迎撃し、特に機体マークのついた艦載機がいる方の編隊を優先的に攻撃する様に命令を受けていた。

 奇襲を受けた雲龍隊は、意表を突かれたものの彩雲の警告もあって直ぐ様態勢を立て直す事に成功、損害を最小限に抑え優位に立とうとしていた。新型のたこ焼き艦戦は今までの機体よりも機動性と防弾性に優れていたが、雲龍隊の震電改が装備する新開発の5銃身25mm機関砲と火器管制レーダーによって撃ち落とされていった。そして攻撃隊は遂に艦隊を攻撃圏内に収めたのだった。

 先手を打ったのは雲龍とレンジャーの爆戦隊で、艦隊の防空網に穴を開けるべく外周の深海棲艦に突っ込んでいった。赤外線誘導の250kg爆弾やロケット弾による攻撃で多数の軽洋及び駆逐艦を損傷又は撃沈させ、艦隊防空に穴を開ける事に成功しそこに攻撃隊本隊が流れ込んだ。

 攻撃隊は空母を優先して次に戦艦を叩く事にした。ヴィクトリアスとレンジャーの雷撃隊が低空に舞い降りると同時に雲龍隊の流星改が高高度爆撃を開始した。ヲ級Flagship4隻と近くにいたツ級に誘導装置付き800kg爆弾が殺到、瞬く間に大破轟沈してしまった。低空に降りた雷撃隊は、ヲ級が全滅した事を受けて戦艦棲姫と空母棲姫に攻撃を集中させる事にした。上空の艦爆隊と水平爆撃に合わせて攻撃を開始、特に戦艦棲姫に対しては片舷からの集中攻撃を行った。空母棲姫は多数の魚雷が命中して速度が鈍ったところに無誘導800kg爆弾が一箇所に集中して着弾、弾薬が誘爆して爆沈してしまった。2隻の戦艦棲姫は、1隻が中破よりの小破、もう1隻が中破していた。

 一方の高杉艦隊では雲霞のような敵攻撃隊の襲撃を見事に捌き切っていた。まず、雲龍の彩雲と雲龍自身の電探情報をもとに最適な位置に迎撃隊を配置し敵攻撃隊を漸減させた。そしてやっと艦隊に近づいた攻撃隊に密度の濃いやけに正確な対空弾幕が襲いかかった。各艦娘が雲龍のやけに正確な3次元の電探情報をもとに射撃をしており、また対空砲自体に小型のパラボラアンテナが設置され正確な射撃を補助していた。高角砲による弾幕を潜り抜けた少数の攻撃機は艦隊旗艦の雲龍に突撃を開始した。その直後、雲龍の艤装から正確無比な絶え間無い機銃弾幕を浴び全機が撃墜されてしまった。投弾に成功したのは急降下爆撃1機だけで、その爆弾も雲龍のCIWSによって爆撃機ごと迎撃されてしまった。空襲が終わり敵空母も壊滅した事を確認すると艦隊は3つに分かれた。

 比叡はアイオワ、青葉、プリンツオイゲン、早霜、秋雲を率いて先行し、戦艦棲姫2隻とタ級Flagship4隻及び随伴艦多数と交戦を開始していた。交戦開始からすぐの時、アイオワの第一斉射がタ級Flagshipを包みこんだと思うと眩い閃光と同時に爆沈したのを除くと戦況は一進一退の攻防を続けていた。

 戦艦棲姫はこの戦況に疑問と苛つき、そして恐怖を抱いていた。格下の戦力しかない敵はこちらとの距離を一定に保つように、こちらが追うと退き、こちらが退けば追ってくる機動をとっており、また巧みな回避機動でこちらの砲弾が殆ど命中しなかった。まるで何かを待っている行動と絶えず電波を発し続ける敵旗艦に不安を覚えていると、突如目の前に鮮やかな赤色の壁がそそり立った。慌てて周囲を見ると3本の水柱が自身の周りに立っているのが確認できた。さらに数十秒後、遥か高空から落下してきた砲弾を1発被弾し大破した戦艦棲姫は、先刻被弾した16インチ砲弾の比ではない威力に慄いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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