比叡からの砲撃諸元を受け取った大和は、46cm砲の射程ギリギリから水平線の彼方へ砲撃を開始した。目標の戦艦棲姫に対して3斉射をする頃にやっとお互いに目視できる距離まで近づいたが、当の戦艦棲姫は既に満身創痍で4斉射目で5発の46cm砲弾の直撃を受けて撃沈された。もう一隻の戦艦棲姫はこの間に大和に対して砲撃していたが、大和に随伴している伊勢と日向によって妨害され思うように砲撃できていなかった。尚、比叡以下高杉艦隊はこの間、敵Flagshipと戦闘を行なっていた。
上空を乱舞するレンジャーとヴィクトリアスの制空隊は、雲龍の航空隊と比べて練度不足が窺えつつもしっかりと戦域の制空権を確保していた。雲龍の航空隊は港湾棲姫への攻撃へ回っており、順調に港湾棲姫を(主に熾烈な顔面攻撃で)ブチギレさせていた。そろそろ日没ということもあり、港湾棲姫は航空攻撃はひとまず来ないと考え、前面に展開する戦艦部隊を撃滅する事に集中する事にした。そして配下のFlagship含む深海棲艦の艦隊に、敵を包囲するように迂回進出させた。更に遠方にいる超重飛行場姫に敵空母群に対して新型兵器の投入を打診した。
命令されたタ級Flagshipが率いる戦艦と重巡多数を含んだ艦隊は順調に進撃し、遂に高杉と大石の両艦隊の側面を取れる位置を目前にしていた。全艦が戦闘態勢を取った途端、後方にいたリ級が被弾し撃沈された。
「ッ!?8時方向ニ艦影、イキナリ砲撃ガッ!!」
「馬鹿ナ、レーダー二反応ハ…。」
報告を受けた旗艦とは別のタ級がレーダー情報に困惑しつつも振り返った途端、多数の砲弾と雷撃を受けて撃沈した。
「敵ヲデータ内デ識別、大西洋デ目撃サレテイル艦娘共デス!」
「敵ハ戦艦1重巡2軽巡1!」
「全艦散開!断固退クナ!」
旗艦のタ級の号令で全艦が一斉に散開、ペアを組んで数に劣る敵を殲滅しようとした。しかし、敵は散開したところに一気に浸透、夜戦でレーダーに映らない敵と近距離戦となった。すれ違いざまに砲撃を受けて爆沈する艦や蹴られて体勢を崩されたところに砲雷撃を受けて爆沈する艦が続出した。
「バ…カナ…。」
旗艦のタ級が戦況の理解が追いつかず立ち尽くしていると、一気に背後に迫ったビスマルクが主砲を構え砲撃、反応できなかったタ級は8発の38cm砲弾を至近距離から浴び爆沈した。
「全艦状況報告。」
敵艦隊の殲滅を確認したビスマルクは艦隊を掌握することにし、全艦がビスマルクのもとに順々に集まった。
「プリンツオイゲン、異常なしです!」
「ポーラも〜、異常なしで〜す。」
「グロワール、A Okay。」
「いいわね、引き続き敵の最右翼から切り崩して行くわよ。」
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5728:名無しの転生者
新しく作ってた塗装って、ステルス塗装だったのかよ!
5729:名無しの転生者
よくそんな代物作れたな…ウチの技術陣は化け物か…
5730:メカニック
たまたま某爆撃機の開発関係者がいてね
5731:名無しの転生者
もしかして、その爆撃機って真っ黒で全翼機だったりしない?
5732:名無しの転生者
経歴化け物なやつもいるのか…
5733:名無しの転生者
閃いた!これ大量生産してステルス艦隊作ろうぜ!
5734:メカニック
いや〜キツイっす(莫大なコストと塗装の維持費)
5735:名無しの転生者
そこまで再現しなくても…
5736:名無しの転生者
まぁ、そう上手くいかないか
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迂回進出した艦隊と前方に展開していた戦艦棲姫率いる防衛艦隊が全滅した事で、港湾棲姫自らが打って出ようとしたタイミングで対空レーダーに反応があった。一瞬、超重爆飛行場姫からの援軍かと思ったが、距離と機数から敵の航空隊だと判断した港湾棲姫は出せるだけの迎撃機を打ち上げた。
港湾棲姫の予想に反し、優秀なレーダーと電子装備を持つ(一部熱源誘導装置の視界を使用)雲龍航空隊は港湾棲姫に対し攻撃を開始した。夜間にも関わらず驚異的な撃墜率を誇る震電改と、それに護衛された流星改による正確無比な800kg爆弾の集中攻撃によって港湾棲姫は大破した。
港湾棲姫にとどめを刺すべく戦艦部隊が増速を開始したと同時刻、雲龍の彩雲がこちらに接近する高高度を飛ぶ2機の大型飛行物体を探知した。2機の大型機は戦艦部隊を半ば無視する形で飛行を継続し、真っすぐ雲龍達空母部隊に進撃した。
警報を受けた雲龍達であったが、レンジャーとヴィクトリアスは夜間飛行できる航空隊を持っておらず、雲龍についてもすぐに出せる艦戦が残っていなかった。そして攻撃隊は全力で帰投しているものの、間に合うか微妙なところであった。雲龍は各艦に対空戦闘の用意をさせ、自身も新装備の対空兵器の準備をした。
まず、雲龍の両舷の艤装に1基ずつ新たに装備されたロボットの上半身のような装備があるが、その後方の壁に設置された2つの扉が開き、続けてレールが伸びロボットの両腕に接続した。扉の中からブースター付きの長大な対空誘導弾がスッと流れ出て、両腕にセットされるとレールは格納された。対空誘導弾がセットされたロボットは目標方向を指向すると対空誘導弾を1発ずつ発射した。誘導弾はある程度飛翔するとブースターを切り離し、更に高空へと飛翔していった。
「雑魚ニハ構ウナ!機動部隊旗艦ヲ狙エ!」
「了解!」
一方の狙われている超重爆撃機2機は新開発された6発機で、ヨーロッパ方面で猛威をふるっている誘導弾を抱えていた。爆撃手は雲龍に照準を合わせると、雲龍から誘導弾が発射されたと同時にそれは投下され、バシュッバシュッバシュッと規則正しい噴進音を上げて雲龍に誘導されていった。
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5750:名無しの転生者
テリアじゃねぇか!見た感じBTシリーズかな?
5751:レーダー手
ん?目標から高速飛翔体分離!噴式兵器と思われる!
5752:名無しの転生者
4機いたのか?
5753:砲雷長
新たなる目標に対してSAM発射!
5754:レーダー手
マークインターセプト!
ッ!1発は撃ち落としたがもう1発はまっすぐ突っ込んでくる!
5755:名無しの転生者
電波妨害弾、撃て!
5756:名無しの転生者
…駄目です、効果なし!
5757:名無しの転生者
熱線放射弾、撃て!
5758:名無しの転生者
ッ!これも駄目です!
5759:砲雷長
高角砲射撃開始!CIWS起動、AAWオート!
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「無駄ダ無駄ダ!コノ誘導兵器カラ逃ラレルモノカ!」
上空から雲龍を照準し続ける爆撃機は多彩な対抗手段を講じる様子を見て思った。
一方、雲龍の突然の行動(ミサイル発射とチャフフレアの展開)に一瞬驚いた艦隊の面々だったがレーダーに映る噴進弾に対し一斉に攻撃を開始した。しかし高速で降下してくる物体に対してレーダー照準付きとはいえ、砲や機銃で撃ち落とす事は困難だった。あと少しで雲龍のCIWSの射程に入るところで対空誘導弾が爆撃機に接近した。
「コチラ二何カ向カッテ来マス!」
「…回避シロ!」
僚機の警告を受けて回避するか迷った爆撃機だが、回避の判断を決定したところで被弾、2機とも撃墜された。誘導弾についても雲龍から反れる針路をとったところでCIWSに迎撃された。反れた先にヴィクトリアスがいたため間一髪だった。
雲龍達が危機を脱した頃、港湾棲姫は大和以下多数の戦艦によって多種多彩な砲弾を撃ち込まれ撃破された。
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5768:名無しの転生者
あぶねー死んだかと思ったぜ
5769:名無しの転生者
敵の誘導弾、あのままだとヴィクトリアスに突っ込んでいったかもだったから撃ち落とせて良かった
5770:名無しの転生者
まさか深海棲艦も誘導兵器を持っていたとは…
5771:名無しの転生者
兵器の進歩は我々だけでなく、深海棲艦も早まっているのか
5772:メカニック
今急いでECM作ったから、帰還したら搭載してくれ
5773:名無しの転生者
早すぎぃ!
5774:メカニック
新しい噴進砲も完成したから合わせて受領してくれ
5775:名無しの転生者
これ将来的に飽和攻撃とかされるのでは(恐怖)
5776:メカニック
早急に対応を練らなくては
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以降に続く一連の戦闘によってインド洋の制海権の殆どを確保した艦隊は、コロンボを拠点にし石油の輸送路の確保する事に成功した。後続の制海権維持のための艦隊が到着後、高杉大石艦隊は喜望峰を回って大西洋に進出しヨーロッパ救援へと向かう事になった。