「雲龍、本当にどこも怪我してないんだな?」
「ええ、大丈夫よ」
「少しでも調子が悪くなったら直ぐに言うんだぞ」
「ふふ、心配しすぎよ。でもありがと」
ゆうぎり帰艦後に高杉提督は艦隊全員の健康状態の掌握と休養を命じた後に、雲龍と2人きりになったタイミングで本当に怪我をしてないか心配をした。その後暫くの間2人は談笑を楽しんだ。
「またイチャイチャしてるネ」
「いつになったらあの2人くっつくんです?」
「うーん、雲龍が自覚してるのかしてないのか」
「してないんじゃない?絶対天然でやってますよ、あのたらし行動」
「焦れったいですねぇ〜、ちょ〜っといやらしい雰囲気にしてきますぅ〜」
「「ちょ、待ちなさいポーラ!」」
影から2人を見守る高杉艦隊の面々は暖かい目でこの光景を眺めていた。
日本艦隊はイギリスのポーツマス海軍基地に入港した。地球を半周して来た艦隊の事はたちまち世界中で話題になった。
また、物資が制限されているなかでも日本艦隊の歓迎会が開催され、大石提督と大和、高杉提督と雲龍がそれぞれ注目を浴び、特に高杉提督と雲龍の距離感について話題になった。
そして艦隊全員に2日間の休養が与えられ、各々がポーツマスの町に進出していった。
高杉提督は雲龍と食事に行く約束をする事に成功し、ヴィクトリアスにおすすめのお店を紹介してもらったところ、観光プランまで教えて貰えた。
高杉提督と雲龍が観光に出ると、まず驚いたのが雲龍の外国語力の高さだった。英語ではない言語にも瞬時に通訳することができ、カタコト気味ではあるが現地の様々な国籍の人と普通に会話していた。
「雲龍凄いな。外国語ペラペラだね」
「私は別に、ただ色んな人に教えて貰っただけだから」
「それでも凄いよ。胸を張ってもいいくらいだ」
「ふふ、こんな感じにかしら?」
ドヤッと雲龍がポーズをとると雲龍の素晴らしい雲龍が強調されるポーズになってしまった。
「おっふ…それ以上いけない」
昼頃になりヴィクトリアスにおすすめされた店に入りランチをとることにした。
「中身は何だこれ?」
「知らない方がいいわ」
お互いドリンクを飲んでまったりしていると店内を流れる曲が耳に入ってきた。
「なんでこの歌手がボーイ・ジョージなんだ?ガール・ジョージにすればスッキリするのに」
「もう高杉さんったら古いんだから」
2人で町を観光していると雲龍がジュエリー店の前で立ち止まった。掲示板内の妖精の1人がこの店に昔作ったジュエリーが売っていると言い始めたため、足を少し止めて探してみる事にした。
「気になる物があったのかい?」
「うん、まぁ少しだけ。でも大丈夫よ、行きましょう」
「私もちょっと気になる物があってね。少しだけ入ってみようか」
店内に入るやいなや、雲龍はショーケースの中をじっくり観察していき、後から高杉がついて行った。
「これ…」
雲龍の目が止まったのはダイヤとプラチナのネックレスだった。
「…。もう大丈夫よ高杉さん。行きましょう」
「…わかった。じゃ、行こうか」
暫く歩いていると高杉が突如腹痛を訴え出した。
「あぁ、急にお腹が…」
「高杉さん大丈夫?」
高杉がお腹を抱えるジェスチャーをするとすかさず雲龍は高杉の身体を支えるように抱き着いた。
「だ、大丈夫だ。少しお手洗いに行ってくるから暫くあのベンチで待っててくれるかい?」
「大丈夫?一緒についていった方が良いんじゃないかしら?」
「大丈夫、自衛官は丈夫だから」
「そう、わかったわ」
雲龍がベンチでボーッとして約10分後、高杉が晴れやかな顔で戻ってきた。
「すまない。待たせたね雲龍」
「いいえ、そんな事はないわ。それよりも具合は大丈夫?」
「ああ!この通りピンピンさ」
その後は順調に観光を続け、気づけば母艦が停泊している埠頭まで辿り着いていた。
「雲龍、ちょっといいかい?」
高杉は雲龍に改めて向き直った。
「実は君にプレゼントしたい物があるんだ」
「何かしら?凄く良い艦載機かしら?」
「ハハ、君らしいね。実はプレゼントはこれなんだ」
「…?…ッ!?」
高杉はポケットから紺色の箱を取り出し、箱の蓋を開いて見せた。
「昼間熱心に探していて、私もつい気になってしまってね。ぜひ、君に受け取ってほしい」
「ええ、もちろん。ありがとう高杉さん」
箱を受け取った雲龍が続けて口を開いた。
「ねぇ、高杉さん。頼み事があるんだけれど、いいかしら?」
「なんだい?」
「このネックレス、つけてほしいなって」
「勿論さ」
高杉は(平常心!)と心の中で唱えながら、少し震える手で雲龍にネックレスをかけた。
「たしか今日手鏡持ってたよね。ちょっと貸してみてくれるかい?」
雲龍は高杉が持つ手鏡に映る自分をしばしば眺めていた。
「凄い似合ってるよ」
「ありがとう高杉さん。ずっと大事にするわ」
高杉は雲龍の見せる微笑みに心を射抜かれてしまった。
\パシャパシャ/
\アオバ、ミチャイマシタ。コレハスクープデス!/
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同時刻 ノルマンディー
ノルマンディー偵察の任務を受けたイギリスの艦娘艦隊は敵陸上棲艦の予想以上の反撃を受け身動きが取れない状態にあった。報告を受けたイギリスの艦隊司令部は直ちに救援部隊を送り、日本艦隊からも航空部隊が出撃した。
現地の状況は雲が多く、また敵航空機の兆候が無いとのことだった。雲龍航空隊からは栄天2機が先発として現場に急行した。対地装備満載の様子からついでにノルマンディーを耕すつもりのようだ。
戦場に近づく栄天2機は眼下の低空に広がる雲を見て、とりあえず背面飛行で切れ目を探すことにした。
運よくすぐに切れ目を発見し直ぐ様降下、攻撃態勢に入った。攻撃目標はトーチカ及び周囲の陸上型だった。
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6482:名無しの転生者
トーチカ級とか戦車級の大きさのヤツが多いな
6483:名無しの転生者
なんかトーチカ要塞棲姫デカくね?
6484:期待のルーキー
大きさがなんだ!30mmの7銃身パンチでボコボコにしてやる!マーベリック発射!
6485:名無しの転生者
おっ、そうだな(白目)
6486:名無しの転生者
これは期待の新人だぁ
6487:名無しの転生者
うわぁ…みるみるうちに敵がずだボロにされていく…
6488:名無しの転生者
お、イギリス艦隊撤退していくぞ
6489:期待のルーキー
まだまだ暴れるぞ!
6490:ウィッチウォッチ
まずいぞ、陸地方向から敵の高速機6機が接近している!ジェット機の可能性がある!
6491:期待のルーキー
何が敵のジェット機だバカヤローコノヤロー!
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ウィッチウォッチからの報告があった方を見ると上空から6機の敵機が白煙を伴って降下してきていた。
(単発のジェット戦闘機か!)
期待のルーキーと称されるパイロット妖精はそう独りごちるとヘッドオンの体勢に入った。僚機も続いて体勢をとった。
みるみる距離が縮まりお互いに火線が伸びた。ルーキーは1機を撃墜し上空へ旋回、僚機は敵機1機に損傷を与え追跡を開始した。
ルーキーが敵機の動きを確認すると残る4機が散開し自分に向け攻撃機動をしている事を確認した。
「テメェらいい加減にしろバカヤロウ!」
1機が機銃攻撃をしてきたがバレルロールで回避、自身の前に躍り出たところを銃撃し撃墜した。という所で機体に衝撃が走った。
ルーキーが銃撃している最中に上空に回り込んだ1機が急降下射撃を浴びせ、致命傷にはならなかったが何発か被弾してしまった。下方へ通過した敵機は機首を持ち上げ、再度上方から襲撃しようと雲の狭間に入った。
受けて立つように機首を敵に向けるルーキーは、HUDのレティクル内に敵を収め引き金に指をかけた。と同時に敵も発砲したが距離が足らず栄天の下方に火線が流れていった。ひたすら撃ち続ける敵に対し一連射を浴びせると敵は爆発四散し、破片を避ける様にロールして通過した。
最後の1機がどこに行ったか周囲を警戒していると、後方上空の雲塊から敵機が出現、銃撃を受けてしまい右エンジンが損傷してしまった。
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6510:期待のルーキー
エンジンが壊れちまったじゃねぇかバカヤロウ!
6511:名無しの転生者
あと少しで援軍が到着するから耐えてくれ!
6512:名無しの転生者
全速でそちらに向かっています!
6513:名無しの転生者
視界共有してるけどハラハラするぞ
6514:期待のルーキー
逃げてばっかでいられるかコノヤロー!
6515:名無しの転生者
…にしても片肺飛行でよくこんな回避機動ができるな
6516:名無しの転生者
ブレイクしたりシザーズしたり
6517:期待のルーキー
後ろについたからって調子に乗るんじゃねぇぞコノヤロウ!
6518:名無しの転生者
どうして雲から飛び出るん?急上昇してるし…
6519:名無しの転生者
おい、なんで後ろ確認した?
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ルーキーの操縦する栄天を機銃が掠めていく中、バレルロールしながら雲から飛び出した。そのまま進んでいくと雲の切れ目目掛けて急上昇を始めた。疑う事なく追跡してくる敵をルーキーはコックピットから振り返って確認すると、座席の黒と黄のレバーに手を掛けた。
射出されたルーキーに凄まじいGが一瞬にして掛かるが、ものともせずにいつも護身用に装備している87mm無反動砲を構え発射、放たれた砲弾は見事敵機に命中し木っ端微塵に吹き飛んだ。
ルーキーはそのまま降下すると同じく降下(墜落)していた栄天のコックピットにしがみつき、勢いそのままに乗り込んでエンジンを再始動し飛行を続け僚機と合流した。
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6522:名無しの転生者
うっそだろお前
6523:名無しの転生者
現実でやる馬鹿があるか!?
6524:名無しの転生者
なんで無反動砲積んでるんですかねぇ
6525:期待のルーキー
これくらい朝飯前だコノヤロウ!
6526:名無しの転生者
これは期待の新人だぁ
6527:名無しの転生者
栄天乗りは化け物しかいないのか(困惑)
6528:雲龍
えぇ…
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