雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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33.

 ノルマンディー

 

 ノルマンディー奪還に向けて英独仏の艦娘達が上陸作戦の露払いを実施していた。

 ノルマンディー一帯は上陸した深海棲艦によって要塞化されており、また新種の陸上型も多数確認されていた。

 ロドニー、モガドール、マックスシュルツの3人が先行してパ・ド・カレーに於いて作戦行動をしていた。3人の目標は揚陸艦の接近を阻んでいる拡張された海岸部に設置された大型砲台だった。

 3人は大型砲台の照準に捕まらない様にジグザグに突撃を開始、敵の護衛艦隊をものともせずに進んでいた。その間、大型砲台は不正確ながらビームを照射していた。

 何回目かのビームを回避すると防御陣地をWG42の射程に収めたマックスが射撃態勢をとり全弾を発射した。が、発射の為に回避機動をとることが難しくビームを直撃し大破した。

 発射されたロケット弾は防御陣地の一箇所に集中して着弾し突破口を開いた。残るロドニーとモガドールは単縦陣で大型砲台へと突撃した。

 水深がかなり浅くなり大型砲台まであと少しというところで突如地中からトーチカ要塞棲姫が2人に向けて飛び出てきた。

 先頭を進んでいたロドニーは身を屈める事で回避したがマスト等の一部艤装が破損してしまった。

 モガドールは右へ迂回しつつ砲撃を浴びせるが、トーチカ要塞棲姫の砲撃を次々被弾し大破してしまった。そのまま動き回るトーチカ要塞棲姫の正面に回り込んだロドニーが突撃した。

 ロドニーは機関をフルスロットルにする事でなんとか動きを止め、続けて左手の主砲艤装をトーチカ要塞棲姫に突き刺して主砲を連射した。

 トーチカ要塞棲姫を撃破する事に成功したロドニーだったが、引き換えに主砲が大破し自身もほぼほぼ大破状態だった。司令部の制止を半ば無視するかのようにロドニーは後続の艦隊へ照射準備をする大型砲台へと突撃を開始、機関部を暴走させ残った主砲弾と副砲弾を起爆して大型砲台を破壊した。

 後続艦隊は大破した3人を回収するとともに目標である大型砲台の破壊を確認した。

 

 休養と再編成を終えた各国の艦娘艦隊はノルマンディー奪還に出発していた。上陸地点は西からユタ、オマハ、ゴールド、ジュノー、ソードの各ビーチに区分されていた。

 日本艦隊はオマハビーチの担当とされ、輸送艦しもきたと借用した妖精の陸戦隊が乗り込んだタンカー等の船がビーチ近海に展開していた。

 まず高杉と大石の両艦隊の戦艦が上陸準備射撃を開始すると同時にタンカーから多数の噴進弾が発射され、続けて航空隊が発進した。

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6614:名無しの転生者

上陸地点に向けてMLRS全力発射だ!

 

6615:名無しの転生者

うおお!煙で全く見えねぇ

 

6616:名無しの転生者

続けて大発動艇と陸戦隊、そして特二式内火艇の出撃だ!

 

6617:名無しの転生者

…大発動艇がどう見てもLCACなんですが…いや大発動艇っぽいやつもいるけれども

 

6618:名無しの転生者

特二式内火艇はAAV7じゃないか!

 

6619:名無しの転生者

何を言っているんだ?特大発動艇+第11戦車連隊と大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)じゃないか

 

6620:名無しの転生者

いやいやいや、90と87AW、それにFVなんですがそれは

 

6621:名無しの転生者

なんだただの水陸機動団と第7師団か

 

6622:陸戦隊隊長

なんの問題ですか?

 

6623:副隊長

なんの問題もないよね?

 

6624:名無しの転生者

ポツポツ機雷が浮いてるぞ!気をつけろ!

 

6625:名無しの転生者

各AAV7は機銃で吹き飛ばせ

 

6626:陸戦隊隊長

おい、景気づけに音楽を流せ

 

6627:名無しの転生者

はっ

 

6628:名無しの転生者

…怪獣退治にでも行くのかな?

 

6629:名無しの転生者

まぁ、妖精からしたら相手は怪獣みたいなもんでしょ

 

6630:陸戦隊隊長

お前ら、陸戦隊に入った甲斐があったな

 

6631:名無しの転生者

航空隊が来たぞ!…一緒に飛んできたあれアパッチじゃね?

 

6632:名無しの転載者

近代化改修したカ号です

 

6633:陸戦隊隊長

俺達の分もとっておけよ!!

 

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 敷設された機雷を機銃で掃海しつつ前進するAAV7と戦車とFVを搭載したLCACの群れが遂にビーチに上陸、ある程度前進したところでそれぞれが抱えていたものを展開した。

 陸上のトーチカ等は迎撃しようにも沿岸からの艦砲射撃と栄天等の対地攻撃によってそれどころではなく、上陸部隊にほとんど損害を与えることができなかった。

 上陸した部隊に対して生き残ったトーチカや戦車級、兵士級の陸上型深海棲艦が迎撃を試みた。

 他のビーチでDD戦車に対して有効打を与えれた戦車級の砲撃は90式戦車の装甲の前には刃が立たず、徹甲弾を撃ち込まれて次々と撃破されていった。

 戦車を先頭に防御陣地を突破した各中隊は順次FVから歩兵が下車戦闘を開始、自動小銃と軽機関銃及び無反動砲を駆使して強襲を図った。

 87AWは時折飛来する敵機を撃ち落としつつ、歩兵部隊の支援を行った。

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6645:名無しの転生者

うぁぁぁ、へ…兵士級が地面を練り歩いてる!

 

6646:87AW第2小隊2車車長

よしきた!任せてくれ

 

6647:名無しの転生者

87AW頼もし過ぎだろ

流石対空もできる連装砲搭載戦車だ

 

6648:名無しの転生者

お前は何を言っているんだ

 

6649:名無しの転生者

さっき砲が1門しかない戦車を撃破してたぞ!1門しか砲が付いてない戦車が2門ある戦車に勝てるわけがないんだ!

 

6650:名無しの転生者

衛生!早くこいつをなんとかしてくれ

 

6651:名無しの転生者

ん?なんかデカいのいないか?

 

6652:名無しの転生者

トーチカ要塞棲姫だ!しかも壊みたいだ!

 

6653:陸戦隊隊長

洋上からの対地支援を要請する!

戦車2個小隊、FV1個小隊ずつでトーチカ要塞棲姫壊に対処する!各車対榴装填!突撃用意!

アパッチは地上部隊の射撃支援態勢に入れ!

 

6654:名無しの転生者

まるで総火演みたいだ

 

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 上陸部隊の浸透を阻止するべくトーチカ要塞棲姫壊が地中から出現した。

 洋上から支援砲撃しているアイオワから巡航ミサイル4発が発射され、次々と着弾した。

 間髪入れずにアパッチが30mmチェーンガンとヘルファイアで攻撃しつつ、戦車1個小隊が突撃部隊を射撃援護する為に陣地変換をしながら稜線射撃を実施、次々と飛来する対榴が全弾命中しこの時点でかなりのダメージが蓄積した。同時に栄天の30mm弾とマーベリックが振り注ぎその場に釘付けにされてしまった。

 続いて射撃援護下の突撃部隊が順次突撃を開始、戦車小隊が実施する同一目標に対する小隊集中行進射によって次々と撃ち抜かれたトーチカ要塞棲姫壊は速攻で沈黙させられた。

 最後に突入してきたFV小隊が重MATを発射、全弾が命中したトーチカ要塞棲姫壊は撃破された。

 トーチカ要塞棲姫壊撃破と同時に周辺海域の変色は収まり、深海棲艦によって拡張された沿岸部も徐々に崩壊していった。

 展開した陸戦隊の補給及び収容が終わり、戦果の集計が終わったタイミングで他のビーチの戦闘終了の報告があった。

 しかし、予想に反してジュノーとソードの各ビーチは依然として変色海域のままであった。

 各艦隊はひとまず集結し次にとる行動を協議する事にした。

「おそらくパ・ド・カレーに元凶がいます。叩くなら早い方がいいと小官は考えます」

「しかし艦娘達の疲労と損傷を考えると連続出撃は厳しいのでは」

「そうだ。無理な連続出撃はいたずらに損害を増やしかねん」

「しかし…」「だが…」「それでは…」

「ではこうしましょう。私と高杉の艦隊は全艦隊の中で損傷は比較的軽微です。私達の艦隊でひとまず偵察を実施し状況に応じて叩く叩かないを判断致します」

「出撃するのは余力がある高杉艦隊の空母と大石艦隊の戦艦になります」

 

 パ・ド・カレー

 

 輸送艦しもきたと護衛艦ゆうぎりはパ・ド・カレー沖に進出した。高杉大石合同艦隊(雲龍、レンジャー、大和、アイオワ、伊勢、日向)は索敵機を飛ばしつつ遭遇する敵を次々と撃破しつつ進撃していった。尚、利根と筑摩を中核とした支援艦隊が随伴している。

 索敵機が敵大型砲台跡地付近に強力な深海棲艦を探知した。この情報は直ちに艦隊に伝わり、目標の標定と攻撃隊の発進準備に取り掛かった。

 欧州妹姫と標定された姫級が率いるかなり強力な艦隊と判断される敵艦隊は、既に攻撃隊の発進が完了しているようで攻撃隊の群れを早期警戒機が探知していた。

 直ぐ様迎撃部隊が編成され雲龍、レンジャー、伊勢、日向から迎撃機が発艦していった。

 雲龍のジェット戦闘機隊が前衛を務め、レンジャー、伊勢、日向の震電改が後衛を務める。尚、雲龍のジェット戦闘機隊は嶺花改というF-8クルセイダー並みの性能を持つ機体に更新されていた。

 嶺花改は速度優位を活かして逆落としに強襲、攻撃機と爆撃機を優先して叩く事にした。が、敵の数が多く震電改の迎撃ラインまで戦闘が続いてしまった。

 正規空母2隻と実質軽空母2隻の搭載戦闘機では欧州妹姫の艦隊の艦載機群を封殺する事は難しく、25機程が艦隊に接近してしまった。

 雲龍のレーダー情報を共有する艦隊各艦は、その情報をもとに諸元を入力し対空戦闘を開始した。

 敵攻撃機が対艦誘導弾を発射しようとしたが、雲龍、レンジャー、利根、筑摩に搭載されたMk13から発射されたSM-1によって迎撃され艦隊に近づく前に全機が撃ち落とされていた。

 雷撃を行おうと低空に降りた機体は正確無比な対空射撃によって魚雷を腹に抱えたまま爆発四散してしまった。

 空襲を凌ぎきった艦隊は反撃に移った。直ぐ様攻撃隊が編成され各航空母艦、戦闘航空母艦から次々と攻撃隊が飛び立ちオレンジがかった空へと舞い上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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