雲龍に転生   作:DAIHONN_A

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 模擬艦隊戦が終わってから数日後、艦娘達はこぞって訓練場に顔を出して練習に励み、交流を深めていった。雲龍も龍鳳に誘われる形で毎回参加しており、対空戦や速射の仕方等を教える傍らで自身の艦載機を飛ばして龍鳳の練習を手伝ったり、スレの住人達の練度向上を図っている。

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638:名無しの転生者

前回の模擬戦を受けて、現状対艦攻撃のバリエーションが少ないが故に母艦への肉薄を許してしまったのではないか、そして我々の対艦攻撃戦術に改良を施せないかを模索していきたいと考えてます

 

639:名無しの転生者

とはいえ、艦載機で扱えるのは爆弾と魚雷、機銃くらいだぞ

タイミングを調整するとかしか無いのでは?

 

640:名無しの転生者

爆弾の投弾の仕方を変えてみるとかどうでしょうか

例えば反跳爆撃とか

 

657:雲龍

皆さん朗報です

零戦が二一型から三二型に、九九式艦爆が二二型にそれぞれ更新されました

 

658:名無しの転生者

やったぜ

 

659:名無しの転生者

…どう違うんだ?主翼が角張っただけみたいだけど

 

660:名無しの転生者

簡単に言うとちょっと航続距離が短くなったけど、より強力なエンジン積んで速度、上昇力、降下能力、横転操作とかが強化された機体

 

661:名無しの転生者

はぇ~、まぁ上位装備って事だな

 

662:名無しの転生者

九九式艦爆は何が変わったの?

 

663:名無しの転生者

エンジンが強力になって小型爆弾を2倍搭載できるようになったくらいかな

 

664:名無しの転生者

あっ…ふーん

大型爆弾は…

 

665:名無しの転生者

ないです。艦攻で頑張ってください

 

666:名無しの転生者

あ、ない、そう

 

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「雲龍、あの時の速射のやり方なんだが…」

「雲龍さん、対空射撃について…」

「雲龍…」「雲龍さん…」

「むぅ〜。」 

 龍鳳はというとあまり状況が面白くなかった。毎回練習に誘って一緒に訓練場に来ているのに、着いたら着いたで他の娘達に雲龍がとられてしまうからだ。最初の頃は、普段の様子から不思議ちゃん、ぐうたら娘といった見方をされていたが、皆と訓練や模擬戦をしていくうちにいざという時は頼れる人といった見方になり、今ではいろいろな娘と交流していて同級生の龍鳳も嬉しいと感じる一方、一緒にいられる時間が減ってしまって悲しいとも感じていた。

 

(嬉しいんです。嬉しいんですけど、いつも1番に誘ってるの私ですからね!?雲龍さん、私のこと忘れてないですよね!?もっと見てくれてもいいんですよ!!)

 

 でも決して忘れてはないんだろうな、と訓練場上空を見て思う。雲龍の艦載機が龍鳳の艦載機と精密な機体操作で模擬空戦をしたり対艦攻撃の訓練をしているからだ。普段ボーっとしてるように見えて、その実周囲をよく見ているところを感じてやっぱり雲龍さんは凄いなと思いつつ、直接関わる時間が減ってしまっていることについつい、ホントに小さく、唸ってしまう。すると、雲龍と話していた秋月が龍鳳に気づいたのか話題を龍鳳の事に変えて話を切り上げ、龍鳳に向かって小さく微笑んでから離れていった。

 

(ッ!秋月さんありがとうございますぅ~!)

「雲龍さん雲龍さん!…」

 

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689:雲龍

龍鳳はほんといつも元気だね

一緒にいると私も元気になれるよ

 

690:名無しの転生者

すごい懐かれてるな…同級生なんだっけ?

 

691:雲龍

ええ、高校で3年間同じクラスだったわ

素直でまっすぐで、健気な娘よ

学生生活の途中からよく世話を焼かれてた記憶しかないけど…

 

692:名無しの転生者

はぇ~良い子だな

雲龍はまぁ、うん、はい

 

693:名無しの転生者

…雲龍の口調というか文章が最初の時と変わった気がするような

 

694:雲龍

男口調出さないようにしてたらこちらが自然と出るようになりまして…

 

695:名無しの転生者

あっ…ふーん、苦労してるんだな…

 

696:名無しの転生者

あっ、そうだ

龍鳳と会話する前に、なんか龍鳳小さく唸ってた気がするんだけど、気のせいかな

 

697:雲龍

え、そうなの?気づかなかったわ

 

698:名無しの転生者

何かあったのかな

 

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 雲龍と龍鳳がマンツーマンで訓練を始めて暫く経った頃「ところで…」と雲龍が切り出した。

「さっき小さく唸ってたけど、何かあったの?」

「うぇっ!?い、いいえ!なにもっ!!」

(え!?気づかれてたの!?は、恥ずかしいぃ〜)

 顔を赤くして物凄い勢いで否定する龍鳳を見て、雲龍はここでは言いづらい事なのかなと思った。

「ここだとちょっと言いづらいなら、よければ後で部屋でちょっとお話しましょうか。」 

「は、はいぃ〜。」

 

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714:名無しの転生者

なるほど、最近雲龍が他の娘と一緒にいる時間が増えて寂しかったと

 

715:名無しの転生者

他の娘達より付き合いが長いからねぇ、ま、多少はね

 

716:雲龍

まぁ訓練も龍鳳に誘われて行くけど、行った先ではあまり話したりはしてなかったね

 

717:名無しの転生者

航空機の操縦練成はこっちでやってるし、みんな射撃の事で聞きに来るからね、空母なのに

 

718:雲龍

艦載機の制御に関しては教えれる事が殆ど無いの

ごめんね龍鳳

 

719:名無しの転生者

ま、まぁそこはワイらが実践して教えてるから

 

720:名無しの転生者

そうそう、雲龍には雲龍の得意分野があるんだから

 

721:雲龍

あ、次の休養日に気分転換に一緒に出かける事になったね

 

722:名無しの転生者

いいぞ〜これ

 

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 休養日当日、横須賀の中心街まで行こうというので最寄りのバス停から向かう事にした。本数が大幅に減少してしまったバスを、9月半ばとは言えまだ蒸し暑い中待つのは艦娘といえど勘弁したいので時間を合わせて出発した。青いEVバスに40分以上揺られて横須賀の中心街に到着した雲龍と龍鳳は少し離れた海辺のショッピングモールに足を進めた。時々車道を走るEV車や今時珍しくなった化石燃料で動く自衛隊車両のエンジン音、風で靡く街路樹の枝葉の音や通行人達の話し声等を背景音楽に会話を弾ませながら歩みを進めていく。会話を弾ませるといっても、龍鳳が話題を作り話を振り、雲龍は基本聞き手に回っており一言二言返したり、たまに長い返事をするに留まっている。というのも、雲龍は最近の若い娘がどんな会話をしたら喜ぶのかあまりわかっておらず、スレの住人達もわからなかったからである。

 目的地のショッピングモールに着いた頃にはちょうどお昼時だったので、数少ない定食屋で食事をとることにした。

「ふぅ~、やっぱりどこも蒸し暑いですねぇ。ガンガン空調を効かせてた頃が懐かしいです。」

「どこも省エネであまり使わなくなったからね。」

 テーブル席に向かい合って座り、埃を被っている液晶テレビのかわりにラジオから流れてくる音楽と時折挟まれる省エネを訴える政府広報を聞きつつ運ばれてくる料理を待つ。

「う〜ん、でもやっぱり食事の時だけでもつけて欲しいですぅ。」

「フフ、こればっかりはね。」パタパタパタ

「〜ッ、涼しいですぅ~。」

 暇なので雲龍は持参した扇子を使って風を受ける龍鳳を観察する事にした。時々聞こえてくる鳴き声を面白がっているとようやく料理が運ばれてきた。

「おまたせしました〜。日替り定食2人分です。では、ごゆっくり〜。」

「「ありがとうございます。」」

 ピンク色のご飯と焼き魚をつつき、デザートの焼き芋を食べ、会計を済ませてモール内を歩いているとちょうど月1回の映画館の上映日の宣伝を見つけギリギリでチケットを購入する事ができた。内容はアメリカを舞台に中国人とアメリカ人の凸凹コンビの警官が活躍するアクションコメディーだった。来月は2作目を上映するらしい。

 映画も見終わりそろそろ帰ろうかということでバス停に向かって歩いていく。

「…このままだといずれアメリカを空想上の場所だと思う子達も出てくるのかもしれませんね…。」

 残り限られたリソースを効率良く分配する為、ネット回線すら政府による厳しい統制を受けている昨今、民間人の入手できる主な情報源はインターネットから紙媒体へと回帰していた。その情報源すらもこの1年は、特に海外のことは更新されていない状態だった。

「きゃっ!?」バタバタバタッ

 なんかしんみりしてたので雲龍は持っていた扇子を扇いで猛烈な風を龍鳳に送った。

「そうならないように明日からも頑張らないとね。」

 そう言って雲龍は足早にバス停に向かって行き、追いかける様にして龍鳳も向かった。バスの時間が近かったのである。

 帰りのバスから改めて横須賀の中心街を眺めてみると、夕陽に照らされた建物と建物の上から道路までを太陽光パネルが街を呑み込んでいる景色が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 




情景描写とか難しいです。
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