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君が倒れている。
眩しいくらいに真っ白な空間の中で、深すぎてほとんど黒になってしまった赤い泥をべったりとつけて君が倒れている。うつ伏せのまま力なく投げ出された手がとっても小さく見えた。君は何かを掴もうとしたのだろうか。それとも前に進もうとして力尽きてしまったのだろうか。
ぐちゃり。生理的に不快な音を立てて泥が君に落ちる。綺麗な白の中で、虚空から現れる汚らしい赤黒い物体が君にだけぼたりぼたりと落ちてくる。
落ちた泥が跳ねて僕の頬に付く。口もないのにそいつは声を上げた。
『どうしてお前なんだ』『何であの人が死ななければならなかったんだ』『旅の途中で子を産むなんて』『お前が殺したんだ』『お前が死ねばよかったのに』『お前は生まれてくるべき子ではなかった』
きゅう、と臍の上あたりが小さな悲鳴を上げた。別に今初めて感じる痛みではなかった。
コロニー9の人々は僕を温かく迎え入れてくれた。この世界では親を失うなど特段珍しい話ではない。最も多いのは機神兵の手で殺されるものだけれど、コロニー間の移動やちょっとした旅においてモンスターに食われるなんてのも当たり前の世界だ。だから生き残った者同士で支え合い、貴重な命を守っていこうと手を取り合う。僕らはそうして生きてきた。
でも人は完璧な生き物ではない。心無い言葉を吐く人もいるし、目立った理由もなく特定の誰かを異常なまでに憎む人もいる。僕自身はそうなりたくないと思っているけれど、コロニー9に来た者の中ではそれなりに特異な理由を持っていたから何か棘のある言葉を吐かれる対象になったことはある。
多少物事を知った今では、向けられた言葉や感情にどう考えても理不尽なものが混ざっていたと理解できる。そんなの僕の責任ではないし、僕が誰かを直接手にかけたりもしていないと真っ向から反論くらい出来る。
でもそれは今の話だ、幼い頃は違う。向けられたものをそのまま受け取ってしまい、全てが己のせいだと勘違いしてしまうことは多々あった。
僕が、シュルクという人間ただ一人が助かってしまった。それは本来別の人が割り当てられる命のルーレットの出目だったのかもしれない。だから僕がいなければ別の人が生きて帰ってこられた。つまり僕がモナド探索隊の誰か一人を殺したのだととんでもない理論で責め立ててくる者がいた。
未成熟な子どもはこれを処理出来ない。相手の悲愴な声と憎々しく睨みつける目、言葉に宿された刃は緩衝材を挟むことなく心に突き刺さる。
ただ今の僕でも過去に向けられた言葉の中には同意するものもある。モナドを探すという厳しい旅の中で、一人の子を産む選択肢を取った僕の両親は色々な意味で凄いと思う。いくら僅かと言えど、命が一つ増えたのなら旅の貴重な食糧をその赤ん坊に与えなければならないのだ。限りある食糧なのだから人は一人でも少ない方が良いに決まっている。それに体力も無いし物事の分別も碌につかない存在を連れまわすなんて、親であっても相当な負担であろうに。
少し話は逸れたけれど、要するに僕は他人から悪意を向けられることを何度も経験してきた。
君に降りかかる泥がその成れの果てだ。泥から漏れ出た声に限らない悪意も含めて、嫌なことは忘れてしまおうと記憶空間の奥底にしまい込んだものがそれだ。
どうして君がそれに
——俺が君の記憶の箱になろう。
君は箱を作った、他でもない君自身で。溢れてしまった泥で僕が泣かないように君が受け皿になった。
君は——僕が、それを望むと思う?
ゆっくりと膝を突いて君の顔を覗き込んだ。僕と全く同じ顔をした君は瞼を閉じていて、泥さえなければただ静かに眠っているように見える。
「ねえ聞こえてる? 僕は聞こえてたよ、君の声」
声だけじゃない。君が僕を抱きしめてくれたことも、僕の頭を撫でてくれたことも、君の温かさも全部、ぜんぶ感じていたよ。
「君は隠したつもりかもしれないけど僕は気付いてた。——君がこの世界から消えたいってずっと思ってること」
少し前まで君が滅多に僕の身体を使わなかったのも、あまり人と接触しようとしなかったこともその想いから来てるんだって知っていた。自分は不必要だって、世界にとっての異物だから排除されるべきだって。今は表に出るようになってきたけど、それでも君の心の底にある想いは何にも変わってない。この世界にいたくないのではなくて、そもそもいてはいけないって思ってる。
それが極まって君は世界に手を出さない形を取りかけた。テフラ洞窟でラインが死んでしまう
今は違うって知ってるよ。どんな未来も現実になるまでは不安定だから、必死で望む未来を手繰り寄せる君の姿を疑ってなんかいない。君は誰かが死んでいいなんて微塵も思ってないって、僕にはちゃんと伝わってる。
でも君は自身の消滅願望を今でも抱えてる。君が考えるどこかのハッピーエンドと呼べる地点に到達したら消えたいって気持ち、とっても強いんだ。言葉にしなくても強い想いは僕らの間だと筒抜けだからね。
「僕もよくラインやフィオルンから"もっと堂々としてろ"とか"自己肯定感低すぎ"、"一緒にいてくれるだけでいい"って言われるけど、君だって大概じゃないか」
君は知らないんだろうなぁ。君が僕の隣にいてくれたことがどれだけ嬉しかったか。
「僕が時々悪夢で飛び起きる時に君は隣にいてくれた」
幼い頃から十八になった今でも僕は時折酷い悪夢に魘される。内容はぼんやりとしか覚えていないけれど、大体はとても寒くて暗い場所で一人ぼっちにされる夢だ。誰も来てくれない、誰も生きていない。生命の気配が全く存在しない空間はただそれだけで気が狂いそうになる。
小さかった頃はディクソンさんに泣きついたり、ダンバンさんの家でお泊まりをしていれば近くに誰かしらがいたからすぐに落ち着けた。
今は違う。そろそろ一人暮らしでもして社会勉強しろと別の部屋を与えられたから、夜中に悪夢で目が覚めた時には誰もいない。夢の続きのまま一人ぼっちで、僕は布団の中で縮こまって朝が来るのを願うことしか出来ない。
僕ってさ、弱気だから一人でいるとどんどん悪い方に考えちゃうんだ。幸せな日常の方が夢で一人ぼっちの悪夢が現実かもしれないとか、このまま永遠に朝が来ずに誰も目覚めない夜に取り残されるんじゃないかって。
でも二年前に君が僕の内にやってきてからは変わったんだ。
君って昼間だと時折僕を馬鹿にしたり揶揄ったりもするけど夜中は絶対にそんな素振りを見せなかった。何も喋らずに傍にいてほしい時には君は意識だけを覚醒させて黙っていたし、僕が君にどうでもいい話題を持ち掛ければ嫌な声一つ上げずにお喋りに付き合ってくれた。
「嬉しかったんだよ。姿も分からない君が胸の中にいる不思議な現実が、不思議なくらい僕を安心させてくれた」
記憶空間の底に封じ込めた泥の総量は僕ももう分からない。思い出せない、思い出したくないものも沢山仕舞い込んだから、全てを取り出したら七日七晩の雨でもきっと足りないんだろうな。僕は弱いからきっとすぐに押し込んで、次の日には忘れて笑っての繰り返しだったと思う。
「その全てを君が受け持つ必要なんて無いじゃないか。君が箱になって全部を受け止めるなら君はここから永遠に動けないよ」
それともそれが君の望みだったの? 君が泥の受け皿になることで僕の中から消えようとしたの?
「……僕、君がいない未来なんて嫌だ。
君が消えたいと願い続けるなら僕が君に消えたくないと思わせる理由を作るよ。いつか君が君としてこの世界に立てる方法だって探すよ。
ねえエイル。君は僕のことを好きだって言ってくれた。みんなと同じように好きだって」
でも君は逆を考えなかったんだね。
「僕だって同じなんだよ。僕だって君が好きだよ。ラインやフィオルン、ダンバンさん、ディクソンさんと同じくらい君が大切で大好きだよ。旅に出て出会えたカルナ、メリア、リキだって変わらない。
君までいなくなるなんて許さない。君が僕を支えるなら僕は君の手をずっと握ってる。陰から支えるなんて言わせない。支えるのは光の下でも出来る。君が暗いところに行かないように僕が引き留めてやる」
投げ出されたままの君の手を握った。手にまで付着した泥は触りたくないけど、それを拒んだら君の手には届かない。いつかに浴びせられた知らない誰かの罵詈雑言の内容はもう分からない。残っているのは悲しかった僕の気持ちだけ。それでも気を抜けば泣き叫びたくなってしまうから、ぎゅっと握る手に力を入れた。
だって消えたいと願う君の手はこんなに温かいんだから。絶対に、離したりするもんか。
「——情けないものだな」
君の指が動いたのと君の声がした瞬間は同じだった。
「送り出してお前の泥を全部飲み込んで、それから何でもない顔してまた出ていくつもりだったのに」
「そんなことしたらどうなるか分かってて言ってるでしょ。……死ぬつもりだったの?」
「それも悪くないかもな」
「嘘つき。死んだら君の掬い上げたい命は救えなくなるよ」
「あはは、その通りだよ。でも死んだとしてもお前がいる限り最悪の未来は回避されるのも事実だ」
「君に何が視えているのか僕は分からない。でも君は、君が視ている何かに満足出来なくてここまで抗ってきたってことは知ってる」
「なら——」
「君の理想が達成された先に君がいないなら、それは君の理想であったとしても僕の理想じゃない。君が言ったんだろ、未来は変えられるって。だから変えるよ。君がいない未来を僕が変えてやる」
「……かっこいいな、お前は」
「違うよ。我儘なだけ。君の理想の先にある世界で僕が泣いていたら、もうそれは君の理想じゃないって知ってるから。
泣いてやるからな。君が消えたらみっともないくらいに大声を上げて泣くから」
「その脅しは効くなぁ……」
「だからずっといて。僕を泣かせない為に、ずっと」
「そういう言葉は将来結婚する相手に言うものだ。——全く、敵わないな」
泥に塗れながら起き上がった君は笑っていた。僕と同じ顔で、僕とは違う笑い方をした君が確かにいる。
それが答えだと思った。君の手を引っ張ってちょっとだけ強引に立たせた。痛い、乱暴だと君は言ったけれどやっぱり笑っていた。
「——行こっか」
「——行くか」
どこか遠く、ガラスが砕け散るような音が聞こえた気がした。
***
目が覚めたら墓所詣でが終わっていた。
ハイエンター墓所、儀式の間だと即座に理解出来たのは心配そうに此方を覗き込む仲間達と仮面を着けたメリアの姿が見えたからだ。シュルクは吹き飛ばされでもしたのか尻もちをついていたようで、尻と咄嗟についたであろう両掌が若干痛い。けれどそれよりもこの場に誰一人欠けることなくいる喜びの方がずっと大きかった。
「生きてる……。みんな、いるんだよね……?」
「あったりまえだろ……! それよりもみんなお前が心配で……!!」
「うん……ごめんね」
震える声と共に肩が強い力で抱き寄せられた。無二の親友は逞しい腕で乱暴に己の涙を拭って更に肩を掴む力を強めた。彼の膂力はシュルクの身には少々強すぎる。痛いけれど皆に心配をかけてしまった詫びとして文句など言わずに受け入れた。
「本当に大丈夫なのか?」
屈んでシュルクの顔色を窺ってくるダンバンと視線がぶつかる。実質的な保護者である彼がシュルクの身に降りかかった過去を知らぬわけはない。
「はい。大丈夫です。ちょっと記憶が飛んでますけど……今は平気です」
「そうか。無理に思い出さなくてもいいんだ。……苦しくなったらすぐに言うんだぞ」
全員の無事を静かに喜ぶ中、リキが思い出したかのようにきょろきょろと辺りを見回して言った。
「……も? そういえばメリアちゃんを襲ってた鳥のヒト、どこ行っちゃったも?」
メリアを殺害しようとした者はテレシアの崩壊に紛れて行方を眩ませてしまっていた。白翼宮に現れた奴ら同様の仮面をしていたこともあり素顔は不明のままだ。物的証拠が無いのは惜しいものの得られた情報はどれも重要である。
記憶と変わらないのならば、墓所に現れた異端審問官は十中八九タルコであろう。
「そなた達、どうしてここに……。いや、そうであったな」
唯一状況を呑み込めていないメリアはここに現れた皆の顔を見回して首を傾げていたが、心当たりを見つけてやおら仮面を取り外して微笑んだ。
「感謝する。——よく来てくれた」
さてどうでも良いのだが、本当にどうでも良いのだが。
『下を見ないでくれないか……』
『ふふ、やっぱり怖がってる』
怒涛の展開続きですっかり忘れてしまっていた。ハイエンター墓所の正規通路には足元が透ける光の通路があることに……!
シュルクがどの道筋で儀式の間まで辿り着いたかは知らないが、帰りはメリアがいるのだから必ず正規の道を通るのは当たり前だ。
『前を見てくれ。前……いや若干胸を張る感じに……』
『それじゃ偉そうに見えちゃうよ』
『……嬉しそうだな。げんなりした俺は見てて楽しいか』
『それもあるけど……』
『あるのか』
きゅ、と左手が温かくなった。
『でも今はちょっと違うかな。——君がいるのが嬉しい』
墓所を出たところでカリアン殿下とアイゼルの二人と鉢合わせた。墓所内部には入れないと分かっていてもやはり心配が勝って来てしまったそうだ。二人ともメリアの無事を心から喜んでおり、アイゼルに至っては泣き出す始末である。
シュルクはカリアン殿下の顔を知らなかったが、ここへ来る前のアイゼルとのやり取りにあった情報から合わせてすんなり理解は出来ていた。
皇都へと再び戻り一度メリア達と別れた。墓所詣でが問題無く終わったことや襲撃者の報告と後処理はなかなか大変そうだ。
「そうだ、メリア」
「何だ?」
別れ際に一つだけ、シュルクとエイルから彼女にどうしても伝えておきたい言葉があった。
「『おめでとう。メリアみたいな人の心に寄り添える皇主ならきっと素敵な世になると思うよ』」
これから一つの種族のトップに立つ彼女には、凡人である俺達が想像さえつかない苦労や重圧があるだろう。あまりに無知で気楽な言葉ではあるけれど、一つの試練を乗り越えたことへのお祝いの言葉を贈っても許されると思いたい。
「まだ父上の治める世は続くだろう。私が実際に即位するのはずっと先かもしれぬ。それでもそなたの言葉、しかと受け取った。ありがとう、シュルク」
シュルク達一行は勿論白翼宮に戻った。全員が心身共に疲弊しきっており、まだ陽は高い位置にあるがこの後何かする気にはなれそうにない。疲労には抗わず素直に休息を取る方が堅実だろう。
ついでに言うとそれ以外の理由もある。
「えっと……僕、また図書館に行って本を探そうかなって……」
「駄目だ」
駄目だ、駄目よ、駄目も。語尾は違えど綺麗に声が重なった仲間達の圧が凄い。シュルクを見張っていないとまた勝手にふらふらと出かけてしまうからここにいなければならない。今日はもう一人でどこにも行かずここにいろと彼らの目だけで伝わってくる。
「シュルクは頑張ったからリキが子守唄歌ってあげるも! とーちゃんの寝かしつけはヒョーバンがいいも!」
「おっさん、どうせあんたが先に寝るのがオチだぜ」
「そんなことないも! ラインなんかリキの歌声で五秒でスヤスヤだも!」
「そりゃ気絶だろ! さては音痴だな!?」
「オンチじゃないもー!!」
「えっと……じゃあベッドに座って本読んでるね」
「いいも!」
これは許された。
シュルクだけが何も覚えていない。エイルが記憶のいくつかを意図的に切り取り、保管場所を変える為に無理やり飲み込んだのが理由だ。精神的には異端審問官が襲来する以前と同じであり、局所的かつ的確に傷口を開かせる外因が無ければ軽率に我を失うことはない状態にまで落ち着いている。
それとこれとは別なのが仲間達なのだ。何よりラインでさえ俺が何をしたのか知らない。ちょっとした刺激で内側に抱えた何かが爆発するのではないかと疑うのも当然である。ダンバンは抉られた記憶の内容に関してのおおよその検討もついているだろうし、不安で仕方ないのだろう。
寝台に腰掛けてとりあえず身体を伸ばし、そのまま背中から柔らかい布団へ倒れ込む。
『疲れたね』
『そうだな。テレシアと戦うのはどれだけ対策しても骨が折れる』
『エイルは起きてなかったでしょ』
『すまない、言葉が悪かった。頑張ったのはシュルクだ』
『そういう意味じゃなくて……。エイルだってあの空間で一人だけで頑張ってた』
『……忘れていてほしかったんだがな』
『忘れないからね! ……僕は意識を失う前後のことをよく覚えてない。それって君が何かを肩代わりしてくれたってことだ。そんな酷いものを受け入れた君の頑張りを忘れるなんて出来るわけないよ』
酷いものという認識は本当にその通りだ。あの泥にまで固められた記憶と感情を飲み込むのは正直二度と御免だと言いたいくらいには厳しい。汚いものとは総じて臭くて苦いものだ。今更吐き出すつもりはさらさら無いが。
理想はシュルクに降りかかった理不尽な暴力と悪意の全てを飲むことだった。記憶そのものはどうやったって消せない。保管場所を変更することで溢れ出すリスクを減らそうとしたわけだが、結局シュルク本人に見つかってしまったせいで完遂は果たせなかった。いくつかの小さなものは今もシュルクの記憶領域にこびり付いている。それでも大きなもの——特に今回抉られた部分だけは何とか処理したから一旦は大丈夫だろう。
——きっと、シュルクはこの手を離してくれない。
この先だって理不尽なものに数多くぶつかると思う。それが生きることだと言われてしまえば何も反論できないが、彼は俺だけに背負わせることを拒否した。一人で耐え切れないなら二人で踏ん張れば良いだけだ、と。
いずれ消えたいという願いは許されなかった。優しい君はこんな訳の分からない異質な存在さえ受け入れた。ならば次に願うのは君からの分離なのだ。
君が言ってくれたように、俺が俺という存在として地面を踏めるようになるまで君と一緒に生きよう。せめて次なる世界に辿り着くまでは俺も君の手を離さないと誓おう。
『可能ならお前に恋人が出来る前に分かれたい』
『出来ないと思うよ』
出来るんだ。だから困ってるんだ。
考えろ、お前が好きになった相手と接吻をする時に己の中に部外者がいるなんて色々と駄目だろう。俺だって嫌だぞ。相手だって嫌だろうが。誰も幸せにならない。ハイエンターの技術に何か凄い力で人格を分離して肉体複製とか無いのか。流石にオーバーテクノロジーか。肉体再生が出来るのだから何とかしてくれないか。プネウマに協力を求めたい。
『とりあえず、だ。今は最善の道を、理想の未来を掴めるように努力しよう。俺にとっても、お前にとっても』
『うん。頑張ろう、"一緒に"』
『……ああ。頼むよ、相棒』
『相棒かぁ。……ふふっ、何だかいい響きだね。またよろしく、相棒』
どうなるか分からない未来も君とならきっと良いものに出来る。
臭い言い回しで根拠もないけれど、ただ確かにそう信じられる気がした。