バーンパレスの玉座の間___
荘厳な静けさが満ちていた。
その静寂の中で、鎮座する大魔王バーン。
だが、その眉がぴくりと動く。
「……む?なんだ、埃が溜まっておるな…………」
壁、柱、装飾……大魔王の視線の先に映るのは、埃に埃……
塵積もった埃であった………
それに床のほうにも、汚れが目立っている。
「それもそうか。ここに掃除人はおらぬからな………とはいえ、些細なことではあるが、余の居城に埃など見過ごせぬな。」
「我が居城は広大だからな。仮に掃除人が何百人ほど必要になるかな…………ミストやキルにそのような雑用を任せるわけにもいかん。」
大魔王はゆっくりと、玉座から立ち上がった……
「だが、その前にだ…………」
__そしてなんと、光魔の杖を手に持ったッ!
「__この広間は!余、自ら手を下すまでよッ!!」
大魔王が構えたッ!
荒々しいオーラが発せられるッ!!
「埃掃除に……!」
杖の先端が展開し、光の刃が噴出したッ!!!
「カラミティウォール!!!」
バシュウウウウウウウ!!!
弧を描くように薙ぎ放たれた、衝撃波の壁ッ!!!
埃だけが吹き飛ぶよう調整されたカラミティウォールは!
この広間を駆け抜けていく!
「ふむ、これで良し。」
響き渡る轟音とともに全身する衝撃の奔流が!
辺りの埃を一気に吹き飛ばす!!
そうして広間は……埃や汚れが綺麗になくなったためか、以前よりも一層明るさを増す。
「うーむ……普段は余ぐらいしかおらぬはずだが、意外と汚れていたものだな……」
大魔王は汚れの見落としがないか、周囲を注視しながら、広間をくまなく見回す。
「……む?」
すると……ふと、床の一角に視線を落とした。
石畳の隙間に、何かがきらりと光ったのが見えたからだ。
「これは……?」
そこを覗いてみると、何やら金色に輝く小さな物体が。
「こ、この光……まさかっ……!」
すぐさま屈んで、意外にも慎重な指先でソレを拾い上げる。
大魔王の掌に載ったそれは、指先ほどの小さな金の円盤。
「ちいさな……メダル!!!」
どういうわけか、ちいさなメダルが石畳の隙間に挟まっていたのだ!
「………………」
大魔王、メダルを掲げながら、しばしの沈黙。
その間……10秒ッ!
「……ラッキー♪」
微笑すら浮かべながら、メダルをじっと見つめる大魔王バーン。
「ふふふ……たまには掃除もしてみるものだな…………ふふふふふふ……………」
胸元のローブにメダルを大切にしまいこむと、バーンは軽やかな足取りで再び玉座へ戻ったのだった……
~終わり~