バーン!ダイマオー!バーン!   作:J・チェプナクル

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ミストバーンのヒミツ

鬼岩城――

闇の中、静かに歩く漆黒の男がひとり。

 

静寂を纏いながら、黒き鎧の男が城内を進んでいく。

まるで影そのもののように。

 

「………………」

 

その男の名は、ミストバーン!

 

無言、無音。

空気をも圧する存在感。

だが――その後ろには、忍び寄る影があった。

 

「(魔影軍団長ミストバーン……全く素性も得体の知れぬヤツよのぉ。このワシでも、その本心はつかめん……)」

 

その影の主は、妖魔司教ザボエラ。

小動物の姿……黒猫に変身したザボエラが、ミストバーンを追跡していた。

 

「(ここは一つ……ワシのモシャスで変身し、尾行してその秘密を暴いてみるとしようかの……)」

 

ザボエラは、慎重に足取りを合わせて追う。

 

「(しっかし……さっきからあやつ、何処へ向かっておるのじゃ……)」

 

だがその時!

ミストバーンが角を曲がった瞬間__

 

音もなく、彼の姿が消えた!!

 

「な、なんじゃ!? 消えおったぞ!?」

 

ザボエラは慌てて周囲を探す。

 

「魔力を感じない……移動呪文の類では無いようじゃが……では一体どこに……」

 

目を凝らし、壁を叩き、床を撫でる……

すると、ふとした瞬間……壁に違和感が走った。

 

「ぬうっ……ここだけ妙に違和感が………さてはここかッ!!」

 

ザボエラが魔力によるエネルギー波を辺りに発した。

壁が歪み、そこに現れたのは……

魔法で偽装された、隠された扉!

 

「これは! 隠し扉……!!ミストバーンはここを通ったのか?」

 

扉を開け、そのまま奥へと続く通路を進むザボエラ。

恐る恐る通路を抜けた先、ザボエラの目に飛び込んできたのは……

 

「こ、これは……!?」

 

きらびやかなネオンの海!

クラブミュージックのような音楽と歓声がこだまする!!

ネオンライトの装飾がきらめく豪奢な大広間!!!

 

「この部屋は一体なんじゃあっ!?」

 

煌びやかな魔導照明で彩られた巨大空間に、魔物たちがひしめき合っている!

 

「何故このような場所が鬼岩城の中に……!?」

 

「………そういえば、鬼岩城には秘密の隠し部屋があるとな。そういう噂話が……」

 

一種の社交場のようなモノなのだろうか。

飲み物片手に、魔物たちは賑やかに歓談をしているようだ。

 

「これは、クラブバーか?いやはや……まさか、鬼岩城にこんな場所があったとは。」

 

モシャスで黒猫に変身していたものなので、何も知らない他の魔物から顔や背中を撫でられるザボエラ。

彼はそんなことを気にすることもせず、思考をし続ける。

 

「……いや……まぁ、別に……このような部屋があっても、したっぱ共の士気が安定するのなら何も問題ないのじゃが……………」

 

「問題なのはミストバーンのヤツ!あの挙動からしてこの隠し部屋に入っていったのは間違いないと思うが……あのような輩がここにおるとするのも考えにくい。」

 

「流石にワシの思い違いかの?そうであって欲しさもあるのぅ。」

 

そうして、気になるモヤモヤを抱えていた時だった___

 

__カッ!!!

 

突如として暗転した部屋。

反応する間もなく、広間の中央にスポットライトが灯される!

 

「今日も来てくれてありがと~!」

 

照らされたステージの中央には、3体の魔物が立っていた!

 

「みんなのアイドル、ホイミンだよ~!」

 

「どうも~。ベホイミンでごぜえます~。」

 

「回復天使(エンジェル)、ベホマ~ン!」

 

『今日も、張り切っていくよ~~~!!!』

 

スポットライトが鮮やかな配色のライトに切り替わり!

軽やかなポップソングが奏でられる!

その曲に合わせて、ステージに立つ魔物はダンスを披露している!

 

「おお、なんじゃ……パフォーマンスショーか……ふむぅ、こういうのもしておるのじゃな。」

 

遠くからその様子を眺めていたザボエラだったが___

 

「……んん?__」

 

その最中、ザボエラは見たッ。

 

「__ぬおぉぉっ…!?」

 

ステージに立ち、声を張り上げるアイドル衣装の魔物。

そのパフォーマンスに、観客の熱狂が最高潮に達する中………

 

「あ、あれは!」

 

客席の最前列!

そこに静かに立つ黒き影!

一際異様な存在感を放ちながらも確かにそこにいたッ!

 

魔影参謀ミストバーン!!!

 

しかも、彼の手には……

サイリウムが握られていたッ!

 

「……フフ………フフフ…………」

 

「……?!」

 

ザボエラは驚愕した。

 

「ば、馬鹿な!あのミストバーンが……笑っておる……!サイリウムを振りながら……笑っておる……!!」

 

仮面の奥からわずかに漏れる笑み。

さらには、パフォーマンスのリズムに周囲の観客と息を合わせて、寸分の狂いもなくサイリウムを振っているのだッ。

 

「イノチ大事に!」

『ベホマズ~~ン!!!』

 

しかも、掛け声までしているのだ。

 

「…………そんな、バカな…………………」

 

「……ミストバーン……貴様、こんな趣味があったとは………………」

 

ザボエラは、ただ呆然とその光景を見つめるしかなかった………

 

~終わり~

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