曇らせ絶対に許さない系神官の英雄譚with周囲を絶対曇らせる系女勇者   作:さらみパスタ

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聖歴0100 1月2日

 

 

 

「ルーテシアのこと言わないでって、ボクにはあれこれ言ってるくせにさー、神官長さ、よく姫さまには打ち明けようとしたよね」

 

「謎の女がぽっと出で出てきたら、色々と問題が生まれるからな」

 

 

 姫さまとの会話を終えた直後。

 俺はレーヘンに詰められていた。

 ムスッとした顔で不満を口にするレーヘンではあるが……この瞳にあるのは嫉妬というより憂慮だった。

 

 彼女も一応女の子だ。

 理想の女の子を作り出して嫁にするという行為のヤバさは理解していて、それをいたずらに触れ回る行為を危惧しているのは確かだった。

 

 仲間想いの勇者さまの態度は俺を想うが故の叱責で。そのことに少し感動を覚えてしまったわけなのだが。

 

 

「いや、それはそうなんだけどさぁ」

 

「安心しろ、俺だってわかってるさ」

 

 

 俺だってわかっている。

 でもそれでもするべきことだった。

 

 彼女は自覚がないようだけど、俺は一応『最愛の女性と死に別れた』という認識がされている。

 

 代償問題は解決しても、その勘違いは未だ解決していない。

 

 でも今までの経験からして、この勘違いを解消するために変に言葉を尽くすと違う勘違いが発生しかねない。俺はこの件に一切手を触れないことを決めているのだが。

 

 まあともかく。

 その上、俺は社会的地位もあるし、方々から婚約の話が飛んできてるわけ。そんな男が突然、名前も知らないポッとでの女と結婚なんて話になったら問題が生まれてしまう。

 

 確実に身元が調査される。

 俺が生命を生み出したことが露見しかねない。

 

 俺の風評は地に落ちる。

 それは間違いないが、それだけでなく。周囲から亡くなった誰かに似せてつくった存在を生み出す事を求められるリスクはあるのだ。

 

 まあ二、三ヶ月あれば一人生み出すことはできるけど……今の時勢でそんなことをすればとんでもないことになるのは明らかだった。

 

 ソルト関係者に死人は出ていない。

 しかし、魔族との戦争で夥しい死傷者が生まれている。

 

 本当に近しい人間を生み出せるならまだしも……所詮は別人にすぎない。

 

 似た顔をしてる赤の他人ってだけ。

 性格がよく似た別人ってだけ。

 

 厄介なのはそれでも、そんなよく似た誰かに縋ってしまうくらいに追い詰められた人は多いって事なんだけどね。

 

 俺は大きくため息を吐いた。

 

 そんな倫理的な問題も絡んでおり。

 

 こういう問題を起こさぬために、地位がある上で人間性を信頼できる協力者を探す必要があった。

 

 それこそが姫騎士ワイスだった。

 俺は姫騎士のことを信頼している。確かな絆を培っており、自分の恥部を明かしても問題にならないと確信を持っていたのだ。

 

 

「ならなんでそんなことするんだよー。諦めればいいじゃんか」

 

「それが男の夢だからな」

 

 

 レーヘンとしても少し不快なのかもしれない。俺も自覚はあるのよ。

 でも夢は捨てられないんだ。

 

 こんだけ頑張ってんだから、ね?

 それくらいなら許されるじゃん?

 俺は一切の妥協をするつもりはなかった。

 

 

「……むむむ……」

 

 

 その代わり、身を粉にして働くのだから。

 それくらい許されてもいいと思うのだ。

 

 

 

ーー聖歴0100 2月8日ーーーー

 

 

 魔王は人類の敵だった。

 

 ある日突然、他国を攻め滅ぼし。

 多くの人々に危害を加えた敵だった。

 魔王軍もその実力は凄まじく、四天王という一騎当千の怪物は最も容易く多くの国家を滅ぼして回った。

 

 人類は追い詰められた。

 存続する国家はただ一国にまで追い詰められた。

 

 だからこそ、魔王軍、そして魔王という脅威が取り除かれたことは、多くの人々を歓喜させていた。

 

 魔王討伐した後の帰り道。

 勇者パーティーは幾つもの都市を巡ったのだが、復興を為されつつあるほぼ全ての都市で大歓声を浴びたのだが。

 

 そうして帰り道にある都市、だけでなくその近隣にある幾つもの都市に顔を出したのは……戦後の駆け引きというやつだった。

 

 魔王との戦争が終わったことで、それまで差し控えられていた政治闘争は解禁された。

 

 戦後の主導権争いで魔族との戦いの足を引っ張るなんてことは起きなかった。

 しかし、それはあくまで魔王という強大な敵がいたからこそだ。それが終わってみんな仲良く戦後の平和を喜ぶーーなんてことが起きるわけもなかった。

 

 初代勇者が建国した超大国、聖王国は滅んだ。人類の盟主であった聖王家の血筋は絶え、国民は散り散りになっていた。

 

 そしてそれ以前の人類の盟主、皇国も甚大な痛手を被っている。姫騎士ワイスは生き残ったものの当時の政治中枢にいた多くの臣下は死去している。

 

 戦後の復興とその後の覇権競争が起こるのは目に見えていた。戦後秩序をどうするのか? どの国が覇権を握るのか?

 

 権威、権力の空白があった。

 誰もが次の時代の覇権を目指した。

 それは仕方ないことだった。

 

 そういう意味では勇者レーヘンを生贄に捧げればこういう問題は起こらないのかもしれない。

 

 初代勇者がそうだったように。

 勇者王国なんてものを建国するとか、どこぞの王家に嫁がせるとかすれば解決できる。

 

 でも、俺はそんなこと嫌だった。

 

 レーヘンは才能があるとはいえ、単なる町娘に過ぎない。花でも愛でてる方がずっと似合うパン屋の娘なのだ。

 

 そんな少女を聖剣に選ばれたからと戦わせ続けた。才能や適性があるとはいえ、だ。

 人類はそれだけ追い詰められていたから仕方ないかもしれないが。

 

 戦後になれば話は別だ。平和になり、政治闘争をするくらい余裕が出てきたのに。

 

 権利を謳歌してきたことのない町娘を高貴なる義務云々と、彼女の自由に生きる権利を侵害することなど許されない。

 

 それは俺個人の考えというより、旧支配者階級や、パルチザンリーダーを含めた人類連合中枢メンバー全員の共通した思考だった。

 

 勇者さまは巻き込まない。彼女の名声を政治利用してはならないと。

 

 レーヘンは利用しない。

 しかし、英雄譚を成し遂げた勇者さまをもてなす、なんてことが主導権争いに使われるリスクはあった。

 

 その国に他意はなくとも、周辺国から難癖つけられる可能性もあるからね。

 勇者さまを利用しやがって、と。

 

 なので勇者一行は幾つもの都市を訪れて、戦後に余計な問題が起きないように配慮する必要があったのだ。

 

 

 というわけで行きと違い、かなりの時間をかけて人類連合首都に帰還した勇者一行を待ち侘びていたのは、大群衆であった。

 

 

 人類連合暫定首都には、各地のパルチザンリーダーや、各地の市民が集まっていた。

 この都市に住む人だけではない、あまりに多くの市民が都市に押し寄せて、開発と整備が進んだ巨大なメインストリートは群集で埋め尽くされていた。

 

 市民の熱狂は凄まじいものだった。

 

 

「ずいぶんと人が多いねー」

 

「他の時とはやっぱり違うからなぁ、ここは」

 

 

 そんな様子をちらりと視野に入れた勇者レーヘンはいつもの調子で呟いている。

 多くの都市は未だ復興の最中にある。

 しかし、暫定首都だけは話が違っていた。

 世界各地から多くの流民が住み着いた上に、勇者レーヘンという存在に庇護されていた都市は復興を完全に終了させている。

 

 当然人口比率も桁違いに多かった。

 

 

「あ、あの人いつものお店の店主さんだよ? ほらなんか手を大きく振ってる黄色の服の人の隣にいるの、ほらほら」

 

「ほんとだ、でもよく見つけられたよな。この人混みの中からさ」

 

「え? 普通に見てればわかるじゃん」

 

 

 レーヘンは豪華な竜車(いつの間にか用意されていた)に乗り込み、そんな人々に手を振っているのだが……笑顔を浮かべにこやかに街道に集まった市民の皆様に手を振る姿は手慣れたものだった。

 

 演説とかは経験あるのだが。

 この人数を前にしたことはないというのに、勇者さまは己に突き刺さる群衆の眼差しに全く動じることはなかったのだ。

 

 

「にしてもお前は余裕あるなぁ……もう少し緊張するとばかりに思ってたよ」

 

「なわけないじゃん、ボク普通に緊張してるからね?」

 

 

 と思っていたのだが、勇者さま曰く一応緊張してるらしい。まあそんな軽口を叩けるのは余裕があるって形容されるんだけどね?

 

 

「……まー、神官長がいるからフォローしてもらえるし、いずれはこういうことにも慣れなくちゃいけないしね」

 

「無理はしなくていいからな。パレードも後2回やればそれで終わりでいいんだぞ」

 

 

 こういうことにも意外と適性はあるし、なんなら才能もあるのかもしれないが……。

 

 レーヘンは多分日常に戻ることを目標としている。煌びやかな社交の舞台ではなく、パン屋の娘として穏やかな日々を過ごすことを。ごくごく普通のありふれた幸せを求めている。

 

 そんな女の子を英雄譚を終えた後も、勇者として生きることを強要するわけにはいかない。本人が望むように生きれるように道を整える。それが仲間である俺がなすべきことだ。

 

 

「ふふ、わかってるって。神官長は心配しすぎだよ。困った時はちゃんと頼るから安心して」

 

 

 まー、今は魔王討伐直後というのも大きいんだけどね。これが最後のご奉公。魔王討伐を成し遂げたことを広く知らしめるお仕事に全力で取り組む勇者さまはにこりと笑みを浮かべていた。

 

 

「……というか神官長は大丈夫なの? そっちだって昔はパレードなんてしたことなかったじゃん」

 

「もう散々やってきたから慣れてる」

 

 

 ちなみに本当に慣れているので問題はない。

 ちなみに個人的に一番きつかったの社交界デビューの時だったからね。俺も名前を知ってる国王さまたちと、マナーも未熟なまま交流する必要があったからね。

 

 あの頃は初々しかったなぁ。

  

 あの頃よりずっと発展した街並みを見下ろしながら、俺は心底そう思うのだった。

 

 

ーー聖歴0100 2月11日ーーーー

 

 

 長らく拠点とした暫定首都でのお祭り騒ぎは数日続いていた。

 歓喜に包まれた市民の声は夜通し響き続けていたし、寝て起きてまだ騒いでるなぁと思ったらまさかの2日目開幕だったからね?

 

 パレードが終われば豪華な祝賀の席が用意され、勇者レーヘンは人類連合首脳陣から歓待されていた。

 

 その席でも勇者さまはそつなくこなしていた。礼儀作法でミスをすることもなく、完璧な対応を成し遂げていた。

 

 まぁ、そういう作法って要は身体の動かし方だから、レーヘンからすれば一回見れば覚えられることだった。今までの祝賀でも特にミスしたことはないわけだが……。

 

 

「じゃあ、みんな生きて帰ってきたことを祝ってかんぱーい!」

 

 

 勇者パーティーは最後の懇親会に及んでいた。

 レーヘンは本当に楽しそうだった。

 お偉いさんが用意してくれた豪華な祝賀ではなく、仲間内だけの懇親会の方が彼女にとっては楽しい時間なのだ。

 

 

「寂しいものですね、勇者パーティーが解散するとなると名残惜しいものですわ」

 

「あの姫さまが変わるもんだよね、『わたくし、祖国の復興以外の余計なことをするつもりはありませんから』とか言ってたのにさー」

 

「もー、レーヘン。こういう時にいつもみたいに揶揄わないでくださいまし」

 

 

 仲間たちとはここでお別れ、というのも大きいのだろう。

 勇者パーティーは本日解散となる。

 

 もちろんこの後、俺とレーヘンとライフズくんは連合王国に帰り、国王に報告するんだけどね。そこに姫騎士と魔法使いさんは加わらない。

 

 二人はこのままそれぞれの故郷に帰ることになる。

 

 正式な魔王討伐を祝うパレードはこの人類連合首都で行われたものであった。

 

 これは政治的な意味合いが強い。世界の中心は人類連合であり、連合王国ではないことを公然と示したのだ。

 

 

「正直いうとあの時の姫さんの態度はやばかったもんな。俺もどうしようかと頭抱えてたんだぞ? なぁ、ライフズ」

 

「あはは……まあ、そうですね、バックルさん」

 

「バックルさまにライフズまで?」

 

 

 勇者レーヘンはこのまま単なる町娘として生活をしていくことになる。

 

 そうなった場合の覇権候補No.2がどこかというと我らが連合王国……なのだが。

 

 連合王国は主導権争いの場から離脱する。

 

 だからこそ連合王国国王はこのパレードの席には参加していなかった。

 

 ちなみにこれはソルト王室の総意である。

 俺の父親はまあ、私人としては立派だけど王としての器はそれほどでもない。 

 

 人類連合をまとめあげる実力もなければ、海千山千の旧支配者階級と渡り合う剛腕もない。

 

 世界を統治なんてできるわけがない。

 やろうとしても問題が頻発して、空中分解するのは確実だった。

 なんなら本人も自覚していたしね。

 

 

「いや、前から言ってるじゃん。姫さまの態度は一生語り継ぐってさ!」

 

「ぅぅ、わたくしの末代までの恥がまた増えてしまいました……」

 

 

 とかなんとか、考えていたんだが。

 懇親会で行われていたのは以前と似たような会話だった。

 しかしあの頃と違い、代償問題が解決した今、その話題が場の空気を凍らせることはない。

 レーヘンは気安く言葉を口にしていて。

 仲間たちも気安く言葉を返している。

 

 

「それは今更じゃないんですか、姫さま」

 

「もー、神官長さまも相変わらずイジワルですのね……レーヘン優しくしてくださいまし」

 

「よしよし、姫さま、ボクは姫さまの味方だからね〜」

 

「この話題切り出したのお前だけどな」

 

 

 だから懇親会は本当の意味で和やかなものだった。そうして俺たちは穏やかな時間を過ごしていた。

 

 そんな会話が盛り上がるわけなんだけど、その主役は故郷に帰って穏やかな生活をすることになる若手二人組。

 

 というわけで俺は仲間たちがそんな二人と対面で語り合う場を作ろうと少し離席していたわけなんだけど。

 

 

「あれ、ライフズくん?」

 

「もー神官長、どこ行くんですか」

 

 

 そんな俺を追いかけて、ライフズくんがやってきてしまったのだ。

 実は勇者さまに好意を抱く幼馴染の男の子。

 

 しかし彼は魔王退治の帰り道の最中に何かしらのアプローチを仕掛けることはなかった。これからお別れになる仲間たちとの交流を優先していたのだ。

 

 恋愛感情はある、しかしそれは全てではない。

 彼にとって絆を深めた仲間だって確かに大切にするべき存在だった。もちろんその中には俺も含まれてるわけなんだけど。

 

 

「おいおい、主賓がどうしてこっちに来ちゃったんだよ」

 

「僕、普通にあなたと仲良かったと思ってるし、おしゃべりしたかったんですけど。ゆっくり喋る機会なんてしばらくないんですから」

 

 

 ここで俺も、故郷に帰ってはいさよならとできたらいいんだけど、流石にそんなことしたら政治的な混乱を生む。

 

 だから俺はまだまだ暫くは社交の舞台に足をどっぷり漬け込む必要があった。俺が思ってた以上に次の代の覇権を睨んだ動きが強いのだ。もしかしたら、そういう動きが今まで完全に抑え込まれ過ぎていたのかもしれない。

 

 魔王という脅威を打ち払ったことで枷が外れたことで一気に噴出してしまった、とかかな?

 

 

「何言ってるんだよ、船の中で幾らでも時間取れるだろ? 一旦国には帰るからな?」

 

「……あ……一応帰郷はするんですか」

 

 

 とは言え流石に帰郷はする。

 両親とも少し話をしたいし……ルーテシアの件を進めるためにも準備は必要だ。

 

 それが終わればすぐに暫定首都に戻ることになるだろうけど。

 

 そしてライフズくんは赤面した。

 自分の勘違いに気がついた+『あなたと仲良かったと思う』とか言っちゃったことが原因なのは明らかだった。

 

 

「ライフズくんはしばらくのんびりするんだろ? レーヘンと一緒に。だからしばらく会えなくなる人に挨拶しておいで」

 

「えっと、はいそうします」

 

 

 でも俺は武士の情けで深く追求することはなかった。真っ赤に染まった耳先や頬に一切触れず別の話題を提供する。

 

 

「それでいうならベストールさんにお別れをしようと思ったんですけど……流石に見当たりませんよね」

 

「お世話になったからね、あの人にも」

 

 

 まあ、心残りが残るのは仕方ないことなのだろう。推定魔族であったベストールさん。

 多くの情報を与えてくれた恩人でもある彼女は、祝賀のパレードを見ていてくれたのだろうか。

 

 

 「ま、今は姫さまとかバックルさんとお話しすることにします、失礼しました」

 

 

 ま、次大大陸に来た時に探せばいい。

 ついでにライフズくんの言付けを届ければいいのかな。

 

 なんてことを俺はぼんやり考えていた。

 勇者パーティー最後の夜はこうして静かに過ぎていった。

 

 

ーー聖歴0100 2月16日ーーーー

 

 

 海運の技術は明らかに発展を遂げていた。

 最初に大大陸に渡ってきた時と同じ航路を半分の時間で渡り、俺とレーヘン、そしてライフズくんの三人は故郷の地を踏んだのであった。

 

 そうして帰郷した祖国はーー大発展を遂げていた。

 戦争による特需と技術革新は凄まじかった。

 

 そして一日かけてパレードとか諸々をして。

 連合王国国王に挨拶をして。

 

 ちょっとだけ感慨深かった。

 勇者さまとの冒険ももうすぐ終わる。

 それをひしひしと実感していたわけなんだが。

 

 

「陛下、実は僕は神官長のことをお慕いしてまして、その……後押しをして欲しいなって、思ってます」

 

「噂は真実だったということか。なるほど、レーヘン殿。いいだろう、余にできる限り支援はさせていただくと約束するとも」

 

 

 勇者レーヘンは俺との婚約を、褒美として乞うた。

 

 全ての前提が壊れる音がしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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