曇らせ絶対に許さない系神官の英雄譚with周囲を絶対曇らせる系女勇者   作:さらみパスタ

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聖歴 0101 4月11日

 

 

 

 俺とレーヘンの結婚式から三ヶ月が経過していた。

 

 俺は連合王国国王の地位を受け継いだため、レーヘンも連合王国王妃ということになるんだが。

 

 比較的平和な時間が続いていた。

 

 魔王軍残党の動きは一切ない。

 中核であった四天王の一人が抹殺されたからだろう。

 残る幹部は十三歳の人間の少女。

 となると組織の実質的な指導者は四天王ではなくなるわけで。

 指揮系統に深刻な問題が生まれるのは当然だ。

 

 そして新生魔王軍。

 魔王ライフズを中心にした組織も、一切の動きを見せていない。

 ま、こっちはそもそも人間との共存派。

 その動きを注視する必要もないんだけど。

 

 だから世界は平和だった。

 もしかしたら水面下で何かしらの陰謀が張り巡らされていたり。表沙汰にならないだけで裏では暗闘が続いている可能性はある。

 

 しかし俺の元に一切の情報が入ってこないのである。

 大大陸にも俺から一度も足を運んでいないしね。

 

 新婚なのに仕事で忙しくするなんてのは許されないからだ。

 

 俺の妻は勇者レーヘン。

 己の寿命を対価に魔王討伐を果たした大英雄だ。女神の奇跡により削られた寿命も帰ってきた()少女の幸せな余生を邪魔するなんて許せない。

 

 それは夫であり、共に魔王討伐を果たした俺でもそうだ。

 俺は勇者さまを幸せにするべきであり。

 他の大陸に外交なんて行くべきではない。

 

 そんな方々からの圧に……俺は屈し。

 小大陸で穏やかな日々を過ごしていた。

 

 

「ほんと、ここから見る中庭も綺麗になったよね、前はあんなでっかな花壇なんてなかったし」

 

「レーヘンさまがお帰りになられた時には改修されていましたよ?」

 

「あの時はあの人のことで頭がいっぱいだったからね〜」

 

 

 その日、レーヘンは廊下の窓から庭に咲き乱れる花を鑑賞しつつ、侍女と駄弁っていた。

 

 

「でも最近のソルトの宮殿ってどんどん豪華になってるじゃん?」

 

「ええ、偉大なる連合王国王室の宮殿です、その功績と名声にふさわしいだけの品格が必要ですから」

 

 

 俺が居住している実家ーーソルト王室の宮殿は、少しづつ改修が進んでいた。弱小国家であったソルト王室の住まいはその家柄相応というか。

 大国の貴族の邸宅より遥かに安価な建造物だ。調度品も世間的には高級品だけど、王侯貴族を彩るものとしては役者不足甚だしい。

 

 以前までなら身の程を弁えた合理的な判断だったわけだが。

 連合王国国王という地位を得た以上は相当の暮らしをせねばならない。

 だから少しづつ大国に相応しい宮殿へと変化させていく必要があるのだろう。

 

 ちなみに庭園にかけられる予算の桁も跳ね上がっており。

 かつてとはかけ離れた豪華な花畑が広がっている。

 

 しかしそんな生活区画の変化に、住民からすれば思うところがあるのは仕方ない。

 ソルト王室は庶民派王家。

 その感性も成金の富豪みたいなものだ。

 

 家の中で高価な花瓶があることに、割ったらどうしよう……と不安になっちゃうのがうちの実家なのだ。

 

 

「それはいいんだけどさ、ボクとしては少し怖いんだよ。こう壺とかの割れ物を割っちゃうんじゃないかなとか普通に思うし」

 

「申し訳ございませんレーヘンさま。居住区画の方には配置しないようにいたします」

 

 

 そしてそんな一族に新たに加わったレーヘンはーー王室にすっかり馴染んでいた。うちの両親、特に母親とも相当上手くやってるというのは、以前話したかもしれないけど。

 

 

「なら西の廊下の方にも置かないでもらえるかな? ボクも義母さまの前で大恥はかけないんだよね」

 

「はい承りました、落としても割れない鋼鉄製の品に変えておきます」

 

 

 それだけではなかった。

 レーヘンは王宮に勤める侍女達とも上手くやっているのだ。

 彼女はそういう、誰とでも仲良くなる才能がある。

 

 侍女達とも上司と部下ではあるが。

 それはそれとして友人でもあるからね。

 

 あとレーヘンはこの世界で誰よりも権威があることを自覚してるのかもしれない。魔王を倒し世界を救った勇者レーヘンは、この世界のどんな王族より偉い。だから侍女とはいえ高貴な身の上の存在に臆することなく話しかけることができるのだ。

 

 

「ん? もしかして鉄製なら割れないと思ってる?」

 

「違いますよ、レーヘンさま……あ、あれ?」

 

「かわいいなぁ、ごめんごめん、ちょっと揶揄ったんだ」

 

 

 ちなみに今回の件はレーヘンが嫌がったというより、俺の母親から遠回しにお願いされたっぽいな。

 

 一昔前なら絶対に非礼を働いてはいけないようなお方だったからね、従者の皆さま方はね。

 今レーヘンが話しかけてる相手だってうちより格上の王家の元お姫さま。両親はそんな立場のギャップを埋めきれておらず不満を口にし辛いのだ。

 

 しかしレーヘンはこういう時に臆することなく会話ができるタイプの女の子で、ソルト王室の不満を上手く周囲に伝えていた。

 

 だから王家としては大変ありがたい存在であり。

 

 それは侍女達からしてもそうなのだ。

 別に向こうも俺たちのことを『魚臭い王室』だなんて考えていない。ただこっちが一方的に怯えているだけだからね。

 

 変に距離を取られるから意図を測るのが大変だ、って時に上手い具合に両者の間で橋渡しをできる存在がやってきたのだ。

 

 そういう意味ではレーヘンは既に王妃として、しっかり役割を果たせてると言えるわけなんだが。

 

 

「あっ、あなた、おはようござます!」

 

 

 しかしそんな堂に入った王妃姿は、俺を目にした瞬間に切り替わった。彼女の瞳は煌めいて、表情をキリッと繕われる。

 

 

「すみません、この人と少し二人っきりになりたいので席を外してもらえませんか?」

 

「……レーヘンさま、陛下、失礼致します」

 

 

 そして先程の友達と駄弁るような口調とは一転。

 丁寧な言葉遣いで侍女へのお願いを口にするのだ。『ボク、しっかり王妃できてるんですけど』と言わんばかりの態度である。

 

 もちろん王妃にそんなこと言われたら、動くしかない。

 侍女は俺にも会釈をした相手はその場から離れ。

  

 部屋の中には俺と勇者さまだけが残された。

 

 

「えへへ、二人っきりになったね」

 

「なったというか、したの間違えじゃないの?」

 

 

 勇者レーヘンは浮ついていた。

 結婚から三ヶ月が経過しているが……未だに新婚生活を満喫しているのである。

 

 とはいえ人前でイチャイチャすることに抵抗があるらしい。本人曰く『ボクにも外聞がある』とのことだが……結婚したことで余裕が出てきたと思われる。

 

 完全にゴールインしたからね。

 もうここから俺が距離を置くことはない。

 となれば無理に外堀を埋める必要もないし。

 

 俺もすっかり絆されてるからね。

 攻略は殆ど完了されていた。

 

 

「それに王妃なんだよ? オンとオフはしっかり切り替える必要があるでしょ? 人前ではできるだけ控えなきゃならないからね」

 

「……ま、お前がそうしたいってなら止めないさ」

 

 

 ちなみに勇者レーヘンは偉大な英雄だ。世界を滅ぼしかけた魔王を討ち取った功績。

 そしてそこに至るまで己の身を削り続けた自己犠牲()を思えば、彼女にはこうして新婚生活を全うする権利があるといわざるを得ない。

 

 多くの人々に俺の仕事は何かと尋ねれば、答えはきっと「勇者さまを幸せにすること」、だろうしね。

 だからレーヘンが望めば必ず二人っきりになれる。

 

 ソルト宮殿で働く侍女たちも、勇者さまの浮かれっぷりを肯定的に受け止めてるし、なんならレーヘンも裏ではかなり惚気てるからね。

 今更隠す意義もないんだが……。

 

 

「……それで昨日、またあの女のこと考えてたでしょ。ボクと結婚して三ヶ月になるのにあなたは本当にそういうとこあるよね」

 

 

 そしてレーヘンの勘は相変わらず鋭い。

 だから俺の内心をしっかり理解しており、そういう都合が悪い話を華麗にスキップして本題を切り出した。

 

 俺がほんのちょっと『これでルーテシアの妹を産み出すのに必要な生命力が溜まったなぁ』なんて考えたことを見抜いていたらしく。

 二人っきりになった途端に釘を刺してきたのだ。

 

 ちなみにライフズくんのお嫁さん製造計画の方は全くこれっぽっちも進んでいない。

 というのもベストールさんの寿命をガッツリ補填したので、生命エネルギーが不足していたからだ。

 

 いや、以前消費した分は既に集め切ってるんだけどね?

 人間、一度やる奴は二度も三度もやる。

 行商人さんはまた寿命を捧げてしまう。

 

 その治療のために常に一生分の寿命を用意しておく必要がある。

 となると研究再開は三ヶ月後ってことになる。

 

 

「……別に浮気とかじゃないだろ? そんなつもりもないしな。今一番大切なのはレーヘン、お前だからさ」

 

「むぅ〜、むぅ〜っ」

 

 

 と、そんな俺の内心を読心したように読み取る勇者さまは、当然のことながら俺に浮気の意図がないことなんて理解している。

 

 だから、本気で怒ってるわけではない。

 これはそういう口実に戯れたいだけ。 

 

 実在した元カノとかならわからないでもないけど、理想の女の子は非実在系だからね。そんな男の夢と妄想を詰め込んだ存在に本気で嫉妬することはない。

 

 現に彼女の瞳は悪戯っ子のように煌めいていて、『だから埋め合わせとしてボクのことをしっかりもてなせー』って言いたいわけだ。

 

 

「……でも昔の想い人なのは事実じゃん」

 

「でも、今いるわけじゃないんだから、拗ねるなって」

 

「むむむっ、むぅ〜」

 

 

 そしてレーヘンは俺が理解してることを理解していた。

 気恥ずかしそうに目線を逸らしつつ、ぶつくさと文句をいうレーヘン。

 そしてそんな表情とは裏腹に、ぐいぐいと距離を詰めてくる新妻にされるがままになっていたまさにそんな時のことだった。

 

 

「ご歓談中に申し訳ございません、レーヘンさま、ゾーニッヒさま」

 

「……どうしたんだい? 緊急の要件かな?」

 

 

 従者が慌てたように部屋の中に入ってきたのだ。もちろんレーヘンはノックの音にすすっと距離を置き、澄ました顔で誤魔化している。

 直接この現場を見られたわけではない……でも今の会話を少し聞かれた可能性も高いな。

 

 

「人類連合から使者の方がおいでです」

 

「ああわかった、すぐ向かうよ」

 

 

 というわけで俺とレーヘンはそのまま応接室に向かうのだった。

 

 

「それと今聞いた話は他言無用ね?」

 

「……ええ、わかっております」

 

 

 もちろんきちんと釘を刺すけどね。

 案内されてる最中に俺はそう告げて。

 ビクッと身をこわばらせた侍女は、首を縦に振るのだった。

 

 

ーーーーーー

 

 

 応接室。

 そこはソルト王宮の中で真っ先に改築が進められた部屋である。諸外国の要人を招く一室がおんぼろなのは国家の品格に関わる。

 

 というわけで相当力を入れて建築されている豪華な部屋だ。なんなら入り口から応接室に至る廊下は特に調度品が多く飾られてるからね?

 

 そのためソルト王室メンバーは誰もが近寄らない。

 

 俺も社交界に散々出ていなければ絶対に寄り付かなかっただろう。そんな部屋の中でも平静を保ち続けるくらいには良家出身の人類連合の使者さん。彼は要件についての連絡するためにやってきていた。

 

 

ーーというわけでゾーニッヒ陛下には聖王の称号を授けるべきという話が出回っておりまして」

 

「……それは大変光栄な話ですね、俺が偉大なる勇者の後継に選ばれるなんて……」

 

「レーヘンさまとゾーニッヒさま、その偉業は先代勇者をも上回るものだと考えるものは多くおりますよ」

 

 

 それは俺を聖王に叙するという連絡だった。

 

 聖王というのは名誉称号だ。

 それは初代勇者と謳われた男が、皇国の姫を妻としてとある王国を築き上げた後に与えられた称号だった。

 

 彼の血筋は後に聖王家と呼ばれるようになった。

 

 先代勇者は偉大な英雄だ。

 今の元号も初代勇者に所以していると言ったら、彼が集めた敬意というものも理解できるだろう。

 

 世界を救った英雄の権威は凄まじく。  

 その血統はまさしく世界最高の権威であった。

 

 しかしそれ故に魔王が真っ先に滅ぼしに向かった結果、滅びた。

 王族メンバーは全滅。

 国民と臣下も生き残りは皆無に等しく、その土地の復興は未だ為されていない。そういう運動を起こすものもいない以上は断絶したと言わざるを得ないだろう。

 

 そんな聖王国の末路は決して珍しいものではない。

 魔王の侵攻により滅んだ国家は多く存在し、その生き残りは周辺国家に取り込まれる、なんてことはよくある話だそうだ。

 

 初代勇者が魔王を討伐した際も似たような展開があちこちで見られた、なんてことは歴史の教科書に記されてる。

 ちなみに復興が進んで、五十年、六十年くらいが経過するとそんな地域が独立したがるものらしい。

 

 じゃ、復興させるだけ損、と思われるかもしれない。

 しかし戦後の覇権競争において人口は力。というわけで各国はこぞって近隣地帯の生き残りを自国民として囲い込んでる。

 

 

「……みなさまが推薦し、多くの方が納得されるならば受け入れたいと思います」

 

「反対するものなどおりますまい」

 

 

 ま、それはさておき。

 人類連合上層部には偉大な称号を俺に贈ろうという動きがあるそうなのだ。いや、俺の元に話が来る時点で根回しは完了済み。

 俺に話を通したらとんとん拍子で話が進む。

 

 なぜ勇者レーヘンではなく俺なのか、と思われるだろう。そこは魔王討伐を果たした勇者さまに渡すべきなのでは?、と。

 

 しかし勇者レーヘンはそういう称号とか権威を求めぬ高潔さがあるーーと見做されているのだ。

 

 今の年号をレーヘン暦に変えるべきでは? みたいな話も出回った時も、本人が嫌がったために実現されなかったこともあったからね。

 

 今回の聖王認定は、善意もあるが政治的な思惑が大きい。だからこそ、その辺りの裏事情を察せる俺に話が来たのだ。

 

 

「ゾーニッヒさま、ご快諾感謝いたします」

 

 

 というわけで俺はその提案を受け入れるのだが。

 その傍に腰を下ろし、相変わらず澄ました顔を浮かべていた勇者さま。会話の内容をしっかり理解している、風の演技でその場をやり過ごしていており。

 

 

「ねぇ、なんで? なんで?」

 

 

 使者が帰った後、なんでなんでと服の袖を引っ張るレーヘンに俺なりの考えを述べるのだった。

 

 

「多分原因はライフズくんが魔王になった事だと思うんだよね」

 

 

 今、聖剣はレーヘンが所有しているわけなのだが、これは元々聖剣守の一族が有してきた遺物だ。

 

 しかし一族は滅んだ。

 生き残りはいるのかもしれないが……表には出てきていない。その結果聖剣の所有権というものが宙に浮いてしまっている。

 

 

「確かにボクも聖剣どうすんだろーって思ってたんだよね。なんかずっと手元にあるんだけどさ」

 

「まー、もうお前のものでいいと思うぞ? 聖剣守には資格は勇者に受け継がれるべきって思想があるからな」

 

「へーそうなんだ。なら遠慮なく、部屋に飾っとこー」

 

 

 by聖王国跡地のライフズくんのおじさんの亡霊。

 魔王討伐後に一回立ち寄ったことがあるんだが。

 

 『新たな勇者が聖剣を手にしたなら、その方に一任する』という回答があったからね。彼ら一族は、自分たちが責務を果たせなかった時のこともしっかり考えられていた。

 

 しかしそういう聖剣守の一族の思想を知るものは殆どおらず。

 だからこそ、聖剣をどうするのか?

 そんな疑問が人類連合上層部の中にあった。

 

 もっというと、その所有権が聖剣守の一族の生き残りーーライフズくんにあるのかもしれない、と。

 彼が返還を要求してきた時にどうするのか。

 

 魔族に与した人類の裏切り者ではあるとはいえ。

 正当性が向こうにあるというのが非常に厄介。

 

 魔王に聖剣を奪われるなんてあってはならない。

 しかし、ルール上は向こう側に理がある。

 

 そしてだからこそ、その状況を打破せんと俺に聖王としての称号を与えようとしていた。

 

 初代勇者の後継者は、魔王ライフズではなく、勇者レーヘンの血筋であるのだと広く知らしめつつ。

 その遺産ーー聖剣は連合王国が継承する資格があることにするため。

 

 

「なら、別に受け取っても問題ないね」

 

「うん、もらえるものはもらっとこって話なんだ」

 

 

 と、色々と書き連ねてきたわけなんだけど。

 俺に実害はない。

 寧ろ名声が増えるだけなので願ったり叶ったりだ。

 

 ライフズくんも聖剣を自分のものにしたい、みたいな考えはないから変に対立することはないからね。

 俺らの代に関していえば、の話だが。

 

 

「本命は次の世界の危機だろうからね」

 

「ほへー、つまりボクたちの子孫ってこと、だね」

 

 

 今回の話をまとめたうちの何人かは、かなり未来のことまで考えてるのだろう。ライフズくんは人類を裏切ったといえ、人類に危害を加えるつもりはないと理解してる層はそれなりにいる。

 

 実際、今すぐ魔族を攻撃するべしーーみたいな主張をしてるのは実は少数派なのだ。

 

 今の代は問題ない。

 でも二代、三代と続いた先では?

 

 そう考えると今のうちに手を打っておくべき問題だ。

 

 ま、ソルト王室の所有物っていうより、次の使い手が現れるまでうちで保管しておくってのが正しい考えなのだろう。

 

 それは聖剣守の一族がそうしたように。

 

 

「次の使い手ねぇ……ずいぶん先になるといいね!」

 

「そうだな、早速平和が破られないか心配だけどな」

 

 

 具体的にいうとライフズくん問題ね。

 これ以上拗れないことを祈るしかできない。

 

 そんな俺の願いは虚しく破れ去ったのは、聖王称号についての話し合いのために大大陸に向かった時のことだった。

 

 『魔王ライフズの最側近、ベストールは前魔王の妻であり、前魔王との間に一児の子を産んでいる』なんて話がまことしやかに囁かれていたのだ。

 

 

 

 

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