今日も胸がいっぱい、や!   作:つヴぁるnet

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いっぱい!!!!!

 

 

 

さて、数分ほど仲間のおっぱいでいっぱいにされた後は改めてシスエルが仲間に加わることが決まり、そのまま塔の攻略の継続に入った。

 

 

と、言っても、塔の攻略は大軍のシェムハザを除けば比較的平和だった。かく言うそのシェムハザも司令塔たるシスエルの命令によって機能は止まり、電池が引っこ抜かれた機械のように次々と床に倒れて動かなくなる。

 

そうしてシェムハザのように量産されたタイプのアポトーシスは役割を失うことで時間経過で混沌に消えるらしい。

 

少し可哀想な気もしたが、しかしこの塔に引き寄せられたシェムハザは元々理性のないタイプばかりらしく、ただただアポトーシスとして役割を果たそうとする機械だった。心の無いまま意味もなく稼働させるのも酷なので止めることが最適解。それにこの世界ではその役割も不要なのでシェムハザは御役目御免だ。

 

 

……普通なら、ね。

 

 

 

「その…心の無い奇兵だった私が貴殿に着いて行くことは…大丈夫なのか?」

 

「少なくともこうして言葉を交わせるなら心の無いことないだろう。もし心が無いのなら、心のある天使に変われば良い話だろ」

 

「そんなもの、か…」

 

「こうして語り合える君はただの機械仕掛けに終わらない。だがそれを証明するためにはこんなところで一人寂しくいても仕方ない。行く当てないなら俺が先駆者になってやる。そしてお前自身も、己が殺戮に時を費やすだけの心無い奇兵じゃないと疑えるなら、自分は天使だと思って着いてこい。エンリカやスノウヘブンは迷えし天使を歓迎する」

 

「……御意」

 

「違う。そう言う時は『よろしくお願い致します』って言うんだ」

 

「……よろしくお願い致します」

 

「ん、よろしく。それとこれから天使になる君に【ジェム】として新たに名付ける」

 

「ジェム……」

 

宝石(ジェム)は意味を込められ安い。心の無い兵器には付かない名だ。しかし今日からの君はそれらとは違う事を証明する。だからその名で良いね?」

 

「ジェム……はい、その名を受けました」

 

 

実は一名だけ理性と感情が残っているシェムハザを見つけた。他のシェムハザよりもスペックがあるんだろう。まあこれだけ多くいればそういうアポトーシスもいるか。

 

でだ、そんなシェムハザでもシスエルの命令通りに役割を捨てて消える事を望むのなら、その意思に任せるつもりだったが、しかし残されたシェムハザの感情込められた物憂げな表情を見て少しだけ放って置けなかった。なので俺はこのシェムハザと言葉を交わしてみた。

 

 

__君はどうする??

 

そう問いかけると僅かに戸惑いを感じ取れた。

 

言葉には出さなかったが、しかし課せられた役割通りのシェムハザとして事を終えるべきなのか疑問に考え、それでもシェムハザとしてこの問は不要であるのかと、何処か割り切れなさの中に、自己暗示のような息苦しさを知ったから。

 

やはり感情は嘘つかない。そして俺からすればこのシェムハザはとても天使らしい姿に見える。

 

ああ知っているとも。2年前の天使捜索中で何度も見て来た天使の目だ。地上の明日を知らない迷い子達。今も鮮明に覚えている。

 

この子は混沌の神によって生み出された数多ある奇兵で、数刻前に俺の背中を貫いたアポトーシス種だけど、でもジェムとして名を授かった彼女はただの機械仕掛けに終えない心のある天使になれる。それを確信した。

 

 

それから俺は友好の証として手を伸ばし、ジェムのおずおずと差し出した手を掴む。

 

同時にその頭にも手を伸ばして撫でる。

どこか幼なげに見えたので、ついね。

 

 

「……………んっ…わるくない…な」

 

「やはり天使たらしのエリーカです」

 

「人聞き悪い事を言うなよティル。俺はな!新たに名を受けて頑張ろうとする天使が尊くて仕方ないだけなんだ…!」

 

「それでも天使たらしです。あとわたしも撫でてください」

 

「あ、はい。おいで」

 

「んっ…」

 

「本当…天使だろうと構わず子供扱いなのねエリーカって。まぁ、かくいう私も氷海でサルベージされて凍えてた時にエリーカを布団に引き摺り込んでしまって、そのままあやされた身だけど…」

 

「普段甘やかす側にいるわたしもエリーカに甘やかされてみたいわ。少し楽しみ…」

 

「それは全てが終わったらな?そしたらいくらでも俺が君たち天使を祝福しよう。そして共に明日を覚えよう。女神に創られた天使だろうと、混沌の神に創られたアポトーシスだろうと、俺と同じ人間のように謳歌できる。君達にはその権利がある。このエリーカ・エコーズがそれを保証する。任せて欲しい」

 

 

「「「「………」」」」

 

 

 

テクテク…

スススッ…

トコトコ…

ふわふわ…

 

 

 

ガシッ!!抱きぃぃぃぃいぎゅぅぅぅぅうむにぅぅぅぅうぐりぐりぐりぐりりりりぃぃぃぃいぐにゅにゅにゅぅぅぅぅう……!!!!

 

 

 

「エリーカ…ダメです…エリーカ…それ以上は本当にダメです…あ、あまり天使に優しくすると困り…ますっ」

 

「ぁぁ!もう…もうっ…もうっ…!エリーカ…!あまりそんな風にされちゃうと沈着冷静キャラのヴァルキリーのわたしでも本当に…!本当にもう!もうっ!」

 

「あぁぁ…こんな風に天使を愛してくれる人間がいるなんて。尊くて…愛おしくて…とても愛おしくて…ふ、ふふ、ふふっ、決めたわ。絶対にエリーカをわたしの子供する。しないとダメ」

 

「こ、これが混沌の勇者……もしくは天使のために勇者をする人間の愛おしさ……非力なんかじゃない……とても大きな魂……キャパオーバー……アポトーシスでも容量が足りない……胸の中が満ち足りる……変だ……熱い……もしこれが愛情?人間によって天使に向けられる無限に満ちた愛情?なんとも…心地よい」

 

 

上から順番にティル、ジェサイア、肌白いシスエル、ジェムと、再び俺の体を満遍なく抱きしめては離さず、クソデカ感情をぶつけてくる。

 

種族差を感じさせるこのやり取りは慣れたようなもんだから気にならないが、物理的に拘束されてまた動けなくなってしまう。動けん。

 

 

 

「おいおい、天使が人間相手にめちゃくちゃ脳を焼かれてるじゃないか。それもアポトーシス毎まとめやがった。へぇぇ、これはすごいな。それともコレがカオスバスターの力なのか?上位種も魅了する封印職の力」

 

「……」ヤレヤレ

 

 

肌赤い方のシスエルは驚いた様子を見せながらもこの状況にニヤニヤし、トリンはジト目でやれやれ気味に軽く鼻息を起こす。

 

 

「俺は別にただ天使にも人間のように生きれるんだぞ、って伝えただけなんだが」

 

「天使たらしのエリーカはちゃんと理解した方が良いです。貴方によって向けられる何もかもは天使にとって甘い毒である事を。だからあまり私達を堕天させないでください」

 

「もう堕天しているだろうが」

 

「うるさいです。そうじゃないです。エリーカはあまりエリーカをしないでください。そうじゃないと天使は沢山大変な気持ちになって収まりが効かなくなります」

 

 

パタパタと羽をやかましく動かすティル。

 

ジェサイアも無言ながら羽と光輪をプルプルと振るわせて感情に滾る。

 

シスエルも俺の頭を豊満な胸で抱きしめてはヨシヨシと絡みつくように撫でてくる。

 

ジェムも不器用ながらに頭を擦り付けることで感情表情を行っていた。可愛い。

 

 

 

「まぁいい。気が済んだら行くぞ」

 

「んっ…あと数分」

 

 

 

またしばらく四人の天使に抱きしめられて聖素塗れになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、天使塗れは心地よくとも、このままでいても仕方ないので天使の包囲網はスルリと抜けて先を進もうと促し、塔の攻略を再開。

 

しかしシェムハザが湧き出ていたエリアを超えると奥召喚獣などの気配もピタリと止まり、戦闘はほぼなかった。

 

最深部に近いからだろう。

 

それを証拠に見たとない魔法陣が地面に刻まれていた。直感的にボス部屋だと捉える。

 

入る前に武器などを確認し、準備を完了させて全員で入り込む。

 

もちろん先頭はトリンとジェサイア、シスエルとジェムは俺の両脇に配置され、ティルは俺の後ろを守る。

 

弱弱人間くぅんを護らんとする天使の包囲。

 

あとトンベリ娘。

まあトリンも天使のように可愛いのでトリンも実質天使だろう(暴論)

 

そんな感じに、恐らくこの世で最強と思われる護衛達に先陣を任せながら進み、そして…

 

 

 

 

 

 

「私は識っていた。

 貴方がここに辿り着く事を」

 

 

 

 

なんか格好つけたようなセリフと共に宙に浮いて待ち構えている魔術師がいた。

 

なんだコイツ?

 

 

 

「貴方がそう思うことも、私は識っていた」

 

「あ、はい」

 

 

なんかレスバで強そうな返し方ばかりする魔術師が待っていた。でも衣類とか見るとなんかボロボロになっている。何かと戦った後か?

 

いや……そんなことはないか。

 

だってこの塔って俺以外入れないように設定されたエリーカ専用の建物だし。

 

ならボロボロの姿のまま到来したのか?

 

 

 

「それで?一方的に呼びかけてきた君は一体何者なんだい?」

 

 

 

そう問いかけると浮いている魔術師から放たれる魔力によって空間がゴゴゴッと揺れる。

 

それと同時にトリンが臨戦体制に入る。

 

この距離なら瞬きの間に包丁を胴体に突き刺させれる状態だ。

 

某ピンクの悪魔みたく刹那の見切りでトリンに勝てるもんむすは恐らくこの世にいない。あのルシフィナでさえ明けの明星が間に合わない可能性もある。トンベリ娘とはそう言うこと。

 

しかしそんなトリンの臨戦状態も把握してる上で魔術師はコチラを見下ろしながら名を答える。

 

 

「私は究極の至高にして魔術師。深淵の真理に到達し、森羅万象の全てを識る者。故に名前など存在しない」

 

 

つまり全部知っているってことか?

 

その前に名無しなのか?不便だな…

 

 

 

「とりあえずヨシコさんと呼ぶか」

 

「……そう名づけられるのも、私は識っていた」

 

「少し嫌そうやん」

 

「エリーカ、あまり真面目に対応しなくて良いです。魔術師として崇高なのは正しくとも、森羅万象の全てを識るなどバカらしいです。仮にそうだとしてなんだと言うんですか…」

 

「ワイティエル……貴方がそう批難する事も私は識っていた」

 

「私はティルです。全てを識る者なら私の名前くらい認識していてください。正直今ので貴方の森羅万象を識り得た驕りも無意味です。故にさっさと要件を言ってください。エリーカはこれ以上の事態を望みたくないためわざわざこうして訪れたんです。知識自慢なら一人でしていてください」

 

 

怒り気味のティルがそこそこ端折りながら俺の代わりに伝えたけど、でも代わりにお気持ち表明してくれたこの話は本当。

 

 

なにせ一年半前に天界が倒壊して以来、天使達は見知らぬ大地で不安になりながらも住まいを作ろうと女神なき元で奮起し、今もスノウヘブンを開拓している。

 

そんな街作りが順調な状態でヘルゴンド大陸方面からスノウヘブンに電波が届くという唐突なイレギュラー。最近やっと一息つけたというのに外から未知が舞い込むなど天使からすれば不安要素の他にならない。

 

一年半前に起きた黒塗りのアリスの騒動だけで既にお腹いっぱいだというのにまだ天使達に何かを強いるのか?

 

もう正直、スノウヘブンの天使達にこれ以上の問題や面倒事を抱えて欲しくない。

 

仮に問題を抱えることになっても、もう少し余裕が出来てからにしてほしい。

 

エデンだって最近やっと祠で祈りを捧げれるくらいには時間が確保できた。

 

もちろんエデンだけじゃない。

 

あの場所にいる天使達はやっと各々が明日を不安なく迎えれるようになったのだ。

 

もう必要以上に苦しまないでほしい。

 

 

そんな想いだからこそ俺が解決することにした。

 

まあ元から俺宛の電波だったし、発信先がヘルゴンド大陸なので女神サイドにいる天使達を魔王が住まう魔の大陸に乗り込ませるわけにもいかない。なのでフットワークが軽い俺が解決へと乗り出すことにした。

 

戦力的にもエンリカに住まう天使達に助力願えば彼女達は幾らでも力も貸してくれるし、助けてくれる。もちろんトリンも一緒。

 

でもだからと言って危険が絶対に無いとは言い切れない。

 

数刻前なんかシェムハザのイレギュラーによって致命傷を受けてしまった。肺ごと背中を貫かれてしまい、人間なら数分の命。シスエルが居なかったら間違いなく異空間で俺は朽ち果てていただろう。

 

 

__何故こうなった??

 

__エリーカ・エコーズを招いたから。

 

 

こんな事がなければ今もエリーカは天使と共に日々を謳歌していたし、天使達もエリーカを祝福して、共に幸福の中にいた。

 

 

ああ__余計なモノを招きやがって。

 

この塔さえ無ければエリーカは苦労しない。

 

危うく死ぬ必要も無かった。

 

 

 

「そうね。貴方はなんでも識っている。迷える天使のために身を削れるエリーカの性格と使命感を識っていたから、その心を利用して一方的に呼び込んだ。けどエリーカは普通の人間よ…崇高を語れる上位種たる存在がイタズラに困らせないでほしいわね?」

 

 

ティルの言葉を続けるようにジェサイアも静かに怒りを募らせ、握りしめているオリハルコンの剣に聖素を濃く纏わせる。

 

魔力で空間を軋ませる全てを識る者の威圧感に対しての牽制だろう。

 

ジェサイアの本気モードの一歩手前だ。

 

足元にいるトリンも睨むように目を薄くさせながら包丁の剣先を全てを識る者の喉元に重ねていつでも斬り込めるようにしている。

 

トンベリ娘による刹那の見切り。

まったく勝てる気がしない。

 

 

 

「……普通の、人間…」

 

 

目に見えて深まる緊張感に全てを識る者はそれ以上の言葉を溢さない。

 

強い敵意の中で混じり合う一触即発な状態を感じ取っているから。

 

行動次第では……簡単に発火する。

 

 

 

 

でも…

 

 

 

「こら、3人とも。少し落ち着け」

 

「「「!?」」」

 

 

刺々しく聖素を高めるティルと、耳ヒレをカサカサと逆立てるトリンの頭に手をポンっと置いて宥める。

 

 

「エリーカ…?」

「??」

 

 

静止を掛けられて驚くティルとトリン。

 

俺はそんな二人に構わず二人の頭をガシガシと撫で、一度意識をコチラに向けさせる。

 

そのまま流れるようにジェサイアの肩もポンポンと叩いて宥める。

 

そうして3人から放たれる敵意を俺の背で隠すように前に躍り出た。

 

 

「俺達はあくまで会いに行くのが目的。決して戦うために来たわけじゃない。その力は道中に現れる障害を打ち払うためだろ?」

 

「エリーカ…」

「そう、ね……ええ、対話が目的だったわね」

「……」

 

 

俺の言葉を聞いたジェサイアは武器を下げ、ティルも嫌悪感を引っ込める。

 

トリンは未だ包丁の剣先を全てを識る者に向けているがヒレ耳を逆立てずに数段落ち着かせることにした。

 

それでも合図次第では瞬きの間に喉元を捉えているだろうが。

 

 

「さて、全てを識る者。君はなんで俺をこの場に招こうとしたのかな?」

 

「エリーカ…」

 

 

問いかけられた全てを識る者は高めていた魔力を落ち着かせ、ゆっくりと地に降りてくる。

 

 

戦闘の意思は__微塵も感じられない。

 

 

 

「私は…」

 

 

 

そして先ほどまで放たれていた威圧感も急に収まってしまい、同時に…弱々しく感じられる。

 

それは彼女がボロボロの姿だからそう見えてしまうのか?

 

そして、彼女はゆっくりと口を開き…

 

 

 

 

 

「私は……勇者(にんげん)に倒されなければならない」

 

 

 

 

 

 

 

「…………はい??」

 

 

なんか急にどこぞの吸血鬼の旦那みたいな事を言い出したな。

 

あれ?

この子って種族吸血鬼なのか?

 

見た目や色香からしてサキュバス系だと思っていたけど…あれぇ?

 

 

 

「なんで人間に命を捧げるんだ?」

 

 

「それが本来、起こるべきこの円環を終わらせるピリオドだから。でもこの身は勇者に討たれても尚、お粗末にも繰り返されてしまった。不完全な塔を生成してまで、全てを識る者はそうで有らんと繰り返す。けど終わりを識った筈。ならそうでなければならない。それが解である筈…」

 

 

 

話が見えないな。

 

すると横から一人の天使が語りかける。

 

 

 

「なるほどね。貴方は本来あるべき正しい形で終えようとするためにエリーカを…いえ、混沌の勇者を招いたのね」

 

 

静観していた肌白いシスエルが答える。

 

それよりも本来あるべき正しい終え方?

 

 

 

「全て識る者、貴方は特異点の世界で混沌の勇者によって討たれ、この果てなき円環を終わらせた。それが貴方のコレまで識り得なかった願しいピリオド。しかし貴方はツギハギだらけになりながらも生きてしまった。知識を浴して収まらないから。そうしてシステムが再び動き出したのね」

 

「…??」

 

「全てを識る者は役割であり、概念であり、そして肩書き。この存在は世界中の魔術師を塔に集めると一人になるまで殺し合いをさせ、そして残ったその者が新たなる全て識る者として役割を継ぎ、その世界を滅ぼして次の世界に役割を運びまた繰り返すの」

 

「はいぃ??なんだよその傍迷惑な自己満足(システム)は??もしかして暇なんか??」

 

「暇…ええ、案外そうかもね。でも全てを識る者とはそうなってしまった。だから繰り返すしかないの。何故なら役割であり、概念であり、肩書きだから。背負った以上はそれが定め…」

 

 

 

この話が本当なら、なんとも悲しい生き物か。

 

そうなってしまった以上は止められない。

 

知識を餌に滅びを繰り返させる。

 

逃れる事も叶わないのか。

 

 

 

「なあ、全てを識る者。君はそれを今も望んでいるのか?」

 

 

「…………わたし、は…」

 

 

表情に変化のない全てを識る者だったが僅かに視線を落とし、答えに詰まる。

 

 

いや、そうじゃないな。

 

全てを識る者だから繰り返すのみ。

 

捲れていくページは捲られるがまま。

 

そこに選択など最初から無いのだから。

 

 

 

「混沌の勇者よ……私はエリーカ・エコーズという全く識り得なかったファクターを得る事によって、この身は全てを識らなかった偽りの存在として否定され、崩壊を意味する。エリーカというこの世界にしか無かった知識を初めて得ながら死んでいけるから」

 

 

淡々とこの後に求めるべき末路を告げる。

 

全て識っているから迷いはない。

 

すると全てを識る者は武器を手放すとゆっくりコチラに近づきながら身につけている衣類に手をかけて…

 

 

シュルシュル……

 パサッ…と、布切れが床に落ちる音。

 

 

 

「ふぁ!?」

 

 

 

衣類をその場で脱ぎ捨て、全裸になった。

 

サキュバスとして男の情欲を誘う魅惑的な体が目の前に迫る。

 

 

 

「ま、まさか!エリーカを誘惑して私達から奪う気ですか!?や、やはり!サキュバス…!!」

 

「なっ!ダメよ…!!エリーカは私たち天使の共有財産よ!?泥棒猫はお断りよ!!」

 

「!!」プンプン

 

 

「おい、誰が共有財産だ、オイ」

 

 

全てを識る者の急なキャストオフに対して後ろにいた3人が喧しく抗議する。

 

しかしそんな声など無視しながら全てを識る者は全裸のままゆっくり近づき、そして地面に両膝を付くと手を広げ、無防備になる。

 

サキュバスとして美しい体にとても目のやり場に困るが、しかしその姿は無抵抗を意味している。

 

 

 

「混沌の勇者エリーカ。特異点で果たせなかった不完全なピリオドを貴方の手によって討ってください。そうすれば私は識らなかったファクターをこの身に刻まれながら終わりを識ることができます」

 

 

 

何処か虚な目だ。

 

でも……

それは安堵してるようにも見える。

 

彼女は役割として繰り返し、終わりのない破滅を残し続け、特異点世界とやらでやっと終わりを迎えれたはずの事象は、実はまだ終わりを迎えれておらず、ボロボロの姿でまた繰り返す。

 

 

それを……やっと終えれると、安堵する。

 

そして彼女は識っている。

 

エリーカ・エコーズが混沌勇者であることを。

 

特異点世界の勇者と同じ混沌を識る者。

 

これで、ピリオドを刻めると……!!

 

 

 

「え、嫌ですけど…」

 

 

「……」

 

 

「……」

 

 

「……」

 

 

「……」

 

 

「…………さぁ、混沌の勇者よ。この円環を正しく終わらせるためにピリオドを」

 

 

「いや、何しれっと再開しようとしてんねん!?ええ!やだよ!ヤダヤダ!めんどくさい!てかなんで招かれて殺人犯さないとダメなんだよ!?意味わかんねぇよ!」

 

 

いや、マジで意味わからん。

 

は??

 

一方的に呼んだと思ったら人間の勇者の手で殺して欲しい??えぇ…

 

 

上位存在の考える事ってマジで分からんな…

 

人間ではキャパオーバーだよこんなの。

 

 

「意味が分からない筈がない。先ほども説明した通り、わたしは人間に…混沌の勇者の手によって絶たれなければならない。特異点で不完全に終えてしまったこの片鱗はまだ全てを識ろうと混沌に蠢くから。しかしピリオドを打ち込んだ混沌の勇者によってピリオドを掘り返せればこの繰り返しも、終えれるから…」

 

 

でも全てを識る者の言葉を聞く限り、終わらせたくてたまらないらしい。そのような感情も目に見える。あまり変化が見られない表情と声色だが、それは知識と森羅万象の全てを内包した魔術師としての格があるから。他者に悟らせらない強さを秘めているから。

 

でも俺にはわかる。

 

コレは__彼女からのSOSなんだ。

 

 

「己の意志で役割を放棄する……なんて事は難しいのか?」

 

「歯車は意志を持って二足歩行になれない。廻り続ける事に疑問を持たず、廻り続ける事が森羅万象に綴じられた仕組みだから。私はそうなる事を識っている。これは絶対を意味する。誰にもこの役割を止められない。でも…例外は起きた…」

 

「混沌の勇者によって晴らされたんだな?廻り続ける歯車が『ソレ』なら止めれたと」

 

「貴方がそう認識してくれる事をわたしは識っていた。そしてわたしはソレを識っている。だから混沌の勇者として資格あるエリーカ。貴方が勇者たらしめれるなら、このヘルゴンド大陸に居座る魔の王(まおう)を勇者として討つことが貴方の識るこの世の在り方」

 

 

ああ、だからヘルゴンド大陸なのか。

 

勇者が魔王を討つシナリオ。

 

それに習わすために、この大陸で塔のダンジョンを作り、最深部で魔王として待ち、勇者に討たれようとする。

 

ただし、白と黒、また光と闇。

 

コレらを【混沌】として理解ある【勇者】のみにしか全てを識る者を討てない。

 

だから混合に入り混じった塔なんだろう。

 

そしてこれはエリーカにしかできない。

 

だって混沌勇者なんて封印職相応の強さを持つ人間は恐らくエリーカ・エコーズしか存在しないから。女神イリアスが不在の今、コレほどの勇者は現れない。

 

外海を超えた先で混沌の神になろうとした黒のアリスに一撃を加えれた人間なんざ俺くらいだ。

 

ハインリヒと融合して光と闇の両属を備えた人間なんて間違いなく俺しか経験してない。

 

だから俺のみ、届いた。

 

一方的な電波は混沌の勇者に対するSOS信号。

 

まさかそれが破滅事象なんて呼ばれるほどの魔術師とは思わなかったが。

 

 

「勇者よ。わたしは全てを識る者として生きる限りまた破滅を齎す事になる。この世界も同じようにまた繰り返す。ならば勇者は何をする?」

 

 

まあ、討つだろうな。

 

世界を救って平和にするのが勇者だってそれよく言われてるから。

 

 

 

 

「ああ……わかったよ…」

 

 

「!!……ぁぁ…やはり、こうなる…結局はこうなる事をわたしは識っていた」

 

 

 

ああ、本当に…嬉しそうにしやがって。

 

変わらない声色の中に希望を灯しやがって。

 

 

 

「エリーカ…」

 

「大丈夫。俺に任せてくれ」

 

 

ジェサイアが心配するように声をかけてくる。

 

戦闘外で敵の命を奪い慣れてない俺のことをジェサイアは知っている。ティルもトリンも同じだ。しかし俺は心配ないと手で静止する。

 

かなり荒業になるが、でもこれまでの感覚を頼りにできるなら…やれるはず。

 

 

 

「でもその前に、アンタが本当に魔王なのかを決めるよ。()()があるからな」

 

 

 

前例___ハインリヒ、君はそうだったな

 

このヘルゴンド大陸で君は女神が望んでいたピリオドとは別のピリオドを刻んだ。

 

魔王アリスを愛する女性として受け止めた。

勇者の役割を放棄してまで、そうした。

 

 

 

「今から俺は問う。この問いに対して完璧に正しく答え、己を()()()()()()()()()()()()()()が出来るなら、この場まで招かれた勇者エリーカは目の前にいる全てを識る者を討つべき【魔王】として認識し、その命を奪う」

 

「エリーカ……ええ、貴方は混沌の勇者として私を討ってくれることを識っていた」

 

 

そう言って彼女は立ち上がる。

 

目の前には__全裸のサキュバス。

 

まさに人外がそこにいて、とてつもない魔力を秘めている魔王相応の存在がいる。

 

 

 

「では勇者エリーカよ、私に何を問う?なんでも答えよう。私は破滅事象すら齎せる、全てを識る者として証明しよう」

 

 

 

空間がゴゴゴッ、と軋む。

 

後ろにいる3人も武器を強く握りしめる音が聞こえた。なにせ魔の王が動き出すから。

 

勇者に魔王であることを明かすから。

 

そしたら勇者に着いて来た仲間は戦う。

 

だってそれが__勇者御一行なんだから。

 

 

 

 

「すぅぅぅ……」

 

 

 

 

上がる心拍数を落ち着かせようと目を閉じながら息を吸い、目の前で己が魔王である事を証明しようとする全てを識る者に、この問いから逃させないために呼吸する。

 

 

そして、俺は目を開ける。

 

待ち受ける彼女に___問いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「と く さ ん か ???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______ぇ…?

 

 

 

 

 

 

 

「いや、だから【とくさん】か?」

 

 

「………?………………???」

 

 

 

全てを識る者が__首を傾げた。

 

そう、()()()()()()()

 

 

 

 

「はい、君は答えなかった=肯定を意味しているので後は皆様のオモチャです!こんな奴は魔王じゃないな!残念でしたァー!!」

 

 

「???、待て、今のが…問い?」

 

 

「ああん?ああそうだよ。問いだよ!コレまで答えが無いとされてる問いだよ。何度でも聞こうか?とくさんか??」

 

 

「……いえ、私は全て識る者__」

 

 

「はい、否定したな?そうなると後は皆様のオモチャですね。ふん!そんな奴が魔王である筈ない」

 

 

「……何を、言って…」

 

 

ひどく困惑する全てを識る者。

 

もちろん後ろにいる6名もだ。

 

ティルとジェサイアは目が点になり、トリンとシスエルも「え?」って顔になり、ジェムは表情に変化はないがそれでも困惑が感じられる。

 

まあその反応は普通だ。

 

だって、とくさんだもん。

 

 

 

「全て識る者の癖に、今の問いで自分を魔王だと証明できないらしいな?そうかそうか。じゃあここに魔王はいない。勇者の勘違いらしい」

 

 

「…っ!」

 

 

 

やれやれ気味にそう決定付けると空間が魔力で揺れ始める。全てを識る者による揺れだ。

 

 

 

「そんなのが…問いだと?」

 

「問いだよ。人間の問い。流石に全人類がとは言わないが、でも縮図の中で未だ議論され続けている回避不可能な呪いの問いだ。でも全てを識る者にそんなの関係ないよな?だって全てを識っているんだから。議論の数とか規模とか関係ない。ほら答えれるなら答えてくれよ。とくさんか?」

 

「違う、私は全て識る者…」

 

「はい、とくさんであることを否定した。なので後は皆様のオモチャです。君は全てを識る者かもしれないけど勇者の前で魔王を証明できなかったので魔王として扱えません」

 

「!、!!?」

 

 

無慈悲に告げる。その言葉に全てを識る者は体を震わせる。それは人間の問いに答えれなかった驚きからか?それとも理不尽な問いに対する怒りからか?ともかく目に見えて動揺しているのは確かだ。

 

 

 

「わたしは……私は……全てを識る者…果てなき知識と森羅万象を託し、滅びを繰り返す存在。だが混沌の勇者によって討たれたこの解に従うべき、迎えるべきピリオド、で…」

 

 

「諦めろ。お前はもう全てを否定されてしまった末路だ。何も出来ん!」

 

 

「っ!…こ、こんなの…!認め…!」

 

 

「でも、お前は勇者に魔王を証明できないことを識った!それがこの場にある答だ!」

 

 

「ッ!!」

 

 

段々と感情が浮き出てくる全て識る者。

 

それと同時に異空間が揺らぎ始め、どこからか軋む音も聞こえる。

 

恐らくシステムが崩れようとしているんだ。

 

と、なれば俺はこの状況を知っている。

 

1年半前に経験した出来事と同じ。

 

 

 

 

___彼女は黒塗りのアリスなんかじゃない!!

 

 

 

 

背負わされた役割と、植え付けられた憎悪…そして借り物の痛み。そうした負の要素に振り回されながら生み出した『システム』の下で天使に憎悪をぶつけていた幼き魔王の子を俺は覚えている。

 

だがそれは勇者の存在によって破られた。

 

 

ならば…!

 

今回だって!!

 

その名を晴らせずして何が勇者かッ!!

 

 

 

 

「混沌の勇者が告ぐッッッ!!!」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

 

俺は手を真上に伸ばし、人差し指を立てる。

 

そして高らかに叫ぶ。

 

その声に全てを識る者だけではなく、後ろにいる6人の仲間も驚く。

 

それと同時に__この空間がバチバチと稲妻を走らせた。

 

まるでシステムに混沌が干渉するが如く。

 

 

 

「ヘルゴンド大陸で勇者をする俺が告げる!この場に魔王はいない!そして全てを識る者もいなかった!何故ならココにあるのはとくさんを否定できなかった哀れな皆様のオモチャ!自分を全てを識る者と勘違いした淫魔だけ!ならば無意味に繰り返されたシステムも!悲しい出来事しか埋めないバッドエンドも!ここにいる勇者エリーカが否定する!!」

 

 

 

否定の数々を繰り返した俺は、大きく歪みだす異空間に伸ばした手をバッと広げ、そして無空間をグッと掴む。すると言い表すには難しい手応えを手のひらで感じた。それを握りしめ、離さない。

 

 

 

「こんなモノォッ!!」

 

 

 

掴んだまま拳を捻り、強引に引き寄せる。

 

そうして混沌破り(カオスバスター)の要領でこの塔を生成した光と闇を掌握し、力強く握りしめながら捻り取り、背中にあるハイロウナイトカスタムを引き抜いてシステムに構える。

 

 

 

「このふさげたシステムは破壊する!混沌の神の血肉すら傷付けれたこの手はそれを可能とする!ならば!迷えし者のために平穏を齎さんとするために果たそう!!」

 

 

 

 

__ここがシステムで作られた場所を理由に。

 

__ここがヘルゴンド大陸である事を理由に。

 

__ここに混沌の勇者が存在する事を理由に。

 

 

 

ありとあらゆる理由を強引に、それを強引に正当化させ、しかしエリーカ・エコーズはそれができるイレギュラーであることを証明し、黒塗りのアリスの時のように混沌に触れて、そして破る。

 

混沌の神によって作られたエンジェルハイロゥのシステム破った勇者を事実にし、全てを識る者のシステムを否定する。

 

 

 

「___掴んだぞ!無意味な残り滓をッッ!!」

 

 

 

ツギハギだらけな塔だから掴めた。

 

もし歪も傷も無い、システムを支える完璧な塔だったら絶対にできなかった。

 

でも不完全な繰り返しだからこそ、穴だらけの中にある【概念】を掴み取ることが出来た。

 

コレが__ここにいる彼女を苦しめる!!

 

 

 

 

「あけのみょうじょう!!」

 

 

 

 

掴み取った概念(システム)をコチラに弾き、引き摺り出す。

 

視覚化されたそれは歯車。

 

いつまでも廻り続けている歯車。

 

全てを識る者をしなければならない永久の呪い。

 

しかし、もう大丈夫。

 

俺がコレを___破るから!!

 

 

 

 

 

 

「天軍の剣ィィィィ!!!」

 

 

 

 

 

女神すら超えてしまう二人の代名詞。

 

明けの明星と天軍の剣。

 

俺の場合はかなり劣化した憧れ仕様。

 

でも人間はこれで充分だ。

 

だって…

 

 

 

 

「塔が…!!」

「空間が…!?」

「システムを…!!」

「す、すげーぇ…!!」

「……」

「……コレが、混沌の勇者…」

 

 

 

その力で誰かを助けることを何度もして来た。

 

ならシステムごと塔を砕くくらいなんて事ない筈だ。

 

今日この日まで天使と共に歩んできたエリーカ・エコーズならば。

 

 

 

 

「そ…ら……」

 

 

 

システムごと破壊されたこの異空間はまるでガラス張りのドームが砕けたように砕け散り、同時に光と闇で生成された塔の天井も混沌を秘めし天軍の剣によってぶち抜かれ、そして空が見える。

 

やや曇り空のヘルゴンド大陸。

 

しかしそこから差し込む一筋の太陽の光。

 

それが全て識る者に降り注いでいた。

 

まるで今日を歓迎するかのように照らす。

 

 

 

「所存借り物さ。俺も、お前も」

 

「!」

 

 

天軍の剣もあけのみょうじょうもミカエラさんとルシフィナからの借り物。

 

封印職の混沌の勇者だってハインリヒから闇の勇者を一時的に借りたから出来た。

 

ここにいるエリーカ・エコーズはあらゆる者たちから借りて来た偽物の集大成である。

 

つまり、どれも肩書きでゴリ押しできた。

 

 

 

しかしそれは彼女も同じ。

 

全てを識る者として繰り返されてきた。

 

そこにある力は本物だが、でも結局は望まぬモノを背負わされて来ただけに過ぎない存在だ。

 

所詮、借り物。

 

だって、とくさんを問われて魔王を証明できなかったサキュバスなんだから。

 

 

 

「___で?コレから君はどうするんだ?」

 

「え?」

 

「システムが破られた事で、もう全て識る者なんて肩書きは背負わされなくなった君は一体これからどうなるんだい?」

 

「…………………分から、ない」

 

「まぁそうだな。君はもう全て識る者じゃないから、()()()()()()()だな」

 

「!!!」

 

 

 

突きつけられた事実に彼女は目を見開く。

 

そして虚だった目の中に色が灯される。

 

ヘルゴンド大陸に差し込む太陽の光によってそれは反射されるくらいに、曇りが晴れる。

 

うん、サキュバスだけあって魅惑的な色だ。

 

 

 

よしこ

 

「?」

 

「君の名は【ヨシコ】にしよう」

 

「ヨシコ……」

 

「…そんでさ。君はこうなる結果は()()()()?」

 

「!」

 

 

 

彼女の前まで歩き、手を差し出す。

 

その手に驚きながらも、彼女はおずおずとその手に自分の手を伸ばし、そして…

 

 

 

「ううん、()()()()()()

 

「そうか。じゃあこれから知っていけ」

 

 

 

ほんの僅かに、僅かにだけど…

 

微笑んだように見えた。

 

だって、その声は安堵に満ちていたから。

 

 

 

 

 

つづく

 

 






やっぱりエリーカだったな!!
知ってた!!知ってたさぁ!!!!


てな訳で、エリーカを求めたのは【全てを識る者】でした。と言っても特異点世界でルカさんに倒された切れ端なんだけどね。それが別世界に辿り着いてまた繰り返しちまった話。それで混沌の勇者に倒された事を識ったからこの世界でも同じようにピリオドを打ってもらうためルカさんと同じような混沌の勇者を探したんだが…はい!残念!そいつはエリーカだぁ!!そさてお前もとくさぁん!!これで皆様のオモチャでぇぇす!!残念でしたぁぁぁ!!って事にされた流れ。ね?簡単でしょ。

え?とくさんってなんだって?
知らない人は是非調べて欲しい!!
とても勉強になるから!!



【エリーカ】
とうとうシステムに干渉するような荒技を見せたけど、天軍の剣だったり、あけのみょうじょうだったり、演劇団所属だけあって感覚派全振りで習得しちゃうエリーカからすればカオスバスターを理由にシステム掴み取るくらいやってみせた。まあ黒塗りのアリス騒動による経験と、あとファイアウォールすらないボロボロなシステムだったので可能としたわけだが。まあエリーカだし…多少はね?


【エリーカの愉快な仲間たち】
戦力を必要とする前半と中盤はともかく、残りは戦闘外のエリーカゲーだったので空気になっちまった天使とトンベリ娘だったが、システムごと異空間を破壊したクソ強エリーカを目の当たりにした彼女達の情緒はもうめちゃくちゃになってしまく。まあ仕方ないね。自分よりも弱い種族の人間くぅんが肝心な所でクソ強ムーブ見せてしまうんだから。


【ジェム】
他のシェムハザに比べて自立性が高いタイプ。つまり原作のように仲間になるタイプのシェムハザ。心の無い機械である事を否定させる事を考えたエリーカから宝石(ジェム)を意味して名前を与えられた。結果としてエリーカに脳も心を焼かれた。まあシェムハザも天使種族扱いだからね。仕方ないね。


【全てを識る者(よしこ)】
先に説明した通り、特異点世界でルカさんに敗れた後そのまま消える筈だったが、消え損ねた断片が再び動き出すとエリーカのいる世界で再び全てを識る者ムーブをしなければならなくなった可哀想な子。もう破滅事象とかやりたくなかったので混沌の勇者探してボロ切れな自分を殺して貰おうとした。もし居なかったら適性ある勇者を混沌勇者にするつもりで居たが、ちょうど混沌勇者としての資格持ちのエリーカが居たので呼んだのだが……まあものの見事に堕ちた。とりあえず放置するのも可哀想と考えたエリーカから【よしこ】って名前を付けられるとそのままエンリカにお世話になることにした。やったね!家族が増えるよ!

ボロ切れのような残り滓だが、それでも破滅事象として選ばれるくらいの崇高たる魔術師なので、ミカエラとルシフィナとエデンの熾天使達が組まなければ互角には持ち込めないくらいの強さはまだある。いっちまえば何処ぞの「わーははは!」してる準破滅事象レベルは余裕である。いや普通に世界滅ぶて。



そろそろこの作品もエンディングかなー
とりあえず一区切りは必要って感じ。


じゃぁな!

で? とくさんか?

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