「エリーカ、帰ったぞ!」
「ただいま、エリーカ」
「おお!?親父、母さん?お、おかえりなさい!」
突如戻ってきたフィサリス演劇団。そういやそろそろ秋も終える頃か。なら冬越しのためにエンリカに戻ってきたのは自然のことだろう。良く無事で戻ってきてくれた。
あ、冬越し中と言えど、お国から催しを頼まれたら仕事を受けるのがフィサリス演劇団。
何せこの世界で唯一の旅する演劇団だ。
なので世界的にも有名である。
だから四季問わず彼らは引っ張りタコ。
ちなみに団員は裏方など含めて総員40名。
しかも内2割が上級職に就いているし、母さんも冒険者を辞める直前まで上級職の『フェンサー』だったらしい。そんな感じでこの演劇団はもしかしたら下手な軍隊よりも戦闘力が高いのかもしれない。まあそれもそのはず。街から街に行く際もハーピーの羽を使わずに道中で他の旅人や商人との出会い、そんな日々の噛み締めて逞しく旅をする演劇団を目的としている。
なのでもんむすに襲われても大丈夫だし、そう言うこともあってほぼ全員がイリアス神殿から授かった職業持ちの組織である。かっこいいな本当に。
そしてそれを束ねる我が父、または団長。
そんな父も上級職の【竜騎士】として名を馳せた冒険者で、鍛えられた足腰で空中武芸を行い、観客達の喉を鳴らしてくれるすごい人。
しかも上級職に関しては練度を最大まで達成したと言う、人間の枠組みで偉業を果たしたとんでもない存在として扱われる。
いや、これマジですごい事なんだよ?
強靭で長生きできる
何せ、もんむすとか言う人間よりも段違いに強い相手から、何年も何度も何回も負けずに生き延びらなけるばならない。
しかし人間に対してちっとも優しくない過酷な世界で上級職かつ最大練度まで果たせたのならそれはもう偉業の二文字に相応しい。
だから父はそのくらい凄い。
え?俺?
いや、ミカエラさんとか言う贅沢極まった師匠に鍛えられたから底上げされただけ。まあだから早々に冒険家という上級職に就けたのもそのおかげか。まぁ天使達の捜索に相応しい職業なんだけどね。だから英才教育。だがそれって安全と明日を約束された上での毎日だったから俺の場合は温室ですくすくと育ったに過ぎない人間だ。旅して強くなった者達とは違う。
なので全て一人で成り上がった親父に比べたら俺なんてのはハリボテ。
だから親父は本当にすごいんだ。
もしこれで親父のことを横から言う奴がいるなら俺が天軍の
「おかえりなさい、ハルトマン団長、それとリーリエさん」
「うむ」
「あら、ミカエラさん。ご機嫌よう。今年も冬越しのためにエンリカでお世話になります」
「いえ、そんな…!私達はフィサリス演劇団の皆さまのお陰で隠れ里という贅沢な住まいを得ました。フィサリス演劇団の方々が、排外的な私たちの意図と立場を汲み取ってくれた上で助力尽くしてくれた。ここは貴方達にとっての里でもあります。どうか、そうおっしゃらず…」
とても腰の低いミカエラさん。
まあ恩人だもんね、フィサリス演劇団は。
食も、睡眠も、苦痛も、生きてて無関係なら別に助け入らなかったけど、でも堕天してからは俺たち人間と変わりない生活を強要され、それで右も左もわからない大地で拾い上げられて、それで雲隠れできる安息の地まで与えられた。
普通なら天使が、弱き者を助ける。
そもそも人間という作品のため生まれたのが天使という存在。
しかしそれが堕天し、その不可抗力の果てで本来なら天使が助けるべき人間を相手に立場が逆転してしまい、そうした無力感の中でミカエラさんは心をすり減らしていたらしい。
でも、人間社会の中で「助け合い」を知り、それはある種の無条件の愛であること知り、ならば天使だからという種族的立ち位置やそれらの概念は一度忘れ、誰かに助けてもらう。
そりゃ、腰が低くなるのは分かる。
堕天使にとってフィサリス演劇団は命の恩人に等しい。でも母は気にしないし、父も気にしないし、なんなら周りも気にしない。
元よりフィサリス演劇団は……己の立場や、絡みついた栄光や責務から脱したいと考えた者達が集って形成された組織だ。父もそういうしがらみから逃れて来た。
それを開放的な催し、または演劇という世界で存在意義を見出し、それを第二の人生として歩める心の箱舟。
フィサリスは『
鬼灯にまつわる花言葉として、負のワードでは『偽り』や『誤魔化し』を意味し、それはまさに過去の己らを今は偽りたいとする、理想てきな箱舟。
でも、フィサリス演劇団にとっての箱舟は『心の平安』や『自然体』を意味する。
そう言った人達が集った。
だから天界から落ち延びた天使達を見てフィサリス演劇団は種族なんて関係なく、純粋に迷える者達を助けようとし、今こうして隠れ里エンリカがフィサリス演劇団の意思表示、または存在証明と化した。だから皆は気にしない。
まぁだからか「えっほ!えっほ!里長として何かで恩返しをしなきゃ!」と不器用ながらに考えたミカエラさんが俺に(天使兵基準の)修行を設けるとかいう大変な流れになったんですね。なんでや。
「エリーカ、息災で何よりだ」
「何言ってんだよ親父。二ヶ月前のサン・イリアの催しであっただろ?そう遠くないって」
「だとしても、演劇参加後はそのままサン・イリアから天使達を探しに旅に出たりと忙しない。自慢の息子とはいえ、心配にはなるさ」
「大丈夫だよ。その時はコルクとメイルが一緒にいたから安定した旅路だ。怖くなかったさ」
「ああ、そうか。そういやコックの天使とメイドの天使が来ていたな。確かに安心はするが、でもあまり無理はしないでくれ」
「もちろん。不必要な戦いは避けてるよ」
「うむ。なら良いのだが…」
「ふふふっ、あなた。可愛い息子とのコミニュケーションも大事ですが、そろそろ荷物をまとめてお部屋の掃除をしなければ」
「そ、そうだな。まとめ上げなければ」
「あ、掃除に関してはいつもメイジがしてくれてるから空いてる部屋は全部綺麗だぞ?」
「おお!そうか。いつも助かるな」
「ふふふっ、後でお礼を言わないとね」
それから一度親と離れ、俺も演劇団の荷解きを手伝っているとフィサリス演劇団の帰還を聞いたエンリカの住人が集まり、プリンセススライムも筋トレ代わりと重たい荷物を然るべき場所にドシドシ持っていく。やっぱりもんむすって力持ちだな。あの小さな体格で人間の5倍近くは軽々と運んじゃうし。
「お、帰ってきたんだな!」
「先ほどにな、コルク」
「なら腕によりを掛けて作らねば!」
「必要なら手伝うぞ?」
「なに、魔法で身体強化すれば40人増えた程度余裕だ!だから、むしろ、その…人の身を巻き込んでしまうと危ないから、厨房には近寄らない方が良いと言うか……その、悪いな…」
「気にすんな。君の料理は美味しいからな。楽しみにしている」
「お、おう……!……まぁ、その…全て終わった後で良いなら、その、構ってあげる……ぞ?」
「あー……なら、その時はお夜食でもお願いしようかな?」
「む………まぁいいか。それがエリーカの望みならわかった」
少しだけ気恥ずかしく言葉を交わしながらコックエンジェルのコルクは厨房へと別れ、俺は荷解きの続きを行う。すると別の天使が横から音もなく現れた。
「……びっくりした、メイルか。相変わらずだな」
「時を置いて現れることもメイドの嗜みということですから」
「お前何処ぞのメイド長かよ」
「少なくともグランドノア王宮のメイドに(フローラのこと)に劣るつもりはなく、そして今は貴方のメイドでございます。朝も昼も、そして夜も貴方のためにこの身を全てお捧げましょう」
そう言って魅惑的に胸を強調しながらも、このご奉仕に偽りないと示す如く頭を下げるメイジェルのメイル、このエンリカのメイドさんだ。
「それとも、重すぎるのはお嫌いですか?」
「あー、人間の身で耐えれるか心配なので手加減してくれると助かるかなー、とか?」
「ふふっ、でしたら今はこの羽のようにフェザータッチに抑えるとしましょう。ですがご主人様からお望みいただけるなら、この身体で幾度なく天国をお約束したしましょう」
「…まぁ、望む時があるならば、その時に」
「はい、お心得致します」
「…じゃあ、まずは荷解きだ。衣類をまとめ上げたい。傷んだやつと、そうじゃないやつで」
「かしこまりました」
すると可愛らしくウインクしながら指をパチンと鳴らして、その姿は消えた。
「相応の種族から成り立つ『パーフェクトメイド』なのは知ってるが、そこに時魔法を使ってくるとか見た目でマジで何処ぞのメイド長だわ。なんだったら本人は戦闘手段としてナイフ投げも得意と来た。実は幻想郷入りした吸血鬼の館にいたメイドなんじゃねーのあの子?」
前世にあった某美少女シューティングゲームの知識がメイルの姿と能力を連想させて、余計にかのメイド長との解像度を上げてくれる。
まあその代わりメイルの胸はPADとかではないちゃんとした本物ゲフンゲフン!!
待て待て。
それ以上は言うな。
時止めからナイフが飛んでくる。
そういうのは居眠りしてる門番だけにしろ。
あ、ちなみにメイルは時止めからナイフで包囲して弾幕を張る戦いもできるし、なんだったら先ほど話に出てきたミダス出身のグランドノア王宮のメイドさんも時止めナイフの真似ができるとかいう噂が出ている。もしかしてこの世界で時止めナイフってメイドの嗜みだったりする?だとしたらレベルたけ―なオイ。
…
…
…
「もぐもぐ……んん??おー、トリンか。どうした?やはり人混みは苦手かい?」
「…」
フィサリス演劇団の無事の帰還をエンリカで祝うために100人以上の料理を赤くて3倍(強化状態)の速さで以上で作ったコルク。
量は多くても質も安定したその料理に舌鼓しているとトンベリ娘のトリンが、騒ぎから隠れるようにいつの間にか傍にいた。
言葉同士を交わせないが、こちらの言葉を理解しているのか目線と、僅かな顔の頷きで俺の言葉を肯定する。顔の知った者達のお茶会程度ならともかく、騒ぎすぎるのは相変わらず苦手らしい。
「はい、黒豆茶だ。食欲が湧かないならお茶でもどうぞ」
「…」
適当にテーブルのコップをひったくり、トリンに一杯分を渡すとブカブカのローブから手を伸ばして黒豆茶入りのコップを手に取り、両手で支えながらチビチビと飲む。サメの尻尾が穏やかに揺れているあたりお茶だけでも満足げだ。
「トリンとは覚えてる?俺との初エンカウント」
「?」
「いやほら?
ミカエラさん曰く、トンベリ娘というのは深淵の世界の住人であり、陽の光など無縁な場所だ。だから本来迷いの森のような場所は薄暗くも深淵世界の住人にとって明るすぎて存在する訳がないとのこと。
でも彼女はここにいるロリ天使のように俺に興味を示すと容器の中にある、茶葉で濁った液体が大層気に入り、その濁り具合が陽の光が差さない深淵世界を思い出したのか、性格上の恐怖心もそっちのけで濁ったお茶に夢中になっていた。
それで「飲んでみるか?」と差し出し、それが飲み物とわかって口を付けて喉に流し込むと元気のなかった尻尾がブンブン。随分と気に入ったんだと理解した。
それで俺の家に茶葉があることを教えたら服の袖をちょんちょん、早く行こうと喋らないなりの意思表示、そしてエンリカに招いた。ちなみに入り口の天使は唐突なトンベリ娘の姿を見て泡吹いて倒れた。
俺自身、トンベリ娘の生態に関しては後になって気づいたから仕方ないね。でもこんな
ちなみに説明中のトリンは堕天した天使程度なら障害にもならないのか、毛立つ天使達の様子などそっちのけでお茶飲んでいた。強者としての余裕を見たわ。これが深淵世界の住人。
でも今の彼女は…
「……」ごくごく
「本当にお茶好きだな」
トリンは食事はあまり摂らない。
もちろん何かしら食べることは可能だが、基本的に飲み物を欲してはそれでお腹を満たしている場合が多く、今となっては自分でお茶を淹れて飲んでいる時が多い。それだけ紅茶やお茶がお好み。
なので前の旅路では「もっと良い紅茶を買いに貴婦人の村にも寄るか」と計画すると袖をチョンチョンと引っ張り、俺の旅に着いて行きたいと意思表示してくれたのでグランゴルドを出発点に20日程の旅に参加した。ちなみにゴール地点となる貴婦人の村で好きな茶葉を見つけて購入できたのでエンリカに帰ってからはとてもご満悦気味だった。茶葉が無くなったらまた何処かしらに連れていくのもいいだろう。
「また、エリーカと、買いに、行く…」
「んん??」
お茶を飲み終えたトリンはコップを置いてどっかに猛スピードで去る。それよりも…
「なーんだ。無口なだけ、か」
多分、気のせいじゃない。そう考えながら手元に残っている料理にフォークを伸ばして宴の場を眺める。中央のテーブルの上では酒をプロテイン代わりにガバガバと飲んでいるプリンセススライム。今日は無礼講ってことで周りも大きなコップで俵飲みする筋トレバカの姿を楽しんでいる。でもアルコールってたしか筋肉量を落としやすいんじゃなかったけ?あの量だと確実に落ち…
「落ちた筋肉はまた筋トレして補えばいいですわー!なので今日もぐびぐびですわー!パクパクですわー!毎日これですわー!!」
物量で攻めるらしい。
まあ、好きにせい。
…
…
…
「エリーカ?ここに居たのか」
「んぁ?…ああ、コルクか」
エンリカの入り口から少し出た、迷いの森の入り口付近、俺は切り株の上で胡座をかいて夜風を浴びていた。そろそろ冬も訪れるし、少し肌寒いな。
「ほれ、ポタージュだ」
「おー、気が利くな」
「エリーカがお夜食欲しいと言っただろ?でも宴で沢山食べた筈だから、飲み物にした」
「助かるよ。夜は寒いからな」
耐熱に長けた厚めのマグカップ、冷めないように被せられていた木のフタを取り除き、マグカップを少しだけ揺らして中身を軽く混ぜる。
優しいポタージュの味が喉を癒し、肌寒い夜から助けてくれる。あと美味しいな。
「うまいか?」
「ああ。腕を上げたな、コルク」
「エリーカ達に飯マズを指摘されたからな」
「まあ地上にいると舌が肥えるからな。堕天使たちも食事に敏感で、まあつまり味にうるさくなってしまった訳だからな。なにせ美味しい食べ物は心の栄養、そして明日の糧だ」
天界にいた頃の料理は見た目は素晴らしくも味に関してはそこまでだった。てか食欲という概念が天界にはあまり広がっておらず、その場に美しい料理があるなら、もうそれで満足するような世界だ。
美食家な天使達も少しはいたみたいたが、基本的には天界では味や食欲に対してそこまで関心が無かった天使で溢れており、なんならコルク本人もそういうタイプだった。
つまり味に頓着なだけ。
しかし堕天し、地上の生き物のように天使も苦楽を感じるようになり、それを満たすための欲求や精神安定剤に足り得るナニカが必要になってしまい、結果として食欲や味覚が鮮明になった。
だから味にうるさくなり、天使も飯マズに対して嫌悪するようになった。
そのため料理改善の声がエンリカで上がる。
まあコルク自身も堕天したことで舌は肥え、地上の味覚に合う料理が必要になったことを理解すると封印職の【料理神】をその身に飾りし者として即座に現代の味をインプット、味の改善には数分と掛からなかった。封印職すげーな。
それでも…
「もし口に合わないなら言ってくれ。すぐに改善するから」
「充分満たされてるよ。いつも美味しい」
「そ、そうか。なら、その味が永久までに続くように、エリーカのためにもこの腕は錆びつかせないとしよう」
「たまに手は抜いて良いからな?」
「おっと、それは無理だな。このコック帽子に賭けて、誇りある料理天使として手を抜くことは絶対にできない。だからその舌はこの私が永久に満足させ続けよう。あ、もちろんそれ以外も欲しければ満足させては見せる。あ、あまり料理以外を得意とできんが、その、コトコトとしてやるくらいは、できるからな??」
「そのコトコトは人間にとって胃もたれ必須だからなぁ…」
料理に対する情熱。
それはコックエンジェルとして誕生した時から続く彼女のステータス。
だからエンリカでも彼女は健在なんだ。
そう。
コックとしてただ料理にひたむきな天使。
…
…
__おい、大丈夫か?
__だ、堕天しようとも、りょ、料理人は厨房が戦場、わたしの命。だ、だが。厨房に立つどころか、料理ひとつ果たさぬまで地を這い、使命も果たせずにこの身は滅びるとするのか。おの、れ。
__ああー!ああー!待て待て!わかったわかった!今ここにちょうど携帯調理器具と食材があるんだけどー!実は先ほどの戦闘で手が痺れて作れないんだよなー!ああー、誰か料理がお上手なコックとか近くにいないかなー!誰か美味しい料理作ってくれないかなー!
__火種!お鍋!まな板!材料!もしかしてお腹が空いてるのか!?よ、よし!ならバリバリ作るから少しそこで待ってろ!!
__ハラヘリ!ヘリハラ!
…
…
「いやー、2年前のアレは不味かった」
「や、やめてくれ!アレは違うんだ!」
「わかってるよ。冗談だ」
「エ、エリーカ、料理人の私にとって恥じるべき失敗なんだ。あ、あまり掘り返されると結構恥ずかしい…」
「ごめんって。でも嬉しかったよ。俺のために必死になろうとしてくれて。あとめちゃくちゃ良い天使なんだなって。だから知見も味も広がった出会い。天界にはこういう天使もいるんだなって」
「……お前はそうやって天使達の心を解凍させてしまうのか。料理人よりもタチの悪い奴だ」
「え?なんで批難されてんの?」
「ふん。とっととポタージュ飲んでしまえ」
急に俺に対して雑になり、ぶっきらぼうに吐き捨てながら、コルクはコック帽を脱いで顔をブンブンと髪も少し解く。普段はキリリとした表情だが、戦場と化した厨房から離れればそこらにいる天使達と変わりなく、その姿は穏やかに映る。今日も戦い終えた料理人の顔だ。
「エリーカ、また旅に出るのか?」
「……ああ。演劇団や親達と入れ違う形になるがまた近日エンリカを出て地上の天使達を探しに向かう。冬にしか行けないところもチラホラあるからな。強くなった今、俺なら行ける…」
「そうか……寂しくなるな」
「なーに。案外すぐ逃げ帰ってくるかもだぜ?死にに行くつもりはサラサラない。上級職とはいえ前衛職に劣る冒険家だ。いつでも引き返す前提で踏み入れる。なら帰りの足は早い筈だよ」
「誰か連れて行かないのか?こう言ってアレだがエリーカが探し連れてきた天使は強い。なんだったらこの私だってエリーカの倍以上は強いつもりだ」
「……訓練の成果、それは人間という空っぽの器だからこそ精素を感じ取るようになれる師匠の儲けた技術。それを旅路で感じ取るためにも俺は一人で渡り歩く必要がある。それで近くに天使がいると、どうも、ね?」
「そうか。それは……仕方ないなことだな」
「また機会を設ける。そしてら次はコルクも旅に出よう。サバサの味はまだ知らないだろ?なら美食の旅と行こうじゃないか」
「お!それはいいな!なら__エリーカとの予約席は今から取ることにする。もう…相席は取ったからな?」
「ああ。承った」
「!!……えへへへ」
飲み終えた空っぽのコップ。
それでも後味は優しく舌を触る。
そしてまたお腹を空かせたら、次は隣にいる料理人を予約席までエスコートしよう。
冬明けの旅が、それは楽しみだ。
そして…
「何故かしら。貴方からミカエラ姉さんの香りがするわね。これはどういうことかしら??」
「……」
なんかヤベー天使と出会った。
こえーよ。
スパダリ主人公がこの野郎…
人生二週目だし、心に余裕あるんや。
お陰で上位存在にクリティカルの連続という。
なんてことだ!もう助からないゾ♡
一応時系列の紹介
↓↓↓
《ヨハネス暦1410年》
エリーカの誕生は原作パラ開始の45年前であり、同時にミカエラが数名の天使と天界から離反し、地上でフィサリス演劇団と出会い、隠れ里エンリカを広げる。そして村作り中にエリーカが産まれる。
《ヨハネス暦1425年》
この頃エリーカは15歳。ミカエラ師匠の修行をある程度完了させた頃に大異変が勃発し、天界は黒のアリスによって倒壊、天使達が地上に堕ちて落ちたしまう。トンベリ娘もこの段階でエリーカに保護された。その後ミカエラに天界から落ちた天使達を保護すべくそれを修行目的とし、エリーカはフィサリス演劇団と時折合流しながら世界を回るようになる。この段階で既に上級職の冒険家になっている。
《ヨハネス暦1427年》
修行を建前とした天使探しからこの2年間で、エリーカは時折ミカエラやエンリカの堕天使達の力を借りながらも地上を彷徨っていた天使達、総勢70名近くをエンリカに保護を完了させた。それからしばらくしてフィサリス演劇団が冬越しのためにエンリカに帰還するも、フィサリス演劇団と入れ変わる形でエリーカは再び天使捜索のためエンリカから旅に出る。そして圧倒的にやべー奴ルシフィナと出会う。デデドン(絶望)
↑↑↑ いまココ ↑↑↑
一応公式の時系列と照らし合わせて設定した。多少なりズレなどがあるかもしれないけど、おっぱいがいっぱいな気の抜けた作品なのでこんなもんだということでこれからもよろしく頼む。ちなみにこの世界は特異点ではない扱いとする。なのでレミナは消えてない。これらの設定がどう活かされるかは作者の腕と意欲次第とする。へけっ。
【ハルトマン】
エリーカの父であり、人間の身で上級職を練度最大まで叩き上げた本物。とあるお国の貴族の子供で、王国の見習い騎士だったがとある理由でその名誉を棄て、旅人として生きることを選んだ。フィサリス演劇団の護衛中にリーリエと恋仲に発展し、そのまま入団するとしばらくして団長の座を受けた。名前はストライクウィッチーズから【エリーカ・ハルトマン】のミドルネームを拾い上げてハルトマンにさせた。
【リーリエ】
エリーカの母で元冒険者。そこそこ名を馳せた突剣使いだったが、もんむすとの戦闘によって利き手を深く負傷し、突剣使いとしての生命を終えてしまった。それでもフェンサーとして能力は高く、演劇団向きとしての能力があるため参加。後にハルトマンと恋仲になり結婚。エンリカにて子を成す。里長のミカエラとはエリーカの面倒を見合ったママ共的な感覚でいる。ちなみに低身長でお胸が大きい。やっぱ親子なんすねぇ。
【トリン】
原作と変わってすみっコぐらしするくらいに臆病者(?)な性格をしたトンベリ娘。それでもエンリカにいる天使達を卒倒させたのだからすごい。そんな多くのプレイヤー達の度肝を抜いてやったクソつよもんむすだがエリーカに懐いており、頭の撫で撫でと紅茶が大好きな子。あと本人は別に喋れないとかではなく純粋に無口が過ぎるだけ……と、思いきや、実は混沌に埋もれるほどの小さい声で「好き」「大好き」とエリーカに対してクソデカ感情をコッソリぶつけていたりする。それだけ内側にある【凄み】に惹かれてる証拠。名前はトンベリ娘から組み替えてトリンになった。
【コルク】
原作同様に普通のコックエンジェル。地上で彷徨っているところをエリーカに助けられたのだが、長いこと料理を作れずに絶望していたのでハラヘリ!ヘリハラして気力を取り戻させた。エンリカに救出後はメシマズだった料理を改竄させてエンリカに住まう天使達の舌を堕天させている。エリーカに対するクソデカ感情は周りのロリ巨乳達に比べて1歩か2歩ほど後ろ気味だが、彼のために作る料理の数々は胃もたれを誘うレベルで彼に喜ばれたいと一心にある。使命感と責任感が強く、そしてとても健気。たまにエリーカをコトコトしてる。名前はコックエンジェルから組み替えてコルクになった。
【メイル】
原作同様に普通のメイジェル。地上に堕ちた後はしばらく彷徨い、たどり着いた荒廃した村を掃除することで現実逃避していたが精神的に限界を迎えたころにエリーカと出会い、エンリカまで保護された。しばらくエリーカに看護されていたが、初めて人間に奉仕(治療)を受ける愛おしさに心を奪われると次はエリーカを尽くすべき主人とし、無期限で尽くすことを約束するレベルのクソデカ感情のメイド天使。ちなみに最上級職の【パーフェクトメイド】で止まっているが、代わりに【時魔導師】として修練を積んでおり、お陰で何処ぞのメイド長よろしく時止めからのナイフの弾幕攻撃が出来たりと中級天使に劣らない戦闘力を秘めている。もちろんメイドだけあって夜のご奉仕はとても得意。名前はメイジェルから組み替えてメイルになった。
【なんかヤベー天使】
公式も認める本当にやばい奴。頭おかしい。
じゃぁな!
またな!