本編の続きです。
本編の続きです。
大事なことなので2回言いました。
ザスッ!・・・・・・
体勢も崩れていて、武器に十分な威力も乗っていない。
しかし、人1人を殺すくらいなら十分な一撃だった。
一瞬の出来事だ。
刃は胸の半ばまで埋まり、口からは赤黒い泡を吹き、膝から力が抜け血塗れの地面にゆっくりと堕ちて行く。
武器を手放し、力無く突き出された腕は何も掴めず2、3度空を掻いただけだった。
ガランと武器が落ちる音とドッ・・・っと重いものが倒れる音だけがシンと静まり返った空間に溶けた。
倒れた『賊』から私はゆっくり戟を引き抜き、弾かれた戟を拾い上げる。
その様を賊どもは身動ぎせずに見ている。
唖然としているのがよくわかった。
確実に私が斬られると思っていたのだろう。
だか、結果は斬られたのは賊。
やったことは単純だ。
ただ速く突きを放つ。
ただそれだけ。
恋姫武将クラスの本気の速さの突きだ。
今までの速度との差で賊程度には時が飛んだ様に見えただろう。
ソローカーブの後のストレートのようなものだ。
あんなもんわかってても打てねー
とは作者談
この程度の視覚効果でもこの時代では十分にチートだ。
「今ので私を討ち取れなかったのは悔しいでしょうねぇ?お前達の戦いぶりは賊にしては素晴らしかった。連携も戦略も。だが!しかし!!まるで!!全然!!!この私を倒すには程遠いんだよねぇ!!!!」
「う、うぅ!うわぁああぁぁあ!!」
賊が逃げたすのと私が襲いかかるのはほぼ同時だった。
そこからは一方的な殲滅戦だ。
逃げ出す賊を手当たり次第に討ち倒して行く。
そこで、私と賊を挟んで反対側、賊の後方から剣撃の音と賊の悲鳴が聞こえる。
さっきから砂塵は確認できていたが、進軍が速度遅くない?
ようやく曹操軍の到着らしい。
でももう少しゆっくり来てくれてたら、もう少し色々試せたんだけどね。
まぁ、主君候補に無様を晒すわけにはいかないしね。
いくらかセーブしたけど、自分の力量も試せたし、賊を一箇所に集めることもできたし、ミッションコンプリートっところかな?
ーーーーーー
《華琳》
その報せは突然だった。
「斥候より伝令!近くの村に賊が集団で侵攻しています!迎え討つ者がおりますが姿を確認できるのは1名だけとのこと!」
「単騎ですって?」
「華琳様!!」
ええ、分かってるわ春蘭。
「これより進路を変えて賊に襲われている村を護る!!夏侯惇隊は先行し、賊を蹴散らせ!夏侯淵隊はそれに続き周囲の賊を掃討!本隊は村に入り民の保護にあたる!全軍進行!」
「「「はっ!」」」
単騎で村を護る武人。
この時勢に、その仁、その義によって武を振るう事はとても興味深いものだわ。
まったく、桂花といい、今回の遠征は退屈しないわね。
村に近付くと未だ戦闘が行われていた。
しかし、徐々に賊の攻勢が増し、押され始めているようだ。
いや、戦線は下がっていない。
あれは態と不利を装っているのか。
・・・なるほど、それにより賊は勢いづくが、逆に他の入り口を探そうと離れるものが居なくなるのか。
確か、追加の報告でも村の防備の不足と、中に子供と男が一人ずつ確認できた。彼らを護る為であろう。
だか、勢い、流れというのは馬鹿にできない。
春蘭は間に合うかしら?
そこで、一際大きな音と共に彼女の武器であろうか、かなり特殊な形をした武器が弾かれ、別の賊が剣を振りかぶる。
マズイ!
そう思った一瞬、そう、一瞬だ。
目の前の光景が切り替わった。
彼女が賊に突きを放った。
いや、放ったと言うより、放ったという結果のみを見せられたと言った方が正しい。
彼女が正面の賊に武器を突き刺した光景を見てようやく突きを放ったであろうことが理解できた。
『神速』
言葉にすると酷く陳腐なモノだがこれ以上に表現する方法が思い浮かばない。
見えなかった。
しかし、
魅せられた。
賊も私達も誰も動けない中で、唯一彼女だけが自らの武器を構え直す様は、あたかも時の流れが止まってしまい彼女だけがその神速をもって動けているかのようだった。
静まり返った世界の中で彼女の声が通り、皆徐々に気を取り戻していく。
賊にもようやく一連の事象が理解できたのか、逃げたそうとする者が後を絶たない。
彼女が言葉を紡ぐだけで最早賊達には恐怖でしかないだろう。
自分がいくら抵抗し ようが気づかない内に殺されることがわかってしまったのだから。
「う、うぅ!うわぁああぁぁあ!!」
逃げ出す賊に彼女は更に追い討ちをかけていく。
反対側からも春蘭、秋蘭の部隊が賊に襲いかかる。
恐慌状態の賊共にこの猛攻から逃げ切れる道理などなく、僅か四半刻ほどで賊の掃討がおわった。
仕事しながらちょこちょこ書いてたら、なんか知らない内に勘違い系になりかけてる。
まさか、孔明の罠!?