厄ネタ×二乗は一周回って厄ネタではない(白目) 作:ハゲチャビン
はい。あれから数日が経ちました。
まず、霊脈ポイントから物資とサーヴァントの召喚を行い、そこからリヨンに向かうまでに街々で情報収集。
結果、リヨンではどうやら『守護者』なる人物が都市の防衛を行っていたらしい。
がその努力も空しく先日の襲撃で壊滅、『守護者』も行方知れず。
更には壊滅したリヨンの方に向かう妙な一団を見たっていう噂もあるし、件の街に向かうのは余り気が進まない。
「でもリヨンに行かざるを得ないんだよなぁ……」
現状有効な手段もないし、現地に召喚されたらしいサーヴァントの懐柔の面も含めていくしか道が無い。
あと現地の元帥かなんかが兵をまとめ上げてリヨン奪還のための準備を進めているらしいが……正直戦力外、いいとこ囮にしかならないからスルー。
目の前には残骸になった街並が見える。んで、やっぱりというかなんというか、ゾンビにされた町民の姿も。
ラ・シャリテと同じく生きた気配は感じない。襲撃されて時間が経った成果、死体の腐敗具合も酷い。当然動いている連中もそんなざまだから臭いも光景もキツイ。
「藤丸。大丈夫か」
ゾンビを蹴散らす酒呑童子と魔法少女たちに指示を出しながら藤丸の方を見る。こういうゲームは現代にも似たようなものはあるが、画面越しと現実で見るのとではグロさは格段に違うのだ。普通の高校生にこの景色は酷だ。
「な、何とか……」
が、意外というかなんというか、顔を青くした程度で耐えている。ラ・シャリテの一件で慣れたというところだろうか。
彼も自分のサーヴァント――キッチンに立っていたサーヴァント、名を衛宮士郎と全身青タイツという特殊すぎるファッションの男、クー・フーリンと、ザ・魔女な格好のメディアに指示を出している。キリエライト? 彼女は藤丸の近くで護衛してるよ。
「Dr.ロマニ。このあたりに生命反応か、或いはサーヴァント反応は?」
ジャンヌ・ダルクが蹴散らされ。動かぬ肉塊になった死者に鎮魂の言葉を捧げるのを尻目に通信を繋げる。
目視で確認できないなら、本部のサーチでも探りを入れて貰おうって魂胆だったが……
『残念ながら―――ッ、近くに反応有り!』
「ああ、俺も見えたよ。すぐそこで」
残念ながら仲間になる感じではなさそうだし、倒して説得して仲間にするって選択肢もなさそうだ。
「何者ですか!?」
ジャンヌ・ダルクの問いかけに目の前の男―――顔の半分を覆う仮面の怪人は名乗りを上げた。
「人は私を――オペラ座の怪人と呼ぶ。竜の魔女の命により、これよりこの街は私の絶対支配下に」
オペラ座の怪人が鉤爪を広げると死者が俺達を囲み始める。
「さあ―ここは死者がよみがえる地獄の只中。君達は、どうす―――」
言葉の続きが出ることは無かった。
建物の影――正確にはそこに繋がった俺の影から現れた肉々しい剣――『何もない』によって胸を貫かれたからである。
「悪いが、俺はオペラもコンサートも興味が無くてね」
「―――ッ! そう、か。しかし、私の歌が途絶えようとも、地獄は終わらぬ。聖女の邪悪は、彼女以上に成長した」
胸を貫かれ、吐血をしながらも尚彼は言葉を紡ぐ。
「”竜殺し”を死に誘うこと叶わなくとも、最早容易に止めることは―――」
更に深く肉の剣が突き刺さる。そうする様に指令を出した。これ以上聞くことも話すことも無い。
光の塵と化し、消えゆく怪人を尻目に再びDr.ロマニに通信を繋げる。
「敵性サーヴァントを排除。他のサーヴァント反応はありませんか?」
『――君、割とえげつない事をするね? と、兎も角サーヴァント反応の方『は』無い』
『は』という事は―――
『代わりに、それ以上の生命反応を確認した。急いでその場から撤退するんだ』
ですよねー。
というか
サーヴァントより強い生き物なんているのか?
『ソレだけじゃない、サーヴァントも3騎追随している!』
成程ね。
十中八九黒ジャンヌとその御一行だろうな。
「よし、撤退!」
これ以上此処にいる必要はない。
さっさと――
「随分急いでいるようですね。この間のように少しお話ししてはくれないのですか?」
間に合わなかったかぁ。
俺達の頭上を黒い影が覆い、二度と聞きたくない声が聞こえた。
黒ジャンヌがデカいドラゴンに乗っている。
いやあれサイズだけじゃねぇな、根本的にワイバーンとは違う。肌を刺すような圧迫感はあいつ等からは感じなかった。
「申し訳ないけど、今日は忙しい身なんでね。名残惜しいけどお暇することにしたんだ」
「あら、レディーのお誘いを断る程無礼なことはありませんよ? 折角ですから、付き合いなさいな」
どうすっかなぁー……。この間のせいで俺にヘイトが向いているとはいえ、藤丸達が逃げられるような感じじゃないし『規制済み』を出すわけにはいかない。
『笑う死体の山』……なりふり構ってる状況じゃない、か。
「――来い、もう一暴れだ」
影が盛り上がり、山を成し、巨大な屍の龍となった『笑う死体の山』が姿を現す。
「文目、さん。これは――」
「ジャンヌ・ダルクさん。すまないが今は飲み込んで欲しい」
ジャンヌ・ダルクが唖然とした顔で問いかける。だからできるだけ出したくは無かったんだ。こうなることは予想できたから。
説得は難しいかなぁ。
反れかかった思考を元に戻そう。今は兎も角、こいつらを何とかしなきゃならん。
「『笑う死体の山』を中心に、魔法少女達及び酒呑童子はフォローを。藤丸、悪いが手伝ってくれ」
「判った!」
藤丸も気合を入れ、サーヴァント達に指示を入れる。
倒すなんて贅沢は言わない。あのデカブツを引かせるか、撤退できる時間を稼ぐ―――。
待て、おかしい。
あのデカブツ、戦闘態勢には入っている。入っているが――――――違和感を感じる。
目の前の俺達じゃなくて他の気配を感じて戦闘態勢に入っているような気が――
「対象、巨大ドラゴン、戦闘態勢に入ります!」
いや、そんなことは後で考えればいい!
『笑う死体の山』がドラゴンに襲い掛かり、魔法少女達が味方のサーヴァントと共に敵サーヴァントに戦闘を仕掛ける。
2度目の撤退の為の戦闘が始まった。
ジークフリート君何でいないんやろなぁ(すっとぼけ)
ちらっと本編にも出てましたが、藤丸君のサーヴァントはクー・フーリン(槍)とエミヤとメディアの3人です。それぞれ文目のやることに大なり小なり引いていますし、特にメディアは文目自身から感じる嫌な縁と周囲のアブノーマリティにドン引きしています。
それはそれとして魔法少女のファッションには興味を惹かれる模様。
今後の展開次第ですが、その時が来たら主人公にE.G.Oを付けていいか否か。
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『武装』主人公も戦力を付けるべき
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『非武装』そのままの方がおもしr、輝く