ソードアート・オンライン <Divers Ailes> 【凍結、そしてリメイクへ】 作:ドライグ
ー 活動報告を読んでください。報告があります。 5/3更新 ー
はい、どうも皆さんこんにちは、ドライグです。
やっと春休みに入り、投稿することが出来ました。
遅れて、本当に申し訳ないですm(_ _)m
今月中にあと一話か二話は投稿できると思います(多分、恐らく、maybe
とにかく頑張ります!
さて、今回は例のフェンサーさんとの出会いです。
抜いても良かったのですが、ここが抜けると初めての出会いが攻略会議になってしまって、「え、なんでこんなに親しいの?」という風な感じになってしまうと思ったからです。
徐々にフラグを立てていきますよ〜
久しぶりの執筆なので駄文感が半端ないと思いますが、どうぞ!
<シュウside>
アニールブレードを取得してから数日がたったある日、俺は第1層迷宮区に来ている。
理由は簡単、レベルを上げるためだ。
現在レベルは7。
ここに出てくるモンスターは、レベル6の亜人型モンスター『ルインコボルト・センチネル』を中心としている。
そのため、レベルがそのモンスターより1高い俺は攻撃パターンをだいたい記憶しているので、難なく撃破する事が出来る。
レベルが迷宮区ということもあり、この層ではボス部屋の中のモンスターの次に高い。
レベリングにはもってこいな場所、というわけだ。
『索敵』スキルを使い周りに敵がいないことを確認し、ホッと一息ついて剣を腰に帯剣する。
ーーーと、視界の右端で光が輝いた。
すぐさま剣を抜刀し、構え、索敵を開始する。
数秒するとまた光が輝いた。
どうやら真っ直ぐ行って右に曲がった所でプレイヤーがソードスキルを使ったようだ。
その証拠にモンスターが四散した音声が聞こえてきた。
フゥー、っともう一息ついて、また剣を帯剣した。
その直後、バタン、という音が響いた。
反射的に俺の体は、音がした方に向かっていったーーー
音がなった元へと駆け寄ると、そこにはフードプーケを羽織ったプレイヤーがいた。
気絶した、と言うわけではなかったようだ。
疲れたのだろう、座り込んで荒い呼吸を繰り返している。
また、HPはほぼ全快な状態のようだ。
ひとまず安心して、ホッと息をつく。
そして思考。
どうするか、だ。
相手からすれば、傍迷惑な考えであろう。
何せソロプレイを貫いているようなプレイヤーなのだから。
だがしかし、俺は無視して素通りする事が出来なかった。
ー そんな自分に俺は内心、驚いていた。
小学校や中学校では、他の生徒より達観していたため、だいたい一人でいた。
達観している、というのは親に指摘されていたので、自分自身でも自覚していた。
そんないつも一人でいた俺に、そんな気持ちがあるとは思いもよらなかったのだ。
「全く.....俺はこんな性格だったのかよ。」
内心苦笑いしながらも、俺は俺自身の本能に従って
「おい、大丈夫か?」
と声をかけた。
帰ってきたのは、鋭い二つの視線だった。
そんな瞳に少々気圧されながらも、こちらも負けじとじっと、見つめる。
きっかり10秒ほど見つめ合っていると、渋々とした様子ながらもそのプレイヤーが口を開いた。
「..........別に問題ないけれど、何か?」
なんとこのプレイヤーは、レアな女性プレイヤーだったのだ。
女性でしかも、ソロプレイヤーであり、なおかつ迷宮区に来ている、という3段重ねの驚きが襲ってきたため息が一瞬詰まりかけたが、何とか持ちこたえて、彼女が発した疑問系の言葉を返す。
「.....いや、だって、そんな状態で町に帰れるのかと思って。」
「.....帰り?」
「ああ。君もここまで来ているから知ってるけど思うけど、ここからダンジョンを抜け出して町に行くまで急いだとしても一時間強はかかる。そんなフラフラな状態だとミスも増えて、それと比例するように危険も増える。だからーーー」
「それなら問題ないわ。」
と話の途中で割り込んできた。
そして、
「わたし帰らないから。」
と言い放った。
「.....は?」
「別に休憩とかは近くの安全地帯で取っているし、ポーションもダメージを受けなければ問題ない。剣も同じのを5本買ってきた。」
話を聞いた限り彼女はずっとこもりっぱなしなのだろう、この迷宮区に。
そして、安全地帯を宿舎として寝起きをしているのだろう。
「.....どれくらいやり続けているんだ。」
「.....今日を合わせたら、四日。もういいかな。そろそろモンスターが復活しているから。」
絶句だ。
しかし、話を続けるため、そして重要なことを聞くため、言葉をつなげる。
「.....死ぬぞ、そんな状態で戦い続けたら。」
「.....どうせ死ぬのよ、みんな。」
周りの温度さえも下げるかのような冷たい声で彼女はその言葉を発した。
その言葉を聞いた途端、彼女の声の質とは全く逆の、まるで燃えているのかのような感覚が俺を襲った。
それは、怒り。
何故自分がそんな感情に陥ったのかははっきりとは分からない。
しかし、これだけは言える。
ー そんな考えを許してはいけない
「..........どこでどんなふうに死のうと、早いか遅いかだけのちが」
「いい加減にしろよ。」
一瞬、俺の周りに赤い光が迸った。
その勢いのまま彼女の手を取り、来た道、つまりこの迷宮区から抜けるためのルートを進みだした。
「ちょっと、何!離してっ!」
そんな声を完全無視し俺は、いや俺たちは迷宮区を去って行った。
迷宮区外のすぐ近くに木々に囲まれた場所がある。
そこに着くと俺は彼女の手を離した。
始め10分は反抗していたものの、抗えないと分かると大人しく俺に引かれた。
途中、頭がだんだんと冷えてきて、「俺何やってんだ.....」と思ったりはしたものの、気にしたら終わりだと思い込み、突き進んだ。
そんな俺に無理やり連れてこられたその女性プレイヤーは、座り込んでギロリとこちらに目線を向けている。
当たり前の反応であろう。
数十秒たったところで、彼女は言葉を発した。
「.....余計なことを。」
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<???side>
私は、前三日間続けていたことを今日も実行するため、安全地帯と呼ばれる場所から動き出した。
だった一ヶ月で、二千人も死んだ。しかし、まだ最初のフロアすら突破されていない。
私は諦めた。
どうせ、みんな死ぬと考えて。
もちろん自分自身も入れて。
だから、私はこの迷宮区から出ないと決めた。
どうせなら、ここで最後まで戦い続けて死のうと。
しかしそれは、白銀の髪の毛の人物によって、崩された。
少し疲れて、地面に座っていると、通りかかった人物に話しかけられた。
今まで声をかけてきた人物と同じように自論を突きつけ、突き放そうとした。
そして、『死』ということについて話すと、その人物は、
「いい加減にしろよ。」
と怒った。
そして、そのまま私の手を引き、迷宮区を出ようとした。
当然、私は反抗した。
けれど、彼の力には全く叶わなかった。
それに、何故だか引っ張られるのを許してしまったのだ。
何故だろう?
彼の纏っていたオーラに気圧されたのだろうか?
それもなきにしもあらずだ。
けれど、私は、彼の怒った顔の奥に隠れていた悲しい表情に疑問を持ったのだ。
何故、他人にそれも今日初めてあった赤の他人とも言える人に対してそんな顔が出来るのだろうか、と。
一時間が経過し、私たちは迷宮区を出た。
彼はそのまま私を引っ張り、近くの木々に囲まれたところに進んで、手を離した。
そして私は一言。
「余計なことを。」
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<シュウside>
「申し訳ない。俺の勝手な行動に付き合わせて。というか、無理やり連れてきた、だな。ごめん。」
正直に心の内を話すと、少しは受け止めてくれたのかコクンと頷いてくれた。
そして、彼女は問いを投げかけてきた。
「.....何故、今日合ったばかりの赤の他人に対してこんなことをしたの?」
ごもっともな質問だ。
けれど、
「分からない。」
のだ。
「君が死んでも構わない、みたいなニュアンスのことを言った途端、こう、なんか、カッときて、それでだ。」
けど、
「けど、これだけは言える。命をそんな無下にしないでくれ。」
綺麗事だ。
「綺麗事だとは分かってる。分かってる!.....けど、ダメなんだ。そんなことは絶対に。」
男らしくない悲痛な声。
自分自身でも理解が出来ない。
何故、こんなにも『死』ということに敏感なのか。
何故、赤の他人にここまで言えるのか。
何故、
何故、何故、何故.....?
そんな思考を巡らせていると、声が降ってきた。
「.....分かったわ。」
理解、という返事だ。
下に向けていた顔をガバッと上げて、彼女の顔を見る。
出会った時より、ほんの少しだが、頬が緩んでいるような気がした。
「あなたの言った通り、それは綺麗事。はっきり言ってあまり私はそういうのは好きじゃない。けれど、あなたの言葉の重さが少しだけひびいたわ。何故だか分からないけれど。」
俺は目を見開く。
彼女は言葉をつなげる。
「だけど、私は止まっていたくないの。だから.....」
ハシバミ色の瞳をこちらに向けて、
「次にどうすればいいのか、教えてくれる?」
と訪ねてきた。
しばらく、考え、思い立ち、告げる。
「明日、『第一層フロアボス攻略会議』が行われる。君もこの世界を抜け出すために最前線で戦ってみないか?」
と。
はい、今回はここで切らせてもらいます。
切りが良かったので。
主人公は自己中、というわけではありません。
そこだけは分かって欲しいです。
彼に眠る心情が少し出てきた、と考えていただくと嬉しいです。
感想&評価お待ちしています!
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ではまた!