狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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狛治視点です。漸く鱗滝さんの世代を出せます。時系列を改変したのはこれが理由と言っても過言ではありません。

注意:原作キャラの若い頃の口調がわからなかったのでイメージで書いてます。違和感あったらすみません。


24話 柱合会議

「お早う、皆。何はともあれ半年ぶりの柱合会議をこうして開けたことを嬉しく思うよ。」

 

 

「お館様に置かれましてもご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。」

 

 

「ありがとう。左近次。」

 

 

 

俺が日輪刀の支給を受けてから3ヶ月経った。毎日のように鬼の討伐任務が与えられ、淡々と鬼の頭蓋を打ち砕く日々。気が付けば討伐数は50体を超え、俺の階級は甲まで昇給し、柱になっていた。

 

そして今、一人高いところから柱一同へ声を掛けているのが鬼殺隊現当主である産屋敷識哉(しきや)様。

 

鬼の呪いが既に顔半分を覆い、右目を失明されている身でありながら、よく似ておられる傍の幼子に支えられこうして柱の前に姿を現している。

 

俺は柱の中では新参者・・・というより本日が初の出席でもある。習わしなどわからない故、右習えの要領で俺は他の柱同様当主の前で跪く。やがて挨拶を切り出した天狗の面の男が話の続きを述べる。

 

 

「お館様。早速ではございますが柱合会議の主題として、近年突然現れた柱を討伐せしめる強さの鬼複数体の出現について議論を進めたいのですがよろしいでしょうか?」

 

「待っておくれ、左近次。その前に今回新しく岩柱に就任した狛治の紹介をさせて欲しい。皆本題に早く移りたくて気が気じゃないかもしれないが、彼もれっきとした逸材の一人だ。少しばかり時間をもらうよ。」

 

 

柱達からやや不満の気配がする。これはあれか? もしかして俺は歓迎されていないのか?

 

まあ、気持ちはわからなくもない。入れ墨のある元罪人と肩を並べて今後も戦えと当主から言われた所で腹の底では納得しがたい感情が沸き起こるのだろう。正直他の隊士達と接した時も似たような反応をされたので想定はしていた。

 

加えて先代岩柱である源重郎殿は現鬼殺隊最強だったと聞いている。そんな人が殉職し、その代わりがどこから来たかもわからないような罪人の出なのだ。快く思えずとも仕方がないことだった。

 

やがて識哉様は俺を見下ろし、心地よい声音で説明を始める。

 

 

「彼の名前は狛治。先代岩柱の源重郎が将来自分をも超えるかもしれないと言わしめた程の子なんだ。彼は呼吸も日輪刀も使えない状態で血鬼術を扱う鬼を朝方まで素手で食い止め討伐した実績があり、それを目の当たりにした源重郎が可能性を感じ育手に紹介したのが入隊のきっかけだ。両手の入れ墨を見て警戒心や嫌悪感を抱いた子たちもいるかもしれないが、彼は病で苦しむ実の父親の為に幼子の頃から日銭を稼ぐため仕方なく掏りを行っていたんだ。本当は誰よりも愛情深く忍耐強い子なんだ。皆にも是非仲良くしてほしい。」

 

 

柱達から驚きの声が上がる。しかし俺は別の意味で驚愕に目を見開いていた。

 

識哉様は今何といった? なぜ親父のことを知っている? 俺が掏りをしていたことは勿論その理由まで。俺が驚きに固まっていると、隣で跪いていた水しぶきを彷彿とさせる羽織を着こんだ男が俺に頭を下げる。

 

 

「狛治殿。失礼仕った。お主のことを私は誤解していたようだ。ただ入れ墨があるというだけで良からぬ先入観を抱いてしまった。お主が纏う空気には一点の邪な匂いもなかったというのに・・・」

 

 

天狗の面をつけているため表情は読み取れないが、どうやら謝罪をしているようだ。

 

 

「いえ、慣れてますので。お構いな・・・」

 

「俺も済まんかった! てっきり悪党の出だと思って無視を決め込んでいたからなあ! いや本当に済まんかった! これからは一緒に肩を並べて戦おう! なあ狛治殿!」

 

 

続いて黄土色の布地に白の三角形の意匠が散りばめられた羽織を着たやたらと声の抑揚が気になる男が食い気味に頭を下げてくる。俺は気にしてないと手で制す。

 

 

「ごめんなさい。私は源重郎さんからお話は聞いてたんですけど、いざ見てみると尻込みしちゃって・・・でもお館様がそこまで言うならきっと心根のいい御方なのですね。これからもよろしくお願いしますわ。」

 

 

今度は遠慮がちに桃色の羽織を着たお淑やかそうな黒髪長髪の女性が俺にそう弁明する。この人は恐らく源重郎殿が言っていた花柱の方なのだろう。初めて会った時に処方された薬と似た匂いを纏っている。

 

 

「・・・まあ俺は別に仲良くとかはどうでもいいかな・・・ちゃんと市井の人達を守る気概があるんならそれで・・・」

 

 

一番奥に真っ白な羽織を着た白髪の少年がそう呟く。見るからに馴れ合いを好む性格はしてなさそうだが俺の振舞については認めてくれているようだ。

 

やがて俺達が打ち解け合った様子を満足そうに見て笑った識哉様が手を叩くので、一瞬でその場が静まり返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ皆の誤解も解けたことだし本題に移ろうか。近年突如として現れた柱を討伐せしめる強さの鬼、十二鬼月について・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




鱗滝さんと桑島さんの喋り方これでいいのかなぁと悩んでいますが、まあ若い時なのでいいかと納得しております。一応将来の弟子たちの要素を含むような描写をしていこうと思っています。加えて十二鬼月の設定ですが、本小説のあらすじでも書いてる通り、原作と齟齬があります。無理矢理鱗滝さん達を登場させた弊害ですので何卒ご了承くださいませ。
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