追記:今朝確認したらランキング載ってました。日間14位、二次7位でした。過去一嬉しいと共に驚愕しています。オリジナル展開を受け入れてもらえるか不安だったので、読者の皆様に楽しんで頂けてる事実に感涙にむせび泣きそうです。一層励みたいと思います。
「狛治。岩柱の就任を記念して新しい日輪刀と岩柱邸の贈呈を行いたい。いつまでも身体の弱い奥さんと後遺症のある恩師を長屋に住まわせるわけにはいかないからね。裏で待機している隠の皆にはもう手配をお願いしてるから、この後早速新居へと向かうといい。喜んでくれるかい?」
俺は識哉様の前に跪いて、『悪鬼滅殺』と刻まれた対の手甲と鎖分銅、小手にすね当て一式を頂戴していた。
「・・・本当によろしいのですか・・・俺のような罪人の出の人間にこのような好待遇をして・・・」
俺の問いに識哉様は笑って答える。
「君がお父さんの病を治し命を救うために血の滲むような日々に堪え生きて来たことを私は知っているよ。それに君は刑罰だって受けきった。君はもう罪人ではない。」
俺は放心する。同時に心の底から思った。この人は・・・その人が欲しくてやまない言葉を・・・かけて下さる人なのだと。俺の両の眼より止めどもなく涙が零れ落ちる。
俺は誓った。この人が息を引き取るその時まで、絶対に守り通して見せると。この人の信念を死ぬその瞬間まで貫き通して見せると。
「かたじけなく・・・!」
頂戴した物一式を支給された頭陀袋に入れ、俺はそのまま下がる。すると後ろから慈悟郎殿が大声で駆け寄ってくる。
「狛治殿!! お前嫁がおったのか!?」
「え? あ、はい。まあ・・・」
「ほう。妻帯者だったのか。道理で。」
「ぬう!? 鱗滝はなぜわかったんだ!?」
「まあ、私は鼻が利くからな。狛治殿からは頑強な岩石のような屈強な匂いと共に、花の蜜のような甘い匂いもしたのでな。女がいると思っていた。」
「くぅうう!! 羨ましいぞ狛治殿!! 今度お前の自慢の嫁を見せにこんかい!!」
「え? まあいいですけど・・・」
俺達三人が話し込んでいるのを見て、咲殿も関心を持ったのか微笑みながら声を掛けてくる。
「あら~? ちなみに新婚さんなのかしら~?」
「ええ、まだ半年も経ってないですね。加えて祝言を上げてから育手の下でも鍛錬、最終選別、任務とひっきりなしに外出してたので、恋雪には寂しい思いをさせっぱなしで心苦しく思っています。」
「あらあら~、恋雪ちゃんって言うのね。可愛らしいお名前。今度私にもご紹介して下さらない?」
「ええ、構いませんよ。先に識哉様より頂いた岩柱邸に引っ越すのが先ではありますが・・・」
「うふふ~、会うのが楽しみだわ~。」
「くぅうう!! 狛治殿よ!! どうやったら女共にモテるようになるのだ!? やはり顔か!? 顔なのか!!??」
「こら止さんか桑島・・・」
「・・・恐らく顔ではないと思うのですが・・・」
そんな談笑を続けているうちに、隠の方々が大勢俺の前に現れる。
「お館様から仰せつかっています。本日より岩柱様の身の回りのお世話をさせて頂くことになってます。早速ご案内しますので来ていただけますか?」
「ああ、頼む。世話になる。」
それから俺は目隠しをして新居へと運ばれる。
そこはかつての素流道場と遜色ないほどの敷地の広さ、立派な屋敷で俺は度肝を抜かれた。
「では奥方様とそのお父様もお連れします。引っ越し作業も全てさせて頂くので、ご指示お願いします。」
「あ、ああ・・・何から何まで済まない・・・」
俺は大勢の隠の人達が俺たちの為にここまで動いてくれる事実に圧倒される。
日暮れまでには恋雪と師範も岩柱邸に到着し、引っ越し作業も完了したのだった。
「わぁああ!! ここが・・・新しい狛治さんのお家なんですか!?」
「まあな、正確にはお館様から頂いた俺と恋雪、師範三人の屋敷だ。有難く使わせてもらおう。」
「凄いな。以前の素流道場と一切見劣りせんぞ。これなら狛治の鍛錬も気兼ねなくできるな?」
「ええ。本当に。お館様には頭が上がりませんよ。給金まで言い値で払うとまで仰ってて・・・」
「何!? それは本当か!?」
「お父さん? だからって働かないのは駄目ですよ? 鬼殺隊の方々の大事なお金を頂くんですから。」
「そうは言うがな? 流石に毎日傘編みするのもいい加減飽きて来たぞ? 他の仕事とかあればいいんだがな。」
「それでしたら師範と恋雪には鬼殺隊の裏方の仕事をしてもらうのは如何でしょう? なにぶん鬼殺隊は万年人手不足なもののようで・・・」
「おお! なら是非仕事を紹介してもらいたいな! 後遺症はあるとは言え、体力には自信あるぞ!?」
「まあ、肉体労働かはわかりませんけどね。それはこれからおいおい考えていきましょう。」
「あの・・・狛治さん・・・お屋敷に大勢の方が住み込みで屋敷の仕事をするようなのですが・・・ご飯の用意とかもですか?」
「ああ、炊事、洗濯、その他の家事全般をやってくれるらしい。恋雪も負担が減って良かっただろう?」
「・・・・・・」
「・・・?」
「私・・・狛治さんのご飯作るの・・・ずっと楽しみにしてたのに・・・」
「うっ! わかった・・・炊事についてはこれからも恋雪に任せる。それでいいか?」
「っ!! 嬉しい! 狛治さんっ!!」
「ちょっ!! 急に抱き着くと危ない!! 倒れる!!??」
「おー、始まった。じゃあ俺は人払いしてくるから。恋雪、今まで我慢した分しっかり楽しむんだぞ?」
「ありがとうお父さん。それじゃあ狛治さん/// 私を放っておいた分今日は狛治さんをたっぷり堪能しますからね///?」
「ま、待て!? ここ縁側だぞ!? せめて寝所に・・・おおっ!?」
そうして岩柱邸へと引っ越した後、俺の時間の大半は恋雪の相手をすることでほぼほぼ持ってかれた。
続く
猗窩座の描写でもそうですが、狛治は忠誠心に厚い人間だと思うので、彼の振舞に根拠を持たせる意味合いで任命式に悲鳴嶼さんと似た演出をさせて頂きました。これをバネに彼はメキメキと強くなっていきます。加えて新居により、昼間は恋雪ちゃんと気兼ねなく過ごせるようになります(重要)。貧乏長屋なんて、壁の薄い安物アパートみたいなものですからね。恋雪ちゃんがハッスルし始めると周囲に声とか駄々洩れなので狛治は気が気じゃなかったと思います。時々にはなりますが、二人の幸せな日常ものも投稿していこうと思います。