追記:お気に入り登録数が先日一気に増えて600を超えました。先日は日間総合11位、二次5位だったことで、日頃鬼滅二次を読まない大勢の方々の目に留まったからかもしれません。読者の皆様には改めて御礼申し上げます。まだまだ毎日投稿継続する予定なので引き続き楽しんでもらえると嬉しいです。
「あら~? 貴方が恋雪ちゃん? 狛治君の言う通りすっごく可愛らしいのね。見てて和むわぁ~。」
「おお! 狛治殿の言ってた通り別嬪ではないか!! どうやってこのような
「これはこれは・・・狛治殿から幸せの匂いが溢れるのも頷ける。とても素直で健気そうな子だ。」
「・・・あの・・・皆さん俺と同じ柱ですよね・・・暇なんですか!?」
狛治さんがお館様から岩柱邸という新しいお屋敷を頂いた翌日、鬼殺隊最高戦力と言われている柱の皆様が一斉に訪ねてこられた。
私と狛治さんで応対するも、狛治さんは苦笑い。本来であれば、柱の方々は毎日お仕事が入り、一日に鬼を5体以上退治しにいくことも珍しくないのだとか。
それにしては皆様の集合率の高さに私は驚く。昨日の今日で5名しかいらっしゃらない柱のうち4名が同じ屋敷に集まるなんて、どれだけ狛治さんは皆様から注目されているのだろうか。
私は客間に皆様を案内し座らせる。
「えっと・・・粗茶です・・・」
「おお! 済まんな恋雪殿! かたじけない! うん、うまい!! やはりこんなめんこい
「まあ・・・確かにうまいな・・・」
「慈悟郎殿・・・恋雪にあまり色目を使わないで頂けますか・・・頭蓋を殴り潰しますよ・・・」
「こ、こっわ!! 狛治殿!? 急にどうされた!?」
「桑島よ・・・お前もいい加減既婚者にデレデレするのをよさんか・・・恥ずかしくないのか・・・」
「な、何を言うか!? 鱗滝とて恋雪殿が淹れてくれたお茶をうまいと言っていたではないか!?」
「私は誰が淹れたかは気にしない。純粋に恋雪殿が淹れた茶がうまいとそう言ったのだ。お主と一緒にするな。」
「な、何を!?」
「あの~・・・鱗滝様? さっきから気になっていたのですがなぜお茶を召し上がる時もそのお面を外さないのですか? 飲みにくいのでは?」
ふいに私は話の腰を折ってでも気になった疑問を投げかかる。さっきから鱗滝様は天狗のお面をずらすだけで一向に外そうとしない。それがとても不思議だった。
すると桑島様が腹を抱えて笑いだす。
「わははっ!! 言われておるぞ鱗滝!? 素直に答えてやらんかい!!」
「はあ・・・私の顔は穏やか過ぎて鬼狩りに似つかわしくないと育手の師にそう言われてな。鬼にも舐められるだろうということでこのお面を被るようになったのだ。」
「そ、そうだったんですね。ちなみにお顔を見せて頂くことは・・・」
「わははっ!! 鱗滝よ!! 観念して見せてやったらどうだ!? きっと恋雪殿も感心するに違いないぞ!!」
「はあ・・・わかった・・・別に大層なものでもない。あまり期待してくれるなよ。」
そうして鱗滝様はお面を外す。仏様のようなとても優し気なお顔をしていられた。私は思わずクスリと笑ってしまう。
「わははっ!! そうかそうか!! 恋雪殿も可笑しいか!! こりゃあ笑わずにはおられんわ!!」
「いえ! そのようなつもりは・・・」
私がすぐさま誤解を解こうとした際に狛治さんから声が上がった。
「寧ろこの優しそうな顔で鬼の頸を刎ねてたら相当な恐怖心を鬼側に植え付けられるのでは?」
「・・・・・・」
狛治さんの呟きに一同沈黙する。
「た、確かに・・・今まで考えもしなかったわい・・・」
「このお顔で斬りかかって来るのはかなり怖いですね・・・」
「鱗滝君。今度からお面外して鬼を斬って見たらどうかしら? 今までより鬼を倒しやすくなるかも知れないわよ?」
「・・・・・・」
鱗滝様は気まずい表情を浮かべたのち、お面を再びかぶり直した。
「・・・聞かなかったことにしよう。」
「なんだかすみません。左近次殿に失礼なことを言ってしまいました。謝罪いたします。」
「いや・・・謝らなくていい・・・寧ろ気にしないでくれると有難い・・・」
再び気まずい沈黙が辺り一帯を包む。やがて南方様が気を遣ってくれたのか話題を変えようとする。
「そ、そう言えば~、狛治君と恋雪ちゃんの馴れ初め聞いてなかったわ~。二人はどうやって恋に落ちたのかしら~?」
「ふえっ///!? そ、それは・・・えっと・・・///」
話題を変えてくれたのは有難かったけれど、私は不意の質問に赤面する。
「あらあら~? 恥ずかしいなら無理して答えなくてもいいのよ~? ごめんなさいね~。」
「・・・え、えっと・・・狛治さんは病弱だった私の看病をずっとしてくれたんです・・・その優しさに気が付けば好きになってました・・・どうしようもないくらいに・・・///」
私は南方様の声が聞こえておらず、答えることに必死になって言葉を紡いでいた。
「あら~? いいわねぇ。やっぱり狛治君ってなかなかの男前よね~? 顔だけじゃなくて振舞とかも~。」
そう言って、南方様の御顔が狛治さんにみるみる近づいて行く。私ははっとする。
「え・・・待って! お願いとらないで!!」
「うお!? 恋雪急にどうした!?」
私は反射的に狛治さんに覆いかぶさってしまっていた。狛治さんに肩をトントンと叩かれはっと我に返る。
「す、すみませんでした!! とんだ粗相を・・・///」
私は立ち上がり必死に頭を下げる。その様子を見て南方様は微笑んでいた。
「私も亡くなった主人と一緒になった頃は今の恋雪ちゃんみたいになってた気がするわぁ・・・二人が幸せそうで本当に良かった・・・」
「え・・・」
私は唖然とする。南方様のご主人は既に他界していると聞いて。
「別に珍しいことじゃないわ。ある日主人と一緒に切り盛りしてた薬屋に鬼が押しかけて来て、それで殺された。私は運よく生き残ったけど、心にぽっかり穴が空いてしまったの。」
「そ、そんな・・・」
「だから二人が幸せそうにしてるのを見て私は安心できる・・・これからも仲良くするのよ? まあ二人の様子を見てたらそんな心配必要ないと思うけどね~?」
そう言って南方様はその場を立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
「色々お話しできて楽しかったわ~。また来るわね~?」
そう笑顔で手を振って南方様はどこかに行ってしまわれた。やがて鱗滝様も桑島様も立ち上がる。
「馳走になった。次の柱合会議でもまた会おう。」
「おうよ! 鱗滝も狛治殿も死ぬなよ!? 達者でな!!」
そうして客間には私達二人だけが取り残される。私の心境は複雑だった。
「心配するな恋雪。俺は死なん。もしとんでもない鬼と遭遇したら、是が非でも逃げて生き延びてお前の下に帰って来る。約束したからな。」
「はい、狛治さん。でも私・・・」
「咲殿も仰ってただろう? 俺たちは幸せになっていいんだ。その上で他の人たちの幸せも俺が守り通して見せる。そのためにもっと俺は強くなる。だからこれからも俺を支えてくれ、恋雪。」
「はい、狛治さん。」
そうして狛治さんは私のことを抱きしめてくれた。私の申し訳なさと不安も幾分それで安らいだ気がした。
「只今~。恋雪、狛治。晩飯ってもうできてるか? 今日は隠の方々の仕事の手伝いを一日中してたから腹が減って仕方ないぞ~。」
「あ、お父さん。おかえりなさい! すぐに準備しますね!」
その後私達は夕餉を食べ、お風呂に浸かり、就寝準備へと移った。私は狛治さんと共に眠った。今日は珍しくお休みなのだそうだ。私はこの貴重な時間を大切にしてずっと狛治さんと抱き合っていた。
その日の夜、南方様が殉職したとの訃報を聞いた。死亡現場では、あたり周辺に季節外れの霜が多数降りていたことが確認されていて、鎹烏の報告では対の扇を持つ鬼によって殺害されたと後日説明を受けた。
続く
ついに童磨登場です(話の中だけですが)。きっと上弦の鬼じゃないから勝てると思って花柱は戦いを継続してしまったのでしょう。紅一点をいきなり退場させるのは正直悩みましたが、童磨が出てくると絶対こうなるだろうな思い、このような展開となりました。ご容赦下さい。しかし蝶屋敷周辺の巡回エリアってもしかしたら童磨の餌場なのかもしれませんね。寺院の信者だけでは飽き足らず、街に繰り出したり、遊郭に繰り出したりして女喰いまくってるって・・・童磨はどんだけ食欲旺盛なのでしょうか。カナエさんとしのぶさんを殺したことが許せぬ・・・次の映画ではカナヲにしっかりと引導を渡してもらいたいものです。