「狛治殿。これは・・・」
「どうやら頸を刎ねてもこいつらは死なないようですね。」
俺と左近次殿は山中で上弦の肆らしき鬼と遭遇した。
まず初手で俺が鈴割りで頸を刎ね飛ばしたら二人に増えた。
続いて左近次殿が片方の頸をすかさず刎ねたら更に増えて計四体となった。そいつらは全員目に『上弦』『肆』と書いてあった。
「鬼なのに首が急所ではないのか・・・?」
「かなり特殊な鬼ですね。何か特別な条件を満たさないと倒せないのか・・・或いは・・・」
「・・・他に本体がいる・・・か・・・」
「っ! 左近次殿はなぜそう思ったのですか?」
俺はダメもとで呟いていたのだが、左近次殿がかなり核心的な予想を挙げていた。俺はすぐさま尋ねる。
「こいつらとは別にもう一体・・・別の鬼の匂いがする・・・しかもこうしている間にそれは私達から距離を取ろうとしている。頸を斬っても死なない鬼なら逃げる必要などない。つまり今逃げようとしている鬼が本体の可能性が高い。」
「成る程。なら俺がこいつら四体の相手をします。左近次殿は本体の追跡をお願いします。」
「っ! いいのか? たった一人でどう足止めする気だ?」
左近次殿が心配そうに俺に尋ねてくるので、俺は対の鎖分銅を旋回させ、正面で分銅同士を思いっきりぶつける。瞬間、分銅が赫赫と発光する。
「原理は不明ですが、この赤い状態で鬼を負傷させると傷の再生を阻害できるようです。童磨戦で確認済みです。」
「おお・・・それが前回の柱合会議で報告していた例の赫刀か・・・衝突する際の衝撃で鉄が熱を帯びるのだろうか・・・」
「な、なんだそれは!! うっ!! この記憶は・・・あの御方の!?」
俺が赤い分銅を振り回していると、突如目の前の四体の分身鬼達は頭を抑え始める。童磨の時と同じ。恐らく鬼にとって根源的恐怖に繋がる記憶が思い起こされるのだろう。
「早く行ってください。俺もこいつらを全員無効化したらすぐに追いかけますから。」
「かたじけない・・・!」
そうして左近次殿は森の中へ消えていった。
「ま、待て!! 天狗の面の鬼狩・・・」
ー岩の呼吸 壱ノ型 蛇紋岩・双極ー
俺は錫杖を持った怒りの表情を浮かべている鬼を真っ先に狙い、頭蓋を打ち抜く。さっきまで戦っていた限りだと、奴は雷で広範囲攻撃をしてくる。最も厄介な為速攻で潰すべきだと判断した。
「積怒!!!」
「ま、待て!! そんなことよりあの天狗の面の鬼狩りを先に・・・」
ー岩の呼吸 伍ノ型 瓦輪刑部ー
奴らが狼狽えるので、俺はすかさず頭上に跳び、まとめて打ち砕くつもりで分銅を何度も地面に打ち付けるように攻撃を振り落とす。
「ぐぁああああ!!! 灼けるように熱い!! 傷が治らん!!!」
「腕がもげた!! 再生できぬ!!!」
「・・・効いてるな・・・」
俺は団扇を持った鬼の全身を滅多打ちにし、槍を持った鬼の片腕を吹き飛ばした。これで少しは戦い易くなるか?
そう安心したのも束の間、奴らの頭上を取った俺の更に上から影が差す。鷲のような羽と爪が生えた異形の鬼が滑空して来て俺を引き裂く。
余りの速さに俺は回避が遅れ鮮血が散る。
「カカカッ!! 喜ばしいのう!! はらわたを切り裂いてやったぞ!!」
「馬鹿者!! 油断するな空喜!! そいつはまだ生きているぞ!!!」
その通り。咄嗟に鎖で防御した。喰らいはしたが、臓器までは届いていない。この程度の傷なら呼吸で止血できる。
加えて俺は攻撃を受けた瞬間に鎖を奴のかぎ爪のある足に括りつけておいた。俺が引っ張るとそいつは空中で体勢を崩す。
俺は奴より先に着地すると同時に、地面を割る勢いで鎖を踏みしめ、奴を宙から地面へと一気に叩きつける。
ー岩の呼吸 弐ノ型 天面砕きー
「ぐはっ!!!」
「空喜!!!」
すぐに分銅を振るい、空喜と呼ばれた鬼の頭蓋を打ち砕く。これで頸より上がある鬼は残り二体。俄然戦い易くなったはず。
しかしそう俺が一瞬気を緩めた瞬間、錫杖を持った鬼に他の三体が一瞬で引き寄せられ、吸収される。刹那、凄まじい鬼気を発する少年の姿をした鬼が現れる。
「弱き者をいたぶる鬼畜。不快。不愉快。極まれり。極悪人共めら。」
背に『憎』の字を書き連ねた太鼓を輪のようにして担ぎ、見たこともない対の得物を握りしめ、上弦の肆の集合体はそう言った。
続く
一気に追い詰め過ぎたので憎伯天降臨です。アニメではかの有名な山寺宏一さんが務めていたのが驚きでしたね。声優さんの演技力って本当に凄いなと感心してしまいます。
童磨の再登場についてどう思いますか?
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有
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狛治がしっかり倒すのなら有
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原作通り生き残らせてほしい