狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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狛治視点です。新しいオリ柱出てきます。呼吸名は例に漏れず筆者が以前書いてた鬼滅小説の転用です。技名考える時間の短縮が目的です。その分執筆速度を落とさないよう頑張ります。


第六章:真恋柱編
40話 草柱


「大変お待たせ致しました。本日の柱合会議、産屋敷識哉(しきや)の代理を、産屋敷ことねが務めさせていただきます。そして当主の識哉が病状の悪化により、今後皆様の前に出ることが不可能となったことを心よりお詫び申し上げます。」

 

 

俺達は産屋敷邸の一室に集まっていた。

 

長寿郎が柱になってから早半年。上弦の肆と遭遇することはあったものの、それ以外は特段平和な半年だった。

 

柱も誰一人欠けず、前回の時に比べ雰囲気は明るくなるかと思ったが、識哉様の容体を聞いてその思考は一瞬で消え去る。

 

呪いの進行もかなり進んでいるため、既に立って移動することも叶わず、現在は床でずっと横になっている状態なのだとか。

 

病に臥せっているようで胸が痛む。死んだ親父や、病弱だった頃の恋雪を思い出す。病の苦しみを少しでも和らげたいと願うも、呪いの進行は医者であっても止められないのだそうだ。

 

正直、次の柱合会議までには息が続かないかもしれないと識哉様は以前会った時仰っていた。やはり識哉様を救うには、一刻でも早く鬼舞辻無惨を亡き者にする以外に方法はないのだろう。

 

 

「お館様が一日でも長くその命の灯を燃やしてくださることを祈り申し上げる。ことね様もお心強く持たれますよう・・・」

 

 

慈悟郎殿が皆を代表してそう返答する。ことね様は頭を下げて感謝の言葉を述べていた。

 

 

「今回は新しく柱となったさやか様の紹介と任命式を行わせて頂きます。また、残りの時間は思う存分柱同士の交流を行ってほしいと識哉より伝言を預かっております。皆様よろしいでしょうか。」

 

「「「御意。」」」

 

「それでは織哉(おりや)。私の代わりに紹介をお願いします。」

 

「はい。母上。」

 

 

すると傍らに正座していたまだ八つに届くかどうかのご子息が立ち上がり、俺たちの一番後ろに座っている女性隊士に視線を送る。

 

 

「今回柱に任命される方は草壁さやか様と仰られます。ここにいる皆様は知っているかと存じ上げますが、昨年殉職した前任の岩柱、草壁源重郎様のご息女様です。草壁一家は鬼に家族を殺された後、父親の源重郎様は隊士となり、娘のさやか様は藤の花の家紋の家で住み込みでお仕事の手伝いをするようになりました。しかし彼女は二年前に父親の反対を押し切り最終選別を受けこれを突破し、その後前任の花柱、南方咲様の継子として隊士の治療等に尽力して下さった経歴がございます。加えて南方様が殉職された後、花の呼吸の派生である草の呼吸を自力で生み出し、めでたく先日鬼の討伐数が五十を超えたため、この度草柱の任命式を行う運びとなりました。それではさやか様。こちらへどうぞ。」

 

「はい!!」

 

 

織哉様の声掛けに対し、鈴の音のような澄んだ声が響く。名を呼ばれた彼女はことね様並びに織哉様の前で跪き、矛のような日輪刀を受け取る。

 

 

「識哉からの伝言です。『君が亡き父と師の意思を受け継いで自身を鍛え上げた事実を私は知っているよ。これまでの献身的な隊士たちの治療についても本当にかたじけなく思っている。どうか君の誇り高き信念と慈愛の深さでこれからも鬼殺隊を支えて欲しい。期待しているよ。』とのことです。産屋敷一同、さやか様のご活躍ご健闘をお祈り申し上げます。」

 

「ありがとうございます!」

 

 

そう返事をし、さやか殿は日輪刀を持って下がる。そしてことね様と織哉様は正座し直し俺たちに声を掛ける。

 

 

「それでは残りの時間は柱同士の交流を深めてください。皆様の様子を識哉にも伝えさせて頂きますので。」

 

 

そうして俺たちは互いに向き直り、順次自己紹介をしていく。一通り終わったところで懇談に入る。

 

 

「さやか殿。貴方の父上は俺の命の恩人に当たります。今一度御礼申し上げます。」

 

「あ、大丈夫ですよ、狛治さん。父も貴方のような将来有望な方にお会いできて幸運だったと申しておりましたし・・・」

 

「いや~! それにしても南方殿がいた時を思い出すぞ! やはり柱の中に一人ぐらいは女性隊士がいた方が華やかになるというものだ! そうは思わんか? 鱗滝よ!」

 

「まあ・・・華やかになるのは事実だと思うが・・・」

 

「桑島さん? さやかは俺と同じ十六ですよ? 年下にデレデレして恥ずかしくないんですか?」

 

「ぬお!? まさか長寿郎にそのようなことを言われるとは!! お前最近になって固さが取れて来たから良い兆候だと思っていたが、とは言え先輩をもっと敬わんか!!」

 

「桑島よ・・・敬われたければ相応の振舞をしろ・・・後輩の前であまり恥を晒すな・・・」

 

「な!? 鱗滝よ! それは心外だぞ!?」

 

 

慈悟郎殿の悪癖が初日で発揮されているのを見て俺は呆れる。この人はそろそろ嫁を取って落ち着いた方がいいんじゃないだろうか。奥さんに手綱を握ってもらえれば浮つくこともなく尚のこと良いはずだ。

 

 

「あ、因みに私と長寿郎君は同期なんですよ? 今では同期の中で生き残ってるのも私達二人だけなんでとても貴重な関係なんです。」

 

「ああ、さやかが無事柱にまで昇りつめてくれて俺は嬉しいし安心した。これからもよろしく頼む。」

 

「うん。こちらこそよろしくね? 長寿郎君。怪我したら言ってね? 屋敷ですぐに治療してあげるから。」

 

 

二人は互いに声を掛け合い嬉しそうに笑い合う。

 

俺はそんな二人の視線や雰囲気、表情や仕草を見て確信した。この二人・・・多分互いに脈ありだ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐らく自覚は互いに無いに等しいのだろうが、逆にそれが微笑ましい。俺はそんな二人を陰ながら見守り仲が深まるよう尽力しようと内心決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

続く




岩柱の系譜は真恋柱の素質があります。狛治も例に漏れません(え)。狛治は隊士同士の恋バナを恋雪ちゃんに土産話として持ち帰ることもしばしばです。じきに「尊い・・・」って言い出すので読者の皆様は心の準備をしてお待ちください(え)。

童磨の再登場についてどう思いますか?

  • 狛治がしっかり倒すのなら有
  • 原作通り生き残らせてほしい
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