狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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狛治視点です。今話は単行本おまけページの内容から着想を得ています。


41話 催し

「よし。懇談はこれくらいにしてそろそろ何か催しでもしましょうか。さやか殿。」

 

「え? 催しですか? 狛治さんには何かご用意が?」

 

 

俺は長寿郎とさやか殿の仲睦まじい談笑がひと段落したところである提案をする。この二人の仲を深めるために、今日で互いに意識し合うぐらいにはなってもらおうと俺は画策する。

 

 

「狛治殿・・・それなら交流試合だけは無しで頼む・・・前回長寿郎と手合わせした時のようにお主が豹変してしまわないか私は心配だ・・・」

 

「おお! 確かにあの時の狛治殿は如何にも戦狂いの暴れ狛犬といった様子だったな! さやか殿がそんなお主を見たら幻滅してしまうぞ! ワハハッ!!」

 

「いや、俺は女性隊士とは手合わせしませんよ。如何に柱とは言え、女性に殴りかかるなど素流の矜持に反します。仮に試合をするとしたらさやか殿の相手は長寿郎を推します。」

 

「え? 俺ですか?」

 

「狛治殿! 俺じゃダメか!? ここは年長者の先輩としてさやか殿に手解きをしたいのだが・・・」

 

「慈悟郎殿は駄目です。百歩譲って左近次殿までです。こればかりは譲歩できません。」

 

「な、何故だ狛治殿!?」

 

「桑島よ・・・お前に女性隊士の相手などさせたら見るに堪えない醜態を晒しかねん・・・これ以上の恥の上塗りは止さんか・・・みっともない。」

 

「な!? 鱗滝よ!! いくら何でもそれはあんまりな物言いではないか!?」

 

「う~ん・・・私もできれば長寿郎君との手合わせがしたいですね・・・やっぱり下心ある人とは試合をしたくないと言うか・・・」

 

「ぬお!? さやか殿まで!?」

 

「ということで慈悟郎殿。納得してください。まあ今回の催しは交流試合にはしないつもりです。折角柱が五名に増えたのですから全員で交流できた方がいいはずです。」

 

「「「ん?」」」

 

 

俺の発言にその場の全員が疑問の声を上げる。俺は得意顔で催しの内容を伝える。

 

 

「全員で腕相撲と徒競走をしましょう。腕相撲では膂力を、徒競走では脚力を見ることができますし、何より柱全員の力量をお互いに把握するのに丁度いいと思っています。如何でしょうか?」

 

「おお・・・それなら私も賛成しよう。まさか狛治殿がこのような提案をしてくれるとは・・・うむ。中々に良き判断だ。」

 

「おお! 力比べにかけっこか! 面白い! この際柱同士の格付けをしてみるのもありか! よし!! お前ら俺が一番になったらもう生意気な口は二度と利かせんからな!? 覚悟しておけよ!!」

 

「では腕相撲はこの部屋で。徒競走は最寄りの広場で行いましょうか。さやか殿もそれで構いませんか?」

 

「ええ。何だか楽しそう。狛治さんもありがとうございます。このような催しを提案して下さって。」

 

「いえ。識哉様も俺達柱同士で交流を深めて欲しいとそう仰っていたので思いついたまでのことです。ことね様もそのように進めますがよろしいですか?」

 

「はい。柱の皆様が楽しんでいるところを識哉には伝えさせて頂きますね。では台を持ってきますので少々お待ちください。」

 

 

そう言い残し、御内儀のことね様は退出する。やがてちゃぶ台を持ってきて俺たちの下に運んでくる。

 

 

「こちらでよろしいですか?」

 

「はい。ことね様ありがとうございます。」

 

「よぉおおおし!! 一番手は俺から行くぞ!! さあさあ遠慮なく挑み掛かってこい!!」

 

「では桑島よ。私から手合わせしよう。負けぬからな。」

 

「おお! 鱗滝か!! ぎゃふんと言わせてやるぞ!!!」

 

 

早々に対戦が決まったので俺は審判をする。両者が手を握り合ったのを確認し、俺は開始の合図を出す。

 

 

「はじめ!」

 

「ぬぅううぉおおおりゃぁあああああ!!!」

 

「むぅうううううん!!!」

 

 

開始直後は慈悟郎殿が一気に押し切り勝負がつくかに見えたが、ギリギリのところで左近次殿が踏みとどまり、やがて巻き返してそのまま決着となった。

 

 

「糞ぉおおおおお!!! 鱗滝になら短期決戦で勝てると思ってたのにぃいいいいい!!!!」

 

「ふん・・・甘いな。お前の浅はかな考えなどお見通しだ。」

 

「いい勝負でした。では一旦勝った人が連戦としますか。次は俺が相手します。」

 

「おお、狛治殿か。これは相当気合を入れぬとあっさり持っていかれそうだ。」

 

「両者準備いいですか? では・・・はじめ!」

 

 

長寿郎が審判の掛け声を上げ、俺と左近次殿との間で真剣勝負の腕比べが始まる。

 

成る程。左近次殿は序盤は力が余りかからないが、尻上がりに調子を上げるのだな。恐らく水の呼吸の力の入れ方が瞬発力よりも力の伝動に重きを置いているからだと思われる。

 

しかし俺も腕力には相当な自信がある。こちらも様子見をやめて全力で迎え撃つ。やがて左近次殿を押し切り、勝負は決着と相成った。

 

 

「負けた。流石狛治殿だ。鬼の頭蓋を呼吸無しで打ち砕くその腕力。私などでは到底歯が立たん。」

 

「ありがとうございました。」

 

「では! 今度は俺が狛治殿と手合わせします! 前回の試合では負けましたが、力比べなら負けません!」

 

「いいだろう、長寿郎。受けて立つ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長寿郎との勝負は半年振りだ。俺は嬉しく思い心が躍る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




原作の柱腕相撲ランキングは下記のようになっています。

第1位:岩柱・悲鳴嶼行冥
第2位:音柱・宇随天元
第3位:風柱・不死川実弥
第4位:炎柱・煉獄杏寿郎
第5位:水柱・冨岡義勇
第6位:恋柱・甘露寺蜜璃
第7位:霞柱・時透無一郎
第8位:蛇柱・伊黒小芭内
第9位:蟲柱・胡蝶しのぶ

原作では岩柱の悲鳴嶼さんがぶっちぎりだったようですが、本小説の世代だとどうなるでしょうか。答え合わせは次回となります。

童磨の再登場についてどう思いますか?

  • 狛治がしっかり倒すのなら有
  • 原作通り生き残らせてほしい
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