「では私は審判を務めますね? それでは・・・はじめ!」
「はぁああああああ!!!」
「おぉおおおおっ!!」
さやか殿の一声で戦いの火蓋が切って落とされる。開始早々長寿郎が凄まじい腕力で俺をねじ伏せようとしてくる。信じられない力だ。とても人間の腕力とは思えない。
俺も全力で迎え撃つが、長寿郎の爆発力の前に屈服してしまう。やや経ち、勝負はついた。
「はあ・・・はあ・・・ありがとうございました。」
「ハハッ、ハハハ! 素晴らしい! 見事な腕っぷしだ!! 今日は一日かけて俺と腕を高め合おう!! 表に出て勝負だ!! 長寿郎!!」
「待て! 狛治殿!! 言ってる傍からまた暴走し始めてるではないか!? こら、桑島もぼうっとしてないでさっさと抑えるのを手伝え!!」
「狛治殿一旦落ち着け!! うお!? なんだこの力は!? 本当に人間か!!??」
「狛治さん・・・催しが台無しになってしまいます・・・一旦落ち着いてください。」
左近次殿並びに慈悟郎殿に組み伏せられ、終いにはさやか殿に心配そうな声で宥められる始末。俺は一気に正気へと戻り意気消沈する。
「すみません・・・まるでもう一人の自分に身体を乗っ取られたようでした・・・不甲斐ない。」
「ま、まあ・・・わかって下さればいいんですよ? ハハハ・・・」
完全に引いてるさやか殿。俺は不甲斐なさの余り穴があったら入りたい気分だった。
「では最後、私が長寿郎君と腕相撲しますね? 手加減抜きでいきますよ?」
「ああ、勿論だ!! さやかの全力を俺は受け止めて見せる!! さあどんと来い!!」
気が付けば本命の二人が手を握り合い準備をしているところだった。しまった。自身の不甲斐なさの余り二人の仲を進展させる計画を失念していた。これはまずい。
「ま、待ってくれ。ふた・・・」
「はじめ!」
俺が力なく呼びかけるも時既に遅し。長寿郎とさやか殿の対決は始まってしまった。本当は手を握り合うところでお互いに意識してもらう算段だったのに。
しかし、しまったと思うのも束の間、二人から発せられる凄まじい闘気に俺は圧倒される。
「うぉおおおおおおおおおおお!!!」
「やぁあああああああっ!!!」
さやか殿は長寿郎との腕相撲でなんと拮抗している。信じられない。長寿郎の剛腕は俺ですら耐えきれなかったというのに。俺はその様子に面食らう。
「え・・・さやか殿・・・力強くないか?」
「これは・・・凄まじいな・・・とても
慈悟郎殿も左近次殿も引いている。さやか殿の凄まじい腕力に。やがてちゃぶ台が二人の力に耐えきれなくなったのか、真ん中で折れるように割れて砕け散ってしまった。
「わっ!?」
「きゃっ!?」
二人は抱き合うような形でぶつかってしまい、そのまま床へと転がる。俺はその様子を眺めていたが、思わず呟きを漏らしてしまう。
「・・・尊い・・・」
「ん? 狛治殿今何と?」
「あ、いえ。なんでもありません。それよりも二人に怪我はないでしょうか?」
いかんいかん。今は二人の無事を確認する方が優先だ。私情を持ち込まないようにしなければ・・・
「す、済まない! さやか大丈夫か!? ちゃぶ台の破片で傷ついてたりしてないか!?」
「あ/// えっと/// 大丈夫よ長寿郎君・・・///」
長寿郎は急ぎさやか殿の手を握り皮膚が傷ついてないか確認する。咄嗟に手を握られ撫でられるように確認をされ、さやか殿も思わず頬を赤くする。
俺はその様子を見て感嘆の声を漏らしてしまう。
「・・・やはり尊い・・・推せる・・・」
「は? 狛治殿今何と?」
「あ、いえ。なんでもありません。とにかく二人に怪我がなくてよかったです。それに・・・」
とんだ災難だったが想定以上の収穫はあったと俺は感無量だった。ひとまずこれで少なくともさやか殿の方は長寿郎を異性として意識したはずだ。後は長寿郎さえ何とかすれば・・・
俺がそんな私情まみれの策略を頭の中で練っていると、慈悟郎殿が青ざめながら震える声で問いを投げていた。
「・・・さやか殿なんでそんなに力強いの・・・?」
いつもの抑揚の付いた豪快な口調ではなく完全に引いてる時のそれだった。もはや別人だ。さやか殿が質問されたことに気づき、やがて返答する。
「あ、えっと・・・私お父さんの遺伝なのか生まれつき力が常人の八倍くらい強いんです。幼い頃漬物石を運んで庭で遊んでたと母から聞かされたことがありますので、そういう体質なのかもしれません。」
「やば・・・草壁家の遺伝子怖すぎ・・・」
「こら桑島・・・さやか殿に失礼であろう。寧ろ同じ柱として頼もしい限りではないか。さやか殿もお気を悪くされるな。」
「あ、はい。寧ろ師範には褒められていたので特段気にはしていませんよ? まあお父さんは嫁の貰い手がいなくなりそうと常々心配してはいましたが・・・」
腕相撲大会は思わぬ形で幕引きとなった。どうやら柱最強の腕力を有しているのは長寿郎とさやか殿の二名で決まりのようだ。俺も今以上に鍛錬せねばと内心奮起するのであった。とは言え尊い。
続く
草柱のさやかちゃんは原作の蜜璃ちゃんと同じ捌倍娘です。因みに草の呼吸は筆者が以前書いてた鬼滅小説でオリ主が使ってた呼吸で、王輝将軍(別作品)のように馬鹿みたいに重い矛の日輪刀を使います。その為蜜璃ちゃん体質or痣者じゃないと使えない呼吸となっています。
余談ですが原作の煉獄さんと蜜璃ちゃんの絡みも筆者は結構好きです。本小説ではオリキャラ同士ですが、二人をくっつけることで疑似的な杏蜜要素を投入する予定です。まあ性格違い過ぎるので完全に筆者の道楽ではありますが・・・(汗)
童磨の再登場についてどう思いますか?
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狛治がしっかり倒すのなら有
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原作通り生き残らせてほしい