「カカカッ! 丁度三人か!! なら後ろの餓鬼共には暫くの間俺たちの対決を見学願おう!! 折角拳で戦う者同士なのだ!! やはり貴様とは正々堂々と真剣勝負をしたいからな!!」
「下衆の分際で勝負だと・・・? 笑わせる・・・!」
俺が奴に冷たい視線を送り続ける中、俺の背後から怒号が飛んでくる。
「貴様ぁああああ!!!!! よくも俺の兄を殺したな!!?? 黙って見ていろだと!!?? 聞くわけないだろうそんな妄言を!!! 兄を殺したその報い!! 貴様の命を以て必ず償わせてやるっ!!! 俺はお前を絶対に許さない!!! 無駄に増やしたその腕含めて俺がバラバラに切り刻んでやるっ!!!!!」
「待って! 長寿郎君!! 一人で突っ込んだら奴の思う壺よ!? いいから今は落ち着いて!!」
「これが落ち着いていられるか!!! 奴だけは!! 奴だけは俺がこの手で頸をっ・・・!!」
後ろで長寿郎がさやか殿に引き留められている気配がする。まさか長寿郎があそこまで取り乱すとは想定外だった。やはりさやか殿を一緒に連れて来ていて正解だった。俺一人では上弦と戦いつつ暴走した長寿郎を守り切る程の余裕はない。
「カカカッ! まあそう焦るな? お前ら餓鬼共には丁度いい前座を用意してやる! 暫くはこやつらと遊んでおけ!!」
ー血鬼術 阿修羅分身ー
奴が一対の両手で合掌すると、奴の肩口から分裂するように分身二体が飛び出し長寿郎たちの背後へと降り立つ。
「長寿郎!! さやか殿!! その分身は再生能力がない代わりに本体と同じ強度と強さを併せ持つ!! 油断するな!!」
「くっ!!」
「本当に上弦並みの分身が出せるなんて・・・!!」
やがて俺の背後にいる二人が奴の分身と戦闘になる。俺は振り返ることなく本体へ素流の構えを取ったまま向き合い続ける。
「カカカッ! どうした!? 餓鬼共の心配をしなくていいのかァ!?」
「正々堂々勝負とは笑わせる・・・後輩に分身をけしかけつつ俺の動揺を誘い隙を伺うなど・・・お前のような下衆を卑怯者と呼ばずにどう呼べばいい?」
「カカカッ! まさか気づいていたとはな!! やはりお前はいいなァ!? 伊達に上弦との戦闘を何度も重ねてはいないようだ!! さあ思う存分殺し合うとしよう!!!」
ー素流体術 脚式 飛遊星千輪ー
「黙れ。」
「うおっ!!?? 凄まじい飛び蹴りだ!! 両手でなくば受けきれなかった!!」
ー素流体術 脚式 冠先割ー
「がはっ!!??」
俺は間髪入れず宙返りしながら蹴り上げを放つ。奴の顎に見事一撃が入るが打ち砕くには至らない。凄まじい硬度を持つ肉体だ。本当に全身鋼でできていると錯覚するほどに頑丈だ。
「カカカッ! 面白い!! いいぞもっとやれ!! もっとお前の技を受けてみたい!!!」
「言ったな?」
ー素流体術 脚式 流閃群光ー
地に降り立ちすぐさま連続蹴りを放つ。奴は対の腕でそれらを捌く。
「ほう!! やるな!? 凄まじい回数の蹴り技だ!! しかしこの程度の威力で俺の防御を突破するなど断じて・・・」
ー素流体術 鈴割りー
「ぐはっ!!??」
「チィ・・・やはり硬いっ・・・!!」
俺は連続蹴りを放った直後、すぐさま身を捻り、奴の頭上を飛び越えて背面に回り込みつつ裏拳を放つ。頸に直撃したものの、その手応えは鋼以上の硬度を持つ金属に打ち付けたかのようだ。到底通常の打撃で頸を刎ね飛ばすなどできそうもなかった。
「カカカッ!! うまく俺の後ろを取ったな!?、しかし威力不足だ!! そんな腕力で俺の鋼よりも硬い頸を薙ぎ払うなど夢のまた夢だぞ!? もっと死ぬ気で打ってこい!!!」
奴は振り向きざま意趣返しなのか裏拳で薙ぎ払ってくる。俺は上体を下げ奴の懐に入り込む。
ー素流体術 鬼芯八重芯ー
「ぐぉおおおおお!!??」
俺は左右交互の八発の拳で奴の胴体を滅多打ちにする。その威力に奴は後方へと押し下げられ地を滑る。
「カカカッ!! いいぞ!! 芯まで響く良い拳だ!!! もっと打ってこい!!!」
ー素流体術 乱式ー
奴の獰猛な笑みが癪に障ったので、顔面含め全身を見境なく打ちのめす。流石の奴もその威力を受けきれなかったようで、そのまま後方へと倒れて地に転がった。
「ごほっ・・・!! 凄まじい剛腕だ・・・!! 先ほどの八発の正拳突きとは対照的に型も何もあったものではないが・・・とは言え中々の威力だった!!! この俺が受けきれず地に背をつけるなど果たしていつ以来か・・・カカカッ!!」
「舐め腐ってるな・・・本当に癪に障る・・・」
俺は阿修羅鬼がゆっくりと立ち上がっている間、長寿郎たちの戦いの様子を一瞥した。
ー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ー
分身体とすれ違い様に斬りかかった長寿郎の姿を視認した。しかし、分身体の頸には僅かな傷がつくのみで、切断するには至っていないようだった。
「糞っ!! 本体ですらないのにこの硬さ!! 俺は分身体なんぞに手こずってる場合ではないというのに・・・!!」
「大丈夫よ!! 長寿郎君!!」
ー草の呼吸 参ノ型 舞い散る葉のささめきー
長寿郎に投げかけられた掛け声の出所を確認すると、さやか殿が分身体の拳打をあしらい綺麗に捌いていた。
ー草の呼吸 肆ノ型 穀種争乱ー
旋回する矛で分身体に連撃を浴びせ体勢を崩した後、さやか殿は間髪入れずその場を跳ねて宙に舞い上がる。
ー草の呼吸 伍ノ型 大樹砕断棍閃殺ー
矛を縦方向に回転させたさやか殿は、分身体の頭目掛けて矛を打ち下ろす。矛の回転による加重、矛を振り下ろす加重、使い手の落下する加重すべてを縦の打ち下ろしに込めた一撃は、凄まじい轟音と共に分身体の頭部を頸ごと破壊する。
その様子を阿修羅鬼も見ていたようで、奴は感嘆の声を漏らしていた。
「おお!? まさか女の餓鬼の方が先に俺の分身体を倒すとは!! 矛の威力も凄まじい!! とても
ー素流体術 砕式 万葉閃柳ー
隙だらけだったので俺は宙に跳び、奴の頭蓋を粉砕するつもりで頭上より全力で殴りつける。地響きと共に地割れが蜘蛛の巣のように広がり、土煙が舞う。
その間、さやか殿は分身体が塵に変わったのを確認し、長寿郎の傍へと駆け寄っていた。
「いきなり頸を斬らなくてもいいの! 狛治さんが言う通り分身は再生能力を持たないんだから、少しずつ部分破壊して無効化していけばいずれは倒せるわ! 私も協力するから焦らないで長寿郎!!」
「さやか・・・ああ! すまない!! よろしく頼む!!」
あちらはひとまず大丈夫そうだ。俺は目の前の土煙より這い出る異形の鬼へと視線を戻す。
「カカカッ!! 今までで一番凄まじい威力だった!! まさか俺の頭部が陥没するとは!! まあ鬼ならすぐさま再生できるがな!! カカカッ!! さあもっと全身全霊で打ってこい!!! 」
俺は黙って素流の構えを取る。完全に不意を突いた全力の一撃ですら奴の頭蓋や頸を打ち砕くに至らない。とは言え全く手がない訳ではない。砕式ですら破壊できない頸ならば・・・あの奥義で打ち砕く他はない。
続く
今更ながら素手で上弦の頸破壊しようとしてる狛治さんが本当の化け物だなと思えてきました。他の柱は刃物で漸く切れるか否かというレベルなのに。頸を打撃で吹き飛ばすって発想がもうね・・・
童磨の再登場についてどう思いますか?
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有
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無
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狛治がしっかり倒すのなら有
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原作通り生き残らせてほしい