狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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狛治視点です。決着です。今話の狛治なら猗窩座とタイマンで戦っても勝てるかもしれません。


53話 幕引き

「うぉおおおおおお!!! 己ッ!! 己ッ!! 己ェエエエ!!!!!」

 

「五月蠅い。」

 

「がふっ!!!!!」

 

 

奴は俺へと三対の腕を振り回し拳を振るうが、俺はそれを最低限の動きで躱し、お返しに顎を打ち上げる。奴はよろめき狼狽え続ける。

 

 

「何故だ!? 何故なんだ!!?? 俺とお前の動きにそう大差はないはず!!! 寧ろ疲弊したお前より無限の体力を持つ俺の方が徐々に優位になっているはずなのに何故拳が当たらんのだ!!!!」

 

「確かに徐々に疲弊しているのは認めるが動きは雲泥の差だとわからないのか? お前は拳の数に頼っただけの武闘家もどき。技量も何もかも俺の扱う素流に遥かに劣る。」

 

「がっ!!??」

 

 

上体を下げ拳を躱し、その反動で蹴り上げる。奴は再びよろめき、膝を着く。

 

 

「良し。透き通る世界の感覚もだいぶ掴んだ。この手応えなら今後何度でも再現できるだろう。もう充分だ阿修羅鬼。終わりにしよう。」

 

「さ、させるかァアアアア!!!!!」

 

 

すると奴は身体から腕を数十本生えさせ俺にけしかけてくる。俺は背後に下がり、分銅を旋回させ互いに衝突させる。分銅は赫々と発光し奴は目を見開く。

 

 

「うぉおお!? これは・・・あの御方の記憶!!?? ま、待て!! ふざけるな!!! 今更武器を取り扱うなど!! 男と男の真剣勝負なのだから最後まで拳で決着をつけようとは思わんのか!!??」

 

「俺は武闘家であると共に鬼殺隊士だ。鬼を滅する武具を扱うのは当然のことだろう?」

 

「ふ、ふざけるな! 神聖な武闘家としての誇りを捨ておってからに!! 拳で戦う者の矜持を忘れたお前は生かしておけん!!! 今度こそ殴り殺してくれる!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー血鬼術 百式観音ー

 

 

ー岩の呼吸 参ノ型 岩軀の膚ー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅううおおおああああ!!??」

 

 

俺は的確に分銅を振り回し、奴の百の拳打を的確に打ち砕く。赫刀の影響か奴は拳を再生させることもできずにうめき声をあげていた。

 

 

「がぁああ!!?? どうして再生できないのだ!? 灼けるように痛む!!! お、己ェエエエ!!!!!」

 

「どうした? もう終わりか? いい加減お前の拙い拳打など飽き飽きしてきたところなんだ。他に手がないなら大人しく頸を差し出せ。お前は俺の武を高めるのに一役買ったのだからそれで充分だろう? 少々手間だったが、もう生かしておく必要もない。」

 

「ま、まさか・・・お前自身の武の研鑽の為にこれまでワザと俺にとどめを刺さなかったとでも言うつもりか!? わ、笑わせてくれるわ!!!!! ならば上弦の参の真の姿をお前には見せてやる!!!!! さあ! 恐れひれ伏すがいい!!!!!」

 

 

すると奴は阿修羅像のような姿から一変する。三面のうち二面が引っ込み、三対の腕も一対へと減り普通の人型に変わったかと思えば、突如奴の背より扇のように伸び広がる数えきれない程の腕が出現する。

 

 

「阿修羅像の次は千手観音像の真似事か。神仏を愚弄するとは不敬者極まりない。まあ今更信心深くなったところで貴様のような下衆は地獄行き確定だと思うがな。」

 

「カカカッ!! 俺は人間の頃より神仏など一度も信じたことはない!! なぜなら仏の加護より己の武を磨いた方が何倍も融通が利くのだから!!

 暴力はいいぞ!? 弱者を好き放題虐げ好きなだけ搾取することができる!!! 故に力こそこの世で最も敬い讃えるべきものなのだ!!!

 仏の慈悲がなんだ!? 仏道修行などいくらしたところで何の腹の足しにもならん!!!

 説法をしたところで供養が増えねば喰うことすらおぼつかなくなる!!! ならば初めから落ち武者と同じように暴力に訴えて人から財を奪い取った方が手っ取り早いだろう!?

 全く以て理解しかねるぞ宗教家と言う生き物は!!!

 今思い返せば、童磨もその人種の一人だった気がするなァ!! 確かどこぞの教祖の真似事をしてると以前言っておった!!!

 皆を救済し高みへと導く大事な使命があるとほざいてはいたが、そのようなまどろっこしい真似よくできるものだと感心してしまうわ!!! 初めから恐怖による支配で信者から金を巻き上げればいいものを!!!

 嗚呼つまらないことを思い出してしまった!!! あの宗教家気取りめ、上弦の弐になった途端毎日のように念話で俺を馬鹿にしおって!! もううんざりだ!!!

 本来なら奴を追い越し上弦の壱へと駆け上がる為の奥の手だったが致し方無し!!! 貴様には特別に披露してやる!!! とくと味わえ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー血鬼術 真数千手ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくびが出るような身の上話をされた後、奴の背から扇のように伸びる腕の更にその奥より同様の数の腕が伸び広がる。更にその奥より同様の数の腕が出現する。それが延々と続いていく。

 

 

「カカカッ!! 無限に等しい俺の拳打!!! 貴様如きに受け切れるか!!?? 如何に貴様が武を極めた達人と言えど、夜明けまで絶え間なく続く拳の雨を喰らい続け生きて居られるはずがない!!!

 お望み通り終わりにしてくれる!!! 名も知らぬ武闘家の鬼狩りよ!!!!!」

 

 

奴はそう言い終わるとゆっくりと俺に近づいてくる。その緩慢な動きに俺は思わず苦笑する。

 

 

「ああ、成る程。無駄に増やした腕のせいで、その重さ故に素早く移動できないのか。そんなものがお前の奥の手とは・・・滑稽極まりない。」

 

「黙れ!! 油断をしおってからにこの馬鹿者が!!! 貴様との距離など既に十間も離れておらんわ!! この間合いであれば俺の腕を伸ばせば充分届く!!!

 この姿を見てすぐ様逃げ出さなかったことをあの世に行ってから後悔するがいい!!!!! 喰らえ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー血鬼術 頂上化仏ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が棒立ちしてると、奴の無限に等しい腕が俺へと伸びて拳を振り落としてくる。周囲一帯が夥しい拳打の雨で地を割り土煙を巻き起こし続ける。

 

 

「カカカッ!!! いつまでも捌けると思うな!? 俺の拳の数は無限だ!!! 赤い分銅でいくら打ち砕いたところでいくらでも追加できるわっ!!!!!

 このまま一刻でも二刻でも繰り返してくれる!!! 貴様が力尽き肉塊へと変わり果てるまで、延々とだ!!! どうだ思い知ったか!! カカカカカカッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー素流体術 奥義 滅式ー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごはっ!!??」

 

 

突如大地を震わせる衝撃と共に轟音が鳴り響き、阿修羅鬼の顎が異様な角度でのけ反る。頸には蜘蛛の巣のような罅割れが音を立てて広がり、やがてそのまま粉々に砕け散った。

 

 

「ば、馬鹿なぁああああ!!?? 俺の頸が・・・鋼よりも頑強な硬度を誇る俺様の頸がぁあああ!!??」

 

「透き通る世界に入ると、周囲の動きそのものがゆっくりに見えるらしくてな。おかげで躱しながらお前の懐へと接近するのも訳なかった。頸を打ち砕いた。今度こそ終わりだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴の頭部が地へと転がると、黒い塵となって崩れていく。そのまま胴体ともどもに、灰のように崩れ去って上弦の参は消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




阿修羅鬼編終了です。オリジナル上弦戦でしたが如何だったでしょうか。個人的には猗窩座の穴埋めに過ぎない代役止まりなので上弦の格はないかなって思ってはいますが、やられ役としては有りだったでしょうか。一先ずアンケート結果に応えるための章でした。
次は童磨との再戦ですね。予想以上に決着をつけて欲しいという意見が多かったのでその方針で書き進めようと思っています。
実は本作執筆当初は上弦全員大正時代まで持ち越しにする予定でした。一方で感想欄見た感じだと完全決着希望の方が多い感じがしてます。ただここ最近執筆速度が落ちて来てるので100話以上は書きたくないなと思ってます。なので童磨戦と黒死牟戦を書いたらあっさり終わるかもしれません。余力があれば妓夫太郎も出したいんですけどね・・・
現状の目標はしっかり完結させることです。個人的に未完で終わることだけは絶対嫌ですのでその方針で続けようと思います。

童磨の再登場についてどう思いますか?

  • 狛治がしっかり倒すのなら有
  • 原作通り生き残らせてほしい
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