狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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狛治視点です。原作の例の報告シーンをちょっとだけ意識してます。

※パワハラはされません。


幕間:小休止
54話 報告


「ご報告に参りました。織哉(おりや)様。」

 

「ああ! よく戻った! よく戻って来てくれた、狛治!! 本当に・・・本当によくやってくれた!!!」

 

 

俺は上弦の参、阿修羅鬼を討伐したのち産屋敷邸へと赴いていた。枯山水庭園で跪き、九つの当主、織哉様に首を垂れたのち顔を上げる。

 

俺は任務の結果を詳細に報告する。

 

俺の話が終わると、織哉様は口元を手で覆い、涙を浮かべて身体を震わせていた。

 

 

「本当に・・・よく帰って来てくれた・・・私はこれ以上ないくらいに感激している・・・!!

 十二鬼月、特に上弦の鬼が台頭してからというもの、柱の人数は減るばかり。奴らに殺された柱達はここ二年だけで七名にも及ぶ。

 亡き父から引き継いだ鬼殺隊を・・・私の代で絶やしてしまうのではと当主になった日から思わぬ日はなかった・・・!!

 狛治、君が居てくれて本当に良かった・・・!! 本当にありがとう・・・!!」

 

 

如何に鬼殺隊当主となられたと言えどもまだ九つの幼子。このように涙してしまうのも当然と言える。

 

恐らく、いやきっと、俺達三人が上弦の足取りを掴んで討伐任務に出立した時からずっと張りつめていたに違いない。

 

俺はそんな織哉様を宥めて支えてあげたい衝動に駆られるもそれを収める。俺と織哉様はあくまでも主従の関係。当主としての体裁もあるだろう。

 

 

「顔をお上げください、織哉様。俺は貴方様の金剛の(つるぎ)です。決して折れない懐刀だとご認識下さい。

 今後も貴方様のご期待に応えられるよう尽力致します。今回同行した長寿郎とさやかも命に別状はないようなのでどうかご安心下さいますよう・・・」

 

「ああ・・・! 柱が誰一人欠けることなく上弦の鬼を討伐できたことは大変な偉業だ。本当に君達には感謝してもしきれない。これからも苦労させると思うが引き続きよろしく頼むよ?」

 

「御意。」

 

 

そうして俺は一言挨拶をしたのち産屋敷邸をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさい狛治さん! お館様は喜んでいましたか?」

 

「只今、恋雪。ああ、とても喜んでくれた。臣下冥利に尽きる。早速で悪いが朝餉を頂いたらすぐに草柱邸へと赴くが構わないか?」

 

「えっと・・・他の柱の方のお見舞いですか?」

 

「ああ、昨夜帰還してすぐ治療を行っていたのは確認したんだが、如何せん容体が悪化してないか気になるからな。済まないが少々急ぎで頼む。」

 

「わかりました! それとなんですけど・・・もしよかったら・・・」

 

 

俺が玄関で手甲含めた装備一式を外していると、恋雪が遠慮がちに尋ねてくる。

 

 

「わ、私も同行させてもらえませんか? 鱗滝様や桑島様とは会ったことがあるのですが、他の柱の方とはまだ一度も会ったことがないので・・・私お見舞い品も用意しますから!」

 

「おお、そうか。それは済まないな。じゃあ二人で赴こうか。あいつらも俺以外の見舞いがあった方が喜ぶだろうからな。こちらこそよろしく頼む。」

 

「はい! ではすぐに朝餉の準備しますね? 狛治さんがお食事を済ませる間に私準備しておきますので!」

 

 

そう言って、恋雪はパタパタと駆け足で屋敷の奥へと戻ってしまった。やけに張り切っているな。一体どうしたのだろうか。

 

俺は疑問に思うも自室に戻り、形式的な任務の報告書をまとめる。殆どは織哉様に報告しているので形だけのものだが。

 

やがて朝餉の準備ができたのか、恋雪の呼び声が聞こえる。

 

 

「お見舞い品は果物でもいいでしょうか?」

 

「ん? ああ、それならきっと喜んでくれるだろう。二人とも食欲旺盛だから多めに持っていくとしよう。」

 

「はい! ではありったけ持っていきますね!」

 

「・・・因みになんだが、その量の果物、一体どこで手に入れたんだ?」

 

「あ、はい。これは隣町に買い出しに行った際、白い服の方々が道案内のお礼にと沢山くれたものなんです。なんでもとある御人に贈った果物が多すぎて一部受け取ってもらえなかったようでして。

 腐らせるのも悪いからと代わりにくれたものなんです。お買い物のついででしたが、おかげで得しちゃいました!」

 

「ん? 白い服? 何者だそいつらは?」

 

「え? えっと・・・よくわかりませんがどこかの宗教家の人達だったみたいです。名前までは聞いてこなかったのですが・・・」

 

「宗教家・・・まさかな・・・」

 

「えっと・・・狛治さん?」

 

「ああ、済まない。少し引っ掛かっただけだから気に留めないでくれ。御馳走様でした。俺も準備しよう。」

 

「はい! お粗末様でした! 折角なので新しい羽織着てお出かけしましょう! 狛治さんのことを想って丹精込めて仕立てた羽織ですからね? 気に入って下さるといいのですが・・・」

 

「気に入るも何も、本当に嬉しく思ってるよ。任務用の半そでの羽織もだが、花菖蒲の柄を見るたびに俺は恋雪と約束した時のことを想い起こして奮起することができるんだ。本当に有難く思っている。」

 

「は、狛治さん/// そんな風に言われたら私・・・/// お出かけ前に少しだけでも・・・///」

 

「ま、待て!! すぐ出かける準備をしなければならない!! 今は急ぐからまた今度にしよう!!!」

 

「そんな・・・お預けなんて・・・残念です。」

 

 

危ない危ない。もう少しで恋雪がいつものように様変わりしてしまうところだった。何はともあれ落ち着いてくれたようで良かった。

 

俺は急いで自室へと戻り恋雪が仕立ててくれた普段着用の一張羅の長袖羽織に袖を通す。

 

正直この花菖蒲の柄を見ていると、俺も恋雪のことが恋しくて堪らなくなる。あの日、花火が打ち上がる日が鮮明に思い起こされるからだ。

 

俺は感慨にふけるも時間が圧していることに気づき、急いで玄関へと向かった。

 

そこでは既に恋雪が荷物を準備して待機していた。恋雪は最近完成したばかりの、水色に白の雪華紋の意匠が散りばめられた着物姿で佇んでいた。俺は不意に言葉が漏れる。

 

 

「綺麗だ・・・似合ってるよ恋雪。」

 

「は、狛治殿さん/// ううっ・・・やっぱり私・・・今一度屋敷で狛治さんと・・・///」

 

「ま、待て!! もう出かけないとまずい!! 急いで出発するからまた今度で!!」

 

 

俺は大慌てで恋雪が用意してくれた荷物一式を担いで玄関を出る。

 

 

「もう・・・じらしますね狛治さんは・・・でもふふっ、綺麗って言ってもらえて私嬉しいです・・・!」

 

 

恋雪は笑顔で俺の後ろを付いてくる。俺もそれを見て不意に頬が緩んだ。ああ、やっぱり俺は、恋雪の笑った顔が好きなんだと、改めてそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 




部下「ご報告に参りました。○○様。」
上司「例のものは見つかったか?」
部下「それが~(省略)~青い彼岸花は見つかりませんでした。」
上司「で?」
部下「○○様のご期待に応えられるよう尽力致します。御命令通り柱の一人は始末して参りましたのでご安心下さいますよう・・・」
上司「お前は何か思い違いをしているようだな、○○。」

このパワハラ上司は九歳のお館様少しは見習ってもろうて・・・

童磨の再登場についてどう思いますか?

  • 狛治がしっかり倒すのなら有
  • 原作通り生き残らせてほしい
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