狛治外伝 ~誰が為に振るわれる拳~   作:科学大好き人間

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長寿郎視点です。兄上VS縁壱スペック(6歳児ver.)です。勝負の行方や如何に。尚サブタイトル・・・(察し)


79話 憐れみ

「颯太!! 大丈夫か!? その顔はどうした!?」

 

「悪ぃ・・・先輩・・・あいつから無理矢理血を飲まされてからずっとクラクラしてて・・・」

 

「っ!! 上弦の血を飲んだ!? それは本当に大丈夫なのか!?」

 

 

俺は地面にうずくまる颯太を介抱しつつ、上弦の壱と向き合うさなえの後ろ姿を見ていた。

 

 

「まさか・・・今代でも痣の共鳴が起きていようとは・・・」

 

「共鳴?」

 

 

上弦の壱はさなえを前に顎を撫でる。

 

 

「かつて・・・鬼殺隊に生まれながらに痣を持つ者が一人居た・・・その者は当時の剣士たちに呼吸を教え・・・やがてその中で次々と痣を発現する者が現れた・・・」

 

「・・・」

 

「理屈は私もわかっていない・・・ただ痣を持つ者が一人現れると・・・共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる・・・私の代もそうだった・・・」

 

「私の代?」

 

 

さなえが疑問の声を上げる。俺も一瞬ピクリと反応した。まるで奴の口ぶりは、当時を目の当たりにしたかのような物言いだったからだ。

 

 

「ああ・・・古くは戦国の世だった・・・当時私は他の柱達とも・・・剣技を高め合っていた・・・」

 

「なっ!?」

 

 

俺は思わず声を上げてしまう。今の発言からしてこいつは・・・この男は・・・!!

 

 

「鬼狩り・・・それも柱だったんだ・・・戦国時代の・・・」

 

「ああ・・・当時貴様のような痣者は多くいた・・・だが・・・」

 

「皆死んじゃったんでしょ? それも短命で。」

 

 

不意にさなえが口を挟み、上弦の壱は沈黙する。そいつは驚いたように目を見開いていた。

 

 

「知って・・・いたのか・・・」

 

「お館様から二十五で死ぬって聞かされたから。ただそれで? どうして貴方は鬼になっているの? 貴方柱だったんでしょ? 鬼殺隊の柱にまでなった人がなんで鬼になってるの?」

 

「そこまでわかっているのなら・・・察しは・・・付くと思うが・・・」

 

「そう・・・そんなに長生きしたかったのね。仲間を裏切り醜い鬼になってまで。本当に憐れ。可哀そうな人。」

 

「なん・・・だと・・・」

 

 

さなえが憐れみを向けると、突如上弦の鬼から凄まじい鬼気が漏れ出した。空気が揺れる。周囲の建物が軋む。俺は思わず怖気が走った。

 

 

「命云々の・・・つまらぬ話をしたのではない・・・!」

 

「? 貴方は痣が発現した後、死にたくなかったから鬼になったんじゃないの?」

 

「違う・・・鬼となることで肉体の保存・・・技の保存ができるのだ・・・何故それがわからぬ・・・愚かな・・・やはり女子(おなご)(まこと)の剣士の気持ちはわからぬか・・・」

 

「なら教えてくれない? そうやって強さを求め続けて生きることに一体何の意味があるの? 今の貴方って家族も友人も恋人もいないんでしょ? 強くなったとして意味あるの? 強くなっても力の使い道なんてないでしょ? その力何のために使うの? どうして自分なんかの為にそんなに必死になれるの?」

 

「・・・貴様・・・っ!」

 

 

心なしか上弦の壱の怒気が更に強くなった気がした。しかしそれでもさなえの口上は続く。

 

 

「確かに不幸なことだと思う。必死に鬼と戦っていたのに突如短命の現実を突きつけられるなんて。

 私の師範もそうだった。師範は柱に成る程大勢の人を救った。貢献した。なのに痣を発現したせいで長生きできなくなってしまった。

 全ては生まれながらの痣者である私が傍に居たせいで、本来生きられるはずだった時間を私が師範から奪ってしまった。本当に心苦しい。」

 

するとさなえは一度そこで口を噤んだ。まるで堪えているかのように。しかしそう間を空けることなく彼女は再び口を開いた。

 

「けど師範はそれでも愛する人と一生懸命生きるから気にしないでと私に言ってくれた。残りの少ない時間を悔いなく生きるつもりだから後ろめたく思わないでとまで言ってくれた。師範の将来を奪ってしまった罪悪感で胸が一杯だった私はその言葉でとても救われた。

 でも貴方は師範とは違ったのね。その上鬼になるなんて。自分一人の為だけに生きるだけの独りよがりの人生。なんて憐れな人。私は貴方が不憫でならない。」

 

「待て・・・最後の言葉も聞き捨てならないが・・・お前は途中で何と言っていた?」

 

「え?」

 

 

不意に上弦の壱が問いを投げてくる。さなえもそれが驚きで思わず目を丸くする。

 

 

「・・・生まれながらの・・・痣者と・・・そう言ったのか・・・?」

 

 

何かを噛み締めるように、そう上弦鬼は確認を取ってくる。六つの目で奴はさなえを凝視していた。

 

 

「お前が・・・縁壱と同じ・・・生まれながらの痣者だと・・・?」

 

「縁壱?」

 

 

そこまで言い切り、やがて上弦の壱は徐々に肩を上下に動かし始めた。まさかとは思うが、あれは笑っているのか?

 

 

「妄言甚だしい・・・貴様のような小娘が縁壱と同格の存在など・・・よくもそのような大言壮語が言えたものだ・・・!!」

 

「いや、だから縁壱って誰? さっきから貴方何を言って・・・」

 

 

さなえが聞き返すや否や、突如剣が振るわれた。凄まじい金属音が闇夜に響き渡る。気が付けば上弦の壱はさなえに鍔迫り合いをしかけていた。

 

 

「この程度の矮小な肉体で・・・縁壱と同格だと・・・!? 笑止千万っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 弐ノ型 珠華の弄月ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい回数の斬撃。いや違う。凄まじい数の三日月状の攻撃がさなえを襲った。それは鎌鼬のように周囲を滞空し旋回している。あれが奴の血鬼術なのか!?

 

 

「長寿郎兄さん!! 颯太を連れてすぐに離れて!!」

 

「貴様・・・これを全て受けるか・・・だがこの程度で思い上がるな・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 参ノ型 厭忌月・鎖りー

 

 

 

 

 

 

 

 

すぐさま上弦の壱は次の型を繰り出す。目に留まらぬ速度の左右行き交う斬撃。加えて三日月状の付随する斬撃の血鬼術。

 

恐ろしいことに、あの鬼はタダでさえ強力な上弦の肉体で呼吸を使用している。加えて血鬼術を同時発動させている。あんな化け物と切り結べば、並みの柱など瞬時に絶命しても可笑しくない。そう思ったのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー花の呼吸 肆ノ型 紅花衣ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!」

 

 

さなえは上弦の壱の攻撃を全て紙一重で捌くか躱すかして、即座に上下捻り行き交う斬撃を放って斬りかかったのだ。その様子に上弦の壱も目を見開く。

 

 

「貴様・・・やはり私と同じ世界が・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に畳みかけるように九つの斬撃が花弁の如く軽やかに振るわれる。しかしその速度は柱の俺の目ですら追えない程。上弦の壱は受けきろうとしたが、結果複数箇所から血飛沫を上げて、そのまま後方へとたたらを踏みながら下がっていった。

 

すると奴は歯ぎしりしながら即座に納刀し、さなえに対し居合の構えを取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮ー

 

 

ー花の呼吸 陸ノ型 渦桃ー

 

 

 

 

 

 

 

 

信じられないものを見た。さなえは上下反転し上弦の壱の斬撃を躱しながら奴の背後に着地した。その瞬間、奴の頸が半ばから裂け鮮血が盛大に飛び散った。

 

 

「がはっ・・・!!!」

 

「硬い頸。まさか一撃で斬り落とせないなんて。」

 

「貴様っ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦ー

 

 

 

 

 

 

 

 

すると今度は刀の振りなしに上弦の壱の身体全体から血鬼術の斬撃が竜巻の様に放たれる。俺は即座に颯太を抱えて長屋へと非難しそのまま壁を突き破って奥の通りへと避難した。

 

 

「颯太!! 済まない!! 暫くの間ここで待機してくれ!! 俺はさなえの援護に向かう!!」

 

「や・・・やめといた方がいいぜ先輩・・・あんなの人間が割って入る戦いじゃねぇよ・・・寧ろ先輩くらいじゃ足手まといになるだけだ・・・」

 

「し、しかし・・・!!」

 

 

俺は言い返せなかった。なぜなら俺は上弦の壱とまともに切り結べばどうなるかを本能的に理解してしまっていたからだ。

 

しかしそれでも・・・さなえはたった一人のさやかの愛弟子!! それを見捨てて万全の俺が安全圏で待機などできるはずもなかった。

 

 

「颯太・・・例えそうだとしても・・・俺は・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 拾肆ノ型 兇変・天満纎月ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると今度は長屋の建物すら巻き込んだ血鬼術の奔流が台風の様に辺り一帯を薙ぎ払う。

 

俺は反射的に颯太を抱え更に距離を取っていたが、ふと嫌な予感がした。俺は倒壊し土煙が晴れる先に気配を感じ取り、すぐさまそちらに振り返った。

 

 

「ハア・・・ハア・・・」

 

「やはりそうか・・・貴様のその肉体・・・透かしてよく観察してみれば・・・必要な筋肉がまるで足らぬ・・・恐らく幼少期まともなものを口にしていなかったのだろう・・・道理で・・・上背も小さく四尺程しかない訳だ・・・」

 

 

俺の視線の先では隊服のあちこちを切り裂かれ静かに息を乱しているさなえが立っていた。

 

上弦の鬼も上半身の着物は切り裂かれたのか破り捨てたのか既に無く、上裸のままいくつもの刀を体から突き出した姿で立ち尽くしていた。そして何より目を引く六尺以上の大太刀。それが異様な殺気を帯びていた。

 

 

「貴様の強さ・・・確かに並みの上弦を遥かに凌駕するほどのもの・・・玉壺が瞬く間に敗れたのも納得がいく・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月ー

 

 

 

 

 

 

 

 

突如滝のような一切の逃げ場のない程の斬撃が大地に降り注ぐ。一瞬さなえの姿がぶれたかと思えば突如凄まじい金属音がした。

 

気が付けばさなえは倍近い上背がある上弦の壱に頭上から斬りかかっていた。しかしその一撃を奴は片手で大太刀を持ったまま軽々と受け止めていた。

 

 

「っ!!」

 

「確かに・・・尋常ではない速度だ・・・加えて透き通る世界も見えているため・・・反応速度も私以上・・・だが肝心な膂力は並みの柱と同等かそれよりも遥かに劣る・・・故に・・・受け止めることなど造作もない。」

 

 

すると、さなえは上弦の壱が大太刀を薙ぎ払うと同時にあっさり吹き飛ばされてしまった。加えて凄まじい数の血鬼術の斬撃をも浴びてしまう。

 

 

「ああっ!!」

 

「さなえっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ー

 

 

 

 

 

 

 

俺は反射で二人の間に割って入った。俺の横薙ぎ一閃は上弦の壱の喉元に入るかに見えた。だが・・・

 

 

「馬鹿な・・・!!」

 

 

俺の日輪刀は奴の指先で掴まれたまま静止していた。予想だにしない反応速度と握力。ミシリと嫌な手ごたえを感じた瞬間、俺の日輪刀は半ばでへし折られてしまった。

 

 

「炎の柱か・・・悪くはないが・・・あちらの小娘より遥かに劣る・・・」

 

「っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦ー

 

 

 

ー炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねりー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴は刀も振らずに先程見せた竜巻のような斬撃を予備動作なしで周囲にばら撒く。俺は迎撃の型で折れた日輪刀を旋回させ受けるが、その抵抗虚しく大小切り刻まれてしまう。

 

 

「がはっ!!!」

 

 

俺は血反吐を吐き膝を着く。倒れなかっただけマシではあるが、それでも一手で動けなくされてしまった。回復の呼吸を少しでも緩めれば、恐らく臓物がまろびでる。

 

 

「未熟だが・・・炎の柱は貴重故・・・鬼にするなら貴様だな・・・あっちの小娘は・・・少々私の癇に障り過ぎた・・・」

 

「ま・・・待て・・・!!」

 

 

奴は俺を無視してさなえの方へと歩み寄る。さなえも俺と同様に斬撃を受け、必死に止血を試みていた。

 

 

「お前は縁壱には遠く及ばない・・・もし裕福な家に生まれ・・・幼少期に充分な食事を摂っていたならば・・・健やかに育ち大成していたかもしれぬが・・・詮方無きこと・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 拾ノ型 穿面斬・蘿月ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夥しい数の斬撃を渦のようにまとった旋盤状の攻撃がさなえを粉々にしようと繰り出される。しかしさなえは紙一重で横跳びに回避する。しかしその動きに先ほどのような尋常ならざる速さは宿っていない。

 

 

「その程度で縁壱と同格の存在だと・・・? 笑わせる・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面ー

 

 

 

 

 

 

 

 

続けざまに浴びせるような斬撃の幕が打ち下ろされる。鮮血が飛び散るもさなえは必死に退避している様子だった。

 

 

「縁壱と比べるべくもない・・・まさに月と(すっぽん)・・・雲泥の差・・・比べることすら烏滸がましい・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必死に退避行動に移り距離を取ろうとするさなえ。しかし逃げた先で不意に膝から崩れ落ちる。

 

 

「貴様のような形だけの紛いもの・・・存在すること自体が不愉快極まりない・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映えー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さなえっ!!!!」

 

 

地を伝う斬撃がさなえに向かう。さなえは宙へと跳ねて避けようとするも、高さが足りなかったのか斬撃を受け鮮血が散る。

 

 

「あぁあああっ!!!!!」

 

「随分堪えたが・・・ここまで・・・」

 

 

 

土煙が晴れると、その先では血だまりの中、さなえが地に臥していた。加えてやや離れた場所にさなえの両足とみられる部位が転がっていた。

 

 

 

「そ・・・そんな・・・!!」

 

「身体が小さければ・・・その分少ない出血で動きも鈍り・・・やがて死に至る・・・もはや呼吸で止血する余力もないだろう・・・既に手遅れであろうな・・・」

 

 

上弦の壱はそう呟くと踵を返し、今度は俺の方へと歩み寄る。

 

 

「何故・・・止めを刺さないんだ・・・」

 

「言ったはずだ・・・既に手遅れだと・・・奴はあのまま死ぬまで放置する・・・楽に死なせるつもりは毛頭ない・・・」

 

「っ!! 鬼畜外道めっ・・・!!」

 

 

俺は思わず震える手で日輪刀を握りしめる。その瞬間パキリと柄から音がすると共に、刀身がじわじわと赤熱した。

 

 

「驚いた・・・痣者ですらないお前が・・・赫刀を使えるのか・・・私ですら終ぞ発現できなかったというのに・・・だが・・・」

 

「ハア・・・ハア・・・」

 

 

俺は息が乱れていた。酸欠なのか意識が消え入りそうになる。そのせいで呼吸による止血がおぼつかなくなってしまった。俺はか細い意識の中赫刀を振ろうとした。

 

 

「やめておけ・・・それ以上出血すればお前も死にかねない・・・すぐに鬼にしよう・・・人間は脆い・・・」

 

 

駄目だ。もう視界が狭窄し始めている。目の前の鬼にすら斬りかかれそうにない。こうなれば自身の日輪刀で喉を突くしかない。鬼になって生き永らえるくらいなら、今この場で果てた方が幾分マシだ。

 

さやか・・・済まない・・・非力な俺を許してくれ・・・俺はお前やお前の愛弟子すら守れない非力な男のようだ・・・

 

こんな取るに足らない俺が炎柱など・・・煉獄家の面汚しもいいところだ・・・母上すみません・・・先立つ不孝をお許しください・・・

 

俺はそう胸中で吐露をしながら、最後の力を振り絞り、日輪刀で自身の喉を突こうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー素流体術 脚式 飛遊星千輪ー

 

 

 

 

 

「がっ・・・!!??」

 

 

不意の凄まじい暴風と轟音。目を開けると上弦の壱は長屋の建物を突き破り遥か後方へと吹き飛ばされていた。加えて俺の眼前に人影が舞い降りる。

 

 

「長寿郎。気をしっかり持て。すぐに手当てする。」

 

「は・・・狛治・・・殿・・・」

 

 

すると彼は俺を介抱し、テキパキと傷の手当てをし始めた。加えて俺たちの背後から鱗滝殿と桑島殿が抜刀したまま現れる。

 

 

「俺達が来るまでよく(こら)えた。後は任せろ。」

 

 

狛治殿はそう優しく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




兄上・・・十三歳の女の子相手に本気出すなんてマジで大人げないっすよ・・・
そんなおいたが過ぎる兄上には、一児の父である狛治さんに灸を据えてもらうしかありませんね。
因みに筆者はお労しい兄上が大好きです。なので今話ではさなえちゃんに、次回以降では狛治に兄上が効きそうな口上を一杯してもらう予定です。え? なんでそんなことするのかだって? それは当然・・・その方が書いてて楽しいからですよ(暗黒微笑)。
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