【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート   作:バブ辻オギャン

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 読者の心の厨二病を疼かせてやるぜ。
 言ったでしょう、ネーミングセンスには自信があると(後書き長いので注意)。


27.VS童磨・前編

(ふーむ……あとちょっとで吸(・)わ(・)せ(・)ら(・)れ(・)る(・)所だったのになぁ)

 

 突然の乱入者。

 不穏分子を前にしても、上弦の弐――童磨は焦らず、次の一手を繰り出す。

 

「血鬼術 凍(い)て曇(ぐもり)」

 

 鋭い対の扇を再び振るい、並の人間を一瞬で凍死させるほどの冷気を放つ。

 その標的は当然、乱入者たる少女――花柳麗に向けたものではあるが、その直線上には、先ほど仕留め損ねたカナエがいる。

 ただ冷気を散らすだけならば、まだいい。

 

 だが童磨は『凍て曇』の中に『粉凍り』を仕込んでおり、それは未だ滞留を続けている。

 更に、それは通常の斬撃――日輪刀では打ち消せない程の微小なもの。

 

 このまま少女がこちらに向かうならば、それはそれでよし、迎撃をするだけだ。

 その間に、僅かな風の流れで運ばれた『凍て曇』が、カナエの肺胞を破壊する。

 だが――。

 

「星の呼吸――」

 

 コォォォォォ……と、長き時を生きる童磨ですら聞いた事のない、呼吸音による鳴動の予兆。

 少女の吐く息が白く、紅蓮の如き炎を象った。

 

「壱ノ型 輪舞(りんぶ)・連星(れんせい)」

 

 恒星を思わせる純白の斬撃が、麗の身体を囲うように何発も放たれる。

 冷気の本体、童磨が放った『凍て曇』はあっという間に空中に溶け、残るは目視では捉えられぬ、極小の『粉凍り』のみ。

 優(・)れ(・)た(・)視(・)力(・)を(・)持(・)っ(・)た(・)者(・)か、皮(・)膚(・)感(・)覚(・)が(・)鋭(・)い(・)者(・)でしか感じ取れないそれを、麗は見(・)た(・)。

 

 力の限り足掻き、藻掻いて辿り着く『境地』。

 視覚以外の、冷気に関する身体機能以外の全てを『閉じる』事による、極限の集中状態。

 

 ある拳法使いの鬼が見れば、その異変に気づいただろう。

 ある侍の鬼が見れば、その佇まいに思わず、数百年前の(赤い月の夜に見た)悪夢を想起しただろう。

 だがここにいるのは、あの神々の寵愛(継国縁壱)を知らぬ、感情のない悲しき鬼。

 ――故に、その違和感には気づけない。

 

「弐ノ型 夜摩熒惑(やまけいこく)」

 

 先ほどと同じ光景。

 それは童磨にとって――目の前の少女は、こちらの冷気を完全に見切っている事に他ならない。

 

(ふむ。見た事のない技、それに剣士……いいね、記録しておこう)

 

 目の前の少女は、自分が言うのも何だが、実に変わった髪色だ。

 自分は記憶力がいい、人間だった頃の記憶も鮮明だし、他の友人(鬼)たちと違って、精神が汚染されたような素振りもない。

 根本からは藍鼠色、しかし毛先にかけて赤色なんて不思議な髪、一度でも対峙したのなら、それなりに違和感を抱く筈。

 つまり、この『花柳麗』たる少女は童磨からしても完全初見。

 それに、見た事のない技と呼吸を使う、面白い存在ときた。

 

(あの技……さっき使ってた技(輪舞・連星)と同じように見えて違う……あ(・)の(・)子(・)の(・)周(・)り(・)だ(・)け(・)空(・)気(・)が(・)な(・)く(・)な(・)っ(・)て(・)た(・)……?どんな速度で刀を振ればそうなるのかなぁ?)

 

 かなり飛躍した対処法だが、実に理に適っていると言えるだろう。

 空中で滞留する『粉凍り』は小さすぎて、どう頑張っても『斬る』のは不可能。

 しかしだ。例え氷に変化しようとも、血鬼術も元は鬼の血なのだから、日輪刀による太陽の力は効きはする。

 

 ならばどうするか。

 ――答えは、予め大(・)量(・)の(・)斬(・)撃(・)を(・)置(・)い(・)て(・)お(・)い(・)て(・)、そ(・)こ(・)に(・)攻(・)撃(・)を(・)引(・)き(・)寄(・)せ(・)れ(・)ば(・)い(・)い(・)。

 

 不可能ではないだろう、実際水の呼吸の『ねじれ渦』や、霞の呼吸の『霞散の飛沫』も、目的こそ違えど、相手の攻撃を絡めとる用途で使われたりするのだから。

 だが、人間は鬼と違って、一撃でも喰らえば体力が一気に奪われるし、痛みで動きも鈍るのだ。

 それに、人間が鬼に唯一立ち向かえる方法は『全集中の呼吸』であって、即ち呼吸ができない真空状態は、何処からどう見ても自殺行為に他ならない。

 

 ――面白い。

 これは中々、滅多に見ない掘り出し物だ。

 

 そう童磨は笑う。

 

「面白いなぁ、君」

「…………」

 

 既に、刀(・)身(・)を(・)全(・)て(・)赫(・)色(・)に(・)染(・)め(・)上(・)げ(・)た(・)麗は何も返さない。

 あれだけの速度で動き、刀で真空を生み出すような、人間離れした技を披露しても尚、僅かな疲れの様子すら見せていない。

 じっと、童磨の両目に刻まれた文字を。

 『十二鬼月』の証明である『上弦』と『弐』の文字だけを、彼女は見――。

 

「……ん~?」

 

 ――違(・)う(・)。

 彼(・)女(・)が(・)見(・)て(・)い(・)る(・)の(・)は(・)、そ(・)こ(・)で(・)は(・)な(・)い(・)。

 

「君、さっきから何(・)処(・)を(・)見(・)て(・)る(・)の(・)?」

「――――」

 

 普段からよく、相手の様子を観察する童磨だからこそ気づけた。

 黒曜石のように深く、黒く輝く目が今、見ているものの正体。

 それは自分ではなく。それどころか彼女は、童(・)磨(・)の(・)事(・)を(・)見(・)て(・)い(・)な(・)い(・)。

 彼(・)女(・)が(・)見(・)て(・)い(・)る(・)の(・)は(・)、横(・)の(・)――。

 

「まぁいいや」

 

 血鬼術 枯園垂(かれそのしづ)り。

 そんな、覇気のない声とは裏腹に、生み出される破壊力は桁違い。

 素早く振るう扇から生み出される、湾曲した氷柱が、近(・)く(・)の(・)家(・)屋(・)を巻き込み、展開され――。

 

「星の呼吸――」

 

 ――るより前。

 童磨と家屋の間に割り込んだ麗は、すぐさま刀を両手で握り、身体を捩(・)じ(・)る(・)。

 その動作に、童磨は見覚えがあった。

 

 上半身と下半身の、激しい『ねじり』によって生み出す破壊力。

 

 『水の呼吸』の名に相応しい、水の中だからこそ威力を発揮できる技。

 多くの鬼狩りが使う呼吸だからこそ、鬼にとっては最も認知度の高く、故に対策も立てやすい呼吸の技。

 ――だが、違う。

 

 あの技(ねじれ渦)は、もっと緩(・)や(・)か(・)だった。

 

「捌ノ型――」

 

 目の前のそれは、人間の肉体の限界を超えた、雑巾を絞るが如き壮絶な『ねじれ』。

 しかし、それでも肉体を壊さない絶妙な角度調整と、元来の筋(・)肉(・)と(・)骨(・)の(・)強(・)度(・)で成せる力技。

 

 刀、腕、上半身から下半身。

 

 全ての『点』を繋げて加速。同時に脱力と、万(・)力(・)によって生み出されるのは。

 ――巨大な惑星の如き斬撃。

 

「回向塡星(えこうてんせい)」

 

 技が完成するよりも前に、早く叩き斬られた。

 割り込める身体速度、技の完成度も脅威ではあるが、何より。

 その駆け引きは、童磨にとってはある意味果報。

 

「……なるほどねぇ」

 

 それだけの速度を持って何故。

 どうして最初から――といった疑問。

 それらを解消する答えへの確信に至る。

 

「うんうん。間違いない、君とあの子(カナエ)の匂いで隠れていたけど、なるほどなるほど」

「……」

「ねぇねぇ、さっきなんで俺の頸を斬らなかったの?何(・)を(・)心(・)配(・)し(・)て(・)る(・)の(・)か(・)な(・)ぁ(・)?」

「……」

「つれないなぁ、沈黙は是と見ていいかな?」

 

 ――尤も、近づけば最後、薄く纏った『粉凍り』によって肺を壊されていたが。

 あくまでも、その事は告げずに、童磨はケラケラと笑いながら、麗の背後を見る。

 

「まぁいいや。こっちも都合がいいしね、ならもっと遊ぼうか」

 

 血鬼術 結晶(けっしょう)ノ御子(みこ)。

 童磨本人を象る小さな氷像が、五(・)体(・)。

 何(・)か(・)に(・)向(・)か(・)っ(・)て(・)駆(・)け(・)出(・)し(・)た(・)カ(・)ナ(・)エ(・)に(・)二体、残る三体は麗に集中。

 

「ついでにどーんっ」

 

 寒烈(かんれつ)の白姫(しらひめ)。

 凍(い)て曇(ぐもり)。

 散(ち)り蓮華(れんげ)。

 

 

 

 

 ――『結晶ノ御子』は、童磨の数ある血鬼術の中でも上位に位置するもの。

 その技の恐ろしい点、それは分身を出す事によって、童磨本体の性能が下がる事もなければ、分身が受けた攻撃が童磨に返ってくる事もない所だろう。

 何より、独立した『結晶ノ御子』には全員、視界を本体と共有する機能が搭載されている。

 

(情報は有益。向こうが技の出し惜しみをしないのなら、こっちもそれに乗ってあげよう)

 

 ――向こうが守(・)る(・)の(・)に(・)必(・)死(・)なら、これを有効活用しない手はない。

 ある意味、そ(・)れ(・)は鬼狩りであるが故の、人間性の弱点とも言えるものだが、それのおかげで『命拾い』したのだから、童磨に文句はない。

 

 寒烈の白姫による氷の吐息、凍て曇による超広範囲の冷気、散り蓮華による範囲凍結と斬撃。

 

 『柱』でも何でもない、一人の少女に向けるにはあまりにも過剰な技の波。

 上空の月まで届いたと錯覚する程の、圧倒的質量の冷気が、『結晶ノ御子』によって展開される。

 

 

 

 

 ――が。

 

 

 

 

「星の呼吸……」

 

 純白の炎が、まずは二体の『結晶ノ御子』が放った『凍て曇』と『寒烈の白姫』による吐息を散らす。

 まるで龍の鉤爪を思わせる、何十もの連続した斬撃。

 

「漆ノ型 星雨光芒(せいうこうぼう)」

 

 大量の冷気が宙に溶け、再び『粉凍り』の滞留が始まる。

 少しでも息を吸えば、そこから肺胞の壊死が始まる死の時間。

 ――だが、花柳麗は止まらない。

 

「伍ノ型――」

 

 『結晶ノ御子』の視界が捉えたのは一瞬。

 足を一歩踏み込んだ。そう認識した次の瞬間には、もう身体は刹那の間に三分割されており、分身が崩壊した。

 一発、三発。

 六発九発――十連撃の剣跡が、宙に純白の花を作り出す。

 

「明星(みょうじょう)・白蓮華(びゃくれんげ)」

 

 ――おかしい。

 

「もう一回お願いね~」

 

 壊れた傍から『結晶ノ御子』を出し続け、家(・)屋(・)を(・)巻(・)き(・)込(・)み(・)な(・)が(・)ら(・)攻撃を続ける命令を下す童磨。

 優れた観察眼と、視界共有によって複数の視点から見る、麗という少女の特異性に、呑気な声色とは裏腹に、疑問を胸中で燻らせていた。

 

(吸わないねぇさっきから……というか息(・)を(・)し(・)て(・)な(・)い(・)?まさか……)

 

 一撃、二撃。

 何かしらのコツを掴んだのか、もう『結晶ノ御子』を破壊するのに、麗は攻撃数をそう必要としなくなった。

 もはや一発で分身の頸を、そして体内にある『核』とも言うべき箇所を破壊されるようになってからは、もはや『結晶ノ御子』は使い捨ての駒が如き扱いだ。

 今まででは考えられない事態。

 より一層湧く情報収集の意欲と共に、童磨は観察と考察を続ける。

 

(うーん……隙あらばあの子(カナエ)の周りにある『粉凍り』も処理しちゃうし、嫌になってきちゃうなぁ。と言うかやっぱり息してないよね?あ、今したけど……えぇ……?えぇぇ……??)

 

 もはや単純作業と化した『結晶ノ御子』の錬成を続けながら、童磨は内心でドン引きする。

 

(なにこの子……どうしてそんな長く息を止めて動けるの?普通、息を激しくして身体を強くするものでしょ?なのに何で身体能力が落ちてないのかな?)

 

 『全集中・常中』なる技術も、あれはあくまでも長い間『全集中の呼吸を使う』ものの筈だ。

 息をするから人間は生きる。特殊な呼吸を使うからこそ、鬼狩りは鬼に匹敵する身体能力を手に入れられる。

 ならば必然的に、息をしていない間は、『身体を強くする呼吸ができない』筈なのだ。

 

 しかしこの少女はどうだ?

 さっきから、長時間息を止める行為を何度も続けているというのに、一向に身体能力が落ちていない。

 

 それどころか、辺りに漂う冷気のせいで体温を奪われ、持久力も大幅に下がる筈なのに、この少女は一向に顔色を変えない。

 カナエに至っては、『凍て曇』のような大規模な冷気を向けていないのにも拘わらず、寒さで身体を震えさせているというのにだ。

 

(基(・)礎(・)体(・)温(・)が(・)高(・)い(・)?にしても限度があるしなぁ……呼吸に関しては……何だろう、分からないなぁ。……うーん、やっぱり『結晶ノ御子』を用意して良かったよ)

 

 カナエも麗も、童磨の嗜好のど真ん中を貫く美少女だ。

 何より、童磨は『万世極楽教』の教祖でもある為、二重の意味で彼女たちが好ましい。

 女は男より栄養がある、しかも一方は『柱』であり、もう片方はそれすら超える『逸材』でもある。

 もし喰らえば、今まで喰って救ってきた女たちの倍……いや、数百倍は価値がある。

 ――しかし。

 

(焦らない焦らない。欲を優先しすぎると駄目だぜ童磨。冷静に冷静に……)

 

 体(・)内(・)に(・)冷(・)気(・)を(・)溜(・)め(・)続(・)け(・)な(・)が(・)ら(・)、童磨は笑った。

 

(長い時を生きてきたけど、まさか自分の命を賭(・)け(・)に使う機会が来るとはねぇ。いやぁやっぱり長生きはするものだよ)

 

 血鬼術 蔓蓮華(つるれんげ)。

 

「ほうら麗(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)、次はこっちだよ~」

「…………」

 

 氷の蔓が宙を滑るように加速し、麗を無視して背後に向かう。

 

 その間、童磨は無防備。 

 ――本来であれば、それはあまりにも大きな隙。

 

 麗の実力なら、斬れる。

 一歩踏み込み、跳躍して頸を切断して、それで全てが終わる。

 ――筈だった。

 

「――させない」

 

 だが、麗は背(・)後(・)に(・)跳(・)ん(・)だ(・)。

 無防備な、しかし過剰に冷気を溜め込んだ童磨を無視して、麗は向かう。

 ――家屋と『蔓蓮華』の間に降り立ち、何かを守るように。

 

「星の呼吸――」

 

 鎌首をもたげた蔓を一閃。

 その隙を狙った別の蔓、カナエと対峙する『結晶ノ御子』がよこしたもう一本の『蔓蓮華』が麗に襲い掛かる。

 蔓が、麗の身体と衝突――。

 

「陸ノ型 燐光(りんこう)」

 

 する事はなく。

 麗の身体が、まるで蜃気楼のように溶けて、消えた次の瞬間。

 上空。蔓の背後にて宙返りを果たした麗が、再び横薙ぎの一撃を繰り出した。

 

「肆ノ型 星河(せいが)の絢(けん)」

 

 夜明けまで、あと――。




 壱 輪舞(りんぶ)。
身体を一周する円を描くような斬撃。


 弐 夜摩熒惑(やまけいこく)。
刀を両腕で握り、回転させることで真空を生み出す。


 参 雅星彩(みやびせいさい)。
小細工のない全力の突進と突き。


 肆 星河(せいが)の絢(けん)。
斬り上げと共に跳躍し、波状攻撃を空中で行う。


 伍 明星(みょうじょう)・白蓮華(びゃくれんげ)。
特殊な足運びによる花を象るような斬撃を十発放つ。


 陸 燐光(りんこう)。
特殊な身体の捻りにより刀身が消える(身体を消して回避にも使える)。


 漆 星雨光芒(せいうこうぼう)。
鉤爪のような斬撃を雨のように複数打ち込む。


 捌 回向塡星(えこうてんせい)。
上半身と下半身の激しい『ねじり』により巨大な面の斬撃を放つ。


 玖 羅睺重々(らごじゅうじゅう)。
×字形の二つの斬撃(太陽の赤と月の紫)を放ちながら、前方に突進する技。


 拾・?????(???????)。
ヤベーイ!スゲーイ!モノスゲーイ!

主人公の将来的な身長はどれがいいか

  • 166cm
  • 172cm
  • 184cm
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