【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート 作:バブ辻オギャン
言ったでしょう、ネーミングセンスには自信があると(後書き長いので注意)。
(ふーむ……あとちょっとで
突然の乱入者。
不穏分子を前にしても、上弦の弐――童磨は焦らず、次の一手を繰り出す。
「血鬼術
鋭い対の扇を再び振るい、並の人間を一瞬で凍死させるほどの冷気を放つ。
その標的は当然、乱入者たる少女――花柳麗に向けたものではあるが、その直線上には、先ほど仕留め損ねたカナエがいる。
ただ冷気を散らすだけならば、まだいい。
だが童磨は『凍て曇』の中に『粉凍り』を仕込んでおり、それは未だ滞留を続けている。
更に、それは通常の斬撃――日輪刀では打ち消せない程の微小なもの。
このまま少女がこちらに向かうならば、それはそれでよし、迎撃をするだけだ。
その間に、僅かな風の流れで運ばれた『凍て曇』が、カナエの肺胞を破壊する。
だが――。
「星の呼吸――」
コォォォォォ……と、長き時を生きる童磨ですら聞いた事のない、呼吸音による鳴動の予兆。
少女の吐く息が白く、紅蓮の如き炎を象った。
「壱ノ型
恒星を思わせる純白の斬撃が、麗の身体を囲うように何発も放たれる。
冷気の本体、童磨が放った『凍て曇』はあっという間に空中に溶け、残るは目視では捉えられぬ、極小の『粉凍り』のみ。
力の限り足掻き、藻掻いて辿り着く『境地』。
視覚以外の、冷気に関する身体機能以外の全てを『閉じる』事による、極限の集中状態。
ある拳法使いの鬼が見れば、その異変に気づいただろう。
ある侍の鬼が見れば、その佇まいに思わず、
だがここにいるのは、あの
――故に、その違和感には気づけない。
「弐ノ型
先ほどと同じ光景。
それは童磨にとって――目の前の少女は、こちらの冷気を完全に見切っている事に他ならない。
(ふむ。見た事のない技、それに剣士……いいね、記録しておこう)
目の前の少女は、自分が言うのも何だが、実に変わった髪色だ。
自分は記憶力がいい、人間だった頃の記憶も鮮明だし、他の
根本からは藍鼠色、しかし毛先にかけて赤色なんて不思議な髪、一度でも対峙したのなら、それなりに違和感を抱く筈。
つまり、この『花柳麗』たる少女は童磨からしても完全初見。
それに、見た事のない技と呼吸を使う、面白い存在ときた。
(あの技……
かなり飛躍した対処法だが、実に理に適っていると言えるだろう。
空中で滞留する『粉凍り』は小さすぎて、どう頑張っても『斬る』のは不可能。
しかしだ。例え氷に変化しようとも、血鬼術も元は鬼の血なのだから、日輪刀による太陽の力は効きはする。
ならばどうするか。
――答えは、予め
不可能ではないだろう、実際水の呼吸の『ねじれ渦』や、霞の呼吸の『霞散の飛沫』も、目的こそ違えど、相手の攻撃を絡めとる用途で使われたりするのだから。
だが、人間は鬼と違って、一撃でも喰らえば体力が一気に奪われるし、痛みで動きも鈍るのだ。
それに、人間が鬼に唯一立ち向かえる方法は『全集中の呼吸』であって、即ち呼吸ができない真空状態は、何処からどう見ても自殺行為に他ならない。
――面白い。
これは中々、滅多に見ない掘り出し物だ。
そう童磨は笑う。
「面白いなぁ、君」
「…………」
既に、
あれだけの速度で動き、刀で真空を生み出すような、人間離れした技を披露しても尚、僅かな疲れの様子すら見せていない。
じっと、童磨の両目に刻まれた文字を。
『十二鬼月』の証明である『上弦』と『弐』の文字だけを、彼女は見――。
「……ん~?」
――
「君、さっきから
「――――」
普段からよく、相手の様子を観察する童磨だからこそ気づけた。
黒曜石のように深く、黒く輝く目が今、見ているものの正体。
それは自分ではなく。それどころか彼女は、
「まぁいいや」
血鬼術
そんな、覇気のない声とは裏腹に、生み出される破壊力は桁違い。
素早く振るう扇から生み出される、湾曲した氷柱が、
「星の呼吸――」
――るより前。
童磨と家屋の間に割り込んだ麗は、すぐさま刀を両手で握り、身体を
その動作に、童磨は見覚えがあった。
上半身と下半身の、激しい『ねじり』によって生み出す破壊力。
『水の呼吸』の名に相応しい、水の中だからこそ威力を発揮できる技。
多くの鬼狩りが使う呼吸だからこそ、鬼にとっては最も認知度の高く、故に対策も立てやすい呼吸の技。
――だが、違う。
「捌ノ型――」
目の前のそれは、人間の肉体の限界を超えた、雑巾を絞るが如き壮絶な『ねじれ』。
しかし、それでも肉体を壊さない絶妙な角度調整と、元来の
刀、腕、上半身から下半身。
全ての『点』を繋げて加速。同時に脱力と、
――巨大な惑星の如き斬撃。
「
技が完成するよりも前に、早く叩き斬られた。
割り込める身体速度、技の完成度も脅威ではあるが、何より。
その駆け引きは、童磨にとってはある意味果報。
「……なるほどねぇ」
それだけの速度を持って何故。
どうして最初から――といった疑問。
それらを解消する答えへの確信に至る。
「うんうん。間違いない、君と
「……」
「ねぇねぇ、さっきなんで俺の頸を斬らなかったの?
「……」
「つれないなぁ、沈黙は是と見ていいかな?」
――尤も、近づけば最後、薄く纏った『粉凍り』によって肺を壊されていたが。
あくまでも、その事は告げずに、童磨はケラケラと笑いながら、麗の背後を見る。
「まぁいいや。こっちも都合がいいしね、ならもっと遊ぼうか」
血鬼術
童磨本人を象る小さな氷像が、
「ついでにどーんっ」
――『結晶ノ御子』は、童磨の数ある血鬼術の中でも上位に位置するもの。
その技の恐ろしい点、それは分身を出す事によって、童磨本体の性能が下がる事もなければ、分身が受けた攻撃が童磨に返ってくる事もない所だろう。
何より、独立した『結晶ノ御子』には全員、視界を本体と共有する機能が搭載されている。
(情報は有益。向こうが技の出し惜しみをしないのなら、こっちもそれに乗ってあげよう)
――向こうが
ある意味、
寒烈の白姫による氷の吐息、凍て曇による超広範囲の冷気、散り蓮華による範囲凍結と斬撃。
『柱』でも何でもない、一人の少女に向けるにはあまりにも過剰な技の波。
上空の月まで届いたと錯覚する程の、圧倒的質量の冷気が、『結晶ノ御子』によって展開される。
――が。
「星の呼吸……」
純白の炎が、まずは二体の『結晶ノ御子』が放った『凍て曇』と『寒烈の白姫』による吐息を散らす。
まるで龍の鉤爪を思わせる、何十もの連続した斬撃。
「漆ノ型
大量の冷気が宙に溶け、再び『粉凍り』の滞留が始まる。
少しでも息を吸えば、そこから肺胞の壊死が始まる死の時間。
――だが、花柳麗は止まらない。
「伍ノ型――」
『結晶ノ御子』の視界が捉えたのは一瞬。
足を一歩踏み込んだ。そう認識した次の瞬間には、もう身体は刹那の間に三分割されており、分身が崩壊した。
一発、三発。
六発九発――十連撃の剣跡が、宙に純白の花を作り出す。
「
――おかしい。
「もう一回お願いね~」
壊れた傍から『結晶ノ御子』を出し続け、
優れた観察眼と、視界共有によって複数の視点から見る、麗という少女の特異性に、呑気な声色とは裏腹に、疑問を胸中で燻らせていた。
(吸わないねぇさっきから……というか
一撃、二撃。
何かしらのコツを掴んだのか、もう『結晶ノ御子』を破壊するのに、麗は攻撃数をそう必要としなくなった。
もはや一発で分身の頸を、そして体内にある『核』とも言うべき箇所を破壊されるようになってからは、もはや『結晶ノ御子』は使い捨ての駒が如き扱いだ。
今まででは考えられない事態。
より一層湧く情報収集の意欲と共に、童磨は観察と考察を続ける。
(うーん……隙あらば
もはや単純作業と化した『結晶ノ御子』の錬成を続けながら、童磨は内心でドン引きする。
(なにこの子……どうしてそんな長く息を止めて動けるの?普通、息を激しくして身体を強くするものでしょ?なのに何で身体能力が落ちてないのかな?)
『全集中・常中』なる技術も、あれはあくまでも長い間『全集中の呼吸を使う』ものの筈だ。
息をするから人間は生きる。特殊な呼吸を使うからこそ、鬼狩りは鬼に匹敵する身体能力を手に入れられる。
ならば必然的に、息をしていない間は、『身体を強くする呼吸ができない』筈なのだ。
しかしこの少女はどうだ?
さっきから、長時間息を止める行為を何度も続けているというのに、一向に身体能力が落ちていない。
それどころか、辺りに漂う冷気のせいで体温を奪われ、持久力も大幅に下がる筈なのに、この少女は一向に顔色を変えない。
カナエに至っては、『凍て曇』のような大規模な冷気を向けていないのにも拘わらず、寒さで身体を震えさせているというのにだ。
(
カナエも麗も、童磨の嗜好のど真ん中を貫く美少女だ。
何より、童磨は『万世極楽教』の教祖でもある為、二重の意味で彼女たちが好ましい。
女は男より栄養がある、しかも一方は『柱』であり、もう片方はそれすら超える『逸材』でもある。
もし喰らえば、今まで喰って救ってきた女たちの倍……いや、数百倍は価値がある。
――しかし。
(焦らない焦らない。欲を優先しすぎると駄目だぜ童磨。冷静に冷静に……)
(長い時を生きてきたけど、まさか自分の命を
血鬼術
「ほうら
「…………」
氷の蔓が宙を滑るように加速し、麗を無視して背後に向かう。
その間、童磨は無防備。
――本来であれば、それはあまりにも大きな隙。
麗の実力なら、斬れる。
一歩踏み込み、跳躍して頸を切断して、それで全てが終わる。
――筈だった。
「――させない」
だが、麗は
無防備な、しかし過剰に冷気を溜め込んだ童磨を無視して、麗は向かう。
――家屋と『蔓蓮華』の間に降り立ち、何かを守るように。
「星の呼吸――」
鎌首をもたげた蔓を一閃。
その隙を狙った別の蔓、カナエと対峙する『結晶ノ御子』がよこしたもう一本の『蔓蓮華』が麗に襲い掛かる。
蔓が、麗の身体と衝突――。
「陸ノ型
する事はなく。
麗の身体が、まるで蜃気楼のように溶けて、消えた次の瞬間。
上空。蔓の背後にて宙返りを果たした麗が、再び横薙ぎの一撃を繰り出した。
「肆ノ型
夜明けまで、あと――。
壱・
身体を一周する円を描くような斬撃。
弐・
刀を両腕で握り、ぐるりと回転させることで真空を生み出す。
参・
小細工のない全力の突進と突き。
肆・
斬り上げと共に跳躍し、後回転斬りと宙返り背面斬りの二つを同時に行う。
伍・
特殊な足運びによる花を象るような斬撃を十発放つ。
陸・
特殊な身体の捻りにより刀身が消える(身体を消して回避にも使える)。
漆・
鉤爪のような斬撃を雨のように複数打ち込む(空中でも使える)。
捌・
上半身と下半身の激しい『ねじり』による、空に円を描くような斬撃を放つ。
玖・
『✕』を刻む形の二つの斬撃(太陽の赤と月の紫)を放ちながら、前方に突進する技。
拾・
ヤベーイ!スゲーイ!モノスゲーイ!
主人公の将来的な身長はどれがいいか
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166cm
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172cm
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184cm