【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート   作:バブ辻オギャン

52 / 61
 イチャイチャが足りん。


52.無限列車編に備えて〜

 全国のボッさぁあんに今日の切り札(ガバ)をお届けするっスよォ!!

 なRTA、はーじまーるよー!

 

 前回は突撃!隣の我妻善逸(怯え)をした所ですね。

 後はそのまま善逸を連れて来る……うーんこれは自然文明な流れ。

 

「わぶっ……」

 

 ・時間経過、薬湯の入った湯呑をしのぶの頭にこつんと当てる。

 

 あ、勝ちましたね(知ってた)。

 

「……やはり強いですね、花柳さん」

「しのぶも。着実に前より成長してる」

 

 ・世辞ではなく、本当にそう思う。

 ・前よりも集中力が伸びていたし、バテるのも遅い。心技体全ての持久力が上がっている。

 

 やはり……天才か。

 

 ・周りが騒がしい……

 ・観察していた炭治郎だけじゃない、僕たちの反射訓練は想像よりも大きな音を立ててしまっていたのだろう。

 ・炭治郎よりも小さい三人の女の子、それにアオイと……

 

「やっほー、麗」

 

 ・……真菰?

 

 アイエエエ!?マコモ!?マコモナンデ!?

 

「真菰、遅れてくるんじゃなかったっけ」

「その筈だけど、麗の方が結果として遅れてるよね。なんでかな」

「……あぁ、そういう」

 

 裏山へ寄り道しに行ったからですねクォレハ……

 麗ちゃんも原因にすぐ気づいたようで、何とも言えない顔をしてます。

 というか後ろから麗ちゃんに抱き着く真菰ちゃん可愛いうらやま。

 

「じゃあ炭治郎、訓練頑張ってね~」

「は、はい!」

「行こ、麗」

 

 ・真菰に手を引っ張られて外に出る。

 ・彼らの訓練が終わるまで……大体十数分くらいだろうか?それまで外で待ってるつもりらしい。

 

「どうだった?麗」

「何が?」

「炭治郎の事、話してみたんでしょ?」

「……うん、悪い子じゃなかったよ」

「すっごくいい子だったでしょ?」

「…………そうだね」

 

 ・うん、真菰の言う通りだ。

 ・裁判の前、勝手な想像で作った哀れな子供なんてどこにもいない。あの子は……強い子だ。

 

「裁判の時、少し意地悪しちゃったから。後で謝ろうと思ってて」

「……そっか」

「ちゃんと、これから見ようって決めたから」

 

 ・無言で頭を撫でられた。

 

 あら^〜

 

「……真菰?」

「麗、本当に変わったね」

 

 ・そう言う真菰の顔は、今日一番に綻んだものだった。

 

「いつの間にか、背丈も私より大きくなって」

「……」

「強くなって、皆から慕われて。でも、私はそんな事より、今の麗の言葉が一番嬉しい」

 

 ・……そうだろうか?

 

「……僕が裁判の時、炭治郎に厳しく接したのは君の事があったから」

 

 ・僕は、真菰が思う程の人間じゃない。

 

「……それで?」

「君が、竈門禰豆子の責任を背負うって、腹を切るって聞いて余計、それが強くなったんだ。……違うんだよ、僕はあの時『柱』としてじゃなくて、私怨を持ち込んだんだ」

「…………」

 

 ・もうその事はあの日、義勇さんと三人で鮭大根を食べに行った日に吐露した筈だ。

 ・もう割り切った、過去の事。

 ・その筈なのに。

 

「それの何がいけないの?」

「…………真菰?」

「何もおかしくないし間違ってない。だってそれって、『人間』として当たり前の感情じゃない?」

「…………」

「言ったでしょ?私は今の麗の言葉が嬉しいって」

 

 ・まるで子供をあやすかのように、真菰は僕の頭を撫でる。

 ・僕はもう二十歳で……いや、年齢は物差しにならないな。実際彼女の言う通り、僕は僕の事を何も理解できてない。

 ・子供扱いも妥当だろう。それに……彼女に撫でられるのは、嫌いじゃない。

 

「麗、君は確かに特別。人をたくさん救える力、人を強くできる力を生まれつき持ってる」

「……」

「昔、君が『柱』になった後も同じような事言ったっけ?でも、だからこそ何度でも、何回でも、私は言うよ」

「真菰」

「……『特別』は、自分を『不幸』にする為の理由じゃない」

 

 ・…………

 

「……ごめん」

「だから謝らなくていいんだって、麗は何も悪くないじゃん」

「そうじゃなくて、僕は何回も君の言葉に救われて、なのにまた間違えそうになって」

「間違えるのが当たり前。心って、そういうものでしょ?」

 

 ・……そうなのかな。

 

「……真菰、今から我儘を言ってもいい?」

「なぁに?麗」

「こうやってまた慰めてくれても。僕は多分……またいつか、間違えそうになるかもしれない」

「……うん」

「一度言われた事、教えてくれた事。それをまた忘れちゃうかもしれないし、覚えていても、実践できずに間違えるかもしれない」

「うん」

 

 ・でも。

 

「それでも。……いつ間違えても大丈夫なように、僕の事を見ていて欲しい」

「当たり前でしょ」

 

 ・小さくて柔らかい彼女の手が、僕の手を包み込む。

 

「最終選別のあの日、私を助けてくれたあの瞬間から、私はあなたが大切なの」

 

 ・僕を見上げるその目は、あの日見た時と変わらない。

 

「私を助けてくれたあなた。誰よりも強くて、誰よりも優しいあなたを、私は助け続けたいから」

 

 ・綺麗な目だった。

 

 すぅ〜〜っ…………(貯め)

 はぁ〜〜〜〜(まだ貯め)

 最高っす!

 

「……ありがとう」

 

 ・やっぱり真菰は凄い。

 ・ただ強いだけの僕とは違って、彼女には誰かを癒す力がある。

 ・本当に、凄い。

 

「僕もいつか、君みたいに誰かを癒せるかな」

「……できるよ、絶対」

「……だといいな」

 

 肉体的強さに限らない人の救い方……

 道のりは長いでしょうが、心配はいりません、

 

 麗ちゃんなら大丈夫でしょう!何せ投稿者の娘ですからね(過言)。

 

 という訳で今回はここまで、ご視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 機能回復訓練開始から十四日後。

 今日も『常中』の習得の為に、浅く深く、全集中の呼吸を続けている時。

 

「…………ん?」

 

 視界という情報から意識を切り離し、その分()()()()()を他に使う。

 瞑想は集中力が上がる。『育手』である鱗滝左近次からの教えを胸に、今夜も炭治郎は呼吸を、肺を強くしていた。

 だが視覚が閉じられた分、常人より優れている炭治郎の嗅覚はより強化され、その『匂い』を感じ取った。

 

「真菰さんの匂い……?」

 

 かつて狭霧山で修行をしていた際、自分を鍛えてくれた姉弟子の匂い。

 だがそれだけではない。

 炭治郎が感じ取った匂いは、真菰のとは別の、そして既に知った誰かの匂い――。

 

「………………」

 

 何をしているのだろう。

 気になるのは確かだが、だからと言ってすぐに向かおうとは思えなかった。

 自分の階級はまだ『(みずのと)』で、直球に言えば一番下。

 それに比べ、真菰の立ち位置とは『(はり)』であり、将来的に『柱』に昇格する事がほぼ確定している、未来ある者。

 だからこそ、炭治郎は真菰の事を尊敬しているし、彼女のしごき(死ぬ程鍛える)にも耐えきった。

 もし、今は何か大切な用事の最中だと言うのなら――。

 その懸念が、炭治郎の行動を妨げていた。

 

(でも…………)

 

 だが、しかし。

 

(こんなに幸せそうな匂いがするなんて)

 

 日に照らされた野草のような。

 ずっとここにいたい、ずっと見ていたいと思わせる。そんな温かい匂いがした。

 それはかつて、自分も放っていたものかもしれない。

 全てを奪われる前、裕福でなくとも、間違いなく満たされていた、あの小さな家。

 たくさんの妹や弟。そして父と母との思い出があった頃の――。

 

「……――――」

 

 気づけば、身体が勝手に動いていた。

 浅く、ゆっくりと『常中』の練習は続けつつも、炭治郎は屋敷の何処かにいるであろう、姉弟子の下へ歩き出す。

 

「――――ぁ」

 

 そして、目が合った。

 

「炭治郎、どうしたの?」

 

 屋敷の中庭を見ていた真菰は、縁側に腰かけながら笑いかける。

 

「…………えっと」

 

 言葉に困った。

 炭治郎は素直だ。

 嘘をつくのも一苦労(そもそも相手にバレる)だし、それに今回は理由が理由。

 自分でも、今どうしてこの場に来たのかは分からない。

 幸せそうな匂いに釣られてやって来た。……は、相手を納得させる理由としては足りないだろう。

 

「もしかして、訓練の邪魔だった?」

「いえ!そんな事は……」

 

 とんでもない、寧ろ勝手な理由で瞑想を中断したのは自分だ。悪いのはこっちだ。

 慌てて否定する炭治郎だったが、『しー』と、真菰が人差し指を立て、自分の口の前に持って来て。

 

「ごめん、静かにね」

「え?あ……はい」

 

 夜だから、というのもあるだろう。

 だが一番の理由は、真菰が今膝の上に置いてあるものだと、炭治郎もすぐに分かった。

 藍鼠色の髪。

 真菰の膝を枕代わりに、その者はぐっすりと眠っていた。

 

「麗がね、さっきようやく寝たの」

 

 煌柱・花柳麗。

 ある時期から、炭治郎を含めた多くの隊士の回復訓練を見守っている女性だった。

 あの、全てを見通すような目。

 炭治郎自身、黒く輝く目を持ってはいるが、麗の目に比べれば、まだ温かみがあるものであり。

 『赫灼の子』由縁の赤色が混じる黒目。――それとは違う、黒曜石のように黒一色で染まった目。

 それが、今は見る影もない。

 

「……寝てますね」

 

 意味もなく、そんな言葉しか出てこなかった。

 炭治郎が彼女と出会ったのは、かつての柱合会議前に起こった裁判で、互いの第一印象は決して良いとは言えない。

 だが、実際に相対し、会話をすれば多くの事が分かった。

 少なくとも麗は、炭治郎が生まれて初めて出会った種類の女性であるという事。

 真菰のようでも、しのぶやカナエのようでもない。

 当然、記憶の中の母や山の麓で知り合ったような女性にも当てはまらない。

 

「麗はね、凄く優しい人なんだ」

 

 眠る麗の頭を撫でながら、真菰は言った。

 喜び、好意、憂い等。

 自分に向けたもの、自分ではない何かに向けた感情、それらが複雑に絡み合って、言葉と共に表層に出る。

 

「炭治郎」

 

 今まで自分に見せた。

 どこか掴みどころのない、ふわふわとした気配や視線ではなく。

 こちらを射抜くような、剣呑な気配すらある、真菰の目。

 炭治郎は思わず身構える。

 

「君にも、どうかこの人の事を。ちゃんと『見て』あげて欲しいんだ」

「――――」

 

 『ちゃんと、君を見るって決めたから』。

 機能回復訓練で初めて出会い、そして自分に向けて言った言葉。

 あの時はよく分からず、ただ『柱合会議』が終わり、一つのわだかまりが消えたから。

 知り合いだった真菰を通じて、鬼に変わってしまった妹を、別の見方で捉えてくれたから……なんて、そう思ってしまった。

 

「……分かってます」

 

 優れた聴覚を持った善逸が。

 触覚をもった伊之助が例外で、本来はあの日、裁判で向けられた敵意や疑惑こそが、鬼殺隊としてあるべきものだと炭治郎は分かった。

 皆が残された側で、鬼に全てを奪われた。

 鬼を『可哀想』だと、だから救いたいのだと――そう語ってくれた花柱・胡蝶カナエとの出会い。

 それは炭治郎に、新たな視点を与えてくれた。

 

 禰豆子、珠世。

 

 自分があの日見た、出会った変化は全てが例外であり。

 本来はもっと、もっと残酷な変化が当たり前であると――知れたのだ。

 

「俺も、あなた達の優しさに応えてみせます」

「…………そっか」

 

 真菰は笑った。

 

「ありがとう、炭治郎」

 

 月光に照らされた真菰の笑み。

 それは、本当に美しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数週間と少し後。

 竈門炭治郎は、無限列車に乗り込む。

 

 ――粛々と。

 

 鬼殺隊の歴史に残る出来事が。

 静かに始まろうとしていた。




 次回、無限列車編ダイジェスト。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。