【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート 作:バブ辻オギャン
貧しくも恨み無きは難し。地上に居るからって僻まない事ね。
近づくとあぶないぜ!今の私は虫の居所が悪いんだ!なRTA、はーじまーるよー!
有一郎くんとの友好度も深め、無限列車から二ヶ月と少しが経ちました。
とっくに前線復帰を果たした煉獄さんとは違い、まだギリギリ骨が治り切っていないので、彼はまだ蝶屋敷で療養中。
伊黒さんとの友好度も今のうちに稼ぎたいところですが……まずは現状確認。
縁側で茶を啜っている可愛い子がいますね?
そうです麗ちゃんです。
夜の警邏まで余裕があるので、こうして茶屋でリラックスしています。可愛いね。
さて、無限列車で魘夢さんがナレ死をかましてから『遊郭編』が始まるまでに四ヶ月の空白があります。
四ヶ月。
これが短いか長いかは個人によりけりですが……論点はそこではないので除外。
まず麗ちゃんは『煌柱』です、柱である以上他隊士と違って友好度イベントや訓練イベントの起こりやすさが全然です。
有一郎くんのあれだって彼が『月柱』になれていたから起こせたものですし、従来通り彼が風か霞にでも目覚めていたらこう上手くはいかなかったでしょう。
それらを踏まえ、絶対に起こしたいキャラクターの友好度イベントとは?になるのですが……
まず炭治郎はほぼ確定。
積極的に狙わずとも特にデメリットはないのですが、メリットの方がでかいので話は終わり(乙骨憂太)。
次に伊之助ですね。
彼の対戦相手は基本原作通りな今回のチャートですと、ほぼほぼ童磨が終盤に出てきます。
後は言わんでも分かるやろ?死ぬ(詠唱破棄)。
カナヲちゃんは最低限でいいです、というか蝶屋敷での有一郎くんイベントを狙ってれば勝手にメキメキとフラグが立っていくので。
だからあの時有一郎くんを選ぶ必要があったんですね(メガトンコイン)。
ただでさえ麗ちゃんが童磨と上手くやり合う&猗窩座殿が煉獄さんを殺せなかったのもあって、無惨様もある程度は振りまく血の量を増やしていてもおかしくありません。
それを見事にやらかし爆絶強化された鬼ぃちゃん&遊郭に乱入してきた童磨で投稿者は負けました(N敗)。
と、ここで時間が変わり夜へ。
・■■街に鬼の目撃情報あり、その報告を受けて夜を歩く。
・たとえ人に紛れていようと、僕の目なら見抜ける。
麗ちゃんが柱になって大分経ってるので、このように『透き通る世界』を前提とした任務が振られます。
経験値も低く、通常プレイではあまり旨味のない街中の警邏ですが、上弦エンカウントガチャを避ける&強化の必要のない縁壱スペックであれば全てが上手く噛み合います。
さてさて、軽く雑魚鬼を滅!!していきましょう。
「なっ!てめぇまさか柱――」
・路地裏に隠れていた鬼を発見、頸を斬る。
はっや。
まぁ当然ですね(神速の切り替え)、報酬画面もスキップスキップ。
・以前よりも鬼の平均的な強さが上がっているようにも感じる……それも二ヶ月近く前から……
・無限列車での事は、無惨にも無視できない事だった?
正っ解!
無惨様は何だかんだでおバカではありますが、しかし決して甘くはないお方です。
童磨に続き猗窩座殿もやらかしてしまった結果、割と血を分ける行為に抵抗を抱かなくなっております。
どれくらいかというと、あの轆轤(下弦の弐)に『血をください!オナシャスセンセンシャル!』されても渋々やってくれる程です。
無惨様はさぁ……もっと本気出した方がいいと思うよ?
まぁ本気出されたらこっちが困るんで是非そのままでいて欲しいんですけどね奥さん。
一応無惨様を主役にした『鬼殺隊崩壊RTA』において最も効率的な手段は、鬼殺隊の規模が最も小さい&呼吸もない戦国より前の時代で貧血覚悟で血をばらまく事だったりするので、やはり純粋な『物量』って最強なんですよ。
あ、縁壱は例外です。
・僕だけじゃ駄目だ。皆が強くなっていかないと。
・僕一人が強いだけじゃ、この連鎖は止まらない……
これは後々来る予定の『柱稽古編』の伏線ですね。
不穏な台詞とは裏腹に好調度が一切変化していないのがその証拠、ありがたいですね。
「カアーッ伝令!伝令ィ!」
・また別の鴉が飛んできた、また鬼の目撃情報?
デイリー任務(狩り)はまだ継続中ですから恐らくそうでしょうね。
このまま警邏を続けつつ、きたる『遊郭編』の過ごし方を考え……
・内容は――耀哉様からの直接の呼び出し?柱合会議でもなく?
ヘァ!?
いやちょっと待てくださいよオオヤサン!(剣)
ここに来て新たなイベント?しかもお館様相手!?何もフラグ立てた記憶ないんですけど私。
「一体何が…………」
・とにかく行ってみないと話は進まない、悩むのはそれからだ。
うーん……こればかりはガチで投稿者も予測できてなかったタイプです。
つまりガバチャートだろって?そんなの警邏の度に上弦エンカウントガチャ回してる時点で今更だから仕方ないね(レ)。
では早速近くにいる『隠』にお願いして移動開始。
~少女移動中~をしていきますよ~イクイク…………
花柳麗は屋敷の前に立っていた。
夜の帳が消え、白い陽光が射しだした頃。
低く連なる瓦屋根が、陽光を淡く弾き、夜明けの太陽に負けじと輝いている。
竹林を撫でる風の乾いた音。それに規律すら感じる程の、静まり返った屋敷の空気。
草履を脱ぎ、『産屋敷邸』の磨かれた廊下を音を立てず歩く。
埃の一つも落ちていない手入れの行き届いた板張り。
一夜かけて冷やされたそれを、麗の常人を凌駕する体温が足裏で一気に温める。
薬草か、それとも香か何かか。
いつも静謐さを放つ屋敷の空気に、気のせいではない確かな匂いが秘められている。
一部ではなく、屋敷全体に行き届く程のそれは『彼』の症状がそれ程までに重く、そして懸命に看病をした過去を物語る。
奥の間を通り、麗は床に伏せる『彼』へ、頭を垂れて膝を折る。
最後に見た時より、額を侵す『呪い』は大きく変貌していた。
既に光を映していなかった白い眼は、まるで充血しているかのように真っ黒に変わっていて、見ているだけで苦痛だった。
透き通った視界を持つ麗には、既に彼はいつ死んでもおかしくない状態である事、それも最悪の場合、数週間後に死ぬであろう状態である事が分かる。
息を吸う、吐くという普通の行動にすら、のたうち回るような激痛が走る。
それなのに彼は、産屋敷耀哉は冷や汗の一つも表に出さない、強靭な精神力で声を出した。
「久しぶりだね、麗」
「…………はい」
布団の上に横たわる、細く、すぐに崩れてしまいそうな身体。
しかし、その存在は決して弱々しく等なく、炎のように燃える、柱にも劣らぬ威厳が感じ取れる。
肘をつき、なんとか上体を起こそうとする耀哉を、麗は止める。
「耀哉様、無理をする必要は……」
「いや、いいんだ」
身体が震えている。
一つの部位を動かすだけで、全身の神経と内臓が悲鳴を上げている。
それらが全て見えているからこそ、麗はいたたまれなくなる。
「…………君は優しいね」
血が僅かに混じり、掠れた声。
それでも、その特別な声は麗の耳によく通る。
「ごめんね。私の身体は、君に見せたくないものを見せてしまう」
「……そんな事ありません」
人より優れた力を持つ麗でさえ、耀哉の前では一人の部下。
単純な力関係ではない、別の形での信頼と親愛が、両者の間にはあった。
「麗」
耀哉は静かに息を整え、光を映さない両目を向ける。
「君に、お願いしたい事があるんだ」
「…………それは」
「君だけに頼みたい事なんだ」
その言葉に思わず、麗は背筋を伸ばす。
麗の透き通った視界は、今屋敷にいる『柱』が自分一人だけである事を把握している。
彼の言葉を疑うつもりは毛頭ない。
が、それでも正直信じられないのが事実だった。
「何故、僕なのですか」
認めよう。
強さという一点のみで見るならば確かに、自分が最も優れている自覚がある。
剣術の力量はさておき、純粋な筋力で見れば、あの悲鳴嶼行冥すらも超える特異体質は、こと戦闘において一切の不都合はない。
だが、強いだけで事が解決する程この世界は簡単ではないのだ。
頼れる人間とは、彼らのような人たちのこと。
麗は卑下でも何でもなく、客観的かつ適切な評価としてそう考えている。
「君の目を信じたいんだ」
「…………」
「君の平等な目なら、任せられると思ったんだよ」
「……内容は」
部屋の空気が僅かに張り詰める。
充血して真っ黒に染まった目に昔、麗が『煌柱』になったばかりの時に見せた、白く鋭い意思の光が宿る。
そして。
「ある鬼を探して欲しいんだ」
その言葉を聞いた時、麗は自身の胸に小さな波紋が広がったのを感じた。
『鬼』。
『探して欲しい』。
他の誰でもなく、自分を選んだ理由がそこに込められていた。
「それは上弦の鬼ですか」
「……いいや、違う。だけど上弦にも劣らない……古い鬼だよ」
「古参の鬼。……名は」
「珠世さんに」
次に紡がれるのは、本当に短い言葉だった。
「彼女に、会いたいんだ」
「――――――」
それは切に願う言葉でありながら、同時に鋼を打つ槌のような確かを孕んだ声色。
麗は口を閉じ、そして考える。
思えばあの『柱合会議』そのものは、産屋敷耀哉にとって通過点の一つだったのだろう。
鬼殺隊の理念、前提が下手をすれば瓦解してしまうあの選択。
それが、竈門禰豆子という鬼が一つの『通過点』であるとするならば、その『到達点』とは一体何か。――どのような『鬼』なのか。
「……竈門禰豆子を、皆に認めさせたのも
声が無意識のうちに低くなっていた。
「個々が納得できるかどうかは置いておくとして、形式だけでも『例外』を一度でも認めれば、続く『例外』も滞る事なく受け入れられる」
「…………」
「竈門禰豆子が鬼になった直後の事は、義勇さんの口から聞きました。義勇さんに刺され、傷ついても尚、竈門禰豆子は食人欲求を抑え込んで見せた事。――それを、
「……………………」
「知ってたんですね」
麗の声は、鋭く室内に響いた。
耀哉の反応は、沈黙。
静かに、何も映せない死んだ眼を麗に注ぎ続け、己の生きた意志を突き付ける。
それを咎めるつもりは、麗にはない。
「その鬼の捜索に僕を選んだのは、僕の視界が理由ですか?」
「…………そうだね、それも確かな理由の一つだ」
「……理由が複数あるんですか?」
「……うん。と言っても、これが最後だけどね」
掠れた声が続いていく。
肘を立てて、無理をして上体を起こし続ける耀哉は、もうとっくに体力の限界を迎えている筈。
それでも、彼は身体に一切の震えも出さないまま、麗と目を合わせ続けていた。
疑念自体はある。
そもそも、花柳麗とは元より他の柱たちとは違って、耀哉に対し強く崇敬の意を向けている訳ではない。
悪い方の意味ではなく、俯瞰という名の、程よい冷たさを持って接する人間だ。
疑念が消える事はない。
だがそれは、麗が耀哉に抱く信頼を覆す程のものでもなかった。
「君なら信頼できる。君ならきっと、あの
「…………」
勘。
普通なら、何を世迷い言をと一蹴されるであろう耀哉の言葉。
だがその真価を知らぬ者は、柱の中には一人もいない。
「そうですか」
人の心を安らかにさせる特殊な声と、『先見の明』とも称される産屋敷家の異能。
幾多の危機を回避し、財を成して来たその力が、自分を相応しいと言うのなら――。
「分かりました」
はっきりと、麗は迷いなく言った。
「珠世なる鬼の捜索、引き受けさせていただきましょう」
一瞬の沈黙。
耀哉の顔に、僅かな安堵の色が浮かぶ。
「…………ありがとう、麗」
耀哉が軽く、弱々しい息が吐き出されると同時、鋭い羽音が鼓膜を叩いた。
頭上で影が舞い、それはゆっくりと麗と耀哉の間に降り立ち、羽を広げた。
鎹鴉だ。
だが目の前にいる個体は、普通の隊士に支給されるものとは違い、一回り以上大きく、そして目にはより理性的な光が宿っている。
こつ、こつ。
そう二歩こちらに寄って来た鴉は、そのまま口を開いて喋る。
「初めまして、花柳麗様」
他の鎹鴉とは比べ物にならない程流暢に。
本物の人間のように、しっかりと芯の通った低い声。
その顎を優しく摩り、麗と鴉はしっかりと見合う。
「吾輩のこの身を、あなた様に暫く預けましょう」
「――うん、よろしく」
吉原の遊郭にて『上弦の陸』が討伐される二ヶ月前。
物語の裏で、新たな『変化』が鬼殺隊に訪れようとしていた。
崩壊学園プレイに伴い最後の投稿が一年以上前の原神の短編をほったらかしにしていた事を思い出してしまった。
いつかあっちもちゃんと終わらせないと……